納音
陰陽五行の五行(木・火・土・金・水)を「正五行」と言うのに対し、干支の五行を「納音(なっちん)五行」(別名、「氣の五行」)と呼びます。干支には、天の氣を司る天干と地の氣を司る地支とがあり、本来天干と地支は別個の五行を形成します。これに対し納音五行は天干と地支がひとつの氣に合体し、ひとつの五行に集約・変換された状態なのです。
正五行と納音五行の違いを簡単に説明すると、正五行は陰陽五行理論のみなのに対し、納音五行は陰陽五行理論+易理論がミックスされているのです。
易思想とは…古代中国では、陰陽21→四象22→八卦23という、陰陽五行理論とは別に易理論(2の乗数思想)が発展していきました。この易理論は、宇宙森羅万象すべてを陰と陽の普遍的カテゴリーに分類し、それから更に各々を陰と陽のカテゴリーに分類しこれを四象と呼び、更に四象を陰と陽に各々分類し、これを八卦と呼びます。つまり、宇宙森羅万象を陰と陽の二つのカテゴリーに分解し続ける思想そのものが易理論と言えるのです。例えば、四象という発想は中国だけでなくヨーロッパでも古代からあり、欧州では四つの普遍的カテゴリーを「風・水・火・土」として表しています。
易理論の正しさを証明するひとつの物的証拠として、DNAの構造と八卦の構造の相似性をあげる事が出来ます。生物細胞の基礎組織であるDNAの構造は三連構造になっており、八卦の三連符と同様の仕組みになっています。またDNAの場合一つの層では、A(アデニン)・T(チミン)・G(グアニン)・C(シトニン)の四つの塩基があり。それが三層で組み合わさっている為、単純計算すれば43で64パターンの組み合わせが考えられます。そして、八卦も上下に組み合わせた場合六十四卦となり、64パターンの組み合わせが成立するのです。
このように、宇宙森羅万象と我々人間を含む生物は基本的な構造ではほとんど一緒なのです。だからこそ、人体を大宇宙に対する小宇宙と呼ぶのです。
納音は四柱全ての干支にあるので、本来は年柱・月柱・日柱・時柱それぞれの納音を判断すべきところですが、四柱・命式に対する影響力を重視した場合、日柱の影響力がズバ抜けて強いところから、今現在一般的に納音を指す場合は日干支の納音を指します。私の四柱推命でも納音は日干支を指します。
ちなみに年柱の納音は、その年の社会全体の様子・風俗・影響力などを指します。
納音の意味
1)海中金(カイチュウキン) → A)甲子 B)乙丑
深い海の中から金を拾ったという意味。海の中を舞う砂金の様な星。五行が安定していると大成する事もあるが、五行がかたまっていると、失敗する事も多い。大運やその他に変な星が出てきた場合には失敗の可能性が非常に強い。
A)甲子 沐浴
無理をしないで堅実に平穏に物事を進める事が必要。沐浴になるので子供の時、親と縁が薄かったり苦労が多いという意味になる。兄弟があっても、沐浴があると余り力になってくれない。そのかわり、大運がよくなったり、又中年から安定してくる。苦労が多い星なので、自我心が強い人が多く、流年が比肩や偏官の時は充分、注意をしながら渡ってゆかないといけませんよと言う。妥協性が少ない。だから、出来るだけ妥協しながら渡って行くという事。波乱が多い。
B)乙丑 衰
一般的に大人しい人なので、A)甲子のように失敗する事は少ない。しかし、同じように親の縁は薄く、時には結婚に破れる場合がある。特に女性の海中金のB)で五行に官星が多い場合には結婚運に破れる事も多い。大運によって良くもなるが、大運の悪い時には注意しないといけない。女性は職業的なものは伸びるが、結婚に破れやすいので、五行が安定しないといけない。学者・技術者・コンピューターで成功している人が多い。
2)炉中火(ロチュウカ)
→ A)丙寅 B)丁卯
天と地に火の竈(カマド)を生じて、全てのものが初めて活動するところからこの名前が付いた。概して良い星。
A)丙寅 長生
運命の流れが活動的。長生でもあり若い時代から運気が発展する。また若い内に独立する事によってどんどん発展する。一般に婚期が早く妻徳がある。凶星にあったり、五行がかたまらなければ、夫婦縁に恵まれて発展する。たとえ末子でも親の恩恵を受け、又第三者の力を得て若くして発展し、独立して成功している人も多い。男性だったら社会的に相当な地位名誉が得られる。五行が安定していてサラリーマンをしていても、やがては自分で独立独歩の道を歩き相当発展する。男女とも名をなして社会に活躍している人が多い。女性でも非常にしっかりしていて、学者なども多い。この星が出ていれば努力しだいで将来は立派れるし、又それだけの成果は間違いなく上がる。
B)丁卯 病
親の縁が薄い。親があっても頼りにならない。だいたい、親元を早く別れて中年より安定して運気が活動するが、一般にこの運の人は体が弱い人が多いので注意が必要。しかし中年以降、晩年にかけては健康ばかりではなくて運命的な強さがある。女性によい。今は苦労していても、耐え難きを耐えて行けば、中年以降に発展する。しかし、芯の強い人ではないので、健康には一応気をつけなければならない。
3)大林木(ダイリンボク)
→ A)戊辰 B)己巳
育って行く樹木のような星。性格は寛大で、どんなものであっても、どんな事であってもそれを育てようとする。丁度、天地の母なる大地が太陽の光で草木を育てる事からこの名前が生まれた。慈悲心が強く、中には宗教的な観念が強く宗教家にも多い星。人に尊敬され社会の上位に立つ人が多い。凶星に逢わなければ、社会に出て成功しますと言われるが、木ばかりかたまったり、又はそれを剋する官星ばかりかたまった場合にはこの大林木も折れてしまう。
