編集日録 2005年


2005年12月27日(火)

更新情報


2005年12月16日(金)

更新情報


2005年12月 9日(金)

更新情報


2005年11月29日(火)

更新情報

ヤン・ソンウォン盤は,いつもお世話になっているN.H.さんから今年の4月頃に教えていただいていたのですが,どこで手にはいるかわからず, しばらく忘れてしまっていたのですが,これまたいつもお世話になっている斉諧生さんの音盤狂日録2005年8月3日で入手先を知り, 無事手に入れることが出来ました。 有り難うございました。

新譜情報

ちょっと古い情報で申し訳ありません。 いつも利用させていただいているCDショップ カデンツァからの情報で, ヴィンニコフ盤はマイナーレーベル2005年11月のページで,トニェッティ盤とパパヴラミ盤は同12月のページで紹介されていました。

トニェッティ氏はオーストラリアのヴァイオリニストということで,もしやと思い,オーストラリアの通販サイトBuywellで探してみたところ, トニェッティ盤がエントリーされており,こちらから購入することが出来ました(カデンツァさん,ごめんなさい)。 なお,無伴奏チェロ組曲のデヴィッド・ペレイレ盤も,このBuywellから入手できます。

パパヴラミ盤は,以前に2000年録音の自主制作ではないかと思われるライヴ盤が出ていましたが, それとの関係はよくわかりません。


2005年11月22日(火)

更新情報


2005年11月18日(金)

更新情報

クレーメル氏の新盤です。 この機会に旧盤も聴き直し,全面的に書き直しました。 すでに数多くの皆さんが的確なレビューを書いておられるので,私の出る幕はないな...と思いながらの掲載です。 この約一ヶ月間,クレーメル氏の新旧盤両盤にずっと浸っていましたが,新盤に触れてもなお「やっぱり旧盤はいい!」というのが現時点の私の正直な感想です(新盤の録音が気に入らないのも一因...)。 基本的に,私は,テクニックでグイグイと曲を引っ張っていくストレートで推進力ある颯爽とした演奏は大好きです(でも熱いのは最近つらくなってきました...)。


2005年11月 6日(日)

発見盤情報

いつも大変お世話になっている斉諧生さんから,実は今年の1月に「バッハ無伴奏ヴァイオリン全曲盤を見つけた」ということで, 演奏者の公式Webサイトを教えていただいておりました(有り難うございます!)。 残念なことにどこで手にはいるのか全く見つけることが出来ず,それ以降も時々探してはいたのですがやっぱり見つからず, ほとんどあきらめていたところ,つい先日偶然にもスペインの通販サイトで扱っているところを見つけ, 無事に手に入れることが出来ました。

録音時期は明記されていませんが,(C)(P)2003とありますので,最近の録音だと思います。

見つけたのはEl Corte Inglesというスペインの通販サイトです。 いつもお世話になっているK.N.さんの,そのまた知人の方の話によると,El Corte Inglesはスペインでも有名なデパートであるということでした(有り難うございます)。

このサイトはスペイン語なので,スペイン語を解読しながら注文する必要がありました。 カートに入れるところまでは良かったのですが,その次にどこを押せば先に進めるのかさえわからない状態でした。 私は語学が全然駄目なので,無料の翻訳サイトでスペイン語→英語変換を駆使して格闘すること約3時間... 最後の情報入力画面で住所の入れ方がわからず(欄が細かく分かれている),また,空欄のまま次に進もうとするとエラーが出て怒られるため, とにかくエラーがなくなるよう適当に情報を入れてエラーをなくし,最終確認画面に進むと, 住所の順番が無茶苦茶でしたが,JAPONとありますし,あとはとにかく日本に着けば,郵便番号と県名から日本の郵便局が何とかしてくれるだろうという勝手な予想のもと, エイやで注文しました(日本での取り扱いは西部運輸で,西部運輸が貼り付けたラベルを見ると,きちんと日本語で訂正された住所が記載されていました)。 ということで,何とか無事入手できたわけですが,もしご注文される際は,あくまで自己責任でお願い致します。

なお同サイトにて,バッハ無伴奏ヴァイオリンを含む7枚組のCDも入手できるようで,他の曲にも興味のある場合は, こちらの方が割安です。


2005年11月 1日(火)

シェリングのヘンデル CD化!

ヘンデルのヴァイオリンソナタ集のシェリング盤, 以前,「バイオリン教則大全集」に収められているLP盤を取り上げましたが,最近CD化されました。 タワーレコードの企画盤です。


2005年10月25日(火)

更新情報


2005年10月24日(月)

発見盤情報

シュムスキー氏の公式Webページで発見しました。 シュムスキー氏は,あのオスカー・シュムスキー氏のご子息とのことで, 解説書の最初に,"This album is dedicated to my father, violinist, Oscar Shumsky."とあります。

このCDですが,Disc 1の盤面にはNo.2, No.3, No.4と確かに書かれているのに, 実際に収められているのはNo.1, No.5, No.6で,Disc 2はその逆になっています。 明らかに間違っていますが,とりあえず全曲揃っているので許してしまいます。


2005年10月23日(日)

テレーズ・シュローダー・シェーカーのページ開設

ソプラノヴォイスの美しいゴシックハープ奏者,テレーズ・シュローダー・シェーカーのCDを紹介するページを開設しました。 今はCDのリストだけですが,今後それぞれのCDの感想などを掲載していきたいと思います。 (といっても,最近こっちの方の活動が出来ていないのですが...)


