車の連載は一休みして、3/19 に児童会館で行われた
STARDUST☆REVUE のライブの話。
今回のツアーはアルバムタイトルから「太陽のめぐみ」という名前がついている。
ネタばらしもありうるので、これからこの「太陽のめぐみ」ツアーに参加する方はご注意いただきたい。
コンセプトは、題名から想像されるように、我々が今ここに生きているという奇跡に対する感謝、とかそういうこと、だそうだが、別にそれに凝り固まっているわけではない。スタレビ得意のラブバラードもあるし、これまた得意なコミカル ソングもある。
さて、方言ネタ。
今回の企画は、「ご当地アカペラ」である。
ステージと観客席とのやり取りで歌詞を作って、その場で歌う、というもの。
勿論、メロディーは既に決まっていて、ボーカルの根本要がそのお題を読み込んだ歌詞を即興で組み立てる。
ステージ上からの注文としては、「なまはげ」「きりたんぽ」というようないかにもなお題は避けて欲しい、とのこと。
これでいきなり観客席が黙る。だって急にそんなこと言われてもさ。
誰かが言った。「
ネイガー」。おぉ、いいとこだ。根本要も知っているらしい。
まずはそれで決まりだが、ネイガーは一人なのか、という質問。ローカル ヒーローはなぜか戦隊型が多い。
また誰かが言った。アラゲマルがいる。
これが「
アラゲマン」に聞えてしまったのはしょうがないのだが、次の説明がいかん。「あばれる」とか言ってる。
これじゃ、
アラゲマンが悪役でネイガーがヒーローみたいじゃないか。
というわけで
アラゲマンの話はなかったことに。
次の質問が、ネイガーはなんと言って変身するのだ。
「ゴウシャク」はいいが、それにかぶさるようにして「怒る」という声。これまた、要領を得ない回答である。
前にも書いたが、根本要の父親は秋田の人。秋田弁のヒヤリングはそこそこいけると思ってたそうだが、全然だめ、と言っていた。
そもそも、小さいとはいえ
児童会館はホールである。観客席から、簡潔にして当を得た説明をするなんて無理。マイク渡されて長く話せるんならともかく。
だから、「荒海丸 (アラゲマル)」というネーミングが、秋田弁で「あばれる」に相当する「
あらげる」にヒントを得たものである、とかいうことを一気に説明しようったって難しい。同じように、ネイガーの変身コードが「豪石」で、これが秋田弁で「怒る」を意味する「
ごしゃぐ」から来ているのだ、ということを理解してもらうのも大変。どうやら根本要は、ネイガーは怒ると変身するのだ、と理解していた節もある。
そんなこんなで、色々と取り入れるのはやめて、ネイガー話はネイガー一本で行くことに。
次のお題が「
バッケ」。これも旨い。いや、上手い。メンバーの何人かは知っていた。男鹿担当の (
違) 柿沼清史だけが、なんだっけ、という顔をしていた。
標準語形で言えば「ふきのとう」。
『語源探求 秋田方言辞典 (中山健、秋田協同書籍)』によればこれの語源は諸説あるようで、まず「初穎 (はつかい)」である、という説。「穎」は芽で、雪解けのときに出てくるから、ということらしい。『秋田のことば (秋田県教育委員会編、
無明舎出版)』はこれとしている。
あと、「フキの末家 (分家)」、「葉」と食い物を指す「けひ」という古語、「蛮人の毛」、アイヌ語の「頭」、樺太アイヌの言葉、「婆毛」などがある。
オキナグサという多年草があって、これを「バッケ」に近い形で呼ぶ地域があるらしい。オキナグサも白い毛に覆われた草なのだが、フキノトウもそれに近いことを考えると、「婆毛」じゃねぇの、というのが『語源探求』の説。
ちなみに「フキノトウ」は「蕗の薹」と書く。フキノトウというのは、言えば蕗の芽なのだが、これをとらずに放っておくとどんどんと伸びていく (当たり前か)。これを、立ち上がる様子と見たのが、「薹が立つ」である。「若くなくなる」という意味はここから来ている。
三つ目が「
ババヘラアイス」。これはもう改めて説明の必要はあるまい。すっかり全国区のようだし。
ほかの場所では、たとえば保谷なら「かりんとう」、岡山は「B 級グルメ」で話題になったホルモンうどん、名古屋ではナナちゃん、大阪では造幣局などが挙った由。なかなか面白いところをついている。
実は秋口に新宿厚生年金でのステージを見て、秋田だと何かなぁ、って考えて思いつかなかったので、秋田公演まで考えとこ、と思ってたのだが、すっかり忘れていた。
横手に
カシワヤ楽器という楽器屋・CD ショップがある。秋田市にも 3 軒あったのだが、去年の秋までに全部、撤退した。
こういうライブだとロビーで CD や DVD の販売をやるが、カシワヤのことが多かったけど、今はどうなんだろうな、と思った。
買えばわかるって? だって大体、持ってるんだもん。
何枚か抜けてるんだけど、調べてメモっていこう、って思って、これまたずっと忘れている。