A)戊辰 冠帯
努力して成功する人が多い。冠帯は母なる大地。肉親思いで家族に対する責任感が人一倍強い。この星をもった子供はちゃんと親の面倒を見てくれる。一歩一歩歩く純真な方が多い。男女とも初婚に失敗しやすいが、男女とも再婚が可能。住居の移転も多い。金銭感覚が乏しいので、お金を流しやすい。若い時には苦労をするが、中年以降には必ず発展する。偏屈な一面があるので、学問や芸術家に多い。
B)己巳 帝王
活気があり社会性に富み努力する。行動的で外に出てどんどん仕事をするので人の上に立って成功し、名声を得る。運命が頂点に達した時、急落する恐れがあるので、頂点に立つより、専務常務等の2や3の位置にいた方が安全。子供の頃に勉強もせず、親を心配させても将来は強い生きたをして頂点に行ける子である。仕事は特殊な商売、特殊な仕事がいい。女性でも社会的に相当な地位に行く。人に慕われ人気を得るという意味になる。
4)路傍土(ロボウド)
→ A)庚午 B)辛未
人生にむらが多く運命的に活気がなく発展がうすい。特に多印だとなかなか結婚もしない決断も出来ない。チャンスや運を逃しやすい。運気の好転の時も眺めてチャンスを逃してしまい、凶事の時もよけて行く事をしないで、ただまっすぐ歩いてひどい目に会ったり、わびしく人生を終わる星。積極的生き方に変えて行くようにしないといけない。
A)庚午 沐浴
親の縁が薄く小さい時から苦労が多い。人の言葉に余り耳を貸さない。親兄弟との円満に欠ける。対人関係も悪い。消極的すぎるから周りの人が相手にしなくなる。愚痴っぽい為に人に敬遠されたりする。男女とも結婚が良くない。女性のばあいは夫に満足出来ない。だから離婚になるケースも多い。官殺混雑や、傷官・遍財の場合だったら路傍土に見えない場合もある。多印身弱だとつかみどころがなくて困る。路傍土の一番程度の低いのは、飲み屋のお姉ちゃんが多い。
B)辛未 衰
五行や四柱が悪ければ、本当に内気な人が多い。いつも、もの思いに耽っている点がある。大勢の中に出る事を嫌う。自分の運命を良く知って若い時から努力し、行動を起こさないといけない。心配症で物事を悪く悪くとる傾向がある。自分の判断や人生に自信を持つ事が一番大切な星。職業は研究者、学者、芸術家について勉強していった方がいい。
5)釼鋒金(ジンポウキン)
→ A)壬申 B)癸酉
ステンレスや鉄板のような強靭な運の星。精神的にも肉体的にも鋼鉄のように強い事を意味している。性格も強い。どんなに叩かれようが何しようが、耐える時は耐え、そして伸びる時は伸びるという事。たとえ逆境に入っても、鉄板がよく跳ねるように、必ず跳ね返って来る。とても強くて運命に負ける事がない。性格も勘が鋭いために、物事の判断力が非常に的確。だから、世に出る人も多い。
A)壬申 長生
運気に福運があって、若い時には人の信頼と寵愛を受け。妻徳があって、結婚にも恵まれる。大体、女性は美しい人が多い。他に五行や変通星が良ければ内助の功があり、職業は男性的な仕事が良い。五行・四柱が良ければ上部の仕事に就ける。女性は頭が良くて、国家公務員とか事務官とか、なかなかやり手が多い。
B)癸酉 病
A)のような強い発展は望めないが、中年から発展があり、親のが薄く、親元を早く離れたり、親との意見対立で苦労。辛抱と忍耐強さを持つ。男女とも結婚の運気は悪くないが、女性は異性に対して好き嫌いがハッキリしているので、お見合いなどの単調な結婚は避けたほうがいい。職業は男女とも何でもやる。女性は会社の秘書があっている。大病しやすいので、倒食に注意。
6)山頭火(サントウカ)
→ A)甲戌 B)乙亥
高くもりあがる火の星。乾といって、天文に火が燃え上がる勢いだという意味。活気がある事を言う。
A)甲戌 養
養は長生の運と共に発展する運命であるが、欠点は男性は好色で一夫一妻を守れず、家庭破壊をすることが多いから、四柱・五行によってはその点を気を付けた方がよい。女性に関しては申し分ない。家庭の奥さんとしては、山頭火の人を貰えと言うぐらい。男女ともに幼い時に自分の母以外の人に養われたり、又は養子となる事が多い。しかも、養子になって良い場合がある。職業は少し自我が強いために、対人関係が良くない。
B)乙亥 死
(十二運が死でも)決して運気は悪くない。一般に山頭火のA)より運気の発展が遅い。B)は中年以降から安定する。少し対人関係が下手なので苦労はする。女性の場合は運気はいいが、やはり異性問題のしがらみが出てくる。早く結婚して子供を作ることが理想となる。職業的には技術的な方面。女性は美容師、デザイナー、手芸関係等で世に出ていく人も多い。変通星で印綬・傷官が並べば世に出て成功する形になる。
7)潤下水(ジュンカスイ)
→ A)丙子 B)丁丑
小舟で激流を上るという星。運気はいろいろな問題トラブルが起こってくる。私事については極度に物惜しみをし、目先の事だけに走る。一つの事に徹する事が出来ない。その為に運気に邪魔が多く、よく反省しないと一生悔いを残す場合が多く、苦労する。四柱推命の中では一番良くない星。不労者に多いとも言われている。
A)丙子 胎
