月令・身旺身弱
月令 身旺身弱
月令
四柱推命では生月支を「月支元命」と言い、日干に次いで重要な星と見ます。
何故月支が重要な星なのかを説明いたしますと、四柱推命では日干を自分自身の星とみる事は前に説明させていただきました。と思いますが、同じように月支は母の星と見ます。
つまり、わかりやすく人間で例えて申しますと、自分の存在は自分自身が一番重要な訳ですが、自分以外の存在では母親の影響力が最も自分の生きざまそのものに影響を与える事は皆様方ご存じの事と思います。命式中月支が母親の星になる為、自分自身である日干に最も強い影響力を与えるのです。ですから、日干以外では生月支を特別に重要視するのです。
もう一つわかりやすい例を提示いたします。
皆様方がTVニュースを御覧になると必ず為替相場の報道も見ると思います。その時、1ドル◯◯円とか、1ドル◯◯マルクとか、1ドル◯◯ウォンなどの報道を目にされると思います。何故、ドルに対して各国の通貨が「1ドル◯◯レート」という具合いに表示されるのかと申しますと、米国のドルが世界の基軸通貨である関係で1ドルに対して各国のレートが表示されるのです。ところがドルは英国の通貨であるポンドに対してだけは、1ポンド◯◯ドルの表示になります。何故そうなるのかと申しますと、米国にとって英国は母の国だからなのです。つまり、人間関係でいえば英国が母親で米国が子供の関係になるのです。ポンドが母親でドルが子供ですから、1ポンド◯◯ドルの表示になるわけです。
四柱推命とはまるで関係のない話ですが、自分自身にとって母親の存在がいかに重要であるかという具体的な例を為替の世界あるいは国家同士の事を例に持ち出して説明させて頂きました。
次に月支と日干の関係を5パターンに分類し解説したいと思います。
旺・相・休・囚・死
月支の季節・五行(木・火・土・金・水)に対して日干の五行がどのようにクロスしているのかによって月支と日干の相関関係(母子相関関係)を割り出します。
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春 |
夏 |
土用 |
秋 |
冬 |
月支 |
寅・卯・辰 |
巳・午・未 |
丑・辰・未・戌 |
申・酉・戌 |
亥・子・丑 |
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木 |
火 |
土 |
金 |
水 |
日干 |
甲・乙 |
丙・丁 |
戊・己 |
庚・辛 |
壬・癸 |
季節(月支)に対する日干の旺相図
冬 |
秋 |
土用 |
夏 |
春 |
|
相 |
死 |
囚 |
休 |
旺 |
甲・乙 |
日
干 |
死 |
囚 |
休 |
旺 |
相 |
丙・丁 |
囚 |
休 |
旺 |
相 |
死 |
戊・己 |
休 |
旺 |
相 |
死 |
囚 |
庚・辛 |
旺 |
相 |
死 |
囚 |
休 |
壬・癸 |
旺→自分自身と母親とが同じ五行となる関係で、母と自分が二人三脚で共に歩み共に成長してゆく最も理想的な形となります。
相→自分自身が母親から相生される五行となる関係で、母に自分が常に愛され助けてもらう理想的な形となります。
休→自分自身が母親によって洩らされる五行となる関係で、母が自分に対して間違った愛情を授けてしまうやや不幸な形となります。
囚→自分自身が母親を剋す五行となる関係で、母に対して自分が常に敵対的な態度を取ってしまう不幸な形となります。
死→自分自身が母親から剋される五行となる関係で、母から自分が絶えず虐待される最も不幸な形となります。
*例・日干が甲で月支が寅の月令は旺令となります。
身旺身弱
月令が確定しましたならば、次に日主(日干の事、四柱推命では自分自身を指します。)の身旺・身弱を確定させる作業に移ります。
下記に身旺・身弱の分類を掲載致します。
1.命式(四柱八星)中に印星と自星を合わせて四つ以上の星があれば身旺。
2.月支変通星が印星で命式中に印星と自星を合わせて三つ以上の星があれば身旺。
3.月支変通星が自星であれば身旺。
4.上記1〜3以外は全て身弱。
用神、月令・身旺身弱が確定したならば、次に用神を算出いたします。(用神とは、その人にとって役に立つ星の事です。)
身旺の場合→官星。(命式の形によっては財星や泄星もあり得る。)
身弱の場合→自星か印星。
例題、それでは実際に干支の出し方のページの所でサンプルとして取り上げた、「1999年12月31日PM8:00」に生まれた人の月令・身旺身弱、用神を算出したいと思います。
1999年 |
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年柱「己卯」 |
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食神 |
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病 |
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偏印 |
12月 |
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月柱「丙子」 |
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劫財 |
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絶 |
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正官 |
31日 |
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日柱「丁巳」 |
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帝旺 |
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比肩 |
午後8時 |
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時柱「庚戌」 |
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正財 |
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養 |
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傷官 |
*まず、月令ですが月支「冬」に対して日干が「火」の為、「死令」となります。
*次に、身旺身弱ですが月支変通星が官星であるにも関わらず、命式中に印星と自星を合わせて四つの星がある事から「身旺」と確定します。
*最後に、用神ですが日主が身旺ですから官星となります。
一般的には、月令が旺相で日主が身旺で命式中に用神がある人は素晴らしい運勢の持ち主として判断いたしますが、あくまで四柱八星における五行全体のバランスが大切ですので、上記の判断だけで運勢鑑定をすると誤占の危険性が発生する事を付け加えておきます。
これで月令・身旺身弱の解説を終わります。
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