やはり、ときメモ体験版から目を付け、手を付けていたときメモ、サターン版旅立ちの詩で卒業した(するつもり)ときメモの事について、いづれ書かねばっと思っていた。今、プレステ版であるが旅立ちの詩を入手し、ときメモ卒業の条件がそろった。だから、今書かねばなるまい。そう。
恋愛シミュレーション「ときめきメモリアル」が残した物
1.ときメモと他の「恋愛シミュレーションゲーム」との違い
ときめきメモリアル(以下ときメモ)。「恋愛シミュレーション」と言うジャンルを確立した最初で最後のゲーム。そのシステムの完成度は今でも群を抜いて高い。それどころかいわゆる「恋愛シミュレーション」達がただの恋愛アドベンチャーなのであり、比較することの出来るソフトすらないのも事実である。
ときメモと時期を同じくして出た同級生2。パソコン18禁ソフトで、当時は「脱ぐときメモ」という呼び方、いや、ときメモは「脱がない同級生」と呼ばれていたか。しかし、この2つのソフトは同一にして相反する物である。ときメモを簡単に説明するなら「マイキャラを育てて女の子の望みに合う能力にする」、同級生は「キャラのフラグをすべて立てる」である。
後者、同級生のフラグは、長くアドベンチャーゲームの主流であった「単語入力式」に取って代わった「コマンド入力式」の中で、頻繁に使われた、いや、使わなければならなかった要素だったのである。
まぁ、ひとによっては「ときメモだって、能力値を一定以上にすれば良いんだからフラグじゃないのか?」というかも知れないが、それは違う。
フラグ式のゲームには、一本の攻略ルートがあり、それを柱にしてシナリオを進めていかなければならない。ときメモはどうか。一本の攻略ルートはない。こうすれば大丈夫という物はあっても、この通りに進めろと言う物はない。それは豊富なデート場所、ランダムに発生する各種イベント、全く同一の条件でも登場するキャラが違っている、等の「決まった攻略法ががない」という状況を作り出しているからである。
このランダム性、キャラの成長、と言う点は、RPGや、シミュレーションの要素ではないかと思うのである。RPGの特徴は、コンピュータRPGに限って言えば「成長」では無かろうか。過去より挙げられるRPGの名作達には、この「成長」という要素を上手く盛り込んだ物が多い。「ウィザードリィ」、「ドラゴンクエスト(決してDQなどと略しはしない)」、純粋なRPGとしては、この要素が強いと思う。シミュレーションは「シミュレーター」である以上、何かをある条件の下で試験しなければならない。それが「シミュレート」であるのだ。
恋愛シミュレーションと銘打っているゲームのほとんどは、自キャラ(男)の能力値は存在せず、パラメータが存在するのは「時間」や、「お金」などと言った、副産物的な物であり、それが主人公のキャラクターに依存はしないのである。
私が実際にやった物の実名を挙げると、「エフィカス(好きだけど)」、「センチメンタルグラフティ」、「夢色々」、パソコンでは「同級生2」、「下級生」、「バースディズ」、う〜んその他諸々(笑)。まぁ、どれもときメモには及ばず・・・いや、ジャンル違うから良いか。
この中で最も特殊と言えるのは「夢色々」である。プレイヤーキャラの性別を選べるというのも斬新だったし、仲良くなると自分の名前を呼んでくれる(棒読みな上に一字一字発音するから変)というのもあれだったし、一週間、予定を組んで色々やるのだが、勉強してもパラメータが上がっているのか今一解らないところとか(パラメータらしき物の表示はいっさい無い)、テストの時に本当に問題解かされたりとか、かなり斬新(笑)。斬新すぎて売れ無かったことがありありと解る(笑)。
このソフトの問題は、「パラメータを上げたからって仲良くなれるわけではない」と言うところであろう。実際に、日々の日程を組む中で、こうするとこれが出てくる的な、そう言う物は全くなく、もしかすると完全ランダムでは無かろうかと疑うほどである。
・・・しかし、今思うと、この「夢色々」だけがときメモを越える可能性を秘めていた様な気がする。
ま、ジャンル違いのゲームの話はここまでとして。
ときメモだけが「自己鍛錬」のゲームなのである。「あの子に気に入られたい」と言う一心で自らを磨くという・・・ああ、なんて良いゲームなんだ(嘘)。まぁ、それは冗談として、このゲームでは「俺は成績トップになればそれで良い!」的な遊びもできる。エンディングはもちろん女々しい(*1)が。
そう言うところがシミュレーションのシミュレーションたる所以であるのだ。
しかし、シミュレーションであるからなのか、そうでないかは定かではないが、ときメモはその手のゲームの中で最も現実離れしているゲームなのである。
毎朝3時間かけて50kmのロードワークをこなす女。暑さ50cmの鉄板を貫くレーザーを作る女。シェイクスピア全集を女の子の誕生日にプレゼントする男・・・まさに、「現実離れしている」連中達である。
もちろん、ときメモは現実世界のシミュレータではないので、これについては否定しない。それどころか、歓迎するところである。
こんな奴がいて、俺がこういう動きをしたら。その先を見せてくれるのはシミュレータであり、ときメモだったであるのだ。他のゲームが出来なかった、唯一の世界観では無かろうか。
この「現実離れ」と「自己鍛錬」の二つの言葉でときメモは表現できる。そして、この言葉に興味を持った人間は少なくとも一度はときメモをプレイしているのでは無かろうか。
私は決して押しつけはしない。ときメモは好きな人間がやればいい。そう言うゲームなのだ。
ところで、サクラ対戦ってある意味恋愛シミュレーションだよね・・・恋愛+シミュレーション・・・
次は?
2.ときメモの魅力
3.ドラマシリーズとは
4.サターン版ときメモは何故あんなに安いのか
5.卒業したくて卒業した訳じゃない
6.これだけは言っておきたい
7.みつめてナイトはときメモ?
用語説明:ときめきスト(ときめきゃー、メモラー等ときめきファンの略称)達が使う(俺だけかも)特殊な用語の説明
*1:女々しい・・・どの女の子とも結ばれず「女々しい野郎どものテーマ」を聞く羽目になること。要するにバッドエンド
ぷれいすてーしょんに帰る