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日和見感染症とその要因

昭和62年11月15日号 No.11

   この記事は昭和62年に書かれたものです。当時、まだ私たち医療従事者はMRSAという言葉さえ知りませんでした。


 感染症は近年大きく変貌したといわれています。古典的な伝染病から、宿主側の要因に左右される難治性感染症へと移行して来ています。高齢者、各種基礎疾患を有する者、抵抗力が減少した者に起こる日和見感染症が、感染症の変貌の中心になっているといえます。

 日和見感染症とは、宿主の感染防御能がなんらかの原因によって低下したため、通常ほとんど病原性を示さない微生物によって惹起される感染症と定義することができます。


<日和見感染症の原因>

1)局所的障害
  * 広範な火傷、外傷
  * 腫瘍などによる管腔臓器の閉塞、障害
  * a中心静脈カテーテル等の器具(異物)の使用

2)全身的障害
  *基礎疾患
   ・重篤な血液障害(白血病、悪性リンパ腫など)
   ・膠原病
   ・AIDS(エイズ)

  *医療行為
   ・副腎皮質ステロイド、その他の免疫抑制剤
   ・抗腫瘍剤
   ・抗生物質の長期連用
   ・放射線療法
   ・臓器移植

<日和見感染症の代表的起因菌>

1)細菌
  * グラム陽性球菌:表皮ブドウ球菌など
  * グラム陰性桿菌:大腸菌、緑膿菌、クレブシェラなど
  *その他:抗酸菌、ノカルディアなど

2)真菌〜カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカスなど

3)ウイルス〜帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルスなど

4)原虫〜トキソプラズマ、ニューモシスティス・カリニィなど


MRSA以外の薬剤耐性菌



ESBL:extended-spectrum β-lactamase産生菌

 従来と比べて、分解して無効にしてしまう薬剤の範囲が拡大したβ-ラクタマーゼのこと。

 基質拡張型βラクタマーゼと訳されている。従来のβラクタマーゼでは分解されにくかった第3世代のセフェム系薬を分解できるようになった基質特異性の拡大したいわゆる進化したβラクタマーゼと定義されています。

 こうしたESBLを持ち、多剤耐性を示すクレブシェラや大腸菌などのグラム陰性菌が増加しています。第3世代セフェム系にも耐性を示すので欧米で問題となり、日本でも出始めています。

 ESBLを産生する菌は主に肺炎桿菌や大腸菌であるとされており、日本でも1990年代に入って徐々に報告数が多くなってきていますが、それでも欧米よりESBL産生菌の報告が少ないのは、第3世代セフェム薬の使用量が少ないからと考えられています。

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朝日新聞 1994.15

 ESBLについては、1980年代前半からヨーロッパで、肺炎桿菌に関して報告
 
 ESBLは、突然変異により、ペニシリナーゼがペニシリン系だけでなくセフェム系(第3世代)まで分解するようになった酵素で、このESBLを持つ大腸菌が、関東地方の病院から発見された。

MDRP:multidrug-resistant Pseudomonas

 多剤交叉耐性緑膿菌〜抗緑膿菌として開発された新しい抗菌薬にも耐性を示します。
ニューキノロンやカルバペネム系の登場で一段落していたものの、MRSAが下火になるのに逆行して、また問題になってきています。キノロン耐性菌は多剤排出機構の問題を提起し、伝達性カルバペネム耐性も登場しました。

MDRMT:multidrug-resistant Mycobacterium tuberculosis

 多剤交差耐性結核菌。

 エイズ患者が増加しているアメリカなどでは、従来有効とされてきた抗菌薬に多剤耐性を示す結核菌が多くなってきています。日本でも免疫不全患者の増加とともに結核症の増加がみられてMDRMTにも注意が必要です。

VREF:vancomysin-resistant Enterococcus faecium

バンコマイシン耐性腸球菌

臨床から分離される腸球菌のほとんどは、 Enterococcus faecalisですが、欧米ではバンコマイシンに耐性を示す Enterococcus faeciumが問題になっています。

<わが国におけるバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の最初の検出例>

 1996年3月,京都府内の1医療施設に入院中の81歳女性の尿よりバンコマイシン耐性腸球菌が分離された。高血圧・糖尿病・多発性脳梗塞にて神経内科外来にて治療中、1996年3月初旬より発熱・排尿困難あり,急性腎盂腎炎の診断にて入院。脳梗塞による神経因性膀胱があり尿道カテーテルを挿入されていた。尿培養・血液培養より、Escherichia coliが分離され、セフォチアムの静脈投与にて改善し、尿道カテーテル抜去後の尿培養より、Enterococcus faeciumが分離された。各薬剤のMIC値(μg/ml)は、VCM >128; TEIC 32; ABPC 128; GM >64; EM >32; OFLX >64を示し、さらに遺伝子解析にてプラスミド上にvanA遺伝子を持つことが確認され,クラスA型VREと判定された。本症例は抗生剤の菌交代現象として分離されたものと推測され、以後、本患者の尿、便、会陰部からは分離されていない。同時期に同室に入院していた患者の便からも、またその後、病棟からも分離されておらず、医療従事者を介したVREによる交差感染などの院内感染は否定的であった。