2005年10月21日(金)

発見盤情報

発見!というほどのことはないのですが... ノルディックサウンド広島さんのJubal Productionのカタログの中からの発掘盤です。 現在店頭在庫がなく,レーベルに発注するだけの数量がまだ確保できていないとのことで,注文は保留になってしまいました。 かなりの長期戦を覚悟して下さいとのこと...とほほ...でもじっくり待つことにします。


2005年10月19日(水)

すごくうれしい発見盤

すでにLPでの感想を掲載していた盤の復刻盤のようです。 解説書に所有しているLPと同品番の記述がありました。 これで録音時期が明確になりました。 (C)2005とありますので,ごく最近復刻されたようです。 Musical ObservationsのWebページに掲載されており, ここから注文できました。 amazon.comでも取り扱いがあるようです。 ぜひCD復刻を,と思っていた録音だけに,この発見盤は本当にうれしいです。

ちょっと悲しい発見盤

これはかなり以前の記事「バッハ:無伴奏ヴァイオリンの未CD化盤」で紹介しましたLP(Iさん情報)の復刻盤ではないかと思います。 Shar Music(楽器店?)というところの取り扱いで,Vol.1Vol.2Vol.3の分売です。 これは大発見!と有頂天になって注文したのですが...「すでに入手不可」とキャンセルされてしまいました...無念... ちょっと(大いに)悲しい発見盤でした。(求む!情報)

ちょっと微妙な発見盤

これは,上記のトーテンベルク盤と同じShar Musicでの発見盤です。 こちらに掲載されています。 録音時期がよくわかりませんが,(P)(C)1998とありますので,少し前のようです。 解説書によると,3種類のバロックチェロを使い分けているとのことです。 この盤は無事入手できました。

ところで,このShar Musicからの購入ですが,「発送方法を指定せよ」等のメールのやり取りの末,入手したのですが, 注文時点では明確ではなかったと思うのですが,CD価格以外に,"Overseas Processing Fee"(なにこれ?)が$15と, 送料$25が加算され,結果的にすごく高価な買い物になってしまいました...(ちょっと怒)。 肝心の演奏は...私が感想を掲載してからご購入検討されることをお勧め致します。


2005年10月18日(火)

更新情報


2005年10月11日(火)

もう一枚あった私の「好きな」録音

10月5日の編集日録で,私の好きな録音として,ジュリアード四重奏団のベートーヴェンを収めたCDを紹介しましたが, もう一枚,私の好きな録音があることを思い出しましたので紹介します。

ODE 1046-2
Musical Soiree at Ainola
Ondine ODE 1046-2

ご紹介したいCDは,アイノラの音楽のゆうべ(Musical Soiree at Ainola)と題したCDで,シベリウスがアイノラに移り住んで100年になったことを記念して制作されたものとのことです。 ヴァイオリンはペッカ・クーシスト(Pekka Kuusisto),ピアノはヘイニ・カルッカイネン(Heini Karkkainen)で,シベリウスのヴァイオリンとピアノのための曲が収められています。 ノルディックサウンド広島さんのニュースレターに詳しい解説がありましたので, こちらもご参照いただければと思います。

録音は,このシベリウスの家「アイノラ」で行われています。 ホールでも教会でもなく,とある家の一室という環境での録音です。 演奏者とマイクとの距離が比較的近く,直接音比率が高いこと, 演奏者から壁面までの距離が近く,直接音と反射音の時間差がおそらくそれほどないこと, 部屋の容積が小さいことなどから,残響は皆無と言ってよいと思いますし,壁面の反射音も意識に上ってきません。

このように全く響きが感じられないので,ホールや教会で録音されたものとは全く異質です。 まさに,演奏者の発する音の全てが手に取るように見えてくるような感じがします。 音のかすれや弓の震え,ホールや教会の録音ではなかなか聴こえてこないこれらの音も,全部大切な音楽の一部なんだということがわかります。 そして,この録音が持つ親しみあふれる雰囲気! リアルさ! 仲間内で楽しんでいるような錯覚に陥ります。 室内楽は,家族や仲間で気軽に演奏して楽しむための音楽でもあるはずで, 改めてそういう音楽の楽しみ方を思い出させてくれる録音だと思います(素人では気軽に演奏できない高度な曲も多いのですが...)。

この録音,あまりの異質さに,初めて聴いたとき「なんじゃこりゃ!」と面食らったのも事実です。 それくらい私にとってはインパクトがありました。 何度か聴いているうちに,これは私の求めているものに極めて近い,と思った次第です。 この録音ですら私にとって完璧に満足出来るものではなく,録音の難しさも感じさせてくれるものですが, 私の好きな録音の方向性と一致するため,紹介することにしました。 少しでもご参考になればと思います。

なお,この録音を聴いて改めて思うのは,このような録音環境は演奏者にとって非常に厳しいということです。 演奏の「粗」も音楽の一部として聴かせられるだけの技術とセンスの持ち主でないと,とてもこのような録音に挑戦しようという気にはなれないでしょう。 という意味で,この録音で起用されたペッカ・クーシストは素晴らしいと思いました。 「おぉ,シベリウスでここまでやるんかぁ」と,まるでトラッドを聴いているようなくだけた箇所もありますが, そのセンスもさることながら,このような環境で,粗も音楽として積極的に聴かせる腕前は大したものだと感心しました。


2005年10月 7日(金)

更新情報

発見盤情報

読み方は,「ヴァルタン・マヌーギアン」かもしれません。 University of Wisconsin-Madison School of Musicのオンラインストアでの発見盤です。 録音時期が明記されていませんが,(C)2004とあります。 マヌージアン氏は,ジュリアード音楽院を経て,スイス・ロマンド管弦楽団のコンサートマスターを務め, 現在,University of Wisconsin-Madison School of Musicの教授とのことです。 上記のオンラインストアでは,米国外への発送を想定していないようですので,もし入手される場合はメールを送ってその指示に従って下さい。 amazon.co.jpでの扱いもあるようです(びっくりしました...でも洋書あつかいですねぇ)。

久しぶりに出会った私の「好きな」録音 〜 一昨日の記事の補足(弁解)

一昨日掲載した記事に関して,誤解を受けそうな点について補足説明(というか弁解)します。

まず一点目です。 私の考えは,器楽曲や室内楽など,規模の小さい編成を想定した内容であり, オーケストラ等の大規模な編成では事情が変わってくると思います(オーケストラを自宅に招いたら大変だ...というのは冗談ですが)。 という前提で読んで下さいますようお願いします。 私はまだオーケストラ録音に関しては「こうあって欲しい」という考えがまとめられていませんが, やはり好き嫌いはあるわけで,その根底にあるものは共通ではないかと漠然と思っています。

