メインページへ  

1996年3月1日号  194

医薬品の審査減について

 

    保険カットのポイント

 有効性、安全性や品質が確保された医薬品が本来の使用法に従い適正に使用されて初めて、その機能が発揮されます。
 
 病院における経営改善において、医薬品の審査減をいかにして少なくするかという対策については、患者本位の医薬品の表裏一体の問題として積極的に取り組むべき課題です。

{参考文献}国立循環器病センター 副薬剤部長 西山辰美 による講演会資料

’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’ 
*審査委員は下記の点をポイントとします。

1)与薬日数は、適正であるか。

[長期不可の薬品]14日以内 

発売後2年未満の薬品
 漢方製剤、抗生物質、抗菌剤、催眠鎮静剤
 ビタミンB剤(B12を除く)、A剤、C剤、 E剤、混合ビタミン剤、カリウム製剤、アンプ ラーグ、エパデール、ドルナー、プレタール、 オメプラール、タケプロン、キネダック、タチオン、バップフォー、ポラキス
2)1処方につき10種類以上の内服薬が記載さていないか。(4月からは8種類になります。 
2000年追記:7種類以上はカット

  外来処方では、10種類以上の薬品が記載されている場合は、一律に内服薬の10%カットする。
3)ビタミン剤(B群製剤、C製剤とそれらを含有する配合剤)の内服薬、注射薬が適正に使用されているか。
  入院・外来患者について、病名からビタミン 剤が必要かつ有効と判断できるか、また、病名からでなく、医師の判断により与薬した趣旨が 適正かどうかによって、審査減の対象となる。

4)薬事法の承認の範囲かどうか
  用法・用量、効能・効果、使用上の注意の 内容が重視されており、適正使用の観点からも チェック項目として重要。

[実例]

a, チエナム注〜医師が必要と考え、2gを超えて 使用した場合であっても、審査上、2gまでし か認められず、審査減の対象となる。

b,グラン注〜「好中球が、5,000/・3(白血球  10,000・3)以上に増加した場合は、症状を観察し ながら減量、あるいは中止する」というように 用法に規制があるので、検査値を確認しながら 使用しないと審査減の対象となる。

c,プロスタンディン注500〜外科手術時以外の 使用は審査減の対象となる。

d,ボルタレン錠〜「消化性潰瘍のある患者」に  は、"禁忌"となっているので、レセプトに消 化性潰瘍の病名があったり、ガスター等の消化 性潰瘍の治療薬が併用されている場合は、審査 減の対象となる。

e,フェジン注、ソルダクトン注、モリヘパミン注 それぞれの薬品には"禁忌"となっているので、 劇症肝炎や腎不全などの病名がレセプトに挙が っている場合は、審査減の対象となる。

[対策]

 病名や医師が与薬を必要とする旨を処方箋や注射箋に記載し、極力審査減を抑える等具体的な事例を医事課と調整を行っておくことが必要です

*倍量与薬は、絶対に不可!


メインページへ  

平成19年度共同指導等における主な指摘事項

2008年6月1日号 No.476


 平成19年度社会保険指導者研究会で、厚生労働省保険局医療課指導監査室より、最近の指導監査の状況についての報告がありましたので、紹介します。なお、これらの指摘事項は、個々の保険薬局・保険医療機関で個別になされたものであり、それぞれ各都道府県により、状況が異なる場合もあります。

’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’
1.不備な処方せんの例

・用法、用量の記載がないもの
 インスリン、吸入液、デスモプレシンスプレー、アンペック坐薬
・不適切な記載〜×医師の指示通り、×用法口授、×必要時

2.薬事法による承認内容と異なる用法・用量
・漢方エキス製剤の食後(×)→○食前又は食間
・ザンタック錠、アシノン、ガストローム顆粒
    ×朝夕食後→朝と眠前  ・エパデール ×食後→ 毎食直後
・アダラートCR錠 ×1日2回 → 1回
・レンドルミンD錠 ×1回2錠(0.5mg)
・プルゼニド錠 1日1回×6錠 →4錠まで

