『
プレジデント』の 12/17 をやっと読み終わった。明日には次が出るっていうのに。
定期購読を始めて 10 年以上になる。プログラマーなんかやってるとかなり非常識になるようで、ほうほう、と思うことは多いのだが、最近はちょっとひっかりを感じることが少なくない。
いつごろからかは分からないが、やたら金の話をするようになった。バブル崩壊から 20 年、金融の専門用語は身近になったし (「下げ止まる」「嫌気する」など、従来の日本語文法から逸脱した表現が使われるようになったのはあの頃)、年金の状況とか考えれば重要テーマなのはわかるが、夏ごろの、自己研鑽に関する特集のタイトルが「10 億稼ぐ人の勉強法」、話し方については「1 億稼ぐ人の話し方」で、もはや何かといえば金に絡ませる、という状態。
もう一つ引っかかるのは、単純な二項対立にしていること。「女の視線、男の視線」「金持ち家族、貧乏家族 (これも金)」「女に嫌われる女 男に嫌われる男」「仕事リッチが読む本 バカを作る本 (やっぱり金)」などなど。単純化したスローガンで注目を集めようとする政治家みたいなことをやっている。
それに、
何度か取り上げた県民性。コンビニの無署名本 (「○○研究会編」とかで、結局、誰が書いたかわかんない奴) じゃないんだからさ、と思うことがある。
それはさておき。
「人に教えたくない店」という、有名人が行きつけの飲食店を紹介する連載がある。
この号は青森出身の作家、白取春彦という人。青森市の「たこ!!」という店が紹介されているのだが、そのキャプションが「青森近海の
とれとれの魚介をご堪能あれ」となっていて、「ん?」と思った。
さっそくググったところ、大阪大学大学院の岡島昭浩教授の
記事が見つかった。96 年の文章だが、「
とれとれ」は『大阪ことば事典 (講談社学術文庫)』に載っているそうである。
ググった範囲では、大阪だけでなく京都・和歌山・鳥取・島根・岡山などの記事も見られるので、近畿から中国、というあたりのよだ。
で、趣旨は、プレジデントの記事にケチをつけようというのではなくて、「
とれとれ」はひょっとしたら標準語形だと思う人が出るくらいに人口に膾炙した表現なのだろうかと思った、ということである。
全体としては、西日本に偏っているようだ。用例としてもそうだし、
Google Map で検索してみてもそうである。
が、東日本にもないではない。
Google Map では、埼玉県越谷市、長野県下伊那郡阿智村、岐阜県岐阜市に、名称に「
とれとれ」を冠した販売施設があるようだ。
また、新潟のご当地ヒーロー
超耕21ガッターの怪人、ザリガニータのキャッチフレーズは「
とれとれぴちぴち! ザリガニータ」であるらしい。ただしこれは、
かに道楽の CM ソング「
とれとれピチピチ蟹料理」のパロディである可能性がある。
また、富山で「新鮮」をあらわす言葉としては「
きときと」が有名で、どうやら広辞苑にも載っているらしいのだが、その説明として「
とれとれ」を使っている
記事もある。
ひょっとしたら全国区になりつつあるところなのかもしれない。
で、さっき触れた「
きときと」だが。
有名な表現なので細かいことは割愛するが、
富山空港の愛称が「富山
きときと空港」だというのを聞いて大いに驚いた。空港が
きときと、って…。いや、よそのことだから余計な口出しになるけれども、ねぇ…。
告知
ポスターの手作り感がまだすごい。
「
きときと」は魚だけで、野菜が新鮮なのには使われないらしい。
沖縄には「
いまいゆ」という表現がある由。「今魚」だそうだ。
大阪では、新鮮な鰯を、「
手々噛む鰯やでー」と言って売ることがあるらしい。これは楽しい。
秋田弁では「新鮮」に関する語は見当たらなかった。
ところで、定期購読していると、月曜発売でもその前の土曜日や日曜日に配達されることがあるのだが、まだ来ない。ひょっとしてこの雪のせいだろうか。
年をとると寒さが堪える、というのは本当である。ここ数年、この時期になるとビールの量が減ってくる。体が冷えて受け付けなくなってくるのである。
まぁ、鍋とