さて、今年もはや 2% を消化しようということである。
もちろん、いいこと、楽しいこともあろうけど、よくないこと、不愉快なことも少なくなかろうと思うと、早く大晦日にならんかな、という気がしないこともない。
暮にアパートのトイレの配管がいかれた。
いかれたのは上水道の方で、流すためのタンクに至る配管の継ぎ目から漏れるようになった。あの頃、急に冷えたから凍結の関係かもしれない。
元栓は締めてあったんだが、実はそれにはやり方がある。蛇口を解放しておいてから元栓を締めなければならないのである。それをしないと内部に残った水が凍ってしまう (だからこの作業を「水抜き」とも言う)。トイレの場合、ジャーっと流れてる最中にやらなければならないわけだが、それを怠った…ような気がする。
その場合、修理代金は入居者の負担となる。今、業者が来るのを待っているところなのだが、さて、どっちになるのやら。
元栓を締めることについて、北海道で「
水を落とす」「
水道を落とす」という言い回しがあるらしい。ググると、北海道の自治体の呼びかけの文書が多数見つかる。
俺は説明されなくても分かるが、そういう習慣のない地域の人にとっては奇異に聞えるかもしれない。
だが、「パソコンの電源を落とす」よりは直感的だと思うのだが。
「水を落とす」は、田んぼの排水を指すこともあるらしい。北海道でも使われそうな気はするが、おそらく混乱することはないだろう。
業者がいつ来るのかわからないから、帰省していた実家から戻ってくる時刻が 8 時で、平日よりも早い時間に起きる結果になってしまったのだが、事情を説明するとかなり同情される。大家に連絡したときも、あらご不便ですね、てなことを言われたのだが、そんなに大変なことなんだろうか。
一軒家ならともかくアパートなので水道管の通っているところは集約されている。トイレのすぐ横が洗濯機と風呂場なので、そこから洗面器なりバケツなりに水を汲んで便器に直接、流し込めばよい。溜まっているところでなく、内壁に沿わせると水流ができて水が少なめでも流れる (メーカーはこの理屈で節水便器を作っている) ことが実体験できて、へぇぇ、などと思ったりしている。
『秋田のことば (秋田県教育委員会編、
無明舎出版)』によれば、トイレには「
しぇんち」「
せんちん」という形がある。「雪隠」の変化したものらしい。ほかに「
かんじょ/
あんじょ (閑所)」「
こーが (後架)」「
ちょんじどご (手水所)」「
うら (裏)」なども掲載されている。
『語源探求 秋田方言辞典 (中山健、秋田協同書籍)』の解説では、「閑所」はもと公家言葉で、「人のいない場所」を示す語らしい。
「後架」は禅寺の「僧堂の後ろにかけわたした洗面所」とのことだが、「かけわたす」が今イチ意味不明。いや、小川に板で橋を架けてトイレとして使った、だから「かわや」と言うのだ、という説はよく聞くが、もともと (本来の意味での) 洗面所なのだとすれば、どこに板が登場するのかわからない。
「お手洗い」にしろ「洗面所」にしろ「トイレ
*1」にしろ、みんな遠回しの言い方なんだが、本来の表現はなんなんだろうね。「便所」でいいの?
凍ってしまった場合、水道管を暖めようと考えるわけだが、急激にやってはいけないらしい。北海道福島町の
文書では、「蛇口の方からぬるま湯をゆっくり、まんべんなくかけながら気長に解かしてください」とある。
実は、トイレ用電気ストーブ (足元を暖めるだけの、広辞苑くらいの奴) の風を直接、当てたことも白状しておく。破損の原因は、こっちかもしれない。これは大家には言ってない。
さて、修理代の請求は来るのだろうか。
この寒さなので業者の人も辛いかと思ってその小型ストーブを朝からつけっぱなしにしていた。トイレは小さい部屋だから、小型でもかなり暖かくなったのだが、小さいくせに消費電力は 600W もあり、その電気代が地味に痛いような気がする。