週末なんかに髭剃りをサボってると無精ひげとなる。7 月頃に気づいたのだが、この、ノド元というか顎あたりに生えた無精ひげが気になるようになってきた。ことに、下を向いたときに、チクリと来る。無精ひげなんだからチクリと来て当然なのだが、なんで急に。
理由は一つ。太ったのだ。
体重は量ってないのでわからないが、おそらくそうなのだろう。その辺の肉がたるんでいるに違いない。
だが、まだ、2 日続けて髭剃りをさぼらないとわからない、というレベル。これが、夕方には必ず、となる前になんとかしなければなるまい。
秋田には、「太る」という意味の、特有の俚言はない。「ぶとる」とか「ふどる」とかも言わない。単に「太る」である。
ただ、「
ふとじ」というような俚言がある。これは「一つ」が元になった語で、「似ている」という意味である。あんまり使われなくなってきているので、妙齢のお嬢さんに向かって、「お母さんにそっくりだね」と言おうとして「
ふとじだごど」などと発話すると「太ったな」という意味に誤解される可能性がある。これをテレビ番組で話題にしていた、という話は
前にした。
秋田じゃないが、「肥える」という言い方はあるようだ。
これは、確かに辞書に載っているが、全国共通語である、とは言い難いように思う。西日本に広く使われる方言形だろう。「
君、肥えたんちゃうか」というようなのをテレビなんから耳にするような気はする。
前後が全国共通語なのに「肥える」がポン、と出てくる文章もなくはないので、「気づかない方言」となっている可能性はある。
「でぶる」を方言形として挙げているサイトがあったが、それは違うのじゃないか。
静岡の「
すしゃつく」、愛媛の「
ぼてる」という表現を見つけたが、どちらも一例しか見つからない。「
ぼてる」の方は、なんとなく雰囲気でわかる。
こういう例を検索エンジンで探してて思うのは、人間はミスタイプするのだなぁ、ということである。当たり前のことで、俺もきっと山ほどのミスタイプや誤変換をしていると思うのだが、「おぼえてる」や「ホテル」の間違いが多数ヒットした。
船をホテルとして使う「ボテル」という施設があることも知った。“boat”と“hotel”だって。様子は優雅だけど、音がちょっとねぇ。
太い、というのは、断面が円形の筒を考えてみると、その円の径が長い状態である。人間の場合、水平方向に大きくなった状態を言う。
からだが丸くなれば、それは「太った」ことになるわけだが、(そういう体型が存在しうるのかどうかは知らないが) 縦よりも横方向の方が長い (つまりミカンのように上下に潰れた) 体型の人の身長が伸びると、これは球に近くなる。だが、それを「太った」とは言わない。あくまで、縦に細長いのが丸くなったのを「太った」というのである。
たとえ話のせいで前置きが長くなってしまったが、九州あたりでは「大きい」ことを「
ふとい」と言う。X/Y/Z のどの軸に沿って長いのであっても、「
ふとい」と表現できる。つまり、「
ふとか布」とか、「
ふとか空港」とか、「
ふとかキャベツ」とかが出てくるわけだ。
「
肥える」との住み分けがなされているのではないか、と思うのだが、「
ふとか」自体の意味は、前後関係で判断するものらしい。だが、「
ふとかベルト」「
ふとかニンジン」あたりは、確認しないといけないような気がする。
なんで太るのかと言うと、まぁ一般的には、たくさん食うからである。
満腹である、というのを、広島あたりでは「
腹がふとる」と言う。納得である。
秋田では「
はらつえ」と言う。これは「腹が強い」のである。食いすぎて腹がパンパンになった状態を連想してもらうとよい。
これを輸入超過とすると、輸出過小状態なのが、運動不足。俺、毎年の健康診断で、中性脂肪がひっかかるのだが、これは脂肪がどうとか油がどうとかではなく、運動不足なんだそうだ。
外に出かけない出無精ゆえのデブ症…いや、申し訳ない。
駄洒落を「オヤジギャグ」と呼ぶようになったのはいつ頃からだろう。これ、「ギャグ」ではないと思うのだが。
いや、でも、車は極力避けて、自転車乗ってるんだけど。冬なんか徒歩通勤だし。エレベータ使わないで階段だし。
「でぶ」の語源は、色々な人が探っているようだが、不明。江戸時代には既にあった言葉らしい。
「百貫でぶ」って単語はまだ生きているのだろうか。
子供の世界もさることながら、メートル法の強制適用によって「375kg デブ」と言わなければならなくなってしまっているのではないか。
話が逸れるが、PC の観点からだとどういうことになるのだろう。「体重の不自由な」「体重面でチャレンジを受けている」では、太っているのか痩せているのかわからない。単に「肥満」なのか? 「肥満」は既にマイナス イメージを背負っているような気がするが。