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1998年8月1日号 250

クリティカル・パスとは

診断・治療の管理・向上を系統的に行う医療管理

         もともとは、作業の流れを計画的に管理し効率的な労力配分をめざす工程管理法として、1950年代のアメリカ産業界で開発されたもので、「臨界経路」の意味。

 医療においては、『入院から退院までの最適経路』と読み替えられ、「特定の疾患を持つ患者の
アウトカム(診療成果)達成のため、時間枠に沿って入院期間中の医療提供計画をまとめたもの」と定義できます。米国では「コーディネーテッド・ケア・プラン」とも呼ばれています。

<2002年追記>
クリニカル・パス

1994年Spathが提唱した“医療チームは協働で作成した患者の最良のマネージメントと信じた仮説”の概念を元として、工場産生とは関係のないこと、criticalを連想させないといった点から、クリニカルパスと呼ばれるに至っています。(単にパスでも意味が通じるまでになっています。)

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 医療制度抜本改革の厚生省案も、入院医療費の適正化対策として「入院患者が計画的に、かつ速やかに家庭や社会に復帰できるよう、退院時期を明確にさせた診療計画の策定等の普及・定着を図り、看護を含めた効率的な入院システムを確立する」との考えを盛り込み、クリティカル・パス導入を強く意識した内容となっています。

 医療分野でのクリティカル・パスは「一定の疾患を持つ患者に対して、入院指導、入院時オリエンテーション、検査、食事指導、安静度、退院指導などがルーチンとしてスケジュール表にまとめてあるもの」と定義され、その目的は、高品質の医療を低コスト実現することにあります。

 クリティカル・パスとチーム医療は密接な関係を持ちます。クリティカル・パスはスタッフの「協議」、情報の共有、各専門職の役割の明確化を進めるとされ、チーム医療の確立に有効に働くとの指摘があり、また一方で、その効果を十分に発揮させるためには、クリティカル・パスの開発運用を通じて医師とコメディカルの協力体制が不可欠とされています。

 具体的なクリティカル・パスの開発手順は、まず最初に対象疾患の選定を行い、1)ある程度の患者数が確保できる、2)入院期間が長期化しやすい、3)ケアの内容が標準化に馴染みやすいなどが選定基準になります。


 一般的には、外科系疾患、正常分娩などに適し内科系疾患には、個々の患者の状況が非常に千差万別で向かないとされていますが、米国では心筋梗塞・脳卒中・深部静脈血栓などの血管系疾患に適用している施設も少なくありません。

<メリット>

1)一定で適切な医療の確保、保証による質の向上
2)業務の明確化、効率化
3)入院期間短縮によるコスト削減
4)入院期間、アウトカム、診療スケジュールなどをもれなくコーディネートし明示できるた
め、患者の安心感、満足度が向上
5)新入職員の業務の理解
6)職種を超えた情報共有によりチーム医療が促進強化
7)医師ごとの診療パターンが一定でない疾患に適用すれば、院内スタンダード化ができる
8)ヴァリアンス(クリティカル・パスからはずれたすべての出来事)が発生した場合それを
分析することによって問題点の発見と業務改善がはかられる

<デメリット>

1)患者の個別性の配慮に欠ける。
2)医師のオーダーは残されるが、裁量権が狭まる。
3)クリティカル・パスの通りに行かなかった場合に医療訴訟(米国の場合)の恐れがある。

 主なターゲット疾患としては1)ハイリスク、2)ハイコスト、3)ハイボリューム(患者数が多い)の3つの特性を備えた疾患が多い。

 またクリティカル・パスを作成する上で重要な指標となるのが
EBM:根拠ある医療の実践で、いわゆる蓄積されたデータの上で信頼できるものに基づき理に適った医療を実践することです。


モルヒネの副作用 モルヒネ(3)

1.呼吸抑制

 呼吸抑制メカニズムは呼吸中枢への直接作用によります。呼吸抑制は低用量でも認められ、用量依存的に強く発現します。また、脳幹呼吸中枢のCO2に対する反応性の低下もあり、モルヒネ等のμアゴニストを大量与薬した後、患者は医師に呼吸するように指示されれば呼吸しますが、指示されなければ無呼吸のままです。

 呼吸抑制の発現には鎮痛作用の発現に関与するμ1受容体とは関係のないμ2受容体が関与します。そのため、ペンタジン、レペタンのようなκアゴニストの大量療法での呼吸抑制は起こりません。

2.悪心、嘔吐

 悪心、嘔吐のメカニズムは、延髄のキモレセプタートリガーゾーンの直接刺激によって発現します。横臥位の患者に標準量のモルヒネを与薬しても悪心、嘔吐の発現はまれですが、歩行患者では約40%に悪心、約15%に嘔吐が発現します。これは前庭器を刺激することを示唆しており、乗り物酔いに似た症状です。また、胃内容排泄抑制による嘔吐があります。

 予防薬としてナウゼリン坐剤60mg1日2回、嘔吐のある時ノバミン注などを用います。

3.心血管系

 仰臥位患者に標準量のモルヒネを与薬しても血圧や心拍数および心律動に影響は認められませんが、末梢血管拡張、末梢血管抵抗減少、圧受容体反射抑制が発現します。そのため、仰臥位患者が頭高位をとると、起立性低血圧、失神を起こします。

4.消化管

 モルヒネ等のμアゴニストは胃の塩酸分泌を減少させますが、刺激症状が出現することがあります。また、モルヒネ低用量では胃運動を抑制し、胃内容排泄時間を延長させ、食道逆流を発現させます。胃内容排泄時間の延長は併用した経口薬物の吸収を遅延させます。

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*モルヒネを服用している間は続くもの〜便秘

* 2週間前後で耐性が生じるもの(副作用が軽減する
もの)〜悪心、嘔吐、ふらつき感、眠気・傾眠、見当
識障害

*2週間前後で消失するか、あるいはときに続くもの
〜口腔乾燥、発汗、そう痒感


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2001年2月15日号 No.308

DRG/PPSとは

 診断群別包括支払方式

DRG:
Diagnosis Related Groups

PPS:
Prospective Payment System

{参考文献}日本病院薬剤会雑誌 1998.10  

      Current Concepts in Infections Diseases Vol.19 No.4,200

 DRGとは、国際疾病分類で1万以上ある病名コードや処置・手術コードをマンパワー、医薬品、診療材料などの医療資源の必要度という観点から、統計上意味のある患者グループに整理・分類した方法のことです。DRGそのものは、患者の分類法であって、定額支払い方式とは一切関係ありません。PPSという言葉が加わって初めて、包括支払い方式となります。

 DRG:日常的に取り扱う疾患を国際分類(ICD-9)をベースに、診療行為や合併症の有無を加味してグループ分けします。このグループ分けされた疾患群別に診療報酬をあらかじめ決定しておき、包括して支払うのがPPSです。

 DRG/PPS導入の最大のメリットは無駄な検査や薬が減少し、医療の標準化が推進されることであるとされています。しかし、問題は、施行された医療が無駄で過剰であったという判断が正しいかどうかです。DRG/PPSによって医療の質が犠牲になることがあっては大問題です。

 従来の出来高払い制度では、医療行為が過剰であったかどうかの判断基準の1つとして、保険請求の査定率が挙げられます。

 診療行為が過少であったかどうかの評価については、米国では医療査察制度(医療警察)が導入されていますが、わが国では、学会の場で個々の症例について討論される程度で確立された制度はありません。

 1998年11月1日より、わが国においても急性期入院医療費の定額支払い方式(DRG/PPS)の試行が10病院で開始されています。

 試行中のDRG/PPSでは、主要診断分類(MDC:Major Diagnostic Category)と呼ばれる13の疾患分類にまず大別し、それをさらに個々の疾患名、合併症の有無、診療行為の内容を加味して183グループに細分化しています。当然、全ての患者が183分類群の中に収まるわけはなく、症例のDRG分類該当率は診療科によって大いに異なっています。

 PPSのシステムも該当患者の診療報酬のすべてが包括払いとなるわけではなく、入院料、薬剤、材料費、検査・画像診断料については定額が決められているが、手術料や1,000点以上の処置料など技術料に含まれる部分は従来の出来高払いで算定され、実際の医療費は包括部分と出来高払いの合算で決定されます。

 その他、各分類群ごとに特定入院期間というものが決められており、入院実日数がこれを超過した場合は包括部分が大幅に減額されるなどの取り決めがあります。

 現在、多くの病院で導入が勧められているクリティカル・パス(下記参照)が広く定着していけば、このシステムが適正な医療の評価の基準として、必要不可欠なものとなることは確実です。

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CP:Critical Path:
クリティカルパス、パス法
    
 もともと建設や設計などに用いられた作業実施手法の一つです。作業の流れを把握し,効率的かつ効果的な労力配分を導き出すための問題解決技法ですが、今の日本では、診療の管理ツールとしてとらえられていることが多いようです。
     
 医療現場では入院中に行う患者指導,検査,手術,投薬,処置,食事などについて各項目ごとに作業時系列を一覧とし,「どの行程に資源を投入し,どの行程を短縮すれば効率的か」を考えます。
  
 
DRG/PPSを契機にアメリカの病院で導入された方法論で、日本でも看護婦さんを中心に研究が進んできています。

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包括評価

 包括評価とは、診療報酬を見直して、従来の出来高払いから定額払いとする、つまり、医療行為ごとの支払い方式から患者の疾病に応じた包括支払いとするための評価です。

 その評価は、医療機関別に包括的に行われ、各診療機関の前年度実績に基づく疾病群に患者1人・1日当たりの支払額が設定されます。医療機関ごとに異なる治療行為の組み合わせ、地域差、あるいは原価計算に違いがあるので、包括評価の具体的水準は各々の医療機関の状況を配慮したものとされています。

 一方、医療機関の機能分担により一層の推進を図る観点から、まず特定機能病院(大学病院や国立医療センター等)について、平成15年4月から開始されることが示されています。

 現在評価の基本となる疾病群分類(DPC:Diagnosisi-Procedure Combination)の作業が進められており、最終的に1500程度に分類される予定です。

 例外的疾患については、手術や高額医薬品等を包括範囲から除外し、別途算定することになっています。また、過少診察を防ぐために、重症患者・紹介患者・救急患者等の受け入れ実績、医療従事者の教育、新規技術の導入、医療安全対策の実績等を評価することも検討されています。

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DPC
Diagnosisi-Procedure Combination


 診断名ととれに関わる手術や処置を一連のものとして分類を行う考え方

 日本独自の包括医療評価の方法として、「出来高払い」と「包括払い」がミックスされた診断群分類別包括支払い制度

 2003年4月からの特定機能病院への導入が決まりました。

    日本病院薬剤師会雑誌 2002.12 等

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DRG/PPSとDPCの違い


 日本版のDRG/PPSがDPCですが、多くの相違点があります。この相違点がDPCの独自性なのか、未完成であることなのかについては、今後の検証に委ねられています。
 

 

DRG/PPS(米国)

 DPC

 評価法  疾患別1人当たり定額払い
 (入院期間は関係しない)
 疾患別1日当たり定額払い
 MDC  25種類
(臓器別あるいは病因別)
 16種類(臓器別)
 診断群分類  492分類  591疾患 1.727群(H16年度)
 診断群分類の基本構造  MDC→手術の有無→傷病名等  MDC→傷病名→手術の有無
 診療報酬額  すべて包括評価で決定  診断群分類による1日包括評価とドクター・フィー的診療行為が出来高評価にて決定
 診療報酬額の変動  なし  入院日数に応じて変動し、長期では出来高となる。
 重症度  考慮せず  考慮する
 各施設ごとの調整係数  存在せず  存在する


        出典:医薬ジャーナル 2005.6


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P4P:Pay for performance

〜〜〜新たな医療経済議論の上陸〜〜〜

2007年7月1日号 No.455



 P4Pとは、高質で経済効率の高い医療の実現に向けて、現在米国で論議されている診療報酬方式のことです。

 一定の基準に忠実な医療に対しては、その分だけ診療報酬に割り増しをつけるとともに、逆に基準に忠実でない病院や施設に対してはペナルティを課すというものです。

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 米国から、P4P:Pay for performanceというまた新しい診療報酬方式をめぐる議論が上陸してきました。
 
 例えば、心不全の治療で左室収縮機能不全を有する心不全患者のうち、ACE阻害剤、ARBが処方された割合。また左室機能の定量的、または定性的評価の結果が記録されている割合といったふうに、疾患ごとに評価基準が定められています。

 また、過剰な診療や誤った適用を防ぐための質指標といったものも示されています。
 こうしたP4Pは、米国以外にも英国、オーストラリアなどでも導入が進められてきています。

 米国ではP4Pの成果について、これまでに多くの報告がなされてきており、それによると、EBMということになれば、いまいち信頼性に欠けるということがあり、P4Pで定められた基準に基づく医療行為に忠実であっても、それが優れたアウトカムに直結するかといえば、必ずしもそうではないという懸念も残されています。

 その判定の物差しとなる基準についても、曖昧さを残しているのが実情で、軽症や重症が混在する中で、重症度の補正がきちんとなされた上でアウトカム評価がなされているかどうかも疑問です。


 本来、P4Pは、高質で経済効率の高い医療の実現に向けて、医師や医療機関のインセンティブ(奨励)を高めることを目的としたものですが、医療のコストの効率化を追求する方向に走ると、例えば、医療側の意識がしっかりとしていない限り、高いスコアの達成のために、本当に医師の手腕が問われる重要な治療を必要とする重症患者が、対象からはずされてしまう可能性もあ ります。

 わが国においても、こうした海外での議論を踏まえ、このP4Pという制度についての検討がはじまりました。

 日本でもP4P研究会が新しく設立され、「医療の質と効率の指標を探索し、その指標に基づいた診療報酬の支払い方式のあり方の検討を行うこと」を目的として掲げ、そのための学術研究会や国内外の調査、研究、提言などを行うとしています。

 研究会では発足に先立ち本年3月に発足記念シンポジウムが開かれました。その中で、P4P議論の重要性については共通認識として示されながらも、米国でも未だに試行中で議論が交錯する段階であり、国民皆保険という制度の異なる日本でもどこまで馴染むのかも疑問であるとの声も聞かれました。

{参考文献}医薬品ジャーナル 2007.5


<医学トピックス>   データマイニングはこちらです。


ゴホンといえばPPI

トピックス

咳嗽(がいそう)とは咳(せき)のこと

PPI:プロトンポンプ阻害剤

 咳といえば風邪に付き物です。風邪では普通1〜2週間持続しますが、3週間以上持続することは少なく、8週間以上継続することは希です。

 3週間以上持続する咳嗽を「持続性咳嗽」、8週間以上継続する咳嗽を「慢性咳嗽」と区別して表現することもあります。

 3週間以上継続する咳嗽の原因として普通、肺癌や肺結核などが浮かび上がってきますが、実際に肺癌や結核である頻度は以外と少ないのです。

 欧米では、慢性の咳嗽原因として

 *後鼻漏症候群(約41%)、気管支喘息(約24%)、 
  
逆流性食道炎(約21%)、慢性気管支炎(約5%)、 
  気管支拡張症(約4%)があげられています。

 *後鼻漏症候群は日本のアトピー咳嗽+副鼻腔気管支症候群と考えて下さい。

 つまり、欧米では日本で咳嗽の原因と考えられていない逆流性食道炎が、慢性の咳嗽の3位となっているのです。

 日本で
逆流性食道炎による慢性咳嗽の報告が少ないのは、逆流性食道炎患者に咳嗽の合併が極端に少ないのではなく、咳嗽により消化器症状が強い患者の方が多いためと思われます。

 最近、PPI(プロトンポンプ阻害剤)で、再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法の適応が認められました。ですから、PPIを飲めば慢性の咳嗽が治る可能性が大いにあります。      

 実際に、咳嗽を伴う患者の咳嗽感受性は咳嗽を伴わない患者に比べ有意に亢進し、PPIにより改善したことから、咳嗽を発現する患者は、逆流性食道炎より咳嗽咳感受性が亢進していることが示唆されています。

{参考文献} 日本病院薬剤師会雑誌  2001.1


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PPI(プロトンポンプ阻害剤で副鼻腔炎が治癒
 

    LPRD:laryngo pharyngeal reflux disease



 胃
逆流性食道炎による病変は、咽頭と肺だけでなく、さらに離れた部位の器官にも発現する恐れがあり、例えば、食道での胃酸の刺激により耳管機能が悪化したとの研究報告もあります。また、他の研究では、副鼻腔炎手術の非奏効例の約半数で胃食道逆流が確認されています。

 胃酸とペプシンが鼻粘膜などと直接接触しているとも考えられますが、その可能性は小さく、むしろ胃酸による刺激が迷走神経の反射弓を介して、上気道粘膜に炎症性反応を引き起こすのではないかと推測されています。

 副鼻腔炎をはじめとする耳鼻科領域の炎症で従来の治療に応答しないケースでは、咽頭に逆流による病変がないか調べ、そうした病変がないか調べ、そうした病変が無くとも念のため外来で簡便かつ安価に施行できる2チャンネルpH測定を行うべきとヨハネスグーテンベルグ大学のP.Jecker講師は主張しています。

 胃食道逆流が確認されたら、まずその治療を行うことにより良好な結果が得られたとのことで、原因のはっきりしない粘液分泌障害、血管運動性鼻炎にPPI(
プロトンポンプ阻害剤)を使用することを推奨しています。

 PPIの使用期間については、2周間で十分なのか、それとも3ヶ月は必要なのかは現時点では明らかではありません。

※ LPRD:laryngo pharyngeal reflux disease

 LPRDはGERD患者の約25%にみられ、生活習慣等の変化により逆流性食道炎の罹患率が上昇している日本でも最近注目されています。

 本症の最も多い自覚症状は、咽喉頭異常感ですが、嗄声、肉芽腫、慢性咳嗽、咽頭痛などもよく見られます。喘息患者では夜間に逆流症状が見られるのに対し、本症では昼間に逆流症状がみられます。

                出典:Medical Tribune 2005.6.16 2005.6.9
 

 

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