男女の相性
私の四柱推命では、男女の相性を判断する際には四つのセクションから判断しています。四つのセクション全てがベストとなる男女のカップルはまずいません。四つのセクション各々の良否を総合的に判断して、カップルの相性診断をしています。
それでは判断の材料となる四つのセクションについて、順を追って以下に説明していきたいと思います。
1.陰陽のバランス 2.運気の巡り合わせ 3.絆 4.恋愛星同士の相関関係
1.陰陽のバランス
ここで説明する陰陽とは女性と男性とを指すものでは無く、「氣」の強さを表します。
具体的に解説すると、男女いずれか一方が強い命式ならば片方が優しい命式という具合いでの陰陽のバランスを指します。あえて説明する必要は無いかもしれませんが、男性の「氣」が強く、女性の「氣」が優しいカップルがベストと言えます。
例として、男性の命式が官星大過や自星大過などの場合には、女性の命式が多印身弱や多財身弱などのカップルが理想的と言えます。男性と女性の命式が上記の逆の場合でも相性的には吉と見ます。ただし、カップルの主導権は女性が握る事となります。
バランスが悪い場合
男女共に「氣」が強い(強い命式)場合…お互いが主体性の強い者同士となり、結び付きが速い半面、主導権をどちらが握るかで絶えず精神的に戦う事となります。運気の巡り合わせの悪い流年運時には相当激しくぶつかり合う事から、相性的には凶の側面が強くなります。
男女共に「氣」が弱い(優しい命式)場合…お互いが主体性の弱い者同士となり、結び付きが弱くなります。いわゆる歯車がかみ合わない状態と言えます。リードする側が存在しない事から、男女共にお互いに対して絶えず不安と不信を抱くカップルになりがちです。運気の下降する流年運時には、自然消滅的な別れや家庭内別居の様相になりがちです。相性的には凶の側面が強く出ます。
*男女の陰陽のバランスをわかりやすいたとえ話にすると次のようになります。
モチつきを御覧になった方は理解できると思いますが、一般的には男性が杵をつき女性が餅をこねます。これが理想的な陰陽のバランスだと考えて下さい。男女間では逆のパターンもあり、女性が杵をつき男性が餅をこねるケースもしばしば見受けられます。それはそれで、男女間の主導権が女性主体のカップルとして相性的にはうまくゆくものです。問題なのは、次のようなケースに相性的な問題点が惹き起きてきます。
たとえ話の続きで説明すると、餅つきの際に男女二人が両方とも杵をつくとどうなるでしょうか? 最初のうちは杵つきの回転が二倍になるところから、餅はいつもより早く出来上がるかのように見えます。ところが餅つきを続けているうちに二人の呼吸が合わなくなり、最後には杵と杵がぶつかり合う状態が惹き起きてきます。これが、男女間における相性的な凶現象のトラブルだと考えて下さい。つまり、男女とも「氣」が強い場合「陽対陽の対立」となり、どちらとも自分自身が主導権を握ろうとして杵と杵がぶつかり合う状態が惹き起きてしまうものなのです。
次に、餅つきの際に男女二人が両方とも餅をこねるとどうなるでしょうか? これではいつまでたっても餅は出来あがりません。つまり、この場合では男女両方とも「氣」が弱い為「陰対陰の対立」になってしまい、お互いの結び付きが弱く不安定な状態が続く事になります。
2.運気の巡り合わせ
前ページの「離婚しやすい流年運の組み合わせ」で解説したように、男女の流年運の巡り合わせ自体にも相性の吉凶が存在します。良い運気の巡り合わせとは、男女お互いの日干が相生関係になる場合を指します。逆に悪い運気の巡り合わせとは、男女お互いの日干が相剋関係か同一五行になる場合を指します。
男女お互いの日干が相生関係になる場合…男女どちらか一方が自星(比肩星・劫財星・敗財星)流年運で運気の低下があったとしても、片方が印星(偏印星・印綬星)か泄星(食神星・傷官星)の流年運で運気的に良好な為、運気の悪いパートナーを支える事が出来ます。
男女お互いの日干が相剋関係になる場合…男女どちらか一方が自星(比肩星・劫財星・敗財星)流年運で運気の低下があり、片方が官星(偏官星・正官星)流年運になった場合、前ページで解説したような精神状態となり、男女間に危機が訪れる可能性が高くなります。
男女お互いの日干が同一五行になる場合…この場合男女とも同一時期に自星(比肩星・劫財星・敗財星)流年運で運気の低下が重なる事から、前ページで解説したような精神状態となり、男女間に危機が訪れる可能性が高くなります。
3.絆
男女各々の四柱干支にいくつ干合・支合・三合会局(三局)があるかによって、その男女間の絆の強さを推し測ります。
干合・支合・三合会局(三局)の早見表
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木 |
火 |
土 |
金 |
水 |
干合 |
壬丁 |
戊癸 |
甲己 |
