■ ベイヤーダイナミック beyerdynamic T90 Jubilee

[周波数特性グラフ]


■SPL ■SPL[1] ■2nd D ■3rd D ■Impedance ■Impedance[2]
[1]人工耳アダプターなし / [2]非装着状態 / 測定環境
Fig. beyerdynamic T90 Jubilee Frequency Response

[仕様]

形式   オーバーヘッド(アラウンドイヤー)型 開放・ダイナミック型
周波数帯域5Hz~40,000Hz
インピーダンス250Ω
音圧レベル102dB (1mW/500Hz)
ケーブル・プラグ3.0m 片出し, 3.5mm+6.3mmアダプタ ストレート
備考 2014年発売,beyerdynamic社創業90周年記念リミテッドモデル
メーカーサイトAmazon.co.jp

[レビュー]

大手量販店でいろいろと試聴をして目を付けていた機種です。 何度も店頭で試聴して悩んできました。 私の場合,最初の印象が良くても使い込んでいくうちにそのモデルのクセがわかってきて, それが気になって使わなくなってしまうということが良くあります。 ですので,特に高級機に手を出すのには本当に勇気がいります。 今回もその心配はあったのですが,とりあえず自分の試聴の結果を信じて思い切って入手しました。

おぉ,それにしてもこれまた独特のすごい周波数特性ですねぇ。 試聴しているときから基本はフラットで高域で少し持ち上がっているだろうとある程度は予想していたのですが, ここまで高域が持ち上がっていたとは!

音質に関する感想ですが,高域の音圧レベルが高いのは確かですが, うるさ過ぎたり刺激的すぎたりすることはなく,極めてヌケがよくシャキッとしています。 持ち上がっている帯域が,うるさくなる帯域よりも高いためではないかと思いますし, どちらかといえば解像感の高さに寄与していると思います。 ただ,相対的に中低域は大人しく,特に中域はだいぶ薄いという印象です。 物足りないと思うこともありますが,もちろん必要十分には出ていますし, スリムで引き締まっていているので,私にとってはむしろこれが好印象です。

音の広がりも十分にあり,圧迫感が少なく,頭の中で鳴っている感じも少ないです。 このあたりはリファレンス機としているSennheiser HD580と比べても優れています。

側圧も弱めで,大型のベロアのイヤーパッドの装着感も良好です。 重量も思ったよりも軽いので楽です。

一方で,ヘッドバンドの長さの調節が固く動かしづらいのと, ケーブルは若干固めで柔軟性に欠けるのは残念な点です。 取り替え可能であれば良かったのですが,直結されているのでそれが出来ないというのも...

低域の迫力や中域の充実感を求める方には物足りないかもしれませんが, このヌケの良さ,音の輝き,音の広がりは格別で,シャキッとそしてすっきりした音質が私は気に入りました。 ケーブルの固さに難はありますが本体の質感も及第点,とりあえず手に入れて良かったと満足できるモデルでした。

※ブログ:好録音探求「ヘッドホン beyerdynamic T90 Jubilee 周波数特性&レビュー」より

(記2015/01/31)