先生から「棗」を頂戴しました。本題にはいる前に、「薄茶」に少し触れておきましょう。 お茶には「薄茶」と、「濃茶」がありまして、私たちが時代劇なんかでよく目にしているのは、殆どがこの「薄茶」なんですが、「濃茶」は呼んで字の如く、濃い〜お茶なのです。ですから、お茶を点てるのではなく、お茶を練るんです。その一椀を、お茶席の全員で回し飲みするというのが「濃茶」の作法です。(利休がキリスト教のミサで、ワイン?を回し飲みするのをヒントに考案したと聞いてます) 「薄茶」は、一腕づつ点てて、一人づつ飲むものです。 違いは作法だけでなく、実は使用する茶道具にも違いがありまして、この「棗」と呼ばれるのは薄茶器なのです。さらに注目は、「棗」が薄茶器の一つの種類であることです。秀吉が、信長から戦功に対して褒美として「棗」をいただいたシーンをTVで見て、お茶入れの事を「棗」と呼ぶのだと思っていたのですが、このような型を「棗」と呼ぶのだそうです。他には「吹雪」だとか・・・・・・・・・なんかいろいろあるそうです。 とにかく、これが「棗」です。 輪島塗、名は「遠山」だそうです。 |
濃茶の話なんですが、濃茶の写真です。かなりお茶が濃いのが判りますでしょうか? |
それと、この濃茶に使う茶入の写真もアップしてみました。ちなみにこれは、備前焼の肩衝(かたつき)茶入といいます。 |
それと、吹雪なんですが、その写真もアップしました。これは、秀衡塗り(奥州藤原の)の面 取吹雪という薄茶器です。 |
ついでにといっては何ですが、中次という薄茶器の写真も入れておきました。これらをどんなときに使用するのか、そのあたりの決まりがあるのか今は知りませんが、いまはこんなものもあるんだってことで・・・・・。 |
今回は、中置き点前のお話です。中置きの点前は、今頃の季節、風炉点前から炉の点前へ移る間の数週間の間だけの点前だそうです。といってもあまりピンとこないのですが、これからの説明でな〜るほどと、納得した上で、素晴らしいと感じられますよ。(ちょっと自慢げ) では、ご説明しますと、これらの点前はひとえに「炉」の位置が大きく違うということなんです。この図は各点前の炉の位置を示しているのですが、中置き点前の炉の位置に注目ください。 夏の間風炉は、客から遠い位置にあり、冬になって客側に炉が開かれています。その間が、中置き点前の風炉の置かれる位置です。夏から冬に移るその間だけ、中置きの点前があるのです。これは、炉の熱がお客に伝わるのを調節するための位置関係なのです。ですから、夏の風炉から、冬の炉へと次第に客側へ移動してゆくのです。この心遣いが素晴らしい!!そう思いません?で、中置き点前の飾り付けの写真です。道具が出揃って、これから点前といったところです。 |