こちらの記事もご覧ください。→グリコペプチド耐性グラム陽性球菌

 参考文献:N. Fujita et al., Antimicrob. Agents Chemother. 42:2150, 1998


* バンコマイシンとβラクタムが拮抗、バンコマイシンとβラクタムの併用は避けるべき。

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<薬剤耐性のメカニズム>

 耐性を獲得するメカニズムには、大きく分けて4つあります。

1)抗菌薬を不活化する。

分解:抗菌薬の構造を壊す。
修飾:抗菌薬に余分な原子団

2)抗菌薬の作用点を変化させる。

質的変異:抗菌薬の標的となる細胞壁合成酵素の質を変える。
量的変異:大量に酵素を作る。

3)膜透過性を変化させる。 →ポーリン孔もご覧下さい

流入阻害:抗菌薬の侵入する透過孔を減少させて、菌体内に抗菌薬が入らないようにする。
排出:菌体内に入り込んだ抗菌薬をくみ出す。

4)排出ポンプ:いったん細胞内に入った抗菌薬が、速やかにくみ出される。

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*抗菌薬の濫用によって耐性菌が選択される。〜耐性菌の蔓延には、抗菌薬の濫用が関係しています。

 耐性菌が最初に生まれた時はその数はわずかです。ところが、そこへ耐性菌に効かない抗菌薬が使用されると、感受性菌は抗菌薬によって消滅し、耐性菌だけが生き残り増加します。この過程が繰り返され、さらに高度の耐性菌が選択されていきます。

抗菌薬の適正使用が求められています。

出典:ファイザー製薬資料より

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<アミノ配糖体系薬耐性機構>

出典:現代医療 増刊2 2000.7

 アミノ配糖体系薬耐性(AGs)耐性の主たる機構はAGs修飾酵素による抗菌活性の失活です。

 AGs修飾酵素はアセチル転移酵素(AAC)、リン酸転移酵素(APH)、およびアデニリル転移酵素(AAD、またはANT)の3群に大別されます。さらに各酵素は修飾するアセチル基やヒドロシル基の位置を括弧で示すことにより細分化されています。例:AAC(6’)

 修飾されたAGsは標的部位であるリボソームとの結合親和性が低下するため、mRNAの翻訳に影響を与えることが出来なくなります。これらの酵素はAGsのアミノ基や水酸基の認識が異なるため、各AGsの耐性値を調べることにより、酵素の種類が特定できます。

 MRSAやVREのゲンタマイシン耐性はAAC(6’)とAAC(2’’)の2つの機能を同時に持つ双頭酵素である場合が多く、ゲンタマイシン高度耐性を示します。しかし、この酵素は抗MRSA薬であるアルベカシンをわずかしか基質としないため、本酵素産生菌にもアルベカシンは有効であると考えられます。

<キノロン系薬耐性機構>

 菌体外排出蛋白、DNAジャイレースおよびDNA娘細胞への分配に関与するトポイソメラーゼWの変異

ジャイレースの変異が大きく関与しています。

 キノロン系はDNAジャイレースまたはDNAトポイソメラーゼWのキノロンポケットと呼ばれるキノロン結合部位に結合し抗菌活性を示します。しかし耐性菌のDNAジャイレースおよびDNAトポイソメラーゼWはこのキノロンポケットのアミノ酸の変異に伴い、キノロンとの結合親和性が低下しています。

 MRSAの70%以上がキノロン系に耐性となっています。


ヘテロ耐性菌

出典:現代医療 増刊 2000.6〜順天堂大学医学部 花木秀明、平松敬一

 耐性菌か感受性菌かの区別は、単にMIC値の大小に頼っているのが現状です。しかしこの方法は菌の細胞集団全体をMIC測定方法の枠内で観察しているにすぎず、細胞集団の個々の薬剤感受性をみているものではありません。

 したがって、耐性菌が少数含まれていたとしても、見過ごされてしまうことになります。これらの内在する少数の耐性菌が、抗菌薬使用後に大多数を占めるようになり、MIC値としても耐性の値を示すようになります。つまり、抗菌薬による耐性菌の選択が行われることになります。