3.薬事法による承認内容と異なる適応症への使用が疑われるもの。
×マイスリー錠を統合失調症への患者に使用
×プロマック顆粒を味覚異常の患者に使用
×ビオフェルミンRを抗生物質服用以外の患者に使用

4.薬学的に問題のある重複
×ガスターD錠とタケプロンOD
×アローゼンとラキソベロン、カマグ等

5.倍量処方が疑われるもの
 ハルシオン錠、マイスリー錠、レンドルミンD錠等の通常処方と屯用での追加(×)

6.薬剤の処方内容により禁忌例への使用が疑われるもの。
・消炎鎮痛剤(NSAIDs)×消化性潰瘍が疑われる患者への使用
・アクトス錠 ×心不全が疑われる患者への使用
・PL顆粒、ポラキス錠、アーテン錠等  ×緑内障が疑われる患者への使用
・セレネース錠  ×パーキンソン病が疑われる患者への使用

7.投与期間の上限が設けられている医薬品について、その上限を超えている疑いのあるもの。
×パリエット錠を胃潰瘍に8週間を超えて使用
×タケプロンOD錠を逆流性食道炎に8週間を超えて使用。

8.漫然と長期に使用されているもの
×メチコバール錠、シナール、アリナミンF錠等の月余にわたる使用
×サアミオン錠、キネダック錠、ケタスの12週を超える使用
×アクアチムローションの4週間を超える使用
×オキサロール軟膏の6週間までに効果を確認していない使用

9.その他(注射)
×プリンペラン注を消化管出血のある患者に使用
×イントラリポスを血栓症に患者に使用
×アミノフリードを重篤な腎障害の患者に使用
×ガスター注を経口摂取可能な患者に使用
×ガスター注を1日4A使用
×ガスター注を経口(錠)と併用
×ペンタジン注を静注

{参考文献}日本薬剤師会雑誌 2008.5

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

   医薬品トピックス クラッシュ症候群(1) Crush syndrome 挫滅症候群はこちらです。


メインページへ

処方せんに対し疑義照会すべき事項

  〜〜〜保険薬局個別指導での指摘内容〜〜〜

2011年2月15日号  No.538

 近畿厚生局および大阪府が共同で行う保険薬局個別指導・新規6ヶ月間個別指導の指摘事項が公表されましたので、参考にしてください。

1.処方せんに係わる事項
・注射剤(インスリン)の処方に単位の記載が無い。
・用法・用量の不適切な記載
  ×「医師の指示通」
  ×「用法口授」
  ×「必要時」     (×は不可、具体的な用法・用量を記載すること。)
・漫然と使用されている疑いがある処方
 1)ガスモチン錠の2週間を超える処方
 2)アリナミンF錠、シナール、ビタメジンCp、メチコバール錠の月余にわたる投与
 3)キネダック錠の12週を超える投与

2.処方内容に対する薬学的確認の不十分なもの

 1)禁忌例への使用が疑われるもの
  a.消化性潰瘍が疑われる患者の処方薬と禁忌薬
   処方薬〜オメプラール錠、ガスターD錠、パリエット錠
   禁忌薬〜バイアスピリン錠、PL顆粒、ロキソニン錠、ボルタレン坐薬
  b.うっ血性心不全が疑われる患者の処方薬と禁忌薬
   処方薬〜ジゴキシン錠、ラニラピッド錠
   禁忌薬〜アクトス錠、サンリズムCp、タンボコール錠、テノーミン錠、メインテート錠
  c.気管支喘息が疑われる患者に対して自律神経剤が使用されている。
  d.高血圧症が疑われる患者にリズミック錠が処方されている。
  e.パーキンソン病が疑われる患者に精神神経用剤が処方されている。

2)薬事法に基づく承認内容と異なる適応症への使用が疑われるもの
  a.ドグマチールとマイスリー錠が処方されている場合
  b.抗生物質の処方が無くビオフェルミンRが処方されている場合

3)薬事法に基づく承認内容と異なる用法・用量で処方されているもの。
  アダラートCR錠 ×1日2回以上 ○1日1回
  ディオバン錠    〃       〃 
  モーラステープ  ×1日2回     〃
  エパデール    ×食後    ○食直後
  漢方エキス剤   ×食後    ○食前or食間
  プロマックD錠  ×朝夕食後  ○朝食後と眠前
  テオドール錠     〃      〃
  ベイスンOD錠   ×食前×食後 ○食直前
  レンドルミンD錠 ×1回2錠(0.5mg)  ○1回0.25mg

