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癌抑制遺伝子とは   関連項目P53遺伝子

1998年2月1日号  (No.238)

   最近のヒトゲノムの解析の進展によって病気の本態が遺伝子レベルで具体的に考えられるようになり
まさに病気の根幹に追求できるような状況になってきました。

「癌は遺伝子の病気である」ことが現在定着してきた最大の理由は、癌化の標的遺伝子である癌遺伝子(1976年発見)および癌抑制遺伝子(1986年発見)が具体的に発見されたことによります。すなわち癌化遺伝子(癌遺伝子および癌抑制遺伝子)の発見によってヒト癌化機構は特定の遺伝子レベルで多段階的に描けるようになってきました。

 癌細胞の起源は、1個の体細胞に由来し、内なる遺伝子の異常により起始されます。この意味するところは、癌は“遺伝子病”であって“遺伝病”ではありません。“遺伝性の癌”と“遺伝子病としての癌”は似て非なるものです。

  {参考文献} 現代医療 1997.12

’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’  はっきりした癌抑制遺伝子数は不明ですが、癌遺伝子と同じ数(50〜100個)は、あると予想されています。

 癌抑制遺伝子を用いて、もし30%の癌細胞を直したとしても、他の70%はどんどん増殖するので効果がないかもしれません。しかし多段階発癌を考慮に入れればその過程の中のワンステップを遅らせることによって発癌の進行を遅らせることができることは容易に予想されることです。
現在いまだに、どうしてある特定の臓器・細胞のみに癌が起こるのかは分かっていません。癌化遺伝子(癌遺伝子、癌抑制遺伝子)の機能とともに癌が発生する組織、細胞の性格の理解が癌研究に求められています。多段階発癌での必要なステップ数の細胞間の違いを把握するなどの研究が必要となっています。
ヒトの癌予防には、高癌化状態の理解が大切です。高癌化状態とは(ヒト慢性肝炎状態のように)癌化のイニシエーション(起始)が起こりやすい状態、あるいは、起始細胞に対するプロモーション(促進)のかかっているような状態で“遺伝子変化が生じ易くまた蓄積しやすい組織の状態”と定義されます。
遺伝性癌でも細胞増殖が亢進している状態ではより発癌しやすくなっています。つまり
2nd hit(下記参照)の変異率を高めることが高癌化状態になるわけである。

 このように低高化状態(hypocarcinogenicstate)に導くことが癌化を起こしにくい状態をつくることができるわけです。突然変異によって、すぐに癌化がスタートしていても、また生まれつきの病因遺伝子を持った場合でも、癌の発生を遅らせることはできるはずです。
いずれは発癌に至るとしても80歳で発症するのと40歳で発症するのとでは大きな違いです。


*これまでに発見された癌抑制遺伝子

RB:網膜芽細胞腫
TP53:Li−Fraumeni症候群
APC:家族性大腸腺腫症
MLH1、MSH2、PMS
:遺伝性非ポリポーシス大腸癌
NF:神経繊維腫症
WT1:Wilms腫瘍
VHL:von Hippel-Lindau症候群
BRCA:遺伝性乳癌、卵巣癌
MEN1:多発性内分泌腺腫症T型
INK4:家族性黒色腫
PTC:Gorlin症候群
TSC:結節性硬化症
PTEN:Cowden病
EXT:多発性外骨腫症

関連項目P53遺伝子


ヒットが2本続けば、、、、
シリーズ癌治療を考える@

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ポライトネス・ステトラジー

2010年7月15日号 No.525


Politeness:丁寧、礼儀正しい、上品

ポジティブ・ポライトネス〜他人行儀にならず親しく接すること。

ネガティブ・ポライトネス〜患者と医療人との間の心理的距離に配慮して接する。

 ポライトネス理論とは、「他者(患者)と円滑なコミュニケーションを図って、調和の取れた良好な人間関係を築くためには、どんなコミュニケーションの図り方で配慮を示せば効果的か」を探求する理論です。

