【毒舌薬理学】 【無駄口薬理学】 【やさしい薬理学】 【HLA】 【MRSA】

---

 [シリーズ:レセプターを考える]

---

1994年10月15日〜1995年3月1日に連載したものです。

 

 

:「リガンドと逆アゴニスト」

:「始めにレセプターありき」

:「ウイルスレセプター」

:「レセプターは動く」

:「サイクリックAMP」

:「サブタイプ」

:「ドパミンレセプター」

:「LDLレセプター」

:「GABAレセプター」

10

:「ネバーエンディングストーリー」

11

:核内レセプター

 

レセプター11:番外編「ダイオキシンレセプター」

レセプター12:番外編「ベンゾジアゼピンレセプターとDBI」

レセプター13:番外編「レパートリー」

 

追加:オーファン受容体

 

---


【目次へ】 【次のページ】

<<シリーズレセプターを考える>>

 1回「リガンド、逆アゴニスト」

 何でもかんでもレセプターなんです。最近の新薬のパンフレットなんかでは、○○レセプターに選択的に作用する(あるいは遮断する)などと書かれています。曰く、ドパミンレセプター、ベンゾジアゼピンレセプター、ガストリンレセプターなどなど、、、

 薬理の教授などはさぞかし講義が楽になったのではないでしょうか。なぜその薬が効くのかと質問されたら、「それは、○○レセプターに作用するからだよ」と答えれば良いのです。

 筆者も一応薬学部を卒業(昭和52年)していますから、薬理も一応習ったのですが、それはほとんど暗記の学問でした。レセプターについては、アドレナリンにはαとβがあると仮定すればうまくその作用が説明できるといった程度しか記憶がありません。どうやら筆者が卒業してから、様々なレセプターが解明されてきたようです。

 実は、人間(動物)は電気で動いています。脳細胞が体の動き、心臓や消化管などの臓器などすべてをコントロールしています。それは自律神経(交感神経と副交感神経)、運動神経によるのですが、これらの神経は微弱な電流を通す電線です。この電流の切ったり、通したりするスイッチが神経節です。

 神経節とは、神経の切れ間(シナプス)ともいい。この部分では電流の代りに特定の物質が、必要に応じて神経の節前(脳に近い方)の末端から分泌されます。

        シナプス:神経線維の先端にあって、ほかの神経細胞に結合する部位
               :神経線維から来る電気信号を化学的信号に変換して情報を伝達する装置

 

 そして向こう側の神経(節後線維)に有って、この節前の神経末端から分泌された物質を受け取るのがレセプター(受容体)なのです。

 また、節前線維の神経末端から必要に応じて分泌される特定の物質のことを神経伝達物質と呼んでいます。アセチルコチン・ノルアドレナリンなどはこれにあたります。これらの物質が神経末端から分泌され、それを対岸の神経が受け取とっている状態がスイッチがオンになっている状態です。

 スイッチをオフにするには、神経伝達物質の分泌を止めるか、レセプターにふたをしてしまえば良いのです。(神経伝達物質を分解してしまう方法も有ります)

 ところで最近、文献を読んでいて、リガンド(ligand)という言葉に出会いました。何のことかと思って調べてみると「受容体に親和性を持った物質」のことだそうです。そしてリガンドにはレセプターにくっつくだけのものと、化学伝達物質と類似の作用を示すものとがあり、全者をアンタゴニスト(遮断剤)、後者をアゴニスト(刺激剤)と呼ぶ」とのことでした。まあそれなら、ほとんど知っていることなのですが、、、、

「逆アゴニスト:inverse agonist」という用語が登場してきたのです。これはレセプターにくっつくと文字どおりアゴニスト(刺激剤)の逆の作用を惹起させる物質のことです。アンタゴニスト(遮断剤)はただレセプターにくっつくだけでそれ自身は積極的な作用は持っていません。(以下次号)

この記事は1994年10月15日号に掲載したものです。

---

【目次へ】 【前ページ】【次のページ】

    〜シリーズレセプターを考える2〜

     「始めにレセプターありき」                  

 レセプター研究の歴史において、「概念」という言葉が象徴的である。レセプターほど、実態が不明のまま概念だけが一人歩きし、しかもその間数々の優れた薬を創り出して、化学の進歩と人類の福祉に貢献した例は、他に類を見ないのではあるまいか。

 日本の薬学では薬理学は”生物系”の一部にすぎない。薬学に限らず日本の生化学の特徴は物質中心であり、生体物質の単離・精製、構造決定、試験管内での活性測定に終始し、これで実体が解明されたとする。生化学では、ニコチンレセプターの精製の成功以前にはレセプターの存在を認めていなかった。