職業をいろいろ変えて失敗しやすい。夫婦縁も悪く性格もおごり高ぶる人が多い。見栄を張ったり、表面は穏和でも真実性に乏しかったり、口で言っている事と腹の中の事が違ったり、人によっては平気で人が窮地の時に裏切り冷酷になる。女性も同様で、自分の運命に対して謙虚にし、人間関係を大切にしないと最終的に不幸に終わる。丙子の潤下水が出ても五行が安定していれば問題はない。五行が不安定だとどうしても波乱万丈の人生を送る方が多い。火と水で剋する。
B)丁丑 墓
運気の力はない。男性では社会的な発展はおぼつかない。女性では結婚運気に恵まれない人が多く。いつも憂いや苦しみを抱いて苦労がある。自分を反省し真実と誠をモットーとした人生を送らないといけない。たとえ金銭面では潤っても、人から尊敬されず孤独な一生を終わる場合がある。
8)城頭土(ジョウトウド)
→ A)戊寅 B)己卯
ダイナミックな運が展開する星。五行が悪くなかったら、この星は山の上にそそり立っている城の姿を表す。山頭火同様に運気は非常に強く大きい事を現す。
A)戊寅 長生
長生は発展の運気。城頭土の力強さが更に長生を大きくしてゆく。従って、五行・大運がよければこの運の人は出世間違いなしという星。努力したら努力しただけの甲斐があって、必ず世に出ることが出来る星。妻の力がプラスして、若い時から運命的に発展があり、中年になってマイホームを手に入れたり、宝を手に入れるという星である。性格は穏和で、長命出来るという星。全ての職業にいい。どの仕事をしてもうまくいく。
B)己卯 病
男性は病弱な人が多いし、A)の長生運より発展が遅い。中年以降は良くなる。女性は夫の運気に恵まれない人が結構出てくる。早く夫を病気で亡くしたりする。職業は自由業が良いし、技術的な方面もよく発達する。
9)白鑞金(ハクロウキン)
→ A)庚辰 B)辛巳
熱しやすく冷めやすい。白鑞とは鉛と錫の合金。火に熔けやすく硬くない金属。その性格は妥協性が強く柔軟で個性がなく、信念に欠ける。従って、優柔不断で運気を逃しやすい。又、軽率な所があり人に誤解を受け信頼を失いやすいので注意したい。運は決して悪くないが仕事での失敗、やり直しの為に人生を遠回りしやすいので早合点しないで堅実に行く方がよい。不思議に親の財産を受け継いでいる人が多い。
A)庚辰 養
その性質は非常に優しくて親切。冗談や無責任な言葉が多く、いつも気の迷いがあって決断が弱い。男性は多少、色情の問題を起こしやすい。再婚する人も多い。職業は堅い仕事より世の中を楽しませるところがあり芸能人やサービス業、飲食業等の方面で成功している人も多い。男性は自分より力がない人に対して見下げる傾向があり、それが白鑞金A)の一番の欠点。
B)辛巳 死
気が早くしかも気が変わりやすい。気持ちの定まらない人が多い。中年よりぼぼ安定する。職業は何をやってもそこそこだが、女性の場合は美容関係の仕事に就けばよいと言われている。着付け教室をして世に出ている人もいる。女性は結婚が遅れやすい。
10)楊柳木(ヨウリュウモク)
→ A)壬午 B)癸未
揚子江の風に揺られる柳のような星。少し弱い。活気がなく何かしようとしても、途中で挫折しやすい。自己の信念に対して意志が弱い。一般的に心配症で運が発展してもチャンスをのがす。運気も若い時は35歳以降になって力がついてゆく。五行が不安定だと発展が遅くない。若い内に力をつけておくこと。
A)壬午 胎
人生に挫折しないでやる事が大切で、気持ちが変わりや すいところを直し、反省しながらやって行くべき。男女とも何度も住居を移転したり、中には会社を変わってしまうという人が多い。その性情は日常生活で夢を多く見て、希望と現実が伴わないなら挫折したり、女性は良縁に乏しく、男性は公務員だとか銀行員がいいが、柔らかい職業に就くと異性問題を起こしたりトラブルのもとになる。女性の場合は堅い銀行や商社の事務がよい。
B)癸未 墓
男性は活気がなく内気な人が多く、女性も心の中でいつも愁い苦しみを抱き精神面が暗くなる。女性はその為に良縁が非常に乏しい。明朗活発な考え方が一番大切。しかし、中年には必ず運気がよくなる。職業には堅い職業が合っている。学問・技術など、こつこつ勉強する事についてはこの楊柳木は良い。特に男性には気が変わりやすいので、この楊柳木は良くない。
11)泉中水(センチュウスイ)
→ A)甲申 B)乙酉
人知れず立派な行いを積んで世に出る星。人の為に尽くすボランティアみたいな星。井戸の泉水(地下水)という意味もある。地下水によって地上の生物や植物が潤う。世間に知られずに立派な行いをするという陰徳。このような自然なかたちで生じ尽きることなく泉水を補給してゆくところから泉中水という。五行が良く良星が出ているならば、運命的に人を助け陰徳を積み謙虚な考えで人に接する事によって人生の道がひらけるが、強引に物事をして無理をするとA)B)とも運が強いのでかえって悪くなる。
A)甲申 絶
男女とも早く独立し家庭をもって苦労しながら世に出て行く。人の良さから人の言動をすぐ信じて裏切られるケースもある。運気は中年より安定するが、急がず騒がず着実な生き方をすることで世に出て行く。職業は独立業、自由業。対人関係も大人しいから足を引っ張られやすい。
B)乙酉 絶
陰徳をもって発展する。自己の欠点を見いだしそれを十分理解して大成した人が多い。女性は男性同様多少、気の短さがあるかも知れないけれども、職業的な技術的な面と人間的な愛をもった立派な方で、自分の成功を鼻にかけて歩く人ではない。