4)同効薬の重複処方
  リピトール錠とリポバス錠
  アローゼンとプルゼニド錠
  ラシックス錠とルプラック錠
  アモバン錠とマイスリー錠

5)漢方薬(同成分)重複
  芍薬甘草湯と当帰芍薬散

6)薬事法に基づく承認内容と異なる服用期間を超えて使用されている疑いのあるもの。
   オメプラール錠、タケプロンOD錠、パリエット錠(下記参照)

7)倍量投与の疑いのあるもの

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
PPIの処方日数について

 プロトンポンプ阻害剤(PPI):オメプラール錠、パリエット錠、タケプロン等では適応症により、処方できる日数が決まっています。
 先日、当院の院外処方で十二指腸潰瘍で6週、胃潰瘍で8週を越えて処方されている事例があり大阪府社会保険診療報酬請求書審査委員会で指摘がありましたのご注意ください。

<PPIの添付文書より>

・胃潰瘍,吻合部潰瘍では8週間まで十二指腸潰瘍では6週間までとする。
・非びらん性胃食道逆流症:1日1回1錠 なお,通常,4週間までとする。(パリエット錠、タケプロン)
・逆流性食道炎:通常,8週間までとする。さらに再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法においては処方日数制限なし。

*タケプロンOD錠15

 低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制の場合:血栓・塞栓の形成抑制のために低用量のアスピリンを継続投与している患者を投与対象とし,投与開始に際しては胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往を確認すること。
 非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制の場合:関節リウマチ,変形性関節症等における疼痛管理等のために非ステロイド性抗炎症薬を長期継続投与している患者を投与対象とし,投与開始に際しては,胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往を確認すること。(日数制限なし)

{参考文献} 大阪府薬雑誌 2011.1




メインページへ

白衣高血圧についての最近の知見

2003年4月1日号 No.357


 白衣高血圧とは診察時の血圧(外来随時血圧)は高血圧を示すがABPM(携帯型24時間血圧計)で測定した昼間平均血圧や24時間血圧は正常を示す状態のことで、血圧降下剤による治療の必要性は少ないと考えられています。

  ABPM:ambulatory blood pressure monitoring;24時間連続血圧測定検査〜自由行動下自動血圧測定 

 しかし、ストレスなどの昇圧機序が加わった場合、容易に持続性高血圧に移行しやすいためABPMや家庭用血圧計によるフォローアップが重要です。

白衣高血圧症候群

 白衣高血圧とインスリン抵抗性に関連した代謝異常が併存し、高血圧性標的臓器障害が血圧によらず主に代謝異常で引き起こされている場合、純粋な白衣高血圧と区別して考え、対処する必要があります。

 外来で高血圧を示す患者の約20%が白衣高血圧であるといわれています。従来、白衣高血圧は無害な状態で経過観察だけでよいとされてきました。その一方で、本症が高血圧性臓器障害または予後に関して正常血圧と比較するとよくないという報告も存在します。

 白衣現象(White-coat effect)とは診察時に一過性の血圧上昇が見られる現象のことで、この現象が白衣高血圧の本体ですが、ストレスに一種の過剰反応を示しているため、もともと臓器血流の自動調節能の障害や動脈硬化が進んでいると考えられるため、過剰な昇圧反応を来す可能性があり注意が必要です。

 白衣高血圧の特徴

 白衣高血圧は高齢になるほど頻度が増し、特に収縮期のみ高血圧を示す高齢者に多い傾向にあります。喫煙者ではニコチンによる持続的な交感神経活性化状態にあるため、白衣効果が減少し白衣高血圧が少ないといわれています。

 また、一般に男性より女性の方が高い外来血圧を示しますが、これは主に男性が測定者となっているせいであろうという意見もあります。

 降圧治療に対する反応では、外来血圧については白衣高血圧と持続性高血圧ともに同程度に降圧しますが、24時間血圧は白衣高血圧では降圧せず、持続性高血圧で降圧するといわれています。


