こないだスーパーに行ったら、「きなこパン」というのが棚にあって、昔懐かしい味が復活、みたいなことを書いてあったのだが、ちょっと記憶にないのだな、俺は。世代が違うのか、食ったことはあるが「きなこパン」という名前で覚えてないのか。どういうものが調べてみた (つまり買わなかった) が、やっぱり食った覚えがない。
で、あ、と思い出したのが、下記のパン。

秋田のたけや製パンが売っている。見つけたのは 8 月で、写真を撮ったきり忘れていた。最近、見ないところを見ると、あるいはもうラインナップから消えているのかもしれない。
「
やっこい」は「やわらかい」。「
やっけ」というくだけた形もある。
こないだ、
コーヒーですべり、
お茶で空振りしたが、今回はパンで行って見たい。なに、ここに実例があるんだから大丈夫さ、と勇躍、ブラウザに「菓子パン AND 方言」のキーワードを投入。
ねぇよ。
皆無ではない。
岩手の二戸にある
一野辺製パンでは、「
まめばり」という甘納豆入りパンを売っている。これは、ホームページに
紹介があるように、「豆ばっかり」という意味。甘納豆入りパンって、旨いのか…?
敷島製パンの
pasco では、「小倉トースト
だがね」というのがあるそうだ。どの地域で売ってるかは言う必要もあるまい。
和歌山県御坊市にある
ヤナギヤというベーカリーでは、「
あがらドーナツ」というのを作っている。「
あがら」は「私達」という意味だそうだ。
店の名前は「ボナペティ ヤナギヤ」だそうだが、この「ボナペティ」を「楽しいひとときをお過ごし下さい」と説明しているのはいただけない。
*1
山形県高畠町の
たいようパンでは、「
アシェル」というブランドを展開している。これは「合わせる」。米や雑穀も組み合わせたパンだそうで、「米麦」という漢字も作って気合が入っている。
山崎製パンの「みちのく発コッペパン」の袋には、「めしあがれ」というような意味の東北弁が書かれているらしい。見たことないけど。
孫引きになってしまうので、その語をいちいち解説するのは控えておく。見たところ、方言グッズにありがちな、ちゃんと調べたの? って状態のようである。
商品名はこれが限界。
ただ、たとえば Wikipedia には「
日本の製パン業者」てな一覧があるので、それを全部、チェックしていけばもうちょっと見つかるかもしれない、という気はする。これだと、大きいメーカーしかカバーできないけども。
諦めかけていたところで見つけたのが、「
サンドパン」。ところは新潟。
「バタークリームをはさんだコッペパン」のことで、商品名ではなく、一般名称。そうそう、こういうのを探していたんだよ。
上越タウンジャーナルの
記事が詳しいが、どうしてそういうことになったのかはわからないらしい。
「
コッペパン」といえば、細長いパンだと思うが、違うものを指す地域がある、ということは
かなり前に紹介した。
「メロンパン」のことを「
サンライズ」という地域があるらしい。日経電子版の「食べ物新日本奇行」で紹介している。
前にここから出た本を取り上げたことがあるが、新聞社ゆえ、例によって「リンクするな」というところなのでググってみてください。近畿・中国・四国あたりで、その場合、「
メロンパン」は別のパンを指す事になる。
こういうのが他にもあるんだろうけどなぁ。