次に二点目です。 「私は自宅のリスニングルームでコンサートホールの音響を再現したいとは全く思いません。」という箇所(およびその付近)ですが, これはあくまで私の嗜好を述べているのであって,コンサートホールの音響を再現すること自体を否定しているわけではありません。 録音された場所の音環境を再現すること(いわゆる原音再生※1)は,オーディオ再生系の一つの究極の目標であり, これは目指すべき一つの姿だと思いますし,私もある意味そうありたいと思っています。 私が主張したいのは,(1)録音する環境のあり方,(2)音をどういう視点でとらえるか,という点です。 つまり,音がマイクで電気信号に変換されるまでの過程(一部ミキシングの要素もありますが)を問題にしたいのです。

まず「(1)録音する環境」ですが,特に器楽曲や室内楽の場合,コンサートがホールや教会で行われるからといって, なぜ録音までホールや教会で行う必要があるのでしょうか,という疑問です。 2003年12月22日の編集日録でも述べましたが,私は,コンサートがホールや教会で行われるのは, その響きによって,音楽をより心地よく聴衆に届けることができるという効果が期待できるという理由の他に, 大勢の方にできるだけ均質に音を届けるために,反射音,残響音を利用せざるを得ないという理由も大きいと思っています。 しかし,この残響音によって,潤いや心地良さが生まれる一方で,それ以上に大切な多くのものが失われてしまいます。 そういう理由から,残響の多いホールや教会は,器楽曲や室内楽を聴く環境としてはふさわしくないと思うのです。 皆さんもコンサートを聴きに行って,音響効果の悪さに音楽を十分楽しむことが出来なかったという経験をお持ちなのではないでしょうか。 基本的に,器楽曲や室内楽を遠い距離から残響の助けを借りて鑑賞することに無理があると思うのです※2。 そういう環境を録音に持ち込んで欲しくないのです。

次に「(2)音をとらえる視点」です。 リスニングルームで再現すべきは何なのか,をどう考えるかによって音のとらえ方が変わってくると思うのです。 「録音された場所の音環境を再現する」というのが基本的な考え方ではあると思うのですが, 多くの録音を聴くにつけ,「録音された空間そのものを再現する」ということに,あまりにも意識が傾きすぎているのではないかと感じます。 空間性を想起させるのは壁面からの反射音,すなわち残響ですから,いきおい残響成分比率が上がり,明瞭感が落ちて微妙なニュアンスが埋もれることにつながってしまいます。 こうならないために,私は,「音源を再現する」,すなわち「演奏者自身の姿を再現する」という視点に立つべきだと思うのです。 こう考えれば,音のとらえ方は全く変わってくるはずです。

ということで,補足説明になっているか不安はありますが,今日はこれで終わりにしておきます。 もう少し述べておきたい内容があったのですが,次の機会にしたいと思います。 結局は各個人の嗜好次第ということで...

※1「原音再生」の定義についてはいろいろと議論があると思いますし,難しい問題ですのでここでは触れません。 「録音されたときの音場を再現する」程度の広義の意味に受け取ってもらえればと思います。
※2高域の距離減衰による明瞭感,解像感の低下と,直接音に対する残響音の占める比率が上がることによる明瞭感の低下が主な理由です。


2005年10月 6日(木)

発見盤情報

最近,新譜・発見盤紹介をさぼっておりました。 申し訳ございません。 ぼちぼち掲載していきます(というほどありませんが...)。 いずれもCD Babyでの発見盤です。 どちらも本来の楽器でないのが残念ですが...

CD BabyでのCDの紹介はこちらにあります。 エルバス氏は,イスラエル出身のマンドリン奏者で,Kerman Mandolin Quartetのメンバーとのことです。 使用されているマンドリンはクラシックマンドリンのようですが,私の知っている底の丸いものではなく, ブルーグラス等で使われているようなフラットマンドリンのような形をしています。 タイトルにVol.1とありますが,Vol.2はまだ発売されていないのではないかと思います。

CD BabyでのCDの紹介はこちらこちらにあります。 クーパー氏は,1963年生まれ,アメリカ,イリノイ州出身のジャズ系のトランペッターのようです。 1枚目はプレスCDで,しっかりした解説書が付いていますが,2枚目は多分CD-R盤で解説書もペラペラでした。 自主製作はやっぱり大変なんでしょうねぇ...


2005年10月 5日(水)

久しぶりに出会った私の「好きな」録音

本サイトでの私の録音評価に対して,なんでこんな評価になるんだろうと不思議に思われる方も多いことと思います。 録音に対する私の考え方については,以前より散発的に述べてきたものの(たとえばこちらの「録音についての雑言」), 整理した形でご提示出来ていないのを申し訳なく思っています。 つい最近,「これはなかなかいいゾ!」と思える録音に出会いました。 これは,私の録音に対する視点を説明する格好の材料ではと思い, またまとまりのない形ではありますが,ご紹介することにしました。 賛否はあろうと思いますが,私の考え方を少しでもご理解いただければ幸いに思います。

TESTAMENT SBT 1373
Juilliard String Quartet
Beethoven/Schubert
TESTAMENT SBT 1373

さて,ご紹介したい録音は,TESTAMENTレーベルから発売されている,ジュリアード弦楽四重奏団のベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番の録音です。 ジュリアード弦楽四重奏団が1960年前後に一時期RCAに移籍していた頃の録音ということで, 同レーベルから4枚ほど発売されており,その中の1枚に収められています。 1960年 RCAスタジオBでの録音です。

1960年の録音ということで,初期のステレオ録音に属すると思います。 当然ながら現代の録音に比べれば,オーディオ品質で劣る面があるということは否めません。 また,マスターテープの保存上の問題か,部分的に音質劣化が見られたり,テープの再生ノイズにムラが感じられるところもあります。 聴いていただければわかると思いますが,正直言って古くさい音です。 従って,こういうオーディオ品質の観点では「良い録音」とは言えないです。 ただ,周波数帯域,ノイズレベル,歪み感など,鑑賞上の障害にならない最低限のレベルは十分にクリアしていると思います(ただし,この判断基準は個人差があると思います)。

