なんだか疲れている。
どうやら 9 月の中旬に二週連続で MTB のレースに出たのが効いているらしい。
と、昔のことのように書いているが、実は今日も大会があったのだ。今回はなんと 60km を走った。既に足の筋肉が辛いが、明日はもっと大変なことになっているものと思われる。
こういうときは、足を暖めてマッサージしてサプリメントでも摂取して寝りゃいいのだが、悲しいことにそれができない。どうしても、一杯ひっかけたくなってしまう。年も年だし、そろそろ酒に弱くなっているな、という自覚はあるのだがやめられない。
そういや
前に、「焼酎のお湯+梅割りだと翌日に残らない」と書いた様な気がするが、今はしっかり残る。缶ビール一本くらいならともかく、もはや、ウコンの助けなしには飲めない。飲み始めに錠剤、仕上げにドリンク、である。そうまでして飲まなきゃいかんのか。
そういうもんらしいぞ。この、慰労会に関する方言を見てる限り。
前に、「
はばぎぬぎ」というのは紹介した。「脛布脱ぎ」と書く。見てわかる通り、旅装束を解くことである。
昔は、旅そのものが命がけだったから、これは、掛け値無しに、無事に帰ってきて/着いてよかったね、という宴会だったのだろうと思う。
「
はんばんぎぬぎ」のように「ん」を入れて紹介しているページが多いので、ネットで裏を取るときは注意されたい。
「
すなはたき」「
すなはらい」という形がいくつか見られる。「砂」を「払う」、ということで、「脛布脱ぎ」系の単語だと考えられる。
「
やまいわい」はさほど用例は多くないが、「
山祝い」の方は、岡本綺堂の『半七捕物帳』に『山祝いの夜』という作品があるらしく、これがヒットする。
どうやら熊野とか箱根とかの山越えに対する慰労 (と、文字通り、無事であることをお祝い) らしく、それはそれで納得するんだが、「
山祝い餅」となると、峠に着いたところで搗く、とか、越えてから食うんだ、とかで、ちと複雑になってくる。
「
笠脱ぎ」系が、北関東に散見される。
「
あどふぎ」も、太宰治の『津軽』を引用しつつ
紹介した。これは、宴会の打ち上げである。宴会と言っても、単に飲んでればいいのではなくて、ホストも裏方も大変なものである。その慰労を、内輪の人だけで、残った料理でやる、というのが本来の趣旨。
時期的に多いかもしれないな、と思うのが「
なおらい」。「直会」と書く。
本来は、神事のあとに行う会食で、お神酒や、お供えを下ろしてそれをいただいたり、というもの。打ち上げではなく、言ってみれば、神事の一部である。これも、ちょっとググってみればわかるが、単なる二次会になっていることが少なくない。
「
いたじきばらい (板敷払い)」もこの系統らしい。
「
どうやぶり」は、お祭りの後の慰労会である。四国で使われる。
「
ろうやぶり」とも言うらしいのだが、高松市のホームページでは、「
どうやぶり」では「労破り」の変形、「
ろうやぶり」では「頭屋 (祭りの責任者) 振舞」の変形としている。相互の参照もされていないので、単純に、全体のチェックをしてないんだと思われる。さぬきうどんの
源内のページにはほかの説も紹介されている。
「〜をやめる」ことを「破る」と表現するのは、英語の「朝食」が“fast (断食)”の“break”である、という例でも見ることができる。
これは時期外れだが、田植えが完了しての慰労、というのもある。
秋田では「
さなぶり」だが、山口では「
おとし」という由。後者は単なる宴会を指すようになっているらしいが、前者はそうなっていない。逆に言えば、使われなくなってしまった単語、ということになる。
田植えの主戦力は若い女性だったそうで、さなぶりでは、その人たち (早乙女) が上席につくのであったらしい(秋田県の「米作りの村」−「
過酷な労働」)。
「
砂払い」は旅だが、「
泥落とし」となると田植えの慰労もしくは、その時期に行われる、豊作祈願の神事である。
「
田休み」「
足洗い」というのもある。
南西諸島では「
ぶがりのーし」という形がある。「疲れ治し」という注記もある。
東京に、そういう名前の料理店がある模様。
「
あごわかれ」は、しばらく会えなくなる時のお別れ会に相当するらしい。
「面白半分」の「
あごわかれ」によれば、日本国語大辞典あたりには「網子別れ」と載っているそうだ。漁師が繁忙期に集まってチームを作って操業して、漁期が終わって分かれることを言うらしい。
で、ググっての用例を見てもわかるが、単に送別会となっている様子。
ここに挙げたのは、「打ち上げ」「慰労会」で探したやつで、ほかのキーワードを使えばもっと見つかるだろう、というのは想像に難くない。年明けのお祝いから新年会のことを指すようになった、なんてのはいかにもありそうだ。とりあえず、千葉では新年会のことを「
おおばん」と言う、というページが見つかっている。経緯は不明だ。
*1
飲んでばっかりだなぁ、我々は、と思わずにはいられない。