12)屋上土(オクジョウド)
→ A)丙戌 B)丁亥
堅実に財を築く星という意味。この土は大地に帰る事がないとされ、その性情の孤独さを語っている。理財の才が大きい。時にしては物を惜しみ、けちにはなるかも知れないが人に敬遠されて孤独となりやすい。人に親切を尽くし人に徳を蒔かないと孤独になってしまうよという星。特に対人関係で躓いて人生をわびしいものにしてしまいやすい。
A)丙戌 墓
その命運は余り強い運ではない。五行が安定し木生火、火生土となって五行を生じさせている四柱の場合には運気は安定しますが、五行が固まってしまうと凶害性のある星となる。女性は潔白性が非常に強い。結婚運が遅くなる。職業は自立孤立独立する為に、サラリーマンはまず合わない。商売、女性は保険や化粧品のセールスなどがあっている。
B)丁亥 胎
小さい頃は体が弱いかも知れない。しかし、中年より体が丈夫になり性格は穏和で運気も中年より発達する。家庭運に恵まれるので早く結婚させてしまえば、子共をよく面倒を見、家庭を守る。本来の女性の姿となる。男性は公務員、事務的なもの、法律家、銀行員などの堅い仕事に就けばいいが、積極的に無理をせず慎重派が多く運命の発展がどうしても遅くなる。男性は物事を積極的にものをばりばりする感覚をもってすればよくなる。男性は比肩星や官星が強い方が世に出て堅実に財を築く。相当の金をため込んでいると言われている。
13)霹靂火(ヘキレキカ)
→ A)戊子 B)己丑
電光のように波乱の多い星。轟わたる激しい雷の意味。響きわたる激しい雷をも恐れないというところからこの命の人を霹靂火という。この命運の人は人生に波乱が多く、変化の多い運命をたどる人が多い。
A)戊子 胎
霹靂火の影響を受けて対人関係の闘争が多く、よく力較べをするような形になる。運気も定着しないで財運の流動も激しく、一番先頭になったかと思うと下位に転落したりして、結局最後には勝ち取る運命ではあるが、とにかく激しい人が多い。自己の運命をよく知って制御すればよい。五行がかたまっている場合、男女とも勝ち気で、鉄火肌の生き方になるし、女性は男性以上の事をやるし人の上に立つ場合がある。家庭運も夫を抑えてしまうため家庭破壊につながる場合がある。女性はなるべくこの星を持たない方がよい。職業は自由業がよく男女とも学問、技術、商売、あらゆる一面に特殊なものが一つか二つあるので、それを利用して商売なりをする
B)己丑 墓
運命の変化が非常に強く、貧家に生まれた人は中年まで良くありません。中年以降に発展し段々富んでくるという形になる。女性は良縁に乏しく、結婚せずに仕事に走る傾向がある。職業は自我が強いので、自由業が合っている。女性でも営利的なことが巧みですから、商業や事業をしてオーナーとなる場合も多い。だけど雷の如く怒ってみたり、感情を爆発させて見たりする点は五行、四柱等を対照して判断しないといけない。
14)松柏木(ショウハクモク)
→ A)庚寅 B)辛卯
信念を貫き節操をモットーとする星。松、柏と常緑樹で一年中色が変わらないという意味になる。その事は人の節操にたとえて、信念に堅い人、信義に篤い人、その性情全く堅くて礼節で柔弱は見られず、その堅い節操があり、この命の人は松柏木として、人望が篤い。しかし、金運の星が出ていないと、金儲けが出来ない。官殺とか特殊な星が出て来た場合には余り良くない。
A)庚寅 絶
十二運は絶で早く親元を離れて苦労するが、五行が安定していれば中年を期に発展する。女性は内助の功を発揮し家庭を守る人が多いので良い。但し命式や五行が不安定な場合には、それは消されてしまう。四柱、五行が良ければ安定した人生を渡る。男性は堅い関係の仕事。官吏、政治関係、法律家、弁護士などの商売にはいい。研究者にもいい星。女性は学校の先生、人を指導する仕事が合っていると言われている。六十干支の星の中では一番いい星。
B)辛卯 絶
A)と同様に政界、財界、学問の分野で成功者が多い。運気も確実でそう波乱はない。男性は企業、実業関係。女性は教員。松柏木の五行が安定しているのが、一番真面目で、こつこつ自分の人生を築くというので六十干支の星の中では一番いい星とされている。
15)長流水(チョウリュウスイ)
→ A)壬辰 B)癸巳
豊かに流れる大河の様な安定した星という意味。悪い星が無ければ安定、平和という星。長生きが出来る。聡明で非常に賢く。子どもに恵まれるという星。
A)壬辰 墓
若い時に体が弱いという意味になる。しかし、決して運気は悪い方ではない。こつこつ人生を渡って行くけれども、中年より非常に発展する。女性は異性の好みがはっきりしているので、単調な結婚には良くない。男性は銀行員、会社の総務、人事関係、いつも人の上に立つ人が多い。女性は対人関係の処理は抜群で、会社に入ってもその有能さが認められ上役の役職を得る。秘書、会社の幹部になるが、結婚がどうしても遅くなったり婚期を失うことがある。長流水の女性はなるべく早く結婚しなさいと言っている。なかなか活躍する女性が多い。
B)癸巳 胎
運気も発展するが、少し気の多い所が欠点である。焦らずに一つの事を徹すれば良い。若干の苦労があっても中年より発展する。女性は内助の功があるので妻としては良い。職業は男女共、学問、技術、芸術。 長流水に凶星が出ないこと。官殺混雑だとかだと、長流水を持っていていも余り役に立たない。五行が安定していた場合には、その福分は一番いいであろう。