 レセプターの概念が、物質としての実質が不明のうちに数々の薬を創りだした、という事実を知った時、これら物質中心の”生物系”薬学者たちは創薬化学における自らの学問の位置づけを迫られるようにみえた。

 例えば、自分たちのアプローチだけでは。所詮は創薬に直接貢献できないのではないかという一種の諦観がある。同時にレセプターという概念だけを駆使して創薬に成功した薬理学に対して一種の”うさん臭さ”を感じている。更に進むと、概念だけが一人歩きする学問領域よりは、科学的実体を重視すると自分たちの領域の方が学問としてのレベルが高い と、自惚る基礎化学至上主義に陥ってしまう。

 以上、東京大学薬学部の宇井理生教授の文章を引用させて頂ました。筆者がこのシリーズを通して言いたかったことが書いてあったからです。

前号で触れましたリガンドにしても、逆アゴニストにしても先にレセプターが発見されてしまったからこそ、話がややこしくなってしまったのです。

 筆者は1年位前にこのコーナーでベンゾジアゼンレセプターを取り上げて<なんでそんなもののレセプターが存在するのだ><生体内に始めから存在しないものに対するレセプターなどありえない>とした文章を書いたことがあります。(NO.144)

 あれから、ベンゾジアゼピンレセプターについて筆者なりに学習したところ、ベンゾジアゼピンレセプターに本来くっつくべき生体内物質(これを内因性リガントという)は、存在する筈だが、まだはっきりとは分かっていない。そしてその物質はベンゾジアゼピン系薬剤とは、逆の作用、つまり不安誘発痙攣誘発等の作用を持つ物質らしいということなのです。そしてこの物質を逆アゴニストと呼んでいるです。

 レセプターを中心に考えているからこそ、ベンゾジアゼピン レセプターじゃの、逆アゴニストじゃのという”うさん臭い”言葉ができてしまったのです。 (つづく)

 

【目次へ】 【前ページ】【次のページ】

   〜シリーズレセプターを考える3〜

     「ウイルスレセプタ−」

 ウイルスは種類によって感染する生物が決まっています。またウイルスに対し感受性を持つ生物でもウイルスが感染・増殖できる組織は決まっています。つまりウイルスには種特異性と組織特異性があるのです。ウイルスは、細胞に比べると非常に単純な分子の集合体で、宿主細胞が持つ種々な分子の生理機能を利用してはじめて増殖可能となります。そしてそのことは、ウイルスレセプタ−が存在すると仮定すれば簡単に説明できるのです。

 そこでまた単純な疑問が生じます。なぜウイルスのために宿主(人間と思って下さい)が自らの体内にわざわざウイルスレセプタ−をあらかじめ用意してやらなくてはならないのか?ということです。

 この答は、もうお分りの方も多いと思います。ウイルスレセプターは本来はウイルスのためのものでなく宿主にとって必要な生理機能を持つもので、ウイルスが勝手にうまいことその機能を利用しているにすぎないのです。

 エイズウイルス、人ライノウイルス、EBウイルスのレセプタ−はそれぞれCD(リンパ球表面の分化抗原)、ICAMA-1(細胞間接着因子)、CR(CD21;補体成分C3のC3dgフラグメントのレセプタ-)であることが分かっています。またインフルエンザウイルスのレセプタ−はシアル酸です。

 ウイルスレセプタ−は、ウイルスの細胞への吸着侵入および脱殻過程などを含む感染初期過程に重要な役割を持っているはずです。宇宙からのエイリアンが地球を征服しようとして、防衛庁の高官に乗り移って、その人物に成り済まし軍隊を牛耳ってしまうというのが、映画などでよく有ります。

 エイズウイルスは海軍兵学校を出たエリ−ト将校(CD:薬剤ニュ-NO.142参照 )にくっついてしまうのでまさにSF映画そのものです。

 それにしてもしつこいようですが、このウイルスレセプタ-とか、ベンゾジアゼピンレセプタ- とかいう呼び方はなんとかならないものでしょうか?(誤解の元だと思います )

 


【目次へ】 【前ページ】【次のページ】

   〜シリーズレセプターを考える4〜

   「レセプタ−は動く!!」

 レセプタ−は機能的には図に示すように次の3つのサブユニットから成り立っています。

1)細胞膜表面で伝達物質を認識して結合する装置

2)細胞膜のシグナル増幅伝達装置

3)細胞質内にセカンドメッセンジャ−の変化を引き起こす装置

 これは、オ−ディオに例えると分かりやすいと思います。1)はレコ−ド針(CDなら光センサ-のピックアップ)、2)はアンプ、3)はスピ−カ−の内にあるコイルみたいな ものでしょう。