この録音の特徴は,残響成分がほとんどないところにあります。 RCAのスタジオで録音されたものということで,音楽の録音環境としては極めてデッドな空間で録音されたものと想像します。 強奏の後の無音部でかすかにスタジオの響きが感じられる程度で,楽器音そのものに影響を与える残響は皆無です。 適度な距離(おそらく近距離)に設置したマイクで直接音だけねらって収録する,そんな録音の仕方です。 従って,その録音された音は,ホールや教会で録音されたものとは全く異質です。

では,この録音のどこが「好き」なのか。 それは,演奏者が楽器に託して発する音の全てが聴こえてくる(ような気がする)ところです。 何も足されることなく,そして,何も引かれることなく,ありのままストレートに伝わってくる, 素顔のままというか,素肌の肌触りというか,良いところも悪いところも全て感じ取れそうな質感, そして,自宅のリスニングルームで,間近で演奏を聴かせてもらっているような,そんな実在感,親密感がたまらなく好きなのです。

このようなデッドな環境での録音は,鑑賞向きではないと評されることが多いように思います。 演奏者が実際に発する音は,美しい音ばかりではなく,弓が弦を引っ掻く音,かすれ,指板を叩く音, 楽器を操る際に発生してしまう音,こういった雑音も実際には多く発せられてます。 そして,デッドな環境での録音は,こういったいわゆる演奏の「粗」の部分も全てあらわにしてしまいます。 こういった「粗」は,演奏者からの距離が遠くなるほど,残響が多くなるほど覆い隠され,心地よい響きだけが残っていきます。 鑑賞向きかどうかは,こういった観点から判断されているのではないかと思います。

しかし,本当にそうでしょうか? 私は,こういった雑音成分も含め,発せられる全ての音に演奏家の芸術のエッセンスが,演奏家のメッセージが込められていると感じるのです。 そして,ホールや教会での録音は,心地よい響きの代償として,そうした大切な要素を放棄しているようにしか思えないのです。

例えば,ある演奏家のコンサートを聴いた後,その演奏家の楽屋を訪ねたとします。 そして,その演奏家が「あなたのために一曲プレゼントしましょう」と目の前で弾き出したとします。 そこでどんな音が自分の耳に届いてくるか,想像してみて欲しいのです。 楽屋という劣悪な環境で聴くこの音は,果たして鑑賞に値しない音なのでしょうか? その音楽は鑑賞に値しないのでしょうか? 「あなたのために」という心理的要素を差し引いても,コンサートで聴いた音楽よりも,何十倍も感動するのではないか,と私は思うのです。

ホールや教会の音は,コンサートに行けば聴くことが出来ます。 しかし,目の前で演奏してくれているような音は,そう簡単に体験できるものではありません。 この不可能を可能にしてくれるのが「録音」でありオーディオの世界だと思うのです。 以前にも書きましたが,私は自宅のリスニングルームでコンサートホールの音響を再現したいとは全く思いません。 メディアとオーディオ装置を通じて,自宅のリスニングルームに演奏家を招きたいと思うのです。 再現したいのはコンサートホールではなく,自宅に来て下さった演奏家自身の姿なんです。 リスナーに聴いて欲しいのは一体何なのか,録音を通じて何を感じ取って欲しいのか, 録音はホールや教会で行わなければならぬという既成概念を捨てて,改めて考え直して欲しい, と演奏家の皆さん,録音エンジニアの皆さんに切にお願いする次第です。

ということを,改めて思い起こさせてくれた録音でした。 ちなみに,TESTAMENTから発売されている同シリーズのうち3枚を聴いてみましたが(SBT 1372,1373,1375), 満足できる録音は,このベートーヴェンだけでした(といっても100%満足しているわけではありませんが)。 つくづく難しいものだと考えさせられました。


2005年10月 3日(月)

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2005年 9月28日(水)

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2005年 9月20日(火)

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久々に心底感動する演奏に出会いました! 私の中では,ここ数年聴いた中でも間違いなく最上位の一つに挙げられます。

この盤,いつもお世話になっている斉諧生さんの音盤狂日録とレコード芸術誌でその存在を知り, あわててラ・ヴォーチェ京都に連絡を取って手に入れました。 最近,hmv.co.jp,CDショップカデンツァ,アリアCD等のリストにも載るようになってきました。 ラ・ヴォーチェ京都が輸入代理店となって全国のCD店に供給するようになったのではないでしょうか。 この素晴らしい演奏がより多くの人の耳に届く機会が増えることは,実に喜ばしいことです。 (でも,日本語解説付きで,しかも少し安い! う〜ん,ちょっと悔しい...)


2005年 9月15日(木)

バッハ無伴奏ヴァイオリンのエネスコ盤音質比較(第二回)

もう3年くらい前になりますが,バッハ無伴奏ヴァイオリンのエネスコ盤について, 「バッハ:無伴奏Vn エネスコ「La Voce盤」と「IDIS盤」の音質差について」ということで, La Voce盤とIDIS盤の音質比較を行ったことがあります。 その後,ある方から,「コンチネンタル盤には初盤と再盤があり,La Voce盤は再盤からの復刻,米AllegroのCDO-2014は初盤からの復刻と思われる」, そして,さらに,「再盤は初盤に比べて味わいが薄まっている」「音のうるおい,広がり感が違う」とのことでした。 また,初盤にはSPの材料(シェラック)が含まれ,盤が傷んでなくてもサーッという針音が混じってしまう,という情報もいただきました。 有り難うございました。 なお,「米AllegroのCDO-2014」はClassica D'Oroレーベルのもののようです。

これは聴き比べてみなければと思いつつ,このためだけに購入するのももったいないと見送っていたところ, バークシャーに安価に出ているのを見つけて入手,早速比較してみました。

さらに,9月7日の編集日録で上記3盤の比較を掲載し,「あとPhilips盤が残っている」と書いたところ, いつもお世話になっているN.H.さんからPhilips盤を持っているとの連絡をいただき, 比較させていただくことが出来ました(有り難うございます)。 Philips盤を追加し,改めて掲載します。

