さて、2010 年も終わろうとしている。
何もできなかった一年だった。
一月辺りはまだ良かったが、暖かくなるにつれて残業攻勢が始まり、7 月には自己最高の残業時間を記録。去年の最後の
記事でもそんなことを書いてるが、あれは予兆に過ぎなかった、というわけ。
洗濯など平日にやらなきゃならない用事がすべて週末に押し込まれる (掃除はもう諦めている) 上、金曜はここぞとばかりに深夜残業となるので土曜日は半分がつぶれる、いきおい、自分の自由になる時間が激減。たとえば、歯医者の定期健診は春にやってるのだが、今年は先週にまでずれこんだ。せっかく
買った Polo も乗る暇がなくて、走行距離はここまでの間に 3,000km 行っていない。
まだ時間に余裕のあった頃、「糖質制限ダイエット」に挑んだ。
これは、人間のエネルギー源である糖質と脂質のうち、糖質を摂らないようにすることで、脂質を活用する体にしようというもので、糖尿病の人の食餌療法に近いダイエット方法。糖質がないから脂質が使われ、余計な脂肪分が減る、という理屈。
最も手近な糖質は穀類。これを完全にカットする。落ち着いたら少しずつ戻していい。
ご飯の代わりに豆腐を使ったりするわけだが、その代わり肉は OK なので、さほど寂しい思いをしなくて済む。昨今は、糖質カットのビールもあるので、焼肉でビールなんてのもあり。仕上げのラーメン、小腹が空いたときのコンビニオニギリは我慢しなければならないが。
確かにこれで数 kg は減ったものの、そこから減らなくなったのと、残業攻勢のおかげでそういう料理の準備にかけられる時間がなくなったので春先に断念した。
「太る」をなんと言うかについては、
前に書いたことがあるが、「
肥える」くらいしかバリエーションがない。
新潟辺りで「
すしゃつく」という形がある。これは「肉 (しし) がつく」なのではないかと思っている。「
ししがつく」は新潟から北陸にかけて使われるようだ。「
すしゃつく」を紹介した記事がどれもこれも「
スシャツク」とカタカナで書いてるので今まで気づかなかった。
逆の「痩せる」もあんまりバリエーションがない。秋田で「
やへる」になる位だが、茨城には「
がれる」という形があるようだ。
ピアノのレッスンを休んでいる、ということは
前に書いたが、いつもレッスンの前に行っていたそば屋が 9 月に閉店してしまった、ということがあった。
以前は週に二回、最近でも三週で二回くらいのペースで行ってたので、名前まで覚えられてしまったのだが、そういう馴染みの店ができたのも初めてなら、なくなったのも初めてで、これはちと印象的な出来事だった。
で、「馴染み」みたいな語。「いきつけ」も一緒に探してみたのだが、俚諺形見当たらず。
調べる前から、なさそうだな、とは思ってたのだが、この違いはどこにあるのか、という辺りは興味深い、ということは前にも書いたかもしれない。
そうかと思うと、「馴染み」で『秋田のことば (秋田県教育委員会編、
無明舎出版)』を調べたとき、「なぞなぞのヒントをもらう」というものすごく意味範囲の狭い「
なだこかえる」という語を見つけた。使われてない言葉らしく解説もなかったが、この差はなんだろう。
ちょっと戻って 6 月には、小惑星のイトカワを調査した探査機「
はやぶさ」が帰還した。
SF 好きにはたまらない話で、ネットでの中継を見ようとしたのだが、案の定、サイトが重くてつながらない。やっとつながって動画が映った、と思ったらその画面で何かの光が飛び散った。
それがまさに「はやぶさ」が爆発した瞬間だったのだが、それを見て泣いた。
こないだも
山根一眞の『
小惑星探査機はやぶさの大冒険』を読みつつ泣きそうになってたのだが、涙腺が緩くなったのは年とったせいであると同時に、かなりストレスがたまってるんじゃないか、という気はする。
目下、ケータイの待ち受け画面は、「はやぶさ」が最後に撮影した地球の写真である。
それにしても、日本のメディアがそっぽ向いたのには驚いた。ニュースで慌てて触れただけ。重いのを覚悟でネットで見ようとしたのも、テレビ中継がないから。地球人はまだまだだなぁ、と思ったが、この本に寄れば、カプセルを投下したオーストラリアのウーメラに取材に行った日本のメディアは 5 社、テレビは NHK のみ、山根一眞が外国のメディアに「なんで」って聞かれて答えに窮したそうだ。日本人だけが
ダメだったわけだ。
この項目は方言に接点はないが、詳細な調査で判明したイトカワの地形、その中には、日本のロケット技術と関連の深い「道川」と「能代」という名前のついているところがある。
最後に、言葉関係で、最近、知ったこと。
前に“X
’mas”という表記は間違いだ、と書いた。
アポストロフィは省略した箇所につけるものなのだが、‘X’だけでキリストの事を指すので、アポストロフィは不要、というのが学術的な説明。しかし、英語の古い文献では“X'mas”という表記も少なくないらしいので、一概に「間違った英語」とも言い切れないそうである。
今年一年を振り返るつもりが、ダイエットだけでかなり紙幅を使ってしまった。
一時、ずっと仕事してて、やっと終わった 22 時頃に晩飯なんてことをしてたが、これは体重面でも、胃への負担という点でも大変に問題。しょうがないので、夕方に抜け出してコンビニでなんか買って食う、という方法に切り替えたが、そういう条件ではパンかオニギリという糖質しか摂る事ができない。
そのおかげで、現在は史上最高の体重となっている。
困ったもんだ。