テレビとラジオ
   目 次

1. はじめに
2. 週刊ブックレビュー
3. 日曜喫茶室
4. おわりに
5. 地球ラジオ
6. トップランナー
7. まちかど情報室
8. 地球アゴラ
9. Jブンガク
   
              

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1. はじめに
 誰でもよく見るテレビ番組や、よく聴くラジオ番組は、決まっていると思います。
 まず、私の場合は「ながら族」だということもあって、ラジオをよく聴きます。パソコンに向かったり、車の運転中は、よく聴きます。
 今回は、テレビ番組とラジオ番組をそれぞれ一つご紹介します。もっとも週間ブックレビューは前に載せたものへのリンクです。ラジオはNHK FMの日曜喫茶室です。両番組とも最近節目を迎えた(週間ブックレビューは700回、日曜喫茶室は30年)ので、新聞記事が載りました。
 ほかによく見るテレビ番組としては、ニュース、天気予報、新日曜美術館、世界遺産、シルクロード、朝ドラなどがあり、ほかに趣味悠々(06年4〜6月は「日帰りで楽しむ 風景スケッチ」、6〜8月は「世界の名曲を弾いてみよう」など)を時々見ます。
 またラジオ番組としてては、ニュース、地球ラジオ(土・日曜日の夕方放送)、音楽番組(名曲リサイタル、セッション2000ほか)などです。

3. 日曜喫茶室
話の花咲く日曜喫茶室 FM番組30年、縁遠いゲスト取り持つ はかま 満緒

 先日、沖縄で高校生に「日曜喫茶室はどこの喫茶店から放送しているのですか?」と尋ねられた。毎週日曜の昼12時15分からNHKのFMで放送される「日曜喫茶室」を始めて30年目になる。高校生の夢を壊したくなくて「探してみて下さい」と答えた。これは番組を始めて以来、よく聞かれる質問である。

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事前打ち合わせなし
 日曜喫茶室はタイトル通り、喫茶室を舞台にしたトーク番組で、私がマスター。「常連」のお客様一人と、ゲスト二人をお招きして様々なテーマを語り合う。音楽番組が主流のFM放送で、ゆったりとトークを聞かせる番組は今や珍しい。収録はむろん喫茶店ではなく、東京・渋谷のNHKのスタジオで行っている。
 30代でこの番組を始めたころは、ゲストのほとんどが年上で、気配りをまず念頭に置いた。10年を過ぎてから、相手からどう話を引き出すか、聞き上手の術を探るようになり、この10年は、私はスタジオに酸素を送り込む空気になろうと意識している。新鮮な空気をスタジオに生み出せば、樹木のように枝がすくすく育ち、話の花が咲く。
 ゲストとの事前の打ち合わせはしない。コント作家でもある私には本当は得意技なのだが、シャレなどで笑いを取ることはしまいと肝に銘じている。
 落語家の橘家圓(えん)蔵さんはサービス精神を発揮して、スタジオに入った途端、ギャグを連発した。「今日はおもしろいことはやめて下さい。これは師匠の人生を聞く番組ですから」とお話しすると、「そうなの」と切り替わって、逆に演芸番組などではしない話をして下さった。
 違うジャンルのお二人を組み合わせるのもこの番組の特徴だが、番組の"開店"当初、作家の松本清張さんと歌手の都はるみさんがいらした時は、何を話したものかと頭をひねった。考えた末に、幼いころの苦労談をはるみさんにして頂くと、清張さんも「私もね、貧しかったころはホウキ売りの外交をして・・・」と話がつながり、お二人の接点が見つかった。

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遠慮頂いた「洒」
 好きな飲み物を手に、リラックスしてもらう趣旨の番組なので、はじめはゲストに洒の持ち込み認めていた。しかし1時間45分もある番組では、酔いが回ってしまう。

 作家の有吉佐和子さんは赤ワインが過ぎて、立ち上がり、スタジオを動き回って体操を始めてしまった。共にゲストでいらした野球選手の金田正一さんが、棒を使った体操の話をしたためにそんなことになった。
 ウイスキーをちびちびやっていた詩人の田村隆一さんは「はかまちゃん、アンタ気に入ったよ」とご自分のマイクを離れ、私の目の前に立ちはだかり、録音ができなくなった。さすがにそれから、洒は遠慮頂くことにした。
 実は私たちのスタジオだけは消防署に届け出てたばこを吸える。作曲家の團伊玖磨さんなど、それを喜んで出て下さった方もいる。しかし最近は吸う方がめっきり減り、私も3年ほど前にやめてしまい、今、スタジオに煙はない。
 私自身の失敗といえば、版画家の池田満寿夫さんの回だろう。小説をお出しになったころにお招きし、番組を収録した。しかし放送の直前、池田さんがその小説で芥川賞を受賞した。なのに放送での私の話しっぷりは、池田さんの小説の価値をさほど重視しておらず、恥をかいてしまった。
 冒険家の植村直己さんは、最後の冒険に出発する一週間ほど前に出演して下さった。「今の時代に、本当の冒険などない。コロンブスの時代なら別だけれど、今は万全の準備をして出かけるのです」とおっしゃっていた。それだけに、よもやマッキンリーで消息を絶ってしまうとは・・・。

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実験的にスタート
 複数回の方を含め、のべ2千人を超える方に出演いただいた。放送に縁遠い学者の方も、この番組ならと出て下さる。私は毎回、さまざまな道のスペシャリストから講義を受けているようなもの。新書一冊分くらいの内容になる回も少なくない。

 リスナーの中には毎回、テープに録音する方がいる。「初回からすべて録音した」という方も3人ほどいる。録音して1週間、毎日店で流すという理髪店もあった。お客さんはそれを楽しみに散髪に来るという。名古屋では毎週日曜、喫茶店に集まり放送を聞くグループがあった。そしてその回のテーマを、午後いっぱい語り合っていた。
 FM放送が始まって間もないころ、実験的に始まった番組が、私のライフワークのようになった。今や番組の「空気」である私は、スタジオに酸素がうまく供給できなくなるまで、続けることになろうかと思う。(はかま・みつお=放送作家)
(出典 日本経済新聞 2006.4.3)

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4. おわりに
 日曜喫茶室はマスターのはかま 満緒(みつお)氏、常連の三人、毎回変わるゲスト二人の人柄が番組の決め手だと思います。珍しい話、貴重な話もありますが、マスターと二人のゲスト、常連の一人、それにウェートレスのかもしだす日曜日の午後のひとときが楽しみです。トークの間にかけるレコード(CD)の曲もなつかしい曲、珍しい曲が多いように思います。ちなみに06年6月25日のゲストは山本晋也さんと飯星景子さん、常連は安野光雅さんでした。

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[Last Updated 7/31/2009]