CD Jacket LaVoce FFT LaVoce
(a) La Voce盤

CD Jacket Classica D'Oro FFT Classica D'Oro
(b) Classica D'Oro盤

CD Jacket IDIS FFT IDIS
(c) IDIS盤

CD Jacket Philips FFT Philips
(d) Philips盤

Fig. スペクトラムのピークホールド結果
(Partita No.2 Chaconne全体)

まず周波数成分を比較します。 左図に,パルティータ第二番シャコンヌ全体のFFT分析結果のスペクトラムのピークホールド結果を示します。 比較方法は3年前と同じです。

La Voce盤は,高域に向かってなだらかに成分が減少する特性になっています。 10kHz以上の成分もかなり入っています。 Classica D'Oro盤は,3〜4kHzまで比較的フラット,それより高域が急激に落ちています。 IDIS盤は1kHzから落ち始め,高域にいくに従って減衰カーブが急になります。 Philips盤は,La Voce盤に近く,高域に向かってなだらかに成分が減少しています。

実際の音質も,この分析結果から想定される音質に感覚的に近いものになっています。

La Voce盤は,楽器音が極めて自然,三種の中では断然生の音色に近いと思います。 付帯音がなくすっきりしていて聴きやすい音質です。 高域まで伸びているためか,盤上を針がトレースする際の「サーッ」というノイズ,パチパチ音がかなり含まれています。 また,「ゴーッ」という低域〜超低域のノイズもフィルタリングされることなく盛大に含まれています。 S/N比(Signal to Noise Ratio)という点ではあまりよくありませんが, 古いアナログ盤を再生しているそのままの雰囲気であり,鑑賞上の邪魔になるものではありません。 あと,録音レベルが若干低い(スクラッチノイズもそのままフィルタリングせずに取り込んでいるためか?), リニアリティが若干悪いように感じられる,といった点が惜しいと思います。

Classica D'Oro盤は,極めて癖の強い音色です。 3〜4kHzまでフラットになっていますが,1〜4kHzの帯域が強調され, これが独特の癖のある音につながっているのではないかと想像します。 これより上の帯域が急激に減衰していますが,こもった感じはありません。 ただ,La Voce盤ほどの自然さ,リアルさが感じられないのは,やはり, 中域の盛り上がりと高域の減衰が影響しているのではないかと思います。 逆に,解像感とリニアリティはLa Voce盤に勝っている印象です。 また,トレースノイズと低域ノイズのレベルもかなり抑えられており,S/N比も良好です。 帯域を絞って高密度でアナログ盤の再生音をとらえているという感じです。

IDIS盤は,周波数成分から想像される通り,こもった感じが強いです。 歪みっぽく,音色の自然さもありません。 残念ながら,上記2つの盤に比べてかなり落差があります。 また,全体に音程が低く感じられます。 3年前にも指摘しましたが,シャコンヌで演奏時間が約16秒長いです。 ピッチにして約2%の差,A=440Hzにおいて約8Hzの差が出ますので,無視できない値です。

Philips盤は,La Voce盤と基本的な音質傾向が似ています。 トレースノイズはカットすることなく,そのまま取り入れられています(低域側の成分はカットされているようです)。 La Voce盤と比較すると,トレースノイズのレベルが高く,SP盤を再生しているような印象です。 また,音が大きい部分での歪みが,Philips盤の方がやや大きく感じられます。 原盤トレースの忠実度,情報量の多さという点で,La Voce盤の方が勝っていると思います。

ということで,La Voce盤とClassica D'Oro盤は,全くキャラクターが異なり,それぞれに良い点悪い点がありますので, どちらが良いかは好みの問題になってくると思います。 再生環境によっても聴こえ方が変わってくるかもしれません。 私としては,音色の自然さ,すっきり感のあるLa Voce盤が好みです。 一方,IDIS盤は,良いところがなく全くお奨めできません。 またPhilips盤は,La Voce盤と音質傾向が似ているとはいえ,復刻クオリティの面で劣り,こちらも推薦する理由が見あたりません

エネスコの演奏が好きな方は,是非ともLa Voce盤とClassica D'Oro盤を聴き比べて,好みの録音を見つけていただければと思います。 あまりの音づくりの差にびっくりされることと思います。


2005年 9月 5日(月)

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2005年 8月29日(月)

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2005年 8月20日(土)

メールアドレス変更しました

メールアドレスを変更しました。 新しいメールアドレスは,e-mailページに記載しています。 最近,前メールアドレスに対してスパムメールが急増し,せっかくいただいた大切なメールが埋もれてしまい, 誤って削除してしまったりする危険性が高くなったためです(もしかしたら,すでにそういうことがあったかもしれません)。 今後もメールアドレスを変更する可能性がありますので,メールがエラーで返ってくるような場合は, e-mailページでご確認の上,送信をお願い致します。 ご面倒をおかけしますが,何卒ご理解いただきますようお願い致します。


2005年 8月19日(金)

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2005年 8月18日(木)

更新情報

レビューを掲載した時期にちょうど発売されたリマスタリング盤を,いつもお世話になっているK.N.さんからお借りすることが出来ました。 音質が向上して価格も半分以下,ちょっと悔しいです。 どうでも良いことですが,ジャケット写真の上村さんの視線がちょっと違うのが気になります。 なんとなく冷たく見つめられているようで落ち着きません。


2005年 8月16日(火)

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2005年 7月29日(金)

鈴木秀美盤の録音コメント追記

先日掲載しました鈴木秀美さんの無伴奏チェロの録音に関するコメントを追記しました。 またかと思われるかもしれませんが,「良い録音」とはどんな録音なのか,今一度見つめ直して欲しいという思いで書いています。 概して評判の良い録音ですし,単なる私の好みで書いているだけではありますが,こういう風に思っている人もいるということを頭の片隅に置いてもらって, 録音のあるべき姿を追求して欲しいと思います。


2005年 7月25日(月)

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2005年 7月13日(水)

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2005年 7月 9日(土)

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2005年 7月 5日(火)

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2005年 6月24日(金)

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2005年 6月23日(木)

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2005年 6月 9日(木)

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2005年 6月 3日(金)

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このCDから,姓に「パイン」が加わっています。 昨年結婚した夫君の姓ということです。


2005年 6月 1日(水)

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ミケルッチ盤に続いて,またしてもFONEレーベルのCDに泣かされました(怒!)。 まあ,今回はまだマシですが...