乙庚 |
丙辛 |
支合 |
寅亥 |
卯戌 |
子丑 |
辰酉 |
巳申 |
三局 |
亥卯未 |
寅午戌 |
局せず |
巳酉丑 |
申子辰 |
男女の絆の強さを干合・支合・三合会局(三局)の数で推し測る事についてわかりやすくたとえ話をすると次のようになります。
海に二艘の船が並んで停泊していたとします。この二艘の船が男船と女船です。普段は何の問題もありませんが、嵐が来た時に二艘の船はバラバラになってしまいます。もしバラバラになる事を避けようとすると、二艘の船に対してロープを張らなければいけません。しかしロープが一本では大きな嵐の時にはすぐに切れてしまいます。では何本ならば大丈夫かと言いますと、三本以上あれば一応大丈夫と見ます。男女間における嵐とは運気の乱れを指します。男女間に三本以上の干合・支合・三合会局(三局)があれば一応このカップルの絆は強いと見ます。本数は、たくさんあればあるほど絆の強さは強くなります。
また男女間に完全三局があればこのカップルは運命的なつながりがあると見ます。次に、日支同士の支合がある場合は他の合と比べて絆のエネルギーが強いと見ます。
最後に「刑・冲・破・害」のページでも取り上げた、天戦地冲についてもう一度解説します。
男女の相性を見る場合、お互いの日干支がこの「天戦地冲」(意味として、天で戦い地で弾く。)になった場合は最悪のカップルとみます。男女間の相性ではありませんが、最悪の相性という意味でひとつの例を提示いたします。「方合・七殺・空亡(天中殺)」のページでも例題として取り上げました、「神戸の小学生さらし首事件」の加害者と被害者の二人の相性について取り上げます。加害者の日干支が「辛卯」。被害者の日干支が「乙酉」です。さて、被害者の日干「乙」に対して加害者の日干「辛」の相関関係は「七殺」。被害者の日支「酉」に対して加害者の日支「卯」の相関関係は「七冲」です。つまり彼らの相関関係は「天戦地冲」そのものだったわけです。
これで「天戦地冲」が最悪のカップルだという事を認識出来てもらえたと思います。
4.恋愛星同士の相関関係
恋愛星
四柱推命では日支変通星を別名「恋愛星」と言います。何故日支変通星が別名「恋愛星」と言われるのかを説明いたしますと、四柱推命では日干を自分自身の星とするのに対して日支を自分の配偶者の星とみます。という事は、まず日干変通星は全ての人間が比肩星になります。その比肩星に対して配偶者あるいは恋人の星となる日支変通星がどのタイプの星が出てくるのかによって、自分がどの様な恋愛対象者(結婚相手)と交わっていくのかが宿命的に推測出来るわけです。こうした意味から、日支変通星を「恋愛星」と呼びます。
恋愛星同士の吉凶関係
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男 性 |
女
性 |
|
比肩星 |
食神星 |
偏財星 |
偏官星 |
偏印星 |
比肩星 |
半吉 |
大吉 |
大凶 |
凶 |
吉 |
食神星 |
吉 |
半吉 |
大吉 |
大凶 |
凶 |
偏財星 |
凶 |
吉 |
半吉 |
大吉 |
大凶 |
偏官星 |
大凶 |
凶 |
吉 |
半吉 |
大吉 |
偏印星 |
大吉 |
大凶 |
凶 |
吉 |
半吉 |
*上の表が男女の恋愛星同士の吉凶関係を表しています。
男性を中心とした場合、女性から生じられる関係にある星が大吉で、女性に対して生じる関係にある星が吉となります。男女とも同じ恋愛星の場合は半吉となります。次に、女性から剋される関係にある星が大凶で、女性に対して剋す関係にある星が凶となります。
女性を中心とした場合、男性から生じられる関係にある星が吉で、男性に対して生じる関係にある星が大吉となります。男女とも同じ恋愛星の場合は半吉となります。次に、男性から剋される関係にある星が凶で、男性に対して剋す関係にある星が大凶となります。
*注意、男女とも食神星が同一五行に大過する場合は食神星では無く傷官星として判断しなければいけません。この場合、食神星と傷官星の性質はまるで違うものですから一般の方には理解出来ない判断となります。
以上述べた四つのセクション各々の良否を総合的に判断して、カップルの相性診断をします。男女の相性診断はかなり高度な技術を必要とします。
余談ですが、コンピューターのプログラムで男女の相性診断などがありますが、悪い結果が出たとしてもあまり深刻になる必要はありません。何故ならば、上に記した四つのセクションをすべてプログラミングしようとすると膨大な量になります。いろいろなサイトにある無料相性診断などは、ほとんどの場合簡単なプログラムで判断しています。その程度ですので気にする必要はありません。
これで男女の相性の解説を終わります。
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