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iukei建築計画システム

壱 アプローチ
弐 冷水茶
参 初めての
    茶道具
四 泡
五 棗
六 「乱」
七 中置き
     点前
八 初釜
九 桑の小卓
   (こじょく)
十 はこび
     点前
このページでは、お茶を楽しむことを、茶道1年生である私の言葉で、お伝えします。 
 お茶は、客をお迎えする心を、露地、茶室、さらにはお茶を点てる所作にわたり表現する芸能であろうというのが、今の私の解釈です。亭主にすれば、今日の客のために、どのような空間をしつらえて、どんな仕掛をして、その時間を共有するかが楽しみであり、客においては、そんな亭主の思いを推し量 りながら、読み解きながら、お茶をいただくのが楽しみなのです。 このような心のやりとりを、自らを高める精神修行として、また建築の空間を考える上での一つのアプローチの形として体得したいと、表千家 織田紀代子先生の元で学んでいます。 ただ、皆さん決して小難しく考えないでください。 冒頭で述べましたとおり、お茶は楽しいものです、そして自由なんです。 そんなことを感じていただけるよう、進めてゆきたいと思います。

お茶を初めて、1年になります。これで、とりあえず四季を通 してお茶を体験したことになります。まずは、夏のお茶をどうぞ。写真では見にくいですが、風炉があって、釜が据えてありますが、中は冷水なのです。このようなお茶をされるところはあまりないそうですが、釜についた露といい、冷水で点てられたお茶といい、何とも涼しくおいしい物です。 さらにガラスの水指が涼しさをあおります。 これらの道具の取り合せも、亭主の趣向を知る楽しみでもあります。

お手前です。初心者にはとても緊張する瞬間でして、初めての時は手が震えました。でも、この緊張感は、慣れたらなくなる物ではなく、別 の緊張感となって続きます。というか、必要な緊張感なんですね。客に対して、精一杯の思いを込めて、お茶を点てる、このことに対する緊張なんです。 無駄 のない凛とした点前、また緩やかに包込むような所作があり、静寂の中に打たれる、塵打の柔らかでいて、緊迫感のある音、茶筅と茶碗がかなです小気味よい音。 これらすべてが、亭主の思いの表現です、ですから緊張するんです。

私が初めて購入した茶道具、茶杓です。そのうち自作の茶杓をとも考えていますが・・・・。 「一歩」と銘々しました。この茶杓は、節が手元にあります(ここです)。「止め節」と呼ぶそうですが、この節を、始りと見立てて、私の茶道第一歩となそうと考えたんです。 実はこの茶杓、見ていただいたところ格式の高いお茶会でも使用できる茶杓の型だそうで、一歩の割には随分大きく踏出したもんだと頭をかいた次第です。

「泡」です。お茶をしたことのない人でも、TVのドラマなんかで見たことがあるでしょう?茶筅で、お茶碗の中をくるくるとかき混ぜるやつです。茶筅は、お菓子づくりで卵を混ぜるときに使うやつの小型版の、竹でできたやつ、と考えてもらえれば想像がつきますよね。そんなもので混ぜるわけですから、泡ってたてるものだと考えますよ普通は。 でも、これには流儀によって違いがあるそうです。例えば裏千家では、泡をこんもりとさせるそうですが、私の習ってる表千家では、泡はあまり立てず、泡の中に「景色」(この字でいいと思うんですが)を作るといって、泡のない部分を残すように静かに点てるんです。 手の内に納ってしまう茶碗の中に、どのような景色を見るかは、偶然と、客の想像力によって自由に見立てられます。 山水を見るか、はたまた人の顔に見るか、それをまた楽しみとし、眺め、ついには、そこに見た景色を飲干してしまう。 これも侘びの姿であるのかもしれません。 でも、飲んだ後に茶碗のそこにお茶が残ってはまずいので、ついつい勢いに任せて混ぜてしまうので、泡が立ってしまうんですけど・・・・・・・。