16)沙中金(シャチュウキン)
→ A)甲午 B)乙未
裏表が強すぎて誤解を受ける星。人に接する時に裏表が多く、それで敬遠され失敗するという特殊な星。誠に徹すれば人から自然と採用をえるが、自己の性情をよく知り、反省すれば大いに開運する。また四柱・五行が安定した場合にはそれ程恐れる星ではない。
A)甲午 死
一般的に死・墓・絶は短気だと言われる。性格が気短の為に人から嫌われやすい。何事につけても自分で決める質なので自己一人の判断力に富み財運を得る場合もあるが孤独で一生を終わる場合もあるので対人関係を大切にする事が肝要。比肩星が4つ以上あると人間の和を壊してしまうから孤独な生き方になってしまう。女性は自我性、わがままな面が強く、結婚生活うまくいかず、トラブルを起こしやすいので自分自身を抑えるようにやっていかないといけない。仕事はA)もB)も、束縛されると爆発するので、束縛されない仕事の方が自己を発揮出来る。
B)乙未 養
養子縁組みで福運を受ける場合もある。策謀が多い割に隙があり、相手にしてやられる場合が多い。男性は女性問題のトラブルが多かったり、運気は決して悪くないが、相手に誠意を尽くすという事が出来ず道理をわきまえない場合も多い。女性は結婚運に恵まれるが、少し家庭の中ではうるさがた。多印身弱で沙中金だったら、だんだん年を取ってくると、うるさくなってしょうがない。職業はA)と同様、独立性がつよく、切磋琢磨に弱いので、一人で出来る職業、例えば計理士や美容師、デザイナー等に向いている。
17)山下火(サンカヒ)
→ A)丙申 B)丁酉
夕映えに山が美しく燃える芸術の様な星。礼儀も正しく真面目。金銭的にも多少のんきだが何事も悲観的に見るのが一つの大きな問題。美感的な感覚が鋭く、画家、彫刻家、音楽家等で成功する人が多い。この星に印綬や傷官がある場合は子供の時から、美感的な感覚をつけるように教育するとよい。
A)丙申 病
病・死・墓は若い時、苦労をするという意味。かえってこの苦労をバネにして中年より発展する。十二運が病であっても四柱・五行が安定していれば問題ないが、結婚運気が男女とも良くないので、相手を選ぶのには男女とも相当慎重にしないといけない。職業は男女とも学問・技術・芸術関係・作家・画家・音楽家・彫刻家・デザイン等、アイディアで人生を渡れば面白い。女性は結婚後に死別の不幸を見る場合も多いので、なるべく体の丈夫な男性を選ぶこと。
B)丁酉 長生
若い時から発展する気運が強い。早く独立し自分の地位・財を得る。性格はおとなしく人から信頼を得るが、少し心配症で山下火の影響で少し悲観的な所がある為に、運気のチャンスを逃す場合がある。男女とも凶星が出現しなければ、B)の方は結婚も順調に行く。女性は男性に好かれるタイプになり傷官があると特に女性は美人が多いとされている。職業は技術・芸能関係。建築デザイナー、女性のタレント、歌手、モデル、デザイナー。営業はマネージャーに任せて行けば申し分ない形になる。ただし一流のデザイナーになるためには傷官と印綬が必要になってくる。
18)平地木(ヘイチモク)
→ A)戊戌 B)己亥
大地に木がすくすくと育つという意味。四柱・五行が良ければどんどん杉の木が伸びて行くような、非常にすっきりしたものが出てくる。平地木の人は俗に言う悪運が強い。即ち運気は力強く発達すると言う意味。
A)戊戌 墓
墓は若いときには苦労があるが、やがては平地木の力強い恩恵を受けて発展する。少し活気がない人が多い。その場合には比肩が2つ乃至3つないといけない。何事も平穏無事に物事をしようとする人間的な堅さはいいが、運気好転のチャンスを失う場合も多い。平地木の場合は引っ込み思案の為に、チャンスを握れない事がある。女性はのんきに構えて、結婚のチャンスを失う事が多い。職業は男女とも何をしても構わない。物を売る商業などは、四柱が悪ければ失敗するばあいがあるが、平地木は人間関係を大切にするので、教員・学者・宗教家・ボランティアの仕事が合っている。女性は保母・看護婦・教員・福祉関係の仕事が合っている。
B)己亥 胎
物事に対して多少飽きっぽい所があるが、一つに徹すればそれだけの成果が必ず現れる。あれやこれやと手を出して失敗する人が多いので、多少気の多い点があるかも知れないが一つの事を決めたらこつこつとやってゆく事に成功を納めるこつがある。変通星の凶星に合わなければ、全ての運気が良好になる。男女とも平地木の命運を持つ人は運勢は良く発展する。職業は自我の心が強いのでサラリーマンには向かないが自由業がよい。女性は看護婦・保母さんが多い。平地木は宗教家も多い。物事に対する熱心さがあるということ。
19)壁上土(ヘキジョウド)
→ A)庚子 B)辛丑
左官屋さんみたいな星。どろの様な土を壁に仕上げる難しさと厳しさと言う意味がある。人間関係を大切にする、人間をいい加減にあつかってはならないという戒めの星。
A)庚子 死
短気で一徹の面がある。日干が壁上土で官殺混雑だったら、ちょっと手に負えない星。特に対人関係の苦労が多い。水と土の和をモットーに、この命運の人は短気な所を反省し、人と相親しめるならば運気は発展する。女性は結婚運気は恵まれる。ただし、子供の運が薄い場合がある。特に倒食している場合には子供を亡くしてしまう恐れがある。職業は男性は飲食業、サービス業が合っている。女性は美容師、栄養士、調理師、飲食業が合っている。