{参考文献}治療 2010.1

’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’
 ポライトネス・ステトラジーとは、医療の場に即していうと、「患者は今、どんな気持ちでこの場に望んでいるか気を配り、患者の要望や欲求を察知して、出来るだけその要望や要求を満たすように働きかけるコミュニケーション方略」です。

 人は誰でも二面の基本的な要求、親近要求(ポジティブ・フェイス)、不可侵要求(ネガティブ・フェイス)を持っています。

◎ 親近要求

 医療者から理解、共感、称賛されたいという要求、医療者との心理的距離を縮めたい、親しく接して欲しいという要求

・素直にすべてを話して欲しい。
・他人行儀な敬語は使わず、気さくに接してほしい。
・人間として、心理的、社会的側面も理解し、親身になって診て欲しい。

<親近方略>

 ポジティブ・ポライトネス・ステトラジー:患者の親近要求を満たすように働きかける。

1.過剰な敬語をさけて、患者の心理的距離を近づけるように話す。
2.患者の興味、望み、要求、利益に注目し耳を傾ける。
3.患者に対する興味、賛同、共感を強調する。〜患者の努力を認めて、褒める。
4.患者への関心を増大する。
5.仲間内のアイデンティティ・マーカーを使う〜患者の使う方言を理解しようと努力し、時には、患者と同じ方言を使って、親しみやすく話す。
6.同意点を探る。〜患者が理解できる用語や表現で噛み砕いて、分かりやすく説明する。
7.不一致を避ける、〜患者にメニューを提示して、選択してもらう。
8.協力関係を提案する。
9.患者の緊張を和らげ、前向きにするユーモアを交える。患者がジョークを言ったら、それに応じる。
10.患者の要望に対して自分の知る限りを明言する。または推定する。
11.提案する、約束する。
12.楽観的に言う。
13.患者を医療チームの一員に加える。〜情報を共有して患者参加型の意思決定を行う。
14.訳を言う機会を与える。理由を尋ねる。〜患者の言い訳を肯定する。
15.患者と医療者の相互利益を想定する。または主張する。
16.患者に有益な情報(説明カード、パンフレット、相談窓口やホームページの情報を与える。


◎ 不可侵要求

 医療者に立ち入って欲しくない、邪魔されたくないという要求、医療者との心理的距離を保っておきたい、礼儀正しく接して欲しいという要求

・人間として尊重し、敬意を払って欲しい。
・不安感や心の動揺に配慮して、表現を和らげた告知をして欲しい。

1.患者に敬意をあらわす。〜敬語を適切に使う。
2.緩衝的、間接的表現や婉曲表現を使って、和らげて言う。
3.患者の負担を軽減するように言う。
4.患者の協力に対し感謝の言葉を述べる。
5.患者をねぎらう。
6.ことわり、お詫び、前置きを言って謝罪する。
7.患者が侵害されたくないと思う領域まで、踏み込んでしまう可能性がある問診や診療を、一般的なルールとして述べる。

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 ポジティブとネガティブのどちらが良いというのではなく、こういう考えを意識しながら、臨機応変、状況しだいで柔軟に、信頼関係を築いていくことが大切です

{参考文献}治療 2010.6 等
 


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患者教育の行動学的アプローチ

LEARNの手順    関連記事 串刺しにされた心もご覧下さい。

2002年4月15日号  No.335



 患者を教育することは難しく、治療側から患者への情報の伝達には、多くの妨害する因子(患者の不安、専門用語の多用、患者の混同・誤解など)が存在します。

 治療側と患者の意見が異なるとき、患者は医師の指示に従わないで、自分の考えで行動します。その際にはLEARNの手順を踏むと良いとされています。

 LEARNの手順とは医療民族学的方法論の一つで、異なった分化背景を持つ医師と患者の間で行なう共同作業(患者教育)に非常に適したモデル。頭文字をとった5つのステップを踏まえることにより、押しつけを避け、より効果的に患者教育を行なうことが可能となります。

 LEARNには「学ぶ」という意味があり、まさに「患者から学ぶ」という意味合いが込められています。

1)Listen(聞く)