2005年 5月31日(火)

Naxosレーベルのバッハ無伴奏ヴァイオリン:シュレーダー盤

4月23日の日録で,Naxosレーベルのバッハ無伴奏ヴァイオリン:シュレーダー盤を新譜情報として掲載していましたが, いつも利用させていただいているCDショップ カデンツァのマイナーレーベル2005年7月の情報から, すでに当サイトで紹介済みのADDAレーベルのものと同じもということがわかりました(1984-85年録音)。 申し訳ありませんでした。 新譜でないのは少々残念ですが,それでも,今まで入手が難しかったことを思うと,喜ばしいことと思います。


2005年 5月26日(木)

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2005年 5月22日(日)

累計10万アクセス到達! 有り難うございます

いつも当サイトへのアクセス有り難うございます。 とうとう大台の累計10万アクセスに到達しました。 3年と少しでここまでくるとは思いもしませんでした。 相変わらずゆっくりした更新ペースですが,次は100万アクセス目指して(いつのことやら...)続けていきたいと思いますので, 今後もよろしくお願い申し上げます。


2005年 5月18日(水)

更新情報


2005年 5月16日(月)

更新情報

いつも利用させていただいているCDショップ カデンツァのマイナーレーベル2005年6月の情報によると, 最新マスタリングでの再発売が予定されているようです(FOCD-9231/2 5/31発売 税込\2,100)。 しかも半額以下の廉価盤です(うーん,ちょっと悔しい...)。


2005年 5月15日(日)

新譜情報

何名かの方から情報をいただきました。 有り難うございました。 タワーレコードに詳しい情報があります。 SACDハイブリッド盤。 日本には5月末頃入ってくるようです。 海外(Crotchetなど)からはすでに入手可能と聞いています。 初回生産分はインタビューや録音風景を収録したDVDが特典として付いているとのこと。

発見盤情報

今更ながら...ではありますが,<私の>発見盤ということで掲載します。 いつもお世話になっておりますK.N.さんが,とある楽器店で発見,確保して下さいました。 有り難うございました。 楽器店のご主人曰く,「高橋さんご本人がお店に持ってこられた」とのことで,入手ルートはよくわかりませんが, アリアCDで取り扱いがありますし, いつもお世話になっている斉諧生さんの2004年2月2日の音盤狂日録に, ミッテンヴァルトで入手したとありましたので, 入手不可能ではないと思います。 レコード芸術誌2004年2月号で近藤憲一氏が絶賛されていたとのことです。 少なくとも音盤狂日録はこまめにチェックさせていただいているのに,不覚にも1年以上見逃してしまっていたようです。


2005年 5月 5日(木)

Webサイト開設3周年

バッハの無伴奏ヴァイオリンのページを最初に公開してから丸3年が経ちました。 蒐集盤を一つ一つ聴いて感想を綴っていくことはすっかり私の生活の一部となり, 「まだ3年だっけ?」という感じで,実際のところあまり実感がありません。 時にはページ更新が重荷に感じられることもありましたが,挫けることなくここまで続けることが出来たのも, 皆さんのあたたかい励ましがあったからこそ,と,改めて感謝申し上げたい気持ちでいっぱいです。 今後とも長いお付き合いをよろしくお願いします。


2005年 5月 2日(月)

新譜情報

アル・スチュアートの公式ホームページに出ていました。 6月下旬の発売のようです。 日本に入ってくるのはもう少し時間がかかると思います。 久しぶりの新譜,楽しみです。 で,サイトを見ていると..."Live at Grace Cathedral"というDVDがあることもわかりました。 これは見ないといけません!


2005年 4月29日(金)

更新情報


2005年 4月28日(木)

更新情報


2005年 4月23日(土)

新譜情報

Amazon.comで見つけました。 詳しいことがわからないので,本当に新譜かどうかよくわかりません(Naxosのページにもありませんでした)。 Amazon.comでは5月の入荷ということになっているようです。 楽しみです。


2005年 4月22日(金)

更新情報


2005年 4月21日(木)

更新情報


2005年 4月20日(水)

更新情報

これは本当に良かった! 全集盤の中では飛び抜けています。 寺神戸盤と双璧と言えると思います。 入手性があまり良くないのが残念に思います(入手困難ではないとは思いますが)。


2005年 4月19日(火)

更新情報

お久しぶりです。 事情があってしばらく休んでおりました。 更新を再開します。 これからもよろしくお願いします。


2005年 3月11日(金)

更新情報

演奏・録音 評価基準表改訂

演奏および録音の評価に使用しております演奏・録音 評価基準表を改訂しました。 今回の改訂は録音評価が主です。 従来,細かく項目を決めて照らし合わせながら評価をしようと試みていましたが,いろいろと悩みが多く, 結局最終的に自分が総合的に見てどういう印象であったかということで評価点をつけるしかないということで,今回の評価基準表になりました。

改訂の結果,録音評価が従来より少し甘めの評点になります。 例えば今日の今井信子盤を3.5点にしていますが,従来基準なら残響が多く好みではないということで3.0点にしていたと思います。 従来評価分とこういった差が生じることをあらかじめご了承いただきたく思っております。

何度も私のサイトに訪れていただいている方はもうご理解いただいていると思いますが, 録音に関しては少々極端に走った主張をあえてしてきています。 この機会に,日録に散発的に書いてきた考えを一度整理し,近いうちにまとめて提示したいと思っております。 いつになるかわかりませんが...