B)辛丑 養
気持ちの上で非常に変化しやすく。自己の信念に欠ける事が多くなり、対人関係の苦労も増える。自己に強い信念で徹する事が大切であり、成功の芽はそこから伸びる。女性は甲斐性のない男性を好きになったり、粗暴な男に引かれたりする事があり、男性を見る目に弱い点があるので、結婚する時には充分注意する。いい主人と結婚しにくい。比肩や官星が強い場合には、女性は二度三度の離婚再婚を繰り返す場合がある。特にB)の場合は気持ちがくるくる変わりやすいので注意が必要。
20)金箔金(キンパクキン)
→ A)壬寅 B)癸卯
見栄と虚栄に走る星。外観を飾り見栄を張る人が多い。外観にとらわれ内容の充実したものが少ない。特に女性は虚栄心が強く女性上位となりやすい。金箔がやがて剥がれてゆくという意味がある。年を取ってから孤独になりやすいという面もあるので年を取ったら注意。
A)壬寅 病
男性は運気が活動せず表面的には積極的な所があるが実践力がない。その為に発展が乏しい。自信をもって物事に対処する事が大切。女性は大体においておとなしい性格。中年に夫を失う場合が多く。夫婦縁が悪く離別することがある。結婚生活を充分配慮し努力する事が大切。職業は男性は公務員、営業関係もいい。女性も営業方面の仕事が合っている。この金箔金のA)で五行が固まっていると、見栄と虚栄の絡み合いが多い方が多い。
B)癸卯 長生
十二運が長生なので、A)の運と違って発展性がある。金箔金の上辺だけにならないように努力して下さい。職業は学問・技術の発展がある。派手な服装のデザイナーだとか、派手な仕事が向く。
21.覆燈火(フクトウカ)
→ A)甲辰 B)乙巳
行き過ぎず初心に帰り努力と謙虚を求める星。物事に対して行き過ぎが多いので注意をしないといけない。女性は楊貴妃のようにならないように。妻の座を守り、家庭にはいり女性の義務を戒めているのがこの覆燈火。楊貴妃の楊を取って楊燈火とも言う。(三命通会)
A)甲辰 衰
五行に火が増えると衰でありながら、木が火を生じ火の力が強くなってくる。物事を八分の利で進めればよく、気運は盛んなので人生は無理はしないで徐々に発展させるという考えで渡るとよい。無理をすれば必ず失敗するので気をつけてる。女性に傷官がついた場合は冷たい感じの美人が多い。楊貴妃は自分の美貌に溺れ権力の座を思うように操り自らその座を失い抹殺された。この事実は女性の驕り高ぶりを戒め、そして節制を戒めています。男女とも優れた才能を持っています。従って文官、学者、政治で成功率が高く女性は芸能の才能を持ってるのでこの命運の人は道徳心が篤くあれば大成功出来る。
B)乙巳 沐浴
初心に帰って努力するならば運気は発展するが、一番の欠点は人の言葉を受け入れにくい点にある。女性は結婚運は余り良くない。早婚の場合は再婚しA)と同じ様に女性は生涯安泰という運気にありながら、五行四柱が悪ければ、それを壊してしまう形になる。男女とも技術、芸能方面に合っていて、特に技術の才覚は優れている。傷官が付いた場合は美人が多く、楊貴妃と言われている星。A)もB)も一言で言えば天狗になったら駄目だということ。覆燈火で天狗になってやったら人からの反対を受ける事が多い。
22)天河水(テンガスイ)
→ A)丙午B)丁未
天の川の様な星。急速な発展があるが、高望みをしてはいけない。運気は悪くないので、中年から晩年に発達する星。世に出る人が多くいる。女性の場合は強すぎて凶となるので、何事も控え目にする必要がある。
A)丙午 帝旺
人の上に立つ場合が多いが、水が無ければこの火の強さを中和する事が出来ない。自分の思想をはっきりさせてしまう。自己の運が頂点に達した時に急落する恐れがあるので、自分の運の八分の利をよく省みる事が必要。自尊心が強い。慈悲の心が篤く人に対する思いやりがあり、人望も高く世に出て成功する人も多い。女性は再縁型。女上位になって男性を凌ぐ場合が多い。職業は学問・技術・芸能での大成がある。政界・財界での発展も多い。政治関係者を調べると、丙午の人が多い。それだけ強引な事ができる。欠点は人に屈する事が嫌いで、人の話を聞き入れない所がある。それで対人関係の失敗を気をつける。
B)丁未 冠帯
同じ天河水の人でもB)の人の方が柔らかく、A)の場合は剛、強い。この命の人は物事に寛大。人生の波乱が多く、男女とも慈悲の心が篤く人望を得て世に出て成功する人が多い。若い時に苦労するが凶星に合わなければ中年より発展する。良くも悪くも命式の中で吉星・凶星の支配によって真にハッキリ分かれてしまう。失敗があると大きく裏目に出てしまい、また職業の移転、住居の移転が多く。早婚であると失敗しやすい。職業は男性は弁護士、計理士、公務員等が合っている。女性は銀行員、公務員、事務関係があっている。天河水は五行に火が固まってはならない。五行に水がないとこの星は暴れてしまいやすい。晩年は安定。
23)大駅土(ダイエキド)
→ A)戊申 B)己酉
良い星。穀物の豊かな秋の実りを祈り捧げるという意味の星。旅をしている人が砂漠のオアシスに出逢って天の恵みに感謝している姿。今得ようとしている恵み繁栄に感謝し力を過信してはならない。大駅土の人は自己の努力が天道によって正しく報われる道を持っていると言う事。目先の損得に走って自信過剰になり打算的になって失敗しないようにすることが肝要。