 レセプタ−がオ−ディオ装置と違うのは、一つの場所にじっとしていないことです。

 レセプターの各サブユニット(3個)細胞膜の静止タンパク成分ではなく、細胞膜上をダイナミックに流動していて、集合・離散するだけでなく、細胞質内に取り込まれてreceptsomeを形成しているため、その数自身もいつも増えたり(アップレギュレ-ション)、 減ったり(ダウンレギュレーション)しています。

  図 略

 

 

 

 

 

 レセプタ−の流動は、細胞膜面上の移動と細胞質内への陥入とにわけられます。前者はレセプタ−の発生過程でみられ、後者は長期性脱感作(同じ薬ばかり使っていると効かなくなるといった慣れの現象)でみられる、いわゆるダウンレギュレ−ションです。

 種々の自律神経機能不全疾患の原因には、このようなレセプター数の変化が関与することが示唆されています。         (続く)

 

【目次へ】 【前ページ】【次のページ】

 〜シリーズレセプターを考える5〜

     「サイクリックAMP」

 女性の差別をするつもりは決してないのだが、オーディオマニアと言えば男に限られているように思う。オーディオが好きだと言う女性と話をしてみて も、いわゆるマニアではない。単に音楽鑑賞が趣味という程度だ。

 特にアンプを何を選ぶかという話題になると全く駄目で、アンプだけに数十万円も注ぎ込む男の気持ちが全く理解出来ないらしい。どころかアンプが何をするものかさえ分からない人(これは男も含む)もいる。

 アンプとは、電気信号を増幅するだけの働きをする装置なのだが、ピュアなままに信号を増幅するのは結構難しいらしく、少なくとも50万くらいの投資をしないとマニアとはいえない。

 で、レセプターの話なんですが、アドレナリンやアセチルコリンといった神経伝達物質がレセプターにくっつくと色々な作用が現われる訳なのですが、このときも、増幅装置が必要なのです。

 レセプターの役割は細胞外からのシグナルをインプットして、これを増幅・修飾したのち、細胞内にセカンドメッセンジャー(第2伝達物質)をアウトプットすることにあります。

 このセカンドメッセンジャーにあたる物質がcAMP(サイクリックエーエムピー)であり、これがプロティンキナーゼAを活性化させて、種々の酵素やタンパク質をリン酸化することによって様々な生理作用が発現するのです。

 アゴニスト(神経伝達物質等)がレセプターにくっつくと、アデニールシクラーゼという酵素がATPをcAMP(サイクリックエーエムピー)に変換させていきます。

 例えば、アドレナリンは気管支筋のβ2ー受容体(レセプター)に働くと平滑筋の弛緩を起こし ます。この作用は平滑筋細胞内でcAMP-プロティンキナーゼA系が活性化されることにより、ミオシン軽鎖キナーゼやCaATPaseがリン酸化されることによるものです。

 またATP(Tはトリ即ち3リン酸)からAMP(Mはモノ即ち1リン酸)に変化する際に2つのリン酸が遊離します。これがエネルギー源つまりアンプの電源になります。また細胞内セカンドメッセンジャーとしては、この他にサイクリッックGMP(cGMP)が知られています。

 アンプとはこのように重要な働きをしているのだ筆者は冬のボーナスでアンプを買い替えたいのだがうちの嫁さんは絶対に許してくれはしないのだ。

 

【目次へ】 【前ページ】【次のページ】

 〜シリーズレセプターを考える6〜

   「サブタイプ」

 ジャンジャカジャ〜ン、颯爽とした音楽をバックに勇者ヒデマル(注) は今日も、行方不明になってしまったロ−ラ姫を探して、魔物たちと戦うのだった。

 (注)少年には好きな名前が付けられる。我が家ではヒデマルと付けたのです。

 ちまたではウインドウズとかマッキントッシュとか騒いでいるのに、今時ドラクエTで遊んでいるのは私くらいなものでしょう。我が家では、昨年のマリオに続いて、本年度はファミコンのドラゴンクエスト(ドラクエ)を買ってしまったのです。

 やはり子供そっちのけで私が必死になってやっているのです。

 今、発売中なのはドラクエの5なのですが、我が 家では、1と2がセットになったものを中古で買いました。ドラクエとは、一人の少年が様々な魔物と戦いながら成長するという筋立になっていて町やら森やらを旅するのです。少年はどこにでも行けますが、ただ所々にカギの掛かっている場所が有って、そこへはカギを持っていないと入れないのです。

 ドラクエのTではカギは1種類しかなく、どんな ドアでも、又、宝物の入った箱も開けられます。

 ドラクエのUではカギはいくつもあり、そしてどのドアがどのカギというように決まったものしか開けられないのです。

 やっとここで学術的な話題に入りますが、これこ そレセプタ−のサブタイプの説明になります。

 一つの物質(リガンド)が薬として、また生体物質として、生体にいくつかの作用を持つということは、ひとつのカギに対していくつものレセプタ−のサブタイプが存在することを示しているのです。