 心肥大、蛋白尿、SCIや頸動脈での内膜中膜複合体の肥厚など高血圧性臓器障害が存在する場合は持続性高血圧と同等のリスクがあるとみなして管理する必要があります。

 その場合、純粋な白衣高血圧とは別個に扱い、先ず血圧以外の他のリスクを治療する必要があります。その一方で、必要に応じて血圧降下剤を含む降圧療法を早めに開始する方が良いともされています。

======================

SCIと白衣高血圧

SCI:無症候性脳梗塞は脳卒中発症に最も重要な予後予測因子の1つですが、同じ白衣高血圧であっても、SCIを有する場合には、そうでない場合に比べて脳卒中の発症率は有意に高いとされています。

 注目すべきことに、白衣高血圧でSCIを保有する場合では、持続性高血圧でSCIのないものと比較して脳卒中の発症率の有意差がありませんでした。したがって、外来血圧や24時間血圧のレベルに加えて臓器障害を評価していくことが予後を推定する際に重要です。

  {参考文献} 日本内科学会雑誌 2003.2

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

仮面高血圧
逆白衣高血圧

※ 白衣高血圧の逆の現象。診察室では、正常血圧だが、24時間血圧では高血圧を呈する症例のこと。
逆白衣高血圧ともいいます。

 このような症例では、将来の脳心血管合併症のハイリスク群であることが国際学会などで報告されており、臓器障害の有無を評価する必要があります。

 夜間から早朝にかけての高血圧をきちんと治療することが大切と考えられますので、持続性の良い薬物が選択されることになります。


 本症には、モーニングサージや、降圧薬の薬効持続時間が不十分で、次回服用前の血圧が高血圧レベルに上昇してしまった結果の朝の高血圧が関係します。


*早朝高血圧

早朝高血圧の厳密な定義はありませんが、起床後早朝の血圧が特異的に高い状況をいいます。
早朝高血圧には、モーニングサージによるものと、夜間降圧が消失したノン・ジッパーや夜間昇圧を示すinverted-dipperに認められるものがあります。


*収縮期高血圧

収縮期高血圧とは、収縮期血圧だけが高い高血圧のことで高齢者に多く見られます。
高齢者では、加齢とともに動脈硬化が進展して大動脈壁の伸展性が低下するため、収縮期血圧は上昇し、拡張期血圧はむしろ低下します。

収縮期血圧の上昇と脈圧(収縮期血圧と拡張期血圧の差)の開大は、高齢者での心血管病のリスクとして重要です。

    出典:SAFE−DI ガイドラインシリーズ 高血圧(株式会社SAFE) 2003.4 等


用語辞典(ぬ)   ヌードマウスはこちらです。


メインページへ  

高血圧の合併症

2010年11月1日号 No.532

 高血圧がなぜ怖いかというと、血圧が高い状態が続くと心臓や血管壁の負担が増え、心肥大や動脈硬化を起こし、その結果脳卒中や心筋梗塞など生死にかかわる重大な病気を引き起こす危険性があるためです。

 血圧が高いほど脳卒中、心筋梗塞、心疾患、慢性腎臓病などの罹患率罹患率および死亡率は高く、また、高血圧の影響は心筋梗塞よりも脳卒中により特異的です。

     {参考文献} 大阪府薬雑誌 2010.9

’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’’

 <高血圧が引き起こす臓器別の分類>

1)脳:一過性脳虚血発作(TIA)、脳出血、脳梗塞、高血圧性脳症
2)心臓:左心肥大、高血圧性心不全、心筋梗塞、狭心症
3)血管:動脈硬化性プラーク、大動脈解離、閉塞性動脈疾患
4)腎臓:蛋白尿、腎障害、腎不全(細動脈性硬化症)
5)眼底:高血圧性網膜症、眼底出血・白斑

*キース・ワグナー(Keith-Wagener)分類
 (高血圧による眼底病変の重症度を示す分類)