A)戊申 病
子供の時から体が弱いという一面があるので、特に中年迄は健康に注意。中年より壮健になる。初婚に破れる場合が多く、再婚する場合がある。女性は特に結婚運に問題があり、別居したり離婚という形になる可能性もある。運気は男女とも安定になる。職業は男性は特殊な才覚があり技術方面。特殊な技術。女性は調理師、美容師などの技術が合っている。
B)己酉 長生
若い時に多少苦労があっても、晩年運気が盛んになる。自己の力を過信しない事が大切で、特に女性の場合には結婚に対して相当考えてする事が大切。この大駅土は穀物の秋の豊かな実りを祈り「捧げる星」なので金儲けに対しては下手。
24)釵釧金(サイセンキン)
→ A)庚戌 B)辛亥
贅沢と虚飾に満ちた星。女性が髪に飾る簪の意味。女性は本能的に美をモットーとし華やかに飾る性情を持っている。その美も多彩でまた同時に虚栄も存在する。男性は外観を飾り中身の人間性に乏しくなってしまうので良くない。真実で人に接すれば運は開けるが調子よく早合点して失敗する事が多く、女性は逆に才覚があり美貌の持ち主が多く妖しい魅力を持つ人が多い。
A)庚戌 衰
男女とも学問や芸事や宗教で成功する人が多い。事業家で成功している人は少ない。男性は虚栄心が強く金銭には無頓着で家計が苦しくなっても平気で浪費し節約ということが出来ず、そのため借金して夜逃げしたり逃げ回わるような人が多い。女性は美人多く、時にその美しさを鼻に掛け男を見下げる。傷官がつくと更に激しくなり男を馬鹿する。職業は男女とも学問、技術、芸術、芸能に長けた才能を持っている。技芸関係だったら相当発展する。
B)辛亥 沐浴
特殊な才能に長けている人が多い。幼少期より苦労が多く比肩や偏官があると傲慢になり、見栄を張り人との調和を失い孤独になる。男性は異性問題を起こし金銭を浪費する場合がある。虚栄心が強いので中年まで波乱の多い苦労日がある。この命運の人はよく人の話を聞く事が大切。派手にやったら失敗するので、地味にりなさいという星。男性の場合牢屋に入ってる人が多い。詐欺・破産宣告・自己破産。
25)桑柘木(ソウシャモク)
→ A)壬子 B)癸丑
この桑は中国にある特殊な桑。落葉樹の様なドラマのある星。山桑の一種。厳しい環境の山岳で育ってゆく強い性情がある。この日干の人はどんな厳しい環境でも屈しない。だから桑柘木という名がついた。五行が偏向している場合には問題があるが、必ず悪いなりにも道が開けてくる。忍耐力が強く時が来るのをじっと、何物にも屈しない力をもって我慢する。
A)壬子 帝旺
自己の運気が頂点に達した時に急落するので、全て8分の利と考える。この桑柘木の人は社長にならないで二位三位の専務とか常務の位置を保っていれば無難に過ごせる。男女とも強い運にあるので、衣食住の心配はまずない。 職業は男性は学者、法律家。女性は商売に合っているので上手に切り盛りが出来る。
B)癸丑 冠帯
世に出て行く人が多い。母なる大地の恩恵を受け力強く育って行くという意味。発展の運気を持ち、凶星が付かない限り必ず世に出て行く星。男性は多少の苦労はあるが、中年以降から必ず良くなる。職業は男性は高官位、政治家、弁護士。女性は医者、弁護士。苦労があっても耐えられる。代議士になっても偉く成っている人が多い。官印両全の命が一番いい。桑柘木で一番良くないのは官殺混雑。
26)大渓水(ダイケイスイ)
→ A)甲寅 B)乙卯
学問、技術、芸能の天分のある星。水源の勢いを増し、池・沼・湖に流れ河川となって合流し渓川となり一つとなり、大渓水となって、その命運の人は吉です。
A)甲寅 建禄
若い時から発達し中年以降衰えるが、若い時に苦労すれば中年を期して発達する。前期が良ければ後期が悪い前期が悪ければ後期がよく、どちらかとなる。甲寅は四大空亡になる。だから、とんでもない若死にしたり、四年も五年も病の床に伏してしまったり、という面さえ注意すれば問題はない。女性は結婚が早いと余り良くない。四柱推命では背禄禄馬と言い。馬の上にあべこべに乗る様な形。いつ馬から落とされるか分からない。本人がやけくそになったら、一日でも早く正常に帰る様に努力しなければ、運気的に波風が荒い。職業は独立心が強いのでサラリーマンには合わない。自由業が合っている。女性は技術仕事、美容師、理容師が合っている。
B)乙卯 建禄
若い時から発達し中年以降衰えるが、若い時に苦労すれば中年を期して発達する。前期が良ければ後期が悪い、前期が悪ければ後期がよく、どちらかとなる。職業は独立心が強いのでサラリーマンには合わない。自由業が合っている。女性は技術仕事、美容師、理容師が合っている。男女とも技術的な方面が良い。
27)沙中土(シャチュウド)
→ A)丙辰 B)丁巳
人生の恵みが多彩に変化するという星。人生に苦労がある。特に四柱が悪かったり五行が悪かった場合には、運気は順調に伸びません。人生に変化があるという事はいい事も悪い事もあり、一生不幸で終わると言う事はないが、一生良くなったり悪くなったりの連続。
A)丙辰 冠帯
自分の人生に対して正直に心正しく歩めば運は発展し、必ず成功するが、逆にその心が不純で比肩、敗財、劫財が強かったり、偏官七殺、倒食四柱などの凶星が出た場合には、その人は不正となって法律に触れるような行為をなし人を騙しギャンブルに手を出し失敗する。よく犯罪者に多い星で沙中土の官殺混雑、傷官大過、偏官大過は良くない。運気は中年以降から晩年にかけて安定する。女性は幸せに恵まれる人と、幸せに恵まれない人と五行、四柱によってハッキリ分かれてしまう。