 アドレナリンだとα1、α2、β1、β2といった多くのドアを開けることができます。アドレナリンに様々な生体作用があるのも、いくつものサブタイプが存在するからです。(ドアがα、宝箱がβとしてもよいでしょう)

 薬品の場合は、ドラクエUのように開けるカギが 決まっていた方が良いのです。薬品では、目的とする作用以外は副作用になってしまうからです。これを選択性と呼んでいます。

「大人のくせに、しょうもないゲ−ムばっかりせん ときや」と5歳の子供に言われてしまった。

「これは、おとうさんのお仕事に役立つんや!」

 サブタイプを説明するのは、マスタ−キ−とか、車のキーで説明した方が簡単なのですが、今回は強引にドラクエに結びつけてしまいました。これも子供に嘘をつかない為ですので、ご了承願います。

 

【目次へ】 【前ページ】【次のページ】

〜シリーズレセプターを考える7〜

   「ドパミンレセプタ−」  〜抗精神病薬の資格:条件回避運動〜

  昔の大道芸の一つで「三味線猫」なるものが有ったそうです。これは三味線に合わせて猫が踊るという芸なのですが、その猫に芸をしこむ方法はかなり残酷なものなのです。

 まだ子供の猫を熱く熱した鉄板の上に置いて、その横で三味線を弾くのです。猫は熱くて暴れまわります。これを何回も繰り返すうちに猫は、三味線の音を聞いただけで暴れ回るようになります。

 三味線の陽気な音とともに、暴れ回る猫を見て見物人は猫が三味線に合わせて踊っているように見えたのです。(図参照、参考文献 はるき悦巳)

 はるき悦巳のマンガによると昭和の初期まではこの芸を伝える者が居たようです。いまではこんな動物虐待はとても許されないでしょう。当然、この猫は精神的に病んでいる筈です。で、この病んだ猫を治療するとすれば、コントミンなどのフェノチアジン系薬が有効な筈です。

抗精神病薬は条件回避反応抑制作用を持っています。この作用は動物にあらかじめブザ−のような聴覚刺激が来ればある種のショックが加えられることを教えておくと、動物はブザ−が鳴ればショックを回避する行動を取るようになります。

   図 略

 フェノチアジン系薬剤は条件回避反応を抑制します。しかし、ショックが直接加えられれば逃避する反応は抑制されません。抗精神病薬剤としての資格は、基本的にこのような(実際に危険がきたら逃げるという)反応を示すこととされています。

バルビツ−ルなどの催眠薬は条件回避反応も直接的な逃避反応も両方とも抑制してしまいます。つまり実際に危険がせまっても逃げなくなるのです。

これはベンゾジアゼピン系薬剤の抗コンフリクト効果に通じるものです。(薬剤ニュ-スNO.128参照)

 抗精神病薬では、患者さんに通常の生活をしてもらうために、条件回避抑制反応は必要な反応なのです。

 抗精神病薬の薬理作用は不明な点もありますが、脳内細胞のドパミンレセプタ−の遮断剤であることははっきりしています。現在ドパミンレセプタ−にはD1〜D4まで知られていますが、D2レセプタ−がその作用を一番よく知られています。その他のサブタイプについてはまだ研究中です。

 

【目次へ】 【前ページ】【次のページ】

 <<シリ−ズレセプターを考える>>  第8回    

     「LDLレセプタ−」    

 40も半ばを過ぎて、お腹の出っ張りが目立ってくると、コレステロ−ル値に一喜一憂するようになってきます。でも、悪いイメ−ジが先行しています。

 がコレスレロ−ルと言えども、栄養素なので、細胞内に入れる必要があるのです。

 コレステロ−ルは、副腎皮質ホルモン、性ホルモンや胆汁酸生合成の原料であり、生体膜や血漿リポタンパク質の構成成分なのです。血中コレステロ−ルは人で約200mg/dlでその大部分は、コレステロ−ルの中でも悪玉とされるLDL(Low density lipoprotein:低密度リポタンパク質、薬剤ニュ-ス NO.101参照)に含まれています。

 ですからLDLを悪玉と決め付けてしまうのも、実は誤りです。LDLも人間にとって必要なものなのです。そのためにLDLレセプタ−なるものも存在しています。

 LDLレセプタ−はコレステロ−ル運搬体である低密度リポタンパク質(LDL)に結合し、これを細胞内に取り込む働きをするものです。

 このレセプタ−は、他の多くのレセプタ−と違って、情報伝達に直接的に関係していないのですが、重要な働きを持っています。

 特に家族性高コレステロ−ル血症(FH)の原因がこのレセプタ−の遺伝的な異常であることが分かっています。FHの人の細胞では、このレセプタ−そのものがなくなってしまっているために、血管の中にLDHが過剰となり、動脈硬化を引き起こしてしまうのです。