2005年 3月 7日(月)

ゼンハイザーのインナーホン MX450を聴く

2004年1月11日の「ゼンハイザー(Sennheiser) ヘッドホン試用記」で, 同社のインナーホン MX500/MX400/MX300 を紹介しておりました。 2000円前後という価格帯の商品とは思えない解像感の高さと帯域バランスの優れたインナーホンということで,それ以来愛用しています。 ただ,ハウジングがやや大きいのか私の耳には今ひとつフィットせず,歩行しながら使用しているとポロポロと耳から落ちてしまったり, コネクタのメッキの材質が悪いのか接触不良が頻発するなど,いろいろと不満もありました。 そんなこともあって,もっと良いものがないかと物色していたところ,同シリーズに MX550/MX450 という新製品が加わったので, これは試してみねば,と店頭に出るのを心待ちにしておりました。 最近ようやくMX450を手に入れることが出来ましたので,簡単にレポートします。 製品情報に関しては,国内の代理店ゼネラル通商のゼンハイザーのページをご参照下さい。

MX450
(a) MX450 (新モデル)
MX400
(b) MX400 (従来モデル)

まずスペックですが,従来モデルとの一番大きな差はインピーダンス(32→16オーム),感度(119→123dB/mW)です(箱には113dBと書かれていますが,間違いでしょう)。 全く新設計であることがうかがわれます。 低インピーダンス化・高感度化は,ポータブル機器の低電圧化の流れについていこうということでしょうか(他社製品も16オームが多いです)。 外観的には,振動板前面の音の出口が,従来モデルがプラスチックで覆われピンホールのような孔が開いているだけだったものが, メッシュ状のネットに変わり,開口が大きくなっています(写真参照)。 ハウジング形状は,変わっているものの大きいことには変わりありませんでした。 装着感は,多少マシ程度であまり改善されませんでした。 プラグはL字型からストレート型に変わっています。 接点についてはよくわかりませんが,変わっているようには見えません。 ケーブルは,従来モデルではかなり硬い印象がありましたが,これが細くフニャフニャのものに変わってしまいました。 まるで500円程度のイヤホンみたいで質感は全く良くありません。 これなら硬い従来モデルの方がマシです。

さて肝心の音質です。 まず特筆すべきはその感度の高さです。 低インピーダンス化の効用もあると思いますが,従来モデルと取り替えながら聴き比べすると,あまりの音量差にびっくりします。 音作りは中域重視に思えます。 中域の解像感の高さは従来モデル以上ですが,かまぼこ形の周波数特性,すなわち中域が盛り上がったような音質で極めて癖が強いです。 高域はそこそこ出ていますが,低域のレンジ感がありません。 従来モデルのフラットで癖のない音質とは全く別物,派手で押しが強いです。 感度を優先して周波数バランスを犠牲にしたという印象です。

ということで,私としては全くもってガッカリする結果でした。 どうしたんだゼンハイザー(怒!)と文句を言いたくなります。 MX550はまだ試していないので何とも言えませんが,おそらく同傾向ではないかと思います(手に入ったらまたレポートします)。 ラインナップから落ちないうちにMX500/MX400をストックしておかなければ,と本気で思ってしまいました(耳の形をMX500に合わせねば...接点復活剤も必要か...)。 MX450は,ゼンハイザーの癖のない素直な音質を期待する人には全くお勧めできない,というのが私の結論です。


2005年 3月 4日(金)

更新情報


2005年 3月 1日(火)

更新情報


2005年 2月28日(月)

更新情報


2005年 2月24日(木)

更新情報


2005年 2月23日(水)

新譜情報

いつも利用させていただいているhmv.co.jpからの情報です。 3/31発売とのこと。 NaxosのNew Releasesにも情報がありました。


2005年 2月22日(火)

新譜情報

amazon.comで見つけました。 3/29の発売とあります。 Electrecordは,ルーマニアのレーベルのようです。 カタログにCDの紹介画像がありました。


2005年 2月21日(月)

更新情報


2005年 2月20日(日)

更新情報


2005年 2月16日(水)

新譜情報

いつも利用させていただいているhmv.co.jpからの情報です。 思いもよらない新譜の登場です。 3/10発売とのことです。 ヴィオラということで,一体どんな演奏が聴けるのか,本当に楽しみです。 発売が待ち遠しい!


2005年 2月15日(火)

新譜情報

独ハルモニア・ムンディの国内発売です。 SACDハイブリッド盤。 3/21発売とのこと。 ほぼ10年ぶりの再録音ということになると思います。


2005年 2月10日(木)

更新情報


2005年 2月 3日(木)

更新情報

このCDは,本文でも紹介している斉諧生さんの音盤狂日録を読んで「これは是非とも聴いてみなければ」と入手したものです。 送金は銀行振り込みのみで,本体金額をはるかに上回る(それも半端ではない)手数料がかかります。 あまりの手数料の高さに窓口で一瞬固まってしまいました(笑)。 クレジットカード決済で手数料を気にせず海外から購入できるこのご時世に,これはないだろう...と思うのですが。


2005年 2月 1日(火)

クアドロマニアの4枚組ケース 百円ショップで発見!

2004年9月19日の日録で,クアドロマニアの4枚組ケースが通信販売で売っているという情報をいただき, 掲載しておりました。 買おうと思いつつ買いそびれて今に至っていたのですが,つい先日立ち寄った近所の百円ショップ「ダイソー」で取り扱っているのを発見, すかさず数個購入しました。 ケースに"SIFOTY CASE"のマークがありましたので,全く同じものです。 1個100円(税抜)という価格も通販と同じでした。

早速試しに4枚組のブラームスの交響曲全集を入れ替えてみました。 ケース表,裏の紙片は難なく収まりました。 解説書を入れるところはちょっときつめでしたが,薄目の解説書でしたので何とか収まりました。 この隙間では大半のものが入らないかな?という狭さで,ここだけはもう少し何とか工夫してほしいところです。

とまあ,少々難はあるものの,あの分厚い4枚組ケースがちょうど半分の厚さになるのは非常に魅力的ですし, CDの出し入れも快適で,これはなかなかいいです。 所有盤が増殖しつづけ,生活空間を脅かし始めている私にとっては,ちょっとした省スペースも助かります。 (といってたいした数のCDを持っているわけではないのですが...)