B)丁巳 帝旺
男性は学問、技術、芸能で成功率が高い。商売や事業には向かない。一般にプライドが高く屈する事が出来ない人でサラリーマンには合わず医者、教員、学者などが合っている。自分の運気が絶頂に達した時に最大の注意を払わないと運が急落する場合がある。天に登る力も持っているけれども地に落ちる力も持っている。人の信頼を受け社会的に発展する運命を或程度持っているが、大変な人情家で同情心が強いため良い時と悪い時の差は大きい。この沙中土の中で犯罪を犯した人の四柱を調べたら詐欺とスリが一番多かった。全部が詐欺とかスリだと言う分けではなく四柱如何による。
28)天上火(テンジョウカ)
→ A)戊午 B)己未
火炎が天高く炎上する激しい星。炎上して天に上がり頂点に達するという事から天上火とした。その運気火として燃え上がり成功するという意味もある。運気は頂点にある為に、四柱及び五行の凶害星に会えば、凶害が遺憾なく発揮され災難を受ける場合がある。中年発達し晩年急に衰える場合がある。
A)戊午 帝旺
運が剣の先の如くに鋭いため世に出て成功して頂点に達した時に、急死したり事故災難に会う場合がある。特に傷官星が強い場合にはこの形態が強くなる。男女を問わず変通星の傷官が多い場合には事故、災難、怪我、病気によって若死にする場合がある。この命運の人から世に出で出世する人も多い。何でも大きい事はいいことだという星。職業も小さい商いをするには合わず、大きな形態の内容を好む。大きな企業が合っている。
B)己未 冠帯
帝旺と違い運命の吉凶の変化も帝旺程は激しくない。若い時は多少の苦労があるが晩年は安泰して発展する。40歳以前に失敗が多く、その為晩年に至っても苦労が続く事がある。又結婚も初婚に破れる可能性も強い。女性は男性に比べ比較的安泰だが、男性は自尊心が強いためサラリーマンになった場合には転々として会社を変わってしまいます。大体自由業がよく、自営の商売などが成り立ちます。女性は経理関係、営業事務などが合う。浮き沈みの激しい星で傷官さえなければ良い。天上火の人で傷官があって焼け死んだという人もある。
29)柘榴木(シャリツモク)
→ A)庚申 B)辛酉
ざくろ。赤いざくろが秋に実るという意味で、果実の収穫を思わせる星。変通星や五行等が悪くなければ、運気の安定したいい星。
A)庚申 建禄
努力さえすれば、社会で成功する運命を持っている。中年迄不運だった人は中年期に俄然として発展し好転します。中年迄に好運だった人は中年以後に運気が衰えて行くのが建禄の運の特徴。柘榴木の安定した運の影響で、この日干の人は極端な変化がありません。柘榴木で世に出ている人も多い。性格は穏和で品があり、人徳があって人に愛されます。職業も学問も技術も事業の発展もあり若い内に独立し事業を起こして成功する人も非常に多い。女性は結婚は早い方がよく、職業は看護婦、保母、調理師、家政婦などがあっている。
B)辛酉 建禄
努力さえすれば、社会で成功する運命を持っている。中年迄不運だった人は中年期に俄然として発展し好転します。中年迄に好運だった人は中年以後に運気が衰えて行くのが建禄の運の特徴。敗財や劫財が出たり、五行に比肩星が固った場合に今までの地位から転落したり、結婚に破れる時があるので、凶星がある人は充分注意して人生を渡らないといけない。女性はどんなに犠牲になっても夫を助け、家庭を守る。柘榴木で世に出ている人も多い。
30)大海水(ダイカイスイ)
→ A)壬戌 B)癸亥
運を示す星、これは最大の水の星。だから大海水という名前がついた。六十干支の中で、丙午とともに最大の強運を持っている星なので、五行さえ安定しているならば相当福分を強く受けて行く。性質も聡明で端正。
A)壬戌 冠帯
運気が盛んで中年以降に大きく発展する。若い時に苦労があるかも知れないが、余程自己の命式、五行が悪くなければ人生に徳をもって発展します。ただし五行に水が大過を起こした場合には、その影響はすこぶる大きく特に敗財、劫財、偏印、偏官などが一緒に出ている場合を最も恐れる。流年に水が多く現れた場合、人生に無理をするとその凶星をまともに受けるので、慎重を期するよりいたしかたない。そういう失敗がなければ、たとえ凶星が現れても必ず救われる。
B)癸亥 帝旺
五行に水が沢山出たり、干支合して水が出たりすると水難の相になってしまう。五行が安定していて、四柱が良ければ、人生の最終の美を飾り成功する人が多い。だから五行と四柱で毒にも薬にもなる。最大の強運の持ち主でその素性も火の帝旺とは全く異なり運が頂点に達した時急落する様な事は少ないが、性格も礼節、信義に篤く人から尊敬を受ける人が多い。女性は才媛もあり学問、技能、技術の素質があり人に愛されて成功する人が多い。職業の範囲も広く医者、作家、芸術家、デザイナー等があっている。水に五行が固まっている場合は、運命的な変動が激しい。火が強い場合には水の力を抑えられてしまうので大海水とは言えない。
*注意) 納音に関する文章の知的財産権は、名古屋の「沙羅衣コーポレーション」中島学さんに帰属します。
これで納音の解説を終わります。
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