 患者が自分の病気をどう考えているか傾聴します。(患者の解釈モデル下記参照)

 解釈モデルとは発病の原因、病態、経過、検査
治療、予後などについての患者自身の考えのことです。

 人は、「自分の意見を他人が聞いてくれた」と思えば気持ちが和らぎ自分以外の人の意見を受け入れやすくなる傾向があります。 

2)Explain(説明)

 分かりやすい言葉で治療側の意見を説明します。(押し付けは避ける)

3)Acknowledge(認め合う)

 患者と治療側の意見の共通点と相違点を明確にし、お互いの意見を認め合う。

4)Recommend(推奨、提案)

 お互いの共通点、相違点を踏まえた上で最適と考えられる治療を提案します。この場合、患者側からの提案であっても良いとされています。

5)Negotiation(交渉、折衝)

 提案をもとに両者が同意できる妥協点を交渉し合います。

 患者教を育行うことによって患者の行動様式が変わることを“行動変容が起こる”と言いますが、行動が変わる過程は6つの段階を経ると言われています。

1.無関心期

問題があるのに患者は健康上の問題として意識していない。
情報を提供して待つ姿勢を保つ。興味を引く工夫をする。

2.関心期〜いわゆる患者での「わかっちゃいるけど止められない。」という時期

 あくまでも患者に主導権をゆだね、小さなゴールを少しづつクリアーしていく手伝いをしていくつもりで対応

3.準備期、4.行動期、

 もう一押しすれば維持期へ移行できます。
 短期的なゴールと長期的なゴールの両方について話し合い、患者に決めてもらいます。起こり得る問題点を話し合い、どうやって対応するか考えてもらいます。

5.維持期〜成功

6.再発期〜失敗
 皆何度も失敗を繰り返しながら最終的に成功にいたるというメッセージを送る。 

<解釈モデル>

・どんな病気が心配ですか
・原因は何だとお思いですか
・今後どうなるとお考えですか
・どんな検査をお望みですか
・どんな治療をお望みですか 調査的態度で問診調に聞くのではなく、共感的態度で患者が自然に自分の
考え、希望が言える用にすることが大切です。また、なぜそう考えるに至ったかを尋ね、治療側が理解することが大切です。 

{参考文献}治療 2002.3増刊号、治療 2001.4

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2005年1月15日号 No.398

オープンエンドの質問

 いかに効果的に患者から情報を引き出すかのテクニック

 5W1Hで投げかける質問。 Who,What,When,Where,Why,How
       誰、何、いつ、どこで、なぜ、どのようにで始まる質問。

 これは“はい”または“いいえ”で答えられない質問。“はい”または“いいえ”で答えてしまうとその時点で会話は終了してしまいそれ以上の情報は得られません。このオープンエンドの方法ですと、質問の答えとともに、患者から多種多様な情報を集めることが可能になります。

 例

* オープンエンドでない場合

 「その症状は長いこと続いていたのですか」
 「はい」

      会話終わり

* オープンエンドの場合

 「どのくらい前からその症状があったのですか」
 「1週間くらい湿布をしていたのですが、痛みが止まらなくて、、、、、」延々と会話は続く

   {参考文献} 医薬ジャーナル 1999.11等

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ブロッキング

 相手(患者)の話を聞いていると、色んな思いが浮かんできます。
それがフィルターとなって相手が話したとおりに聞き手の心に伝わることを妨げます。

 ひとまず自分の問題意識は脇に置いて相手の話に意識を集中し直し(ブロッキングを外す)、相手の気持ちについていきことが大事です。

 一通り聞いて相手が満足した後に、自分の問題意識を話にもどすと、ちゃんと気持ちを受け止めてもらった後ならば相手はこちらを十分信頼して、説教と感じることもなく素直にこちらの指導を受け入れてもらえるはずです。