 このような、ごく少数の耐性菌を見逃してきたことが、耐性菌蔓延の一因になっていると考えられます。

 このごく少数の耐性菌が内在する細胞集団を「ヘテロ耐性菌」と呼んで、真の感受性菌とは区別して取り扱います。


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MSW理論 

2004年5月1日号 No.382

 近年、耐性化機序をめぐって、あらたにmutant selection window(MSW)理論と呼ばれる概念が提唱されています。

 そもそも細菌の薬剤感受性には、異質性(heterogeneity)があって、多くは感受性であっても、そこにはごく僅かな量の耐性株が混ざっています。MICをやや上回る程度の濃度の抗菌薬に曝露した場合は、感受性株は全て除菌できますが一部の耐性株は生き残り増殖します。言うなれば耐性菌だけが生き残れるように選択してしまう抗菌薬の濃度範囲(MSW)があるという理論です。

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 ある種の抗菌薬のMICを僅かに越えた濃度付近では、いわゆる感受性菌株は消滅しますが、実際には感受性菌以外にもheterogeneousな耐性化変異株が存在していて、これらは生き残り増殖します。抗菌薬の濃度を次第に上げていくと耐性化変異株も順次消滅していき、これらを完全に抑制できる濃度をMPC:mutant prevention concentrationと言い、MPCとMICとの間の濃度をMSW:mutant selection windowと呼びます。

 抗菌薬の増量や投与間隔の短縮などで血中濃度を次第に高めていくと、耐性株は順次除菌されます。MSWの下限はMIC、上限は耐性菌の出現を完全に抑制できる濃度(MPC)です。

 これらは主としてニューキノロンで明らかにされつつある情報ですが、耐性菌の出現を防ぐためには、従来のMICに加えてMPCを考慮した投与方法の確立が望まれ、サイクリング療法を実施する上でも念頭に置く必要があります。

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AUIC:area under the inhibitory time curve

 ニューキノロン系では、生体内での抗菌力が投与後24時間までの
AUCMICとの比、すなわちAUC(0-24)/MICの値によって決定されるとの概念が提唱されており、これをAUICと呼んでいます。

 例えば、シプロキサン(CPFX)のAUIC値でみるとAUIC値が125未満の患者群に比べ、125〜250、あるいはそれ以上であった患者群では菌の消失が顕著であることが示されており、AUIC値はシプロキサンをはじめとするニューキノロン系の治療効果を予見する上で重要な指標として位置づけられています。

 されに近年、このAUIC値は耐性化率と密接に関係することが見いだされました。

 緑膿菌による気道感染症に対して使用されたシプロキサンのAUIC値が110を下回ると、在院日数に依存して耐性化率が顕著に増加し、逆に110を上回ると耐性化率は抑制されることから、AUIC値は耐性化率を予測する上でも重要な指標とされています。

      出典:医薬ジャーナル 2004.4


医学・薬学用語解説(D)  DC:dendritic cell は こちらです。


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  緑茶の効用

2002年7月1日号 No.339

「茶寿」とは、108歳のことで、昔から「薬より7杯のお茶の方が良い」とされています。

 最近の研究でも、緑茶の抗菌作用や抗癌作用が注目されています。

<緑茶エキスと抗生物質〜MRSAに相乗効果>

 MRSA感染症対策として、抗生物質の組み合わせによる併用療法が試みられていますが、緑茶エキスとの併用により抗生物質の効力が高まることが分かりました。一部の抗生物質については、お茶と共に服用することで相乗効果が期待できると言えそうです。

*5%エキスの併用で効果

 MRSAには、ヒノキチオ−ルや茶カテキン、緑茶エキスが抗菌力を持つことがすでに報告されています。帝京大学細菌学教室の村山講師・末柄講師らは、緑茶エキスと抗生物質の併用効果について分析しました。

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 緑茶エキスは、1gの緑茶を100mlの沸騰水に加えたものを使用。濃度は5%で、この濃度ではMRSAの発育を阻止しないといいます。

 MRSAを塗布した培地にこのエキスを1滴添加して抗生物質を加えたものと、抗生物質のみの培地とで最小発育阻止濃度(MIC)を比較。

 検討した抗生物質は、アンピシリン、セファゾリン、セフォチアム、セフチゾキシム、セフメタゾ−ル、フロモキセフ、イミペネム、カルモナムです。

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  それによりますとカルモナムを除くβラクタム剤すべてが、緑茶エキスを加えることによりMRSAに相乗効果のあることが示されました。エキスを添加しないものと比べMICが100〜1,000倍低下したデ−タも見られます。

