Speak about Speech: Shuno の方言千夜一夜



第921夜

また洗濯機



 洗濯機を買い替えた。
 これで 4 台目ってことになるが、2 台目を買ったのは 12 年の冬だから、うち 3 台がここ 2 年半の間の購入、ってことになる。
 理由はうるさいから。4 台のうち半分が同じ理由でお払い箱になったわけ。

 引っ越しした翌日に、引っ越し作業で汗を含んだ服を洗ってみて、その轟音に驚いた。なにこの騒音製造機。
 今回は一階だしフローリングだしってことで、DIY ショップで買ったゴム足を敷かずに使ってたのだが、それを入れても全く変わらない。焼け石に水とはこのことである。夜だから気になるのかなぁ、と思って次の日の昼にトライしてみたが、全然ダメ。なんで今まで使えてたのかわからない、ってくらい騒々しい。
 今のアパートはワンルームである。つまり、壁を挟んで向こう側が隣家。前の (ってまだ解約してないけど、つまり、秋田の) アパートは、建物の中央にホールがあって両側に部屋、って構造なので、隣とは接していない。さらに、俺の部屋は二階だが、一階は空き家なので、俺の洗濯機の騒音被害を直接、受ける人はいなかったわけだ。いや、斜め下の人に聞いてないからわからんけど。ひょっとしたら、うるせーなー、と思ってたのかもしれない。いや、すんません。

 幸運なことに、すぐ近くにコインランドリーがあったので、しばらくそこを使ってたのだが、ちょっと金がかさんでねぇか、と思って計算してみたら、一回 \200 で週に三回ってことは、年間 200×3×52 で 3 万強。つまり、宮崎滞在予定の 2 年間で 6 万 5 千円くらいをコインランドリーにつぎ込むことになることがわかった。新品買っても十分に元がとれるじゃん、つか、二年で使い切るわけじゃないんだからこれは買うべきじゃん! 電器屋へ Go! というわけ。

 洗濯と方言については、これまで (しかも二年半で) 四回も取り上げているので、もう新着ネタはない。
 ちょっと苦労したが、愛知以西では、「たたむ」を「たとむ」と言うことがあるらしいのを見つけた。ググったところでは、愛知・京都・大阪・岡山・広島・福岡と、なんだか万遍ない感じ。ただ、まさに「言うことがある」で、その地域に住んでいても、「言わない」「聞いたことがない」という人が少なくない。あるいは、古い言い方なのかもしれない。
 Wikipedia の「播州弁」では、「畳んだ」に相当する「たとおだ」という音便形が終止形と同化した名残、としている。

 もちろん、電器屋に行くに先立って、ネットで調べた。静音性に秀でているのは、東芝パナソニックらしい。ところが困ったことに、静音性について突出している機種が、どちらのメーカーも製造終了しているのである。数値上は最新機種の方がうるさい、というよくわからない状態。あるいは、そこまで静かにしなくてもいいや、てな判断があったのかもしれない。
 が、俺は、板子一枚隣は他人、という条件を最重要視することにした。製造終了した機種をなんとしても見つけ出す。
 いつもなら、真っ先にリサイクルショップを回るところなのだが、今回はしなかった。そういう機種であっても、中古の場合、その性能が維持できているかどうかわからないからである。家電量販店を回ることにした。で、なんとか狙い通りの機種をゲット。予算にも収まった…と言いたいところだが、あふれた。
 この 4 月に上がった消費税のおかげである。本体価格が 6 万の場合、消費税額は \3,000 か \4,800 かの違いが出る。これは大きい。今回の引っ越しでは、万単位の買い物を多数したので、この 3% の差で「え?」となったことは多かった。

「静か」については、別れの言葉に使われることがあるようだ。
 どうやら「週刊ことばマガジン」で八戸の「おしずかに」をとりあげたことがあるらしい。「お気をつけて」である。石川でも使われるよう。
 それにしても、「週刊ことばマガジン」、ホームページもなくなってしまったようで、さびしい限り。

 その洗濯機、確かに静か。世間の評判では、子供が「本当にお洗濯してるの?」と言った、とかいう話もある。単純に回転している間は確かに静かである。
 洗濯からすすぎに動作を変えたり、停止・回転を繰り返したり時に音が出るのはしょうがないとして、水道管の反動音はやっぱりどうにもならなかった。洗濯機内部で水を止めるとき、一気に止めるため、流れていた水が突然、せき止められ、それが水道管内部に響いて、「ドン」という音がする。
 技術的に難しくはないはずである。一気に締めずに、徐々に締めればいいだけである。あるいは、十万円を超えるような超高級洗濯機だったらそこも対応していたのだろうか。

 それにしても、最初にちゃんと 6 万かけておけばよかった。「安物買いの銭失い」とはよく言ったものである。先人の教えは尊い。




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