ミラーリング

 相手の話の主な事項と気持ちの強いところを繰り返してこちらが言う。

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アサーション
assertion


 アサーションとは、主張、断言などと訳されますが、その表現では、本来の意味よりも印象が強くてそぐわず、「(さわやかな)自己表現」というような感じです。

 アサーションの4つの柱は、・誠実、・率直、・対等、そして・自己責任です。
・誠実、率直、対等というのは、「相手に向き合おうとする自分の気持ち」
・自己責任というのは、自分が言ったこと(あるいは言わなかったこと)に対して、どんな結果になろうとも自分で責任を持つということです。

 アサーティブな方法とは、自分の意見も相手の意見も大切にし、意見の食い違いがあっても歩み寄ろうとするやり方です。しかし、お互いが率直な表現を出しあえば、どんなにアサーティブに表現したとしても、それが相手に受け入れられてもらえるとは限りません。

 そのときに、攻撃的に相手を打ち負かしたり、非主張的に相手にあわせたりするのではなく、お互いが歩み寄って一番良い妥協点を探ることがアサーティブなあり方であるといえます。

 一番良い(ベストな)正解を探すというより、より良い(ベターな)解決法を模索するとも言えます。

< アサーショナル・スキル>

相手も自分も尊重するコミュニケーション法

・相手だけを尊重する→あきらめ型:自分の言いたいことが言わずにあきらめる。
・自分だけを大切にする→攻撃型:言いたい放題

<アサーショナルなコミュニケーションのこつ>

・まず自分が何を言いたいのかを自分の中で整理する。
・相手の状況を考えて言うべき時と場所を選ぶ。
・「自分」を主語にした言い方にする。
 「あなた」を主語にした言い方は相手に指示命令していることになり、反発を買いやすい。
 「(私は)こうしたいと思う」「(私は)こうしてもらうとありがたい」というような自分を主語にした言い方は相手の反発を買うことがすくない。

   出典 薬事 2008.4 等

           関連記事 串刺しにされた心もご覧下さい。


ペイシェンツ・アイ
Patient's Eyes

 全米からランダムに選ばれた62病院から6,400人以上の患者および患者のケアパートナー2,000人以上から得られた回答に基づき、患者の視点が次のように挙げられています。

1.個人として扱って欲しい。
2.誰かが責任を持って見続けて欲しい。
3.何が起きているのか、起きるのかが分かるようにして欲しい。
4.病気に伴う苦痛を和らげて欲しい。
5.更に不安や恐怖も和らげて欲しい。
6.私を気にしてくれている人達へも気を使って欲しい。
7.退院した後の不安も気にして欲しい。

 患者が生きる力をいかにして手に入れられるのか、死の恐怖をいかにして克服できるのかが患者側にとっての主題になってきています。

 近代後の医学・医療の新たなチャレンジすべき主題、それが患者主体の医療です。
従来の近代医療をドクターズ・アイとすれば、今後の近代後をペイシェンツ・アイとすべきです。

 これからは、ドクターズ・アイという単眼、ペイシェンツ・アイという単眼のみで見るのではなく、複眼で医療を見ることで医療の立体像を描けるようになり、実感を持って医療を利用できるようになります。

 これを「納得の医療」と呼びたい。

   出典:薬局 2003.12(九州大学大学院医学研究医療システム学 信友 浩一)


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医療面接とは

Medical Interview

2008年12月1日号 No.488     関連項目 医療面接技法 もご覧下さい。

 医療面接概論(medical interview)という言葉が最近、広まってきています。以前は患者さんとの対話は主に問診(histry talking)呼ばれ、患者さんの主訴や病歴などといった疾病の鑑別診断に必要な情報をいかに効率的に聞き出すことが出来るかが重要なポイントでした。

        {参考文献} アルフレッサニュース 2008.11-2 No.173
 

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 医療面接では、患者さんの病気に対する認識や不安などを、患者さん自身のストーリーとして語ってもらい、情報の収集を行うとともに相互の人間性を尊重し、今後の治療に向けた信頼関係をいかに構築することができるかに重点が置かれています。