 なお、LDLレセプタ−を発見したのは、ゴ−ルドスタインとブラウンで、1985年にこの発見によりノ−ベル賞をもらいました。

 

【目次へ】 【前ページ】【次のページ】

 第9回    

     「GABAレセプタ−」         

 ちゃんと説明できるかどうか不安なのですが一応、チャレンジしてみます。

 現在知られているレセプタ−の中で、GABAレセプタ−程、複雑な構造をしているものはありません。その構造は図を見ていただければお分かりのように、その中心にClチャンネルを抱えこんでおり、それによって脳内でCl− をコトロ−ルしているのです。

 不安状態では大脳の奥底にある辺縁系を中心に神経の興奮が高まります。この時、生体の防御反応として、GABAニュ−ロンから抑制性神経伝達物質であるGABA(γアミノ酪酸)が放出されて、興奮を抑制して不安を緩和するしくみになっているのです。

  GABAがレセプタ−に結合するとClーチャンネルが開いてClが細胞膜内に流入します。その結果、膜内が過分極となり、インパルスの発生、つまり精神な興奮が抑えられます。

 このGABAを介した反応に続き、二次的に不安と関連している脳内アセチルコリン、セロトニン(5HT)、ヒスタミン、エンケファリンなどの各神経路に作用して不安を抑えるとされています。

 これが病的な不安や慢性的な不安では、GABAだけでは十分に興奮を抑制出来なくなってきます。

 ここで例のベンゾジアゼピンレセプタ−の登場となります。

 

 

     

 

 

 

  GABAレセプタ-と合体しているベンゾジアゼピンレセプタ-にベンンゾジアゼピン系薬剤がくっつくとGABAのClチャンネル が開く頻度が増加して、より多くのClが脳神経細胞内に流入します。GABAだけの時に比べてより大きな興奮(不安)を抑えられるのです。

 また、ニュ−キノロン系抗菌剤はもともと弱いGABAレセプタ- 結合能阻害作用を持っており、これが解熱・鎮痛剤剤(NSAIDs)との併用で増強され、GABAの作用を阻害し、これが痙攣発作を誘発すると可能性を示唆しています。

 GABAレセプタ−は、その他にもバルビツ−ル等のレセプタ−とも合体しており,ベンゾジアゼピンレセプタ-の内因性リガント、逆アゴニストについての説明も不十分ですが、今後の課題とさせていただきます。でないと筆者の不安は、いつまでも続きそうです。

 

【目次へ】 【前ページ】【次のページ】

   最終回  

下図はGABA−Aレセプタ−〜略

                                         

     「ネバ−エンディングスト−リ−」    

 まさかこんなことになってしまうとは、、、

 ほんの2、3回で終わるつもりだったのが、10回近くも続いてしまいました。そして、まだまだ書くべきことは、山程あるのです。

 実は前号で解説しましたGABAレセプタ−は、GABA−Aレセプタ−だったのです。あれだけでも相当ややこしいのに、GABAには、更にまた別のレセプタ−が存在するのです。

リオレサ−ル(バクロフェン)という抗痙縮剤を当院でも採用していましたが、この薬がGABA−B作用薬としての地位を確立しました。この薬は臨床的には、脳及び脊髄の障害や疾病に基づく痙性麻痺に用いられており、痙縮やクロ−ヌスの改善が認められています。(当院では、アロフト、ミオナ-ル、テルネリン等が同効薬として採用されています。)

 これらの薬は、脊髄レベルに作用し単シナプス及び多シナプスの両反射を抑制すること、γ運動神経活性を持続的に抑制することにより筋弛緩作用を現すことが明らかにされています。

 現在、GABA−Bレセプタ−の生体機能や、疾病との関わりが明らかになりつつあります。例えば、GABA−B受容体機構が欠神発作発現に一部関与していることや、更に記憶に関係する海馬長期増強現象、うつ病の発現などにも係わっていることが明らになってきています。

 図 略

  

 レセプタ−の研究は、加速度的な進展を見せていて、臨床の領域でも、レセプタ−異常の原因としてレセプタ−数の減少、レセプタ−の自己リン酸化の低下による情報伝達の機能低下などがあることが明らかにされてきました。

 現在、その機能が解明されているレセプタ−で、いままでこのコ−ナ−で取り上げていなかったものを書き出してみます。

 セロトニンレセプタ-、ヒスタミンレセプタ-(H1、H2)、セクレチンレセプタ-、ホルモン(向下垂体性レセプタ-)、ステロイドホルモンレセプタ-、ビタミンDレセプタ-、ミネラルコルチコイドレセプタ-、インスリンレセプタ-、プロスタグランディンレセプタ-、インタ-フェロンレプタ-,インタ-ロイキン-2レセプタ-、CSFレセプタ-,EPOレセプタ-、グルカゴンレセプタ-、カルシトニンレセプタ- 、、、、、、、

