年明けいきなりだが、去年の「
週刊ことばマガジン」を振り返ってみたい。
と言っても、ほとんど見てないのでアレなのだが。
年末の
スペシャル版は、東北の方言と京都との関係だった。
ゴボウのことを、東北でも京都でも「
ゴンボ」と言う、という話題から始まる。
同じように、「うぶ」を語源とする「
おぼこい」という言葉が、東北にも京都にもある。
その辺からの連想だと思うが、舞妓さんを登場させている。おかあさんが、京都の言葉を守っていきたい、なんてことを言っていたが、舞妓さんや芸妓さんが使っている言葉は、正確には「京都弁」ではなかったはず。言わされたのか、同一化が進んでいるのかは不明。
翌週の
後編では、東北で方向を示す助詞の「
さ」が、古典に出てくる言葉を源流としている、という話。
「さま」がそうで、「枕草子」に「北の陣さまに」という表現があるそうな。これは「北の陣」に行ったのではなく、「北の陣の方へ行った」という意味。それが東北で「
さ」という形で残っているわけ。
「
さ」が、地域によって使われ方が違う、というのは前にも紹介した。例えば、秋田では、「
*信号が青さなった」とは言いづらい。「
青さ変わった」なら抵抗はない。この辺、誰かが研究してるんだろうとは思うんだが。
この「枕草子」の例は、天上人のことについて触れた文なのだが、そういう場合にボカすのは日本語の敬語表現の一つである。
「様」が敬称なのはその線上にあるし、「殿」「陛下」といったような表現が使われるのも、身分の高い人を直接、名指しするのは無礼だからである。
*1
だから、番組中で取り上げられた例の「コーヒーの方、お持ちしました」の「方」も日本語としてはまったく正しいのである。これに噛みつく人は、日本語のルールにケチをつけているのだ、ということに気づくべきであろう。ゴチャゴチャ言うのは、単に耳新しい表現が不愉快だからでしょうに。
さて、最終回スペシャルの分はここまで。去年の秋田分について取り上げてみる。
忙しくて見られなくなっても、秋田の話のときだけは見たい、と思うわけだが、それも叶わない。
スポンサーの東北電力管内、つまり東北六県プラス新潟が持ち回りで製作しているが、必ずしも 7 週に一回のペースで回ってくるわけではない。新聞の番組表には番組名しか書いてないので気づかないことが多い。
それに、地元の新聞のテレビ欄の番組紹介で取り上げることが少なくなってる様な気がする。だから、この番組は失速しかけてんのかな、とか思ったりしたこともあった。
2 月には「
かう」がテーマとなっていた。「鍵をかける」という意味の「かう」。「
支う」と書く、という話は前にした。
3 月は、冬にまつわる表現を集めていた。「
しが (氷柱)」「
しゃっけ (冷たい)」「
雪ぼっこ (履物の裏などに固まってくっついた雪)」など、楽しそうである。
5 月は「
ねこばる」。俺は聞いたことがないが、「踏ん張る、力む」だそうだ。大阪に「こばる」という表現があり、これが語源らしいが、「ね」が何なのかは不明とのこと。
6 月は「
してっこ」。これも聞いたことがない。「あっという間」らしい。
9 月が「
らんき」。これが久しぶりに見た回。秋田の回が二ヶ月以上も開いてるのは高校野球のせいだろうか。「
らんき」は
前に取り上げた。「夢中、一生懸命」ということ。
11 月が「
でっきり」。この回も見た。「全然〜でない」で、これも初めて聞いた。
それにしても、この番組、6 年も続いてるらしい。
Wikipedia によれば、前の番組は視聴率的に振るわず放送枠を解体してスタートしたそうだから大したものである。
前にも書いたとおり、平日夜にはほとんど時間が取れないから、録画した番組を見るのは週末の二日のみ。現実問題としては、定期放送の番組を消化するのが精一杯で、特番とかバラエティの類は「どうせ見る暇ねぇよな」と録画すらしないことが多い。
この状態、いつまで続くんだろう。
と、いきなり景気の悪い話題で始まる 2011 年。
カウンタの進捗がグングン落ちてて、そろそろ外した方がいいかしらん、と思う年頭である。