眼底病名     キース・ワグナー分類   眼底所見           
眼底正常      0群          所見なし            
高血圧性眼底    T群          網膜細動脈の軽度の狭細および硬化
                U群(Ua)      動脈硬化が明らかとなり、狭細もT群に比べて高度になる
                  (Ub)      上記に加えて動脈硬化性網膜症、または網膜静脈閉塞症がある  
高血圧性網膜症  V群          著名な硬化症変化に加えて、血管攣縮、網膜症(網膜浮腫、綿花状白斑出血が認められ、動脈の狭細が著しい)
                W群          上記V群所見に加えて、測定可能程度以上の乳頭浮腫がある。
 
*高血圧緊急症、高血圧切迫症

 血圧が著しく上昇し、脳・心臓・腎臓およびその他の血管などに重篤な障害を生じているか、あるいは降圧しなければ重要臓器に不可逆的、もしくは致死的障害を来たす病態

<症状>
 1.高血圧脳症状(頭痛、目のかすみ、昏迷、昏睡、痙攣)
 2.左室負荷(狭心症、肺水腫)
  <原因疾患>
   高血圧脳症、頭蓋内出血、不安定狭心症、急性心筋梗塞、大動脈解離など


*悪性高血圧症
 拡張期血圧の著しい上昇による脳・心臓・腎臓・眼底などに進行性の臓器障害を来たす予後が極めて不良な病態。
 拡張期血圧が130mmHg以上で血漿アルドステロン活性、およびアルドステロンが顕著に上昇し眼底所見では高血圧性網膜症(乳頭浮腫、Keith-Wagener分類W群)が見られ、急激に進行する乏尿、尿毒症などの腎機能障害、頭痛、視力障害、高血圧脳症などの脳症状、心不全症状が診断基準となります。

 30〜40歳の男性で多く、病理的には腎臓の小動脈にフィブリノイド壊死と内膜の高度肥厚が認められ、それにより腎小動脈の狭窄・閉塞が起こり、これに伴うレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系が亢進し、さらに上昇するという悪循環が生じます。

高血圧の分類

<仮面高血圧の分類>
*早朝高血圧
 ・夜間高血圧型〜睡眠時から朝まで血圧が高い状態が続く
   関連病態:降圧治療中の高血圧、糖尿病、脳卒中後、心不全、睡眠時無呼吸症候群、起立性低血圧、抑うつ状態、認知機能低下

 ・モーニング・サージ型〜朝目覚める前後に血圧が急に上がる
   関連病態:大血管硬化、圧受容体反射障害、起立性高血圧

*ストレス下高血圧〜仕事のストレスや疲労が原因で、職場などでの血圧が高い
  関連病態:肥満、高血圧家族歴

<本態性高血圧と二次性高血圧症の鑑別>

         :本態性高血圧:二次性高血圧
・発症年齢    |中年〜後年  |若年または高齢
・発症の進行   | 徐々    |急速       
・家族歴        | あり    |ないことが多い  
・薬物に対る反応 |良好        |治療抵抗性がある                                    
・一般検査        |正常     |電解質胃常、蛋白尿、腎機能胃常、内分泌検査胃常
・身体所見        |正常     |特異的所見あり  

*一般に血圧とは大動脈などの太い血管の内圧のことです。

  血圧=心拍出量×末梢血管抵抗 


夢があるから痛みがある。

 痛みは最も不快な感覚の1つですが、痛みは警告信号、私たちの身を守り、健康を維持するための重要な生体防御系として機能しています。

近年、痛みの伝達機構に関して様々な知見が蓄積されている中でDREAM(downstream regulatory element antagonistic modulator)遺伝子欠損マウスは痛みを感じないことが報告されました。

 出典:ファルマシア 2003.3


膀胱内注入

 一般的な薬物速度論では、膀胱からの薬物再吸収は無視できるほど少ないものと考えられています。一方、膀胱組織を標的とする薬物等では、膀胱内へ薬液を直接注入する方法で実際に治療が行われています。

 最近の研究では、膀胱内注入は、薬物の吸収率は低いものの初回通過効果による不要な代謝物の生成を抑え、また標的部位である膀胱組織に十分な量の薬物が移行できる有効な手段であると考えられています。

 出典:ファルマシア 2003.3

 

メインページへ