Speak about Speech: Shuno の方言千夜一夜



第839夜

ALL UP 2012



 去年の今頃も書いたが、とにかく休みの少ない一年だった。土曜日にかかる祝日の多かったこと。
 来年は、月曜休みが多いのがうれしい。GW は三日休みを取らないとつながらないのが残念だが。
 週中盤の休みは、うれしいことはうれしいが、ペースが乱れる、という難点はある。これはもちろん、休みだが前日の帰りは遅いし、翌日はまた仕事なので、思いっきり遊べない、という意味である。
 俺の仕事の方は相変わらずなのだが、派遣先の経営が苦しいのか、ノー残業デーが週に三日になってしまった。
 仕事が滅ってるわけではないので、残る残業可能日二日の帰宅時間がドカンと遅くなるのだが、かと言って限度はあるので、結局、ノー残業デーにも残業しなければならなかったりして、あんまり意味のない状態になっている。
 その状況を利用して、久しぶりにピアノの発表会に参加した。あいかわらず緊張する。鍵盤の景色がいつもと違って見えて、椅子に座ったとき「最初の音ってここでいいんだっけ」と思ってしまった。次回の参加予定は不明。
 自転車のレースは二度。
 去年、震災で中止された南三陸町のたつがねの大会が、予想以上に早く復活。大会自体は復活したが、町はそれには程遠く、更地の中をくねくねと走る国道、律儀に点滅する信号などは、SF 的でありつつ寒々しいものであった。
 夏の矢島のヒルクライムは、事前の練習にもかかわらず、去年よりも悪いタイム。尤も、コースが違うので単純な比較はできない。ただ、去年辺りかあら、あまり足を攣らなくなり、今年は一度もやっていない。これはいい傾向かもしれない。
 自転車で思い出したが、今年の夏はとにかく暑かった。だもんで、レースの終わった 8 月以降は車通勤に逃げた。
 夜、寝てられなくて、早起きになった。秋になって、早起きではなくなったものの、ちゃんと目覚まし時計で起きて飯を食う、という習慣ができたらしいのは、これもいいことであろう。
 雪が積もったのは確か 11 月下旬だから、いつもより早かった。9 月末まで暑かったから、その間の 2 ケ月の気温の降下が激しかったわけだ。体が追いつかなかった。
 10 月以降は雨がちで自転車通勤は数えるほどしかしていない。したがって太っているはず。もう体重計に乗ってないからわかんないけど。

 今年は取り上げるチャンスがなかった、TFM の人気番組「あ、安部礼司」。クリスマス直前の 23 日に辛島美登里がゲスト出演した。
 鹿児島出身の弾き語りバーのママ、という設定で、熊本出身の南総サトミとご当地自慢バトルを繰り広げる。
 バトル中で「かごんまなめたら許されんよ」という台詞があるのだが、「かごんま」は鹿児島。静岡が「しぞおか」となり、Google で「しぞおか」と入れると自動的に「静岡」で探してくれるが、「かごんま」はそのままである、ということはにも書いた。
 これ、なんでだろうね。「しぞおか」で出てくる結果よりも「かごんま」で出てくる結果の方が多いからそのまま出してるのか、あるいは、たとえば静岡県あたりが宣伝のためにそういう風に Google に依頼しているのか。
 バトルの後で、「しっとだれた」と言っているように聞えた。「だれた」が「疲れた」であるのは知っているが、前半が分からない。ググってみたら「しったい」「しった」「すったい」という語が見つかる。「とても」「ひどく」ということらしい。
 南総サトミは仕事に疲れて東京にやってきたのだが、それを旧知の飯野 平太に叱責されて店を飛び出していく。飯野は辛島に、追いかけなくていいのか、と言われるのだが、そのイントネーションが:
   いい
 で、かなりやわらかく聞える。これが、「追いかけなくても」が前に着くと
   おいかけなくてもいいの
 となる。
 ゆっくり発音すると、なんとなく琉球方言を連想させる感じがある。

 MBS で「ゴッポンニ」というバラエティをやっていた。日本語を扱う番組らしいので見てみたのだが、期待した俺が悪かった、という内容。
 日本語の間違いをパトロールする、という設定らしいが、今更「私って〜じゃないですか」を指弾したってしょうがねぇよ。
「すごい好き/とても好き」で、より好きなのはどっち、っていうクイズが出されていたが、「〜じゃないですか」がダメなら、そもそも「すごい好き」がダメだろう。正しくは「すごく好き」だからな。
 空車のタクシーの絵を示して「ある」のか「いる」のかを選ばせる問題もあり、運転手が乗ってれば「いる」、無人なら「ある」というのは確かにそうだが、無人でタクシーとして機能してなかったら「空車」とは言わないと思う。
 という具合に、見てるこっちで間違いを摘発したくなる番組だった。
 サンキュータツオって大学の先生なんだ。プリキュア オタク芸人だと思ってた。

 2012 年の話に戻る。
 年末の選挙はひどかった。
 皆、あれだけ文句言ってる癖に、投票率は六割。つまり五人に二人が自分の将来を見ず知らずの他人に丸投げしたことになる。
 それを続けてきた結果が今の経済状況なんだけどね。ニワトリと卵っつーか、割れ鍋に綴じ蓋っつーか。
 二大政党制を、こっちがだめならあっち、って「今時の自分探し」「青い鳥症候群」になぞらえた文章を新聞で読んだことがあるんだが、とっとけばよかったなぁ。

 というわけで、あんまりいいことのなかった一年、おしまい。




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