事業・新築増改築
前ページの「金銭運」にも関連して、今回は事業運及びマイホーム取得に関しての命式の吉凶および流年運気に関する考察をしていきたいと思います。
格式別事業運 新築・増改築
格式別事業運
格式別事業運
吉 |
半吉 |
凶 |
大凶 |
仮傷官生財の命
財官印三宝の命 |
官印両全の命
財官双美の命
食神生財の命
傷官生財の命
食神制殺格 |
官殺混雑の命
多財身弱の命
官殺大過の命
多印身弱の命
五行大過 |
財殺の命 |
事業運の良い格式
仮傷官生財の命と財官印三宝の命は、前ページの「金銭運」で解説しています。基本的な事柄に関しては同じですので、そちらを参照されて下さい。上記の2つの格式が起業家・事業主にとって最も望ましい命式といえます。
事業運のやや良い格式
このページをご覧の皆様方のうちの何割かは、自分自身の生まれ時間が分からない方がいらっしゃると思います。四柱推命とは基本的に生まれ時間を含めた4つの柱で構成されます。しかし、生まれ時間が分からない場合は時柱は無視され、年・月・日のみの三柱にて宿命・運気運勢を分析します。この場合は年柱と月柱の変通星のみで判断する為、2つの変通星のカラミによって宿命・運気運勢を分析する事になります。上記の表の半吉の場所にある格式は、すべて2つの変通星のみによる格式です。すなわち生まれ時間が分からない場合における事業運に関する良い格式だと判断して下さい。
1.官印両全の命…四柱天干変通星のうち、官星(偏官星・正官星)と印星(偏印星・印綬星)がひとつずつ出ている命式を「官印両全」の格式と言います。これは上記の「財官印三宝」の格式から財星(偏財星・正財星)が欠けた格式です。ただし、官星・印星すべてが陽の星(正官星・印綬星)であれば最高の格式と言えます。もし偏印星や偏官星が混じるようだと吉運は衰えます。
この格式を持たれている人は基本的にサラリーマンあるいは公務員タイプといえます。このタイプの人たちが独立されて事業を起こされる場合には、堅実な職種を選ばれる事が成功へのポイントといえます。具体的には、1発ヒットを当てるクリエーティブな職種ではなく、確実に利潤の出る大企業の下請け・関連事業かそういった企業と連携した事業が向いています。
2.財官双美の命…四柱天干変通星のうち、財星(偏財星・正財星)と官星(偏官星・正官星)がひとつずつ出ている命式を「財官双美」の格式と言います。これは上記の「財官印三宝」の格式から印星(偏印星・印綬星)が欠けた格式です。ただし、財星・官星すべてが陽の星(正財星・正官星)であれば最高の格式と言えます。偏財星ならまだマシですが、もし偏官星が混じるようだと吉運は衰えます。
この格式を持たれている人は基本的に金融関係の事業は避けた方が無難かと思います。もともと財星と官星に星がある為、大運・流年にて財星と官星に星が固まった場合には財殺の危険が出てきます。これらの事から考え、また財星にはサービスという意味も含まれている事からも、大金を扱う職種ではなく技術やサービス主体の事業が向いています。
3.食神生財の命…四柱天干変通星のうち、食神星と財星(偏財星・正財星)がひとつずつ出ている命式を「食神生財」の格式と言います。これは上記の「仮傷官生財」の格式(食神星を含んだ場合での)から泄星(食神星・傷官星)が一つ欠けた格式です。
この格式を持たれている人は基本的に商売関係の事業が向いていると言えるでしょう。人当たりが良く誰からも愛されるタイプの人柄の故、まわりのみんなが盛り立ててくれ困った時には誰かが援助・助け船を出してくれる事でしょう。また、ターゲットの客層としては高級インテリジェンスよりも大衆相手の商売に特化された方が成功のチャンスは高まります。
4.傷官生財の命…四柱天干変通星のうち、傷官星と財星(偏財星・正財星)がひとつずつ出ている命式を「傷官生財」の格式と言います。これは上記の「仮傷官生財」の格式(傷官星を含んだ場合での)から泄星(食神星・傷官星)が一つ欠けた格式です。
この格式を持たれている人は基本的に専門分野に特化した事業が向いていると言えるでしょう。傷官星から来るアイデアやインスピレーションにより、「無から有を生ずる。」事業プランや新規サービス・付加価値の高い新商品の開発など、他では真似の出来ないオンリーワン的技術やサービスを供給出来る能力が備わっています。ターゲットのクライアントとしてはハイソサエティーです。
5.食神制殺格…四柱天干変通星のうち、食神星と偏官星がひとつずつ出ている命式を「食神制殺」の格式と言います。
この格式を持たれている人は基本的に衣食住関係か子供相手の商売に関する事業が向いていると言えるでしょう。食神星から来る愛嬌と偏官星から来る猪突猛進型の思い切りの良さにより、客商売に必要なサービス精神とやる時にはやる決断力とがミックスされていて、上記の事業には向いていると言えます。
注意) 上記の五つの格式を構成する、すべての天干変通星のエネルギーが強くなくてはいけません。もし、エネルギーが弱い場合は上記の説明とは違う現象が起きてきます。
事業運の悪い格式
ここの説明も上記「事業運のやや良い格式」同様、すべて二つの変通星のみによる格式です。(五行大過を除く。)
1.官殺混雑の命…四柱天干変通星のうち、自星(比肩星・劫財星・敗財星)と官星(偏官星・正官星)がひとつずつ出ている命式を「官殺混雑」の格式と言います。
