本の紹介5(新書と文庫3)

最近読んで、よかった本(新書と文庫)をご紹介します。

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121 新編 百花譜百選

木下杢太郎画 前川誠郎編 岩波文庫 2007.1.16

 医師で詩人・作家の木下杢太郎(1885〜1945)が、その最晩年に灯火管制下の夜ごと続けた、自己との出会いとしての仕事です。草木や花の生命を描く折枝画(せっしが)には、酷(きび)しい時局や自らの病状を記した寸鉄の字句も添えられています。百枚を厳選して記念版アンソロジーとして出版されました。
122 生物と無生物のあいだ

福岡伸一著 講談社現代新書 2007年5月20日初版発行

 生物を無生物と区別するものは何でしょうか。著者はこの問題を最新の技術を使って、説明して行きます。専門的な話題を、一般の人にもわかりやすいように、図や、適切な例や、比喩などを交えながらわかりやすく説明しています。
 新書大賞とサントリー学芸賞を受賞しています。
123 リンゴが教(おし)えてくれたこと

木村秋則著 日経プレミアシリーズ 2009.5.8 初版発行

 自然には何一つ無駄なものはない。私は自然が喜ぶようにお世話をしているだけです−−。絶対不可能と言われたリンゴの無農薬・無肥料栽培を成功させ、一躍時の人になった農業家が、「奇跡のリンゴ」が実るまでの苦難の歴史、独自の自然観、コメや野菜への展開を語るとともに、農薬と肥料に依存する農のあり方に警鐘を鳴らす。
124 寺よ、変われ

高橋卓志著 岩波新書 2009年5月20日 第1刷発行

 日本の寺は、いまや死にかけている。形骸化した葬儀・法事のあり方を改めるだけでなく、さまざまな「苦」を抱えて生きる人々を支える拠点となるべきではないか。「いのち」と向き合って幅広い社会活動や文化行事を重ね、地域の高齢者福祉の場づくりにも努めてきた僧侶が、その実践を語り、コンビニの倍、八万余もある寺の変革を訴える。
125 日本辺境論
内田 樹著 新潮新書 2009年11月20日 初版発行

 日本人とは辺境人である−−「日本人とは何ものか」という大きな問いに、著者は正面から答える。常にどこかに「世界の中心」を必要とする辺境の民、それが日本人なのだ、と。日露戦争から太平洋戦争までは、辺境人が自らの特性を忘れた特異な時期だった。丸山 眞男、澤庵、武士道から水戸黄門、養老孟司、マンガまで、多様なテーマを自在に扱いつつ日本を論じる。読み出したら止らない、日本論の金字塔、ここに誕生。
126 五足の靴
五人づれ著 岩波文庫 2007年5月16日第1刷発行

 明治40年盛夏。東京新詩社の雑誌明星に集う若き詩人たち−北原白秋、平野萬里、太田正雄(木下杢太郎)、吉井勇がいさんで旅に出た。与新野寛との五人づれは長崎・平戸・島原・天草と南蛮文化を探訪し,阿蘇に登り柳川に遊ぶ。交代で匿名執筆した紀行文は新聞連載され、日本耽美派文学の出発点となった。(解脱:宗像和重) 
127 本は、これから
池澤夏樹編 岩波新書 2010年11月19日 第1刷発行

 「本」とはいったい何か。それはいかに変貌するのか。鋭いアンテナを持つ37人が、書店・古書店・図書館・取次・装丁・編集、そして練達の書き手・読み手の位置から、本の過去と未来を語る。従来の紙に印刷した本から、IT端末とディジタルなデータを使用することにより、どんな点が便利で、どんな不具合があるのかについて、それぞれの専門の立場から意見を述べている。
128 農耕社会の成立
石川日出志著 岩波新書 2010年10月20日 第1刷発行

「海を越えてやってきた渡来人が、縄文人にかわり、西日本を中心に新しい文化を築いた」という一般的な弥生時代のイメージ。しかし、稲作の導入を契機とする日本列島の歴史の大きな分岐点は、もっと緩やかにして多様なものであった。縄文から弥生への連続性と、地域文化の豊かさに注目しつつ、「複線」としての歴史像を新鮮に描きだす。
129 三陸海岸大津波
吉村 昭著 文春文庫 2004年3月10日 第1刷、 2011年4月25日 第10刷

明治29年、昭和8年、そして昭和35年。青森・岩手・宮城の三県にわたる三陸沿岸は三たび大津波に襲われ、人々に悲劇をもたらした。大津波はどのようにやってきたか、生死を分けたのは何だったのか―前兆、被害、救援の様子を体験者の貴重な証言をもとに再現した震撼の書。この歴史から学ぶものは多い。    解説・高山文彦  
130 中国人とはいかに思考し、どう動く人たちか
中島 一著 河出夢新書 2011年2月5日 初版発行

 日本人には理解しがたい一面をもつ中国人。「苦手」ではすまされない重要な隣人とどう付き合えばいいのか。歴史風土、儒教、共産党、経済情勢などの視点から、彼らに一貫する行動とその価値観を考察する。

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[Last updated 10/31/2012]