あまりの数に、筆者のやる気はダウンレギュレ−ションしてしまいました。勝手ながら一旦このシリ−ズは終わらせてもらうことにします。

 (再見)

<2000年追記>

オーファン受容体

出典:JJSHP 2000.10

現在までリガンドが分かっていて、かつ受容体が明らかなものは100〜200程度ですが、最近のゲノム研究の進展に伴い、何らかの生理活性物質の受容体をコードすると思われる未知の遺伝子が多数見つかってきています。

これらは、対応するリガンドが不明なためオーファン受容体と呼ばれています。その数は、2000以上にもなります。

これまで、よく分かっている受容体を対象として薬は作られてきましたが、その10倍もの受容体が存在する可能性があると言うことです。

多くの薬物は、受容体に体する刺激薬(アゴニスト)か拮抗薬(アンタゴニスト)ですから、これらのオーファン受容体は創薬のターゲットとして大変魅力のある存在です。 

---

【目次へ】 【前ページ】【次のページ】

ダイオキシンレセプター

薬が何mg・μgという少量で効果を発揮するのは、人(生体)の中にレセプター(受け皿)があって、それがスイッチとなり、様々の薬理作用を発揮するからです。このことは以前このコーナーで連載したことがあります。

 ところで、最近、ダイオキシンレセプターが発見されたのです。言うまでもなくダイオキシンは、家庭で出るゴミを焼却したときなどにでる猛毒物質です。また、私は考え込んでしまいました。なんでこんなものがあらかじめ人体の中に備わっているのだろう。そもそもシリーズ「レセプターを考える」を書き始めたのも、ベンゾジアゼピンという最近開発された新薬に対するレセプターがなぜ人体の中に存在するのだろうということからでした。

 そのレセプターは、元来はベンゾジアゼピンのためのものではなく、生体内にある特定の物質(内因性リガンド)のためのものであろうというのが結論でした。今回も同様に、ダイオキシンレセプターも、本来そこにくっつくべき生体内物質があるはずなのです。

 環境汚染物質(TCDD等)であるダイオキシン類は細胞内でAhレセプター(AhR)と呼ばれる受容体と結合します。

 これら化合物とAhRの複合体はarylhydrocarbon recepter nucleartranslocatorと呼ばれる蛋白質とさらなる複合体を形成し、核においては転写因子として作用します。またTCDDとAhRの複合体は細胞質で蛋白質のリン酸化に影響を与えます。それらの結果起こる遺伝子発現の変化がダイオキシンの毒性発現の一端を担っているのです。
 
 AhRは、肝で特異的にその成長ならびに分化に関与していることを示唆しています。AhR欠損細胞はその形態が明らかに野生株とは異なると共にアルブミン産生能力が低下しており、さらに増殖の遅れが観察されました。

 つまり、ダイオキシンレセプターにも内因性リガンドが存在することは間違いないでしょう。しかしそれにしてもそのレセプターが猛毒(しかも人間の生活ゴミから発生する)のレセプターであったとは! 

 冷静に考えれば生体内にある無数にあるレセプターの一つにたまたまダイオキシンの構造がピッタリ合っただけなのですが、人類に対する警告と受けとれないこともありません。人類は素直に反省しなければいけないところまで来ています。


{参考文献}ファルマシア 6.1997

 

---

【目次へ】 【前ページ】

ベンゾジアゼピンレセプター

幸せになる方法  1994年1月15日号  No.144


  ベンゾジアゼピン系薬物とバルビツール酸系薬物は、その中枢作用の上で、催眠・鎮静・抗けいれんなど、似通った点があります。最近、ガンマアミノ酪酸(GABA)受容体の性質が明らかになっており、そのGABAとの関連でこれらの薬物の作用が説明されるようになりました。

(注)ベンゾジアゼピンがGABAレセプターに結合すると、GABAやバルビツール酸系薬物と結合しやすくなる。また、GABAレセプターにバルビツール酸系薬物が結合すると、GABAやベンゾジアゼピン系薬物が結合しやすくなる。

 まあ、それはいいのですが、一体ベンゾジアゼピンレセプターとは何やねん!と筆者は言いたいのです。今までの交感神経αレセプター、βレセプター、H2レセプターとかは話が分かります。アドレナリンとか、ヒスタミンは人間の体内で作られるものだからです。しかしベンゾジアゼピンはそうではありません。戦後開発された薬物です。なんでそんなもののレセプターが人間の体内に存在するのでしょうか?