蛇足ですが,私は省スペースのため,3枚組の場合は,2枚組のケースの底に不織布袋に入れた3枚目を敷いて無理矢理収めています。 ちょっと窮屈で,解説書が分厚いと苦しくなってきますが,何とか収まります。 不織布袋は底の一部に切り目を入れた方がしっくり収まります。 同様の手法でクアドロマニアのケースに5枚目を入れてみましたが,何とか入りました。 6枚目はちょっと閉まりが悪くなり無理のようです。 参考になれば幸いです。


2005年 1月31日(月)

更新情報


2005年 1月30日(日)

新譜情報

いつも利用させていただいているhmv.co.jpからの情報です。 津留崎直紀氏は,リヨン・オペラ座管弦楽団チェロ奏者とのこと。


2005年 1月28日(金)

新譜情報

いつもお世話になっておりますCDショップ カデンツァからの情報です。 「ゲルダ・アンガーマンは1933年ドイツのハンブルクに生まれ,ハインリヒ・シュヒター(フォイアマンの弟子),エンリコ・マイナルディに師事したヴェテラン女性チェリスト。」とあります。


2005年 1月27日(木)

発見盤情報

スイス?の通販ショップdiscPLUSでの発見盤。 マリスカル氏はメキシコのチェリスト。 1983年よりトリオ・メキシコ(Trio Mexico)のメンバー。 メキシコシティ大学の教授で,メキシコ国立音楽学校でチェロを教えているとのこと。


2004年 1月25日(火)

更新情報


2005年 1月24日(月)

新譜情報

徳間ジャパンのニューリリースに掲載されていました。 フロシャウアー氏はウィーン・フィルの第一ヴァイオリン奏者とのこと。 ドイツ・シャルプラッテンレーベルの国内発売のようです(発売日1/26)。 徳間ジャパンのホームページには「無伴奏ヴァイオリンソナタ」としか書かれていませんが,選集のようです。


2005年 1月20日(木)

新譜・発見盤情報

なにをいまさら,とは思いましたが... 桐山さんのディスクは,全5巻で完結するシリーズの第3巻。 第3巻は,パルティータ第三番が収められています(その他,ヴァイオリンとオブリガートチェンバロのためのソナタ第三番BWV1016, 組曲ト短調BWV995(チェンバロ),ソナタト短調BWV1030a,が収められています)。 無伴奏ヴァイオリンについては,第2巻までが2002年の録音,第3巻が2003年の録音で,時期が少々異なります。

今井さんのディスクは,アコーディオンの御喜美江さんとの競演盤。 かなり以前から発売されており,気にはなっていたものの「ヴィオラだから...」と思っていたところ, なんとヴァイオリンでの演奏であることが判明! という発見盤です。


2005年 1月19日(水)

更新情報


2005年 1月18日(火)

新譜情報

いつもお世話になっておりますCDショップ カデンツァからの情報です。 「ヤーン・スラーヴィクは1958年ブラチスラヴァ生まれのスロヴァキアのチェリストで,モイゼス弦楽四重奏団の創設以来のメンバーでもある。」とあります。

このスラヴィク盤については,2004年5月8日の日録でVol.1(No.1-3)を, 2004年5月11日の日録で続報としてVol.2があるという情報をいただいた,と掲載していましたが, Vol.2,Vol.3ともカデンツァさんのサイトに掲載されているのを見つけました。Vol.3は新譜のようです。 ガンバソナタとのカップリングで,計3枚で全集となります。


2005年 1月17日(月)

新譜情報

いつも利用させていただいているhmv.co.jpのニュースからの情報です(詳しくはこちらで)。 このページの日付からすると,かなり長い間見逃していたようです。 日本には2月下旬に輸入盤が入ってくるようです。


2005年 1月13日(木)

発見盤情報

muza(Polskie Nagrania)レーベルのホームページがありますが,この盤の情報を見つけられませんでした。 現役盤かどうかも不明です(解説書等には何も記載がありませんが,CD盤面に"Limited Edition"というロゴがあります)。 ショップのページもありますが,メールによる注文で送金は銀行振り込みのように見えます(従って,べらぼうな手数料を銀行に取られる可能性大...怒)。 解説書の記載がポーランド語?だけなので,演奏者について詳しいことがわかりません。 (P)1999とあります。

いつもお世話になっているK.N.さんから,eBayに私の持っていない盤が出ているよ,という情報をいただき,入手できました。 上記レーベルのホームページ以外の通販ルートも探してみましたが,見つけることが出来ませんでした。 入手ルートとしてかすかではありますが望みがあるのは, これまたいつもお世話になっているCDショップ カデンツァです。 muza(Polskie Nagrania)レーベルの取り扱いがあります。 ただし,この盤はリストアップされていませんので,入手可否は全くわかりません。(ごめんなさい)


2005年 1月12日(水)

更新情報


2005年 1月 4日(火)

新譜情報

amazon.comで見つけました。 昨年12月の発売のようです。 Artonaレーベルのホームページには情報が掲載されていません。 ザレツキー氏のプロフィールがありました。 ボストン交響楽団のヴィオラ奏者のようです。

新譜ということでは,「レコード芸術」2005年1月号p.30にクレーメルのバッハ無伴奏ヴァイオリン再録音のニュースがありました。 すでに録音済み,2005年の発売とのことです(ECMレーベル)。 25年ぶりの録音とのこと,期待が大きく膨らみます。


2005年 1月 1日(土)

謹賀新年

あけましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

昨年後半は,なかなか時間が取れず更新が滞りがちでしたが,皆様からは変わらずアクセスをいただき, うれしいやら申し訳ないやら複雑な思いでした。 更新を上回るペースで新譜や発見盤があり,昨年こそはと思っていた無伴奏ヴァイオリンの二巡目着手も全く果たせず, 未記入盤が二桁で年を越してしまう有様(無伴奏チェロは三桁!),一体いつになったらゴールにたどり着くのかと思う今日この頃ですが, まだまだ楽しみが続けられるんだと思い直して,今年もマイペースでやっていきたいと思っております。

今年も皆様の変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。