 医療への信頼度信頼度が高い患者さんは治療コンプライアンスが高いことはこれまで数多くの研究によって示されています。

※共感的コミュニケーション4つの基本スキル

1.促し〜「それで」や「もう少し詳しく話してください」などの言葉、うなずきや相づちなどの動作、または沈黙などを効果的に用いて患者さんの話を引き出す技法
2.反映〜「痛みが強くて眠れないんです」という患者さんに「眠れないほど痛みが強いのでは非常にお辛いですね」と鏡に映すように反応すること(ミラーリング)で共感を促す技法
3.I-Message〜「それほど苦しければ私でも救急車を呼びますね」と自分自身(I)を主語にすることで自分の考えを伝えることが出来る技法
4.確認〜「今まで伺ったことをここで一度確認させてください」いうように用い、患者さんの話をしっかりと受け止めていたことを示すとともに、患者さんの本当に言いたいことがきちんと自分にも共有できていることを確認する技法


<病院言葉の難解度を3分類>
・類型A〜認知度が低く一般的に知られていないので、日常語を使って分かりやすく言い換える。

 (例)イレウス、エビデンス、寛解、誤嚥     重篤、浸潤、生検、せん妄、耐性、予後
    ADL、COPD、MRSA

・類型B〜認知度が高く一般的に知られているものの、理解度が低かったり、知識が不確かだったりするので、明確な説明を行う。(1)正しい意味を
   インスリン、ウイルス、炎症、潰瘍、膠原病、腫瘍、腫瘍マーカー、腎不全、ステロイド
   対症療法、頓服、敗血症、メタボリック症候群、介護老人施設、グループホーム

(2)もう一歩ふみこんで
   悪性腫瘍、うっ血、うつ病、黄疸、化学療法、肝硬変、既往歴、抗体、喘息、尊厳死、治験
   糖尿病、動脈硬化、熱中症、脳死、ポリープ

(3)混同(思い違い)を避けて
 ショック、合併症、貧血

・類型C〜認知度が低く一般的に知られていないか、認知率と比較して理解度がまだ低いので、普及・定着するようにする。

 インフォームド・コンセント、ガイドライン、セカンドオピニオン、クリニカルパス(パス)
 QOL、緩和ケア、MRI、PET、プライマリ・ケア

                関連項目 医療面接技法 もご覧下さい。


<最新・医学用語j解説>

解釈モデル (症例:30代女性)総合満足度5点/10点中

「熱が39℃あって扁桃腺も腫れているといわれたのに抗生物質が処方されなかった。症状を抑える為の解熱剤と咳止めだけだった、それなら町の薬局でも買えたのに、、、、」

 この例では医師は、インフルエンザか風邪の診断をして、抗菌薬の処方をしなかったのですが、患者さんは扁桃腺が腫れているから、原因は細菌と思い込んでおられたのです。

 解釈モデルとは、「発病の原因」「病態」「経過」「検査」「治療」「予後」などについて、患者さんが自分の病気に対して抱いている考え(解釈)の総称で、上記の例のように患者さんの解釈モデルを踏まえた診断や治療方針の説明、教育がなさなければ、たとえ医学的に妥当で患者便益の高い医療行為であっても、患者さんに不満を抱かせることになります。

 解釈モデルを引き出す具体的な質問としては、「今回の病気に関して原因やきっかけについてなにか思い当たるようなことはありますか?」、「この病気について、どのような見通しをお持ちですか?」などがあり、そうして聞き出した解釈モデル(この例の場合、「自分は細菌感染であり、抗菌薬が必要なのだ」とういう考えに対し、医学的根拠に基づいた教育によって修正を加え「なぜその治療方針が妥当であると判断したのか」についてしっかり説明を行うことが重要です。

 時間的余裕の面からこの説明をはぶくと、終盤になってから「実は、、、」などと、それまで組み立ててきた方針をひっくり返されるような事態を避けられるので、結果的に時間が短くなるともいわれています。

      {参考文献}アルフレッサニュース 2008.11-A、B No.173


<薬学用語辞典>

  アルゴリズム: algorithm はこちらです。

 

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