 我々がベンゾジアゼピンレセプターを持っているということは、江戸時代の人間も、いや縄文時代の人間もベンゾジアゼピンレセプターを持っていたはずです。このベンゾジアゼピンレセプターは、ベンゾジアゼピン系薬物が開発されるまで何万年も何もせずにじっと待っていたのでしょうか?

 もちろん、そんな馬鹿なことは無いでしょう。筆者は色々探したのですが、この疑問に答えてくれる文献は見つかりませんでした。(1994年当時:インターネットもしていなかった)しかし、ヒントはありました。エンドルフィンです。この物質は、哺乳動物の脳及び下垂体から分離された強力なモルヒネ様活性を有するペプチドホルモンです。

 つまりモルヒネのレセプターにひっついて作用するのがエンドルフィンなら、モルヒネレセプターは、エンドルフィンレセプターというのが正しいはずです。モルヒネはケシの実から採れる物質で体内では作られません。ですからベンゾジアゼピンレセプターの場合も、ベンゾジアゼピン様物質が人の体内で合成されているという理屈が成り立ちます。

 さらに考えてみます。モルヒネを注射すると人は陶酔感(多幸感)を得られると言います。つまり幸せに成れるのです。人生の目的が幸せになることだとすれば、人が麻薬に手を出してしまうのも分からぬではありません。しかし麻薬には恐ろしい禁断症状が伴い、ついには廃人になってしまうといいます。

 エンドルフィンは、人が一生懸命になったとき分泌されることが確認されているそうです。(例:マラソンをしている時など)まだ発見されていないベンゾジアゼピン様物質も、おそらくペプチドホルモンで一生懸命働いた後何時間かして分泌されるのでしょう。

 教訓めいた結論になりますが、幸福になりたかったら一生懸命働くのが一番と言うことです。(年頭の挨拶にかえて)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

1998年になってやっと下記のような文章を見つけました。

ジアゼパム結合阻害たんぱく質:diazepam binding inhibitor

ファルマシア 1998.9

DBIは脳内で、抑制神経伝達物質であるGABAを含有する神経細胞のシナプス小胞体に存在するペプチド

DBIは中枢神経のみならず、末梢臓器にも分布している。
薬理学的、電気生理学的研究によりベンゾジアゼピン受容体の逆アゴニストとしての薬理活性を有すること、及び内在性不安誘発物質として作用することなどが明らかにされており、多くの中枢性神経疾患で観察される精神症状の発現に関与している可能性が考えられている。

重度の抑うつを伴うアルツハイマー病、恐慌状態、神経機能低下を付随する痴呆などを有する患者の髄液中のDBI様物質が増加することが報告されている。

薬物依存あるいは退薬症候群発現にDBIが関与していることは間違いないものと考えられる。

2003年追記 最近ベンゾジアゼピンレセプターのことをω(オメガ)受容体と呼ぶようになりました。

                                 ============================================================

レパートリー

1994年2月1日号に掲載

レセプターについて考えたこと。

 前号で、ベンゾジアゼピンレセプターについて“人の体内で合成されないもののレセプターが存在するのは得心がいかない”とのべました。しかし、あれから2週間、さらに考えた結果を述べてみます。

(注:この当時、筆者は内因性リガンドという言葉も知りませんでした。ちなみにMRさんにも薬剤部長にも、更には薬学部の学生にも質問したのですが誰も当時は知りませんでした。ですから以下の理論には無理があるのをご承知の上でお読み下さい。)

 例えば、抗体ですが、あれは抗原に対するレセプターと考えられます。抗原はもちろん、外部からやってくるもので人の体に元から存在するものではありません。それから舌にある味蕾(みらい)は味を感じる器官で一種のレセプターです。その他にも温度のレセプター、圧力のレセプターなどがあり、これらは化学レセプターと呼ばれています。(chemoreceptor trigger zone;CTZ 下記)

 抗体では、なんと人間の体内には、地球上に存在しない物質に対する抗体さえ用意されているとう説もあります。何万、いや何億種類もの抗体がアミノ酸配列の組み合わせによって合成されているのです。これらは何時使用されるか分からないのにずっと待機しているのでしょうか。これらの一群の抗体はレパートリーと呼ばれています。

 ですから、ベンゾジアゼピン系薬剤に対するレセプターが人の体内に存在してもそれほど不思議ではないのかもしれません。(上記DBI参照:本来は、ベンゾジアゼピン系薬剤のレセプターではなかったということです。 )

生殖(胚)細胞遺伝子説

germ-line theory

 免疫系が対応できる抗原は多種多様で104〜105種類と推測され、それぞれに特異的な抗体が産生されます。これらの抗体の活性構造も相当するだけの多様性をもたなければならず、その種類の広がりを免疫レパートリーといいます。動物種または個体における免疫系の多様性の生ずる機構を説明するために導かれた遺伝子説で、生殖細胞germ cellの染色体上にすべての遺伝子が存在し、免疫系の分化に伴い、その中の唯一の遺伝子が1つの細胞クローンに表現されると考える説。