 なぜ、βラクタム剤だけが相乗効果を示すか、緑茶エキスの中の抗菌成分は何かとかは今後明らかにしたいということです。

 5%濃度の緑茶エキスは、普段飲むお茶の体内での緑茶エキス濃度にほぼ匹敵し、お茶でβラクタム系抗生物質を服用すれば相乗効果が期待できることにもなります。

 さらにこの結果はお茶と共にβラクタム剤を服用すれば、通常量の百分の1から千分の1の量でも抗菌効果があることも示しており、末柄氏は「服用量が少なくても効果が得られるならば、副作用も少なくてすむであろうし、抗生物質全体の消費量も減って、耐性菌の出現を抑えることにも役立つと考えられます。さらに、緑茶エキスを加えた新しい抗生物質の開発も可能ではないでしょうか」と話しています。

  {参考文献}Medical Tribune 1996.2 8



              {参考文献} Medical Tribune 1996/ 2/ 8

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緑茶カテキンの遺伝子保護作用→発癌抑制作用


 緑茶に多量に含まれるカテキン類(C)には、強い抗酸化作用のほか、突然変異抑制作用や発癌抑制作用が認められています。その作用機序の一つとして、ヒドロキシラジカル(・OH)やスーパーオキシラジカル(LOO・)などの活性酸素種をカテキン類が直接消去することで、発癌の原因の1つであるDNA酸化障害を減少させることが明らかにされています。しかし、緑茶を飲用する程度の微量なカテキン類の摂取でなぜ発癌抑制効果が見られるのかその機構は完全には解明されていません。

 緑茶カテキンは活性酸素種を直接消去するだけでなく、・OHによって引き起こされて酸化DNAに対して、電子を受け取ることにより障害を素早く取り除きDNAを化学修復するという方法によってもDNAを障害から防御しており、そのため緑茶カテキンはフラボノイド類の中でも強い発癌抑制活性を持つとされています。強い抗酸化剤であるビタミンC、ビタミンEなどは、同じ実験ではDNA障害保護作用を示しませんでした。

              {参考文献}ファルマシア 2002.6

 「緑茶カテキンの脳保護作用」についても ファルマシア 2005.4に記載されています。

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EGCG
エピガロカテキンガレード

 EGCGは、お茶の渋み成分であるカテキン(ポリフェノール)中の50〜60%を占め、1g中の緑茶中に50〜100mg含まれます。

 EGCGには発癌の抑制効果、転移阻害効果、癌細胞に対するアポトーシス誘導効果などが報告されています。

 また、新たに破骨細胞効果も見いだされました。高齢者で増えている骨粗鬆症の予防にも効果があるのではと期待されています。

 緑茶の癌抑制効果は、疫学的に検討され、1日10杯程度の緑茶を飲用しているグループでは優位に発癌頻度の低下、発癌年齢の高齢化が認められています。

 飲茶の習慣と骨量の関連についての台湾の調査では、10年以上の長期間の飲茶(ウーロン茶)している人では、優位に骨量が大きいことが示されています。

 茶の成分中の何が有効であるかは明らかにされていませんが、EGCGがその本体ではないかとも考えられ、現在研究が進められています。

                       出典:治療 2003.2

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緑茶〜まず蒸すか、炊熱することにより、酵素が失活されているため、生の茶葉の成分が酵素によって変化することなく、そのまま残っています。

番茶〜煎茶を製造する際に得られた堅い葉や茎、さらには夏以降に延びた葉や茎を材料にしています。

玉露〜遮光栽培で得られる柔らかい葉が用いられています。

抹茶〜茶葉そのものを微細粉末にして使用します。一般に茶は、湯に浸出した液を飲んでいるため、不溶性のものは茶葉に残ったままです。これに比べ抹茶は茶葉を食べることになり、茶葉に含まれる不溶性のビタミンE、ポリフェノール類、食物繊維など、茶の成分をすべて利用していることになります。

{参考文献}医薬ジャーナル 1997.7

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羅布麻茶(らふま茶)

 羅布麻茶は別名ヤンロン茶とも呼ばれ、中国北部の河南省、河北省、三東省などで飲用されています。

 血圧降下作用があるといわれ、その有効成分は、フラボノイドであるイソクエルシトリンとハイペロサイドとされています。他のお茶と違い、全くカフェインを含んでいず、毎日
1L飲むのが効果的とされています。

 また、精神安定作用や免疫力を高める作用もあり、風邪の予防や治療によいとされています。

 なお羅布麻茶には紅(紅麻)と白(白麻)があり、薬効が認められているのは紅だけです。

  出典:薬局 2004.3


用語辞典 (か) カルシウム感受性増強薬は こちら です。

 

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