この格式を持たれている人は基本的にせっかちで、まず頭脳労働には向きません。つまり営業など体を使った外交での活動は得意ですが、企業経営などといった知的労働を伴う活動は非常に苦手とします。つまり、企業家としてはあまりふさわしくない格式と言えます。
2.多財身弱の命…四柱天干変通星のうち、財星(偏財星・正財星)が二つ並んだ形の命式を「多財身弱」の格式と言います。
この格式を持たれている人は基本的に活動力・指導力が多少劣ります。グループの長になって指導的立場の仕事をするのでは無く、グループの中では上からの指示を受けて活動を続けるタイプといえます。つまり、企業家としてはあまりふさわしくない格式と言えます。
3.官殺大過の命…四柱天干変通星のうち、官星(偏官星・正官星)が二つ並んだ形の命式を「官殺大過」の格式と言います。
この格式を持たれている人は基本的にプライドが高く他者に頭を下げることが困難になります。プライドが邪魔をして、他者から素直に情報などを入手出来づらくなります。仕事の襟好みも出てきます。つまり、企業家としてはあまりふさわしくない格式と言えます。
4.多印身弱の命…四柱天干変通星のうち、印星(偏印星・印綬星)が二つ並んだ形の命式を「多印身弱」の格式と言います。
この格式を持たれている人は基本的に活動力・指導力が多少劣ります。グループの長になって指導的立場の仕事をするのでは無く、グループの中では理論や実務といった総務的活動を続けるタイプといえます。つまり、企業家としてはあまりふさわしくない格式と言えます。
5.五行大過…命式(四柱八星)中の八つの星のうち四つ以上が五行の同一の位置に集中している状態を指します。(二カ所に大過する場合は下記の影響力はかなり増大します。)
このような命式を持たれている人は、自星・泄星・財星・官星・印星、どの星が大過したとしても五行のバランスを欠き大過した星のマイナス面が強く表れます。また、流年運気においても大過している場所には必ず運気の変動が惹起する事が予測されます。つまり、企業家としてはあまりふさわしくない格式と言えます。
事業運の最も悪い格式
財殺の命は、前ページの「金銭運」で解説しています。基本的な事柄に関しては同じですので、そちらを参照されて下さい。この格式が起業家・事業主にとって最も悪い命式といえます。
新築・増改築
新聞の折り込み広告には必ずといっていいほど各住宅会社のチラシが入っています。私の知人にも建売住宅を販売している不動産屋の社長がいますが、一般家庭のマイホーム取得願望はかなり強いそうです。ここでは、マイホーム取得及び増改築に関しての良い流年運と避けた方が良い流年運に関して考察していきたいと思います。
新築・増改築に良い流年運・悪い流年運
|
流年運 |
大吉 |
偏官星・正官星 |
吉 |
食神星・傷官星・偏財星・正財星 |
半吉 |
偏印星・印綬星 |
凶 |
比肩星・劫財星・敗財星 |
*まず最初に、四柱推命における新築(マイホーム取得)と増改築の区分をします。新築とはそのものずばりマイホーム取得を指し、一家の主の流年運気にて取得した方が良いのか避けた方が良いのかを判断します。増改築の場合には、床面積の半分以上を施工する場合には新築に準ずるとし、新築同様の運気判断をします。なお、床面積が半分未満の場合には流年運の吉凶判断は全く無視してもよいと思われます。すなわち、主の流年運気がたとえ凶運気であったとしても増改築の施行に関しては問題なしとみます。
新築・増改築に良い流年運
官星(偏官星・正官星)には出世という意味があり、この事は流年運気にも当てはまります。マイホーム取得とは、ある意味において人生における出世と同じ意味合いがあると思われます。すなわち、マイホーム取得および大掛かりな増改築を望まれるご家族にとっては最高の運気と言えます。この流年運ならば、希望される条件での新築・増改築が施工出来る可能性が高くなります。
新築・増改築に悪くない流年運
泄星(食神星・傷官星)流年運と財星(偏財星・正財星)流年運は基本的な運気が良好な為、新築・増改築に関しても吉と見ます。ただ運気の質そのものは優しく、ハングリー精神的熱意がそれほどでもないので、ご家族が希望される条件としてはほどほど程度の条件でのマイホーム取得および大掛かりな増改築と言えるでしょう。財星(偏財星・正財星)流年時にはやや高い買い物をするかもしれません。
新築・増改築にやや悪い流年運
自星(比肩星・劫財星・敗財星)流年運の直前の流年運、すなわち印星(偏印星・印綬星)流年運の第二年目が新築・増改築にとってやや悪い流年運とみます。これは、新築あるいは増改築をプランし実施し完成する前に運気の下落が始まる為、運気的にはやや劣るとみます。また、印星流年時においては何事に対しても慎重になりすぎる為、ご家族が希望される条件としては後ろ向きになりやすくなります。
新築・増改築に悪い流年運
自星(比肩星・劫財星・敗財星)の流年運には全ての運気が停滞します。新築・増改築に関する運気が停滞するのは当たり前の事、ご家族全体への健康状態に対する影響力も凶運となってしまいます。上記流年運時に新築および大掛かりな増改築を施行された場合には、ご家族の中でいちばん健康状態の弱い方(ほとんどの場合はお年寄り、ごくまれに極端に健康状態の悪い子供)に不幸が訪れる危険があります。
これで、事業・新築増改築の説明を終わります。
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