   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

   2003年8月27日朝日新聞 朝刊

 「免疫はアドリブ上手」

 免疫系には病原体を攻撃する1億種類以上の多様な抗体があります。それらは、約1千の遺伝子から作られるとされています。

 人では、3通りの方法で抗体ができます。

1.病原体や毒素など抗原を認識する部分を作るときには、遺伝子の断片が色々組み合わされる。2.さらに遺伝子の一部が変化する。3.抗原を攻撃する部分は、遺伝子が部分的に組み換えられる。

1.は抗原を認識するための仕組みでノーベル賞を受賞した利根川進が70年代に解明
2.は突然変異
3.はクラススイッチという現象で、抗原への反応の仕方を変化させます。

生体反応には通常、遺伝子によって決められたシナリオがあります。しかし、免疫反応では、状況に応じて遺伝情報を変換し、シナリオに適当なアドリブを加えて活躍します。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

CTZ

chemorescptor trigger zone

化学受容体引き金体

延髄には化学受容体引き金体が存在し、化学物質がCTZを刺激するとCTZを介して嘔吐中枢が刺激され嘔吐が生じます。

モルヒネ、ニコチン、エメチンなどの薬、食中毒時の毒素や尿毒症・妊娠中毒・低酸素状態などでCTZは刺激されます。

---

メインページへ

核内レセプター

疾患と標的薬

2010年2月15日号  No.515

 近年のゲノム解析によって、ヒトで48個の核内レセプターの存在が明らかになりました。しかし、まだ生理機能の不明なものたくさんあります。

 現在、機能解析が積極的に行われており、今後、新たな核内レセプターを標的とした薬の増加が予想されます。

‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’‘’

 核内レセプターは、ステロイドホルモンレセプター、ミネラルコルチコイドレセプター(MR)、エストロゲンレセプター(ER)、レチノイン酸レセプター(RAR)、ビタミンDレセプター(VDR)、ペルオキシゾーム増殖因子活性化レセプター(PPARs)、LiverXレセプター(LXR)などが知られており、リガンドとの結合を介して標的遺伝子の発現を直接的または間接的に調節することで、生体の恒常性維持に関わる広範な生理機能の調節を行っています。

 核内レセプターとの関連が示唆されている疾患としては、メタボリックシンドローム(2型糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満)、乳癌、子宮癌、前立腺癌、慢性炎症などがあります。

 また、核内レセプターを標的とする医薬品としては、アクトス錠(PPARγ:2型糖尿病)、セララ錠(MR:高血圧)、フィブラート系薬剤(PPARα:脂質異常症)、クエン酸タモキシフェン(ER:乳癌)、トランスレチノイン酸(RAR:急性前骨髄性白血病)などがあります。

 近年、LXRの機能が注目され、標的薬の開発が盛んに行われています。LXRαとLXRβの2種類のサブタイプが存在し、脂質合成において重要な役割を果たしているとされています。

 現在、LXRアゴニストで血清コレステロール低下作用の研究が進められており、リポバス錠との比較試験で、総コレステロールとLDLの有意な減少が示されています。

* グルココルチコイドレセプター (GR)と  遺伝子発現制御機構の解明

 副腎皮質グルココルチコイドは炎症性疾患や自己免疫疾患の治療薬として汎用されていますが、骨粗鬆症をはじめとした副作用は臨床的に大きな問題です。

 近年、核内レセプターのリガンドはリガンド結合領域の立体構造変化を介して核内レセプターの機能に多様な修飾を与えうることが明らかになりました。薬理学的にも選択的機能修飾薬 (selective nuclear receptor modulator, SNRM)は現実のものになりつつあります。

 すでに、GRのリガンド結合領域がきわめて多彩な機能を有していることを発見し、コルチバゾールという合成グルココルチコイドをモデルに用いてSGRMの分子基盤創成に向けた研究が展開されています。

 コルチバゾールは、デキサメタゾンなどの従来の古典的グルココルチコイドと比較して、GRとの結合様式が異なっています。現在、コルチバゾールによるリガンド結合領域の構造変化と機能との関連が追求されています。

 以上の研究を行なう上で、転写制御機構とそのヒト疾患の病態解明や治療法開発への展開に大いに期待が寄せられています。

   {参考文献}薬局 2010.1 等

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

シリーズ:TLR(3) シリーズ:TLR(3) 病原体のTLR認識回避はこちらです。

---

【無駄口薬理学】 【やさしい薬理学】 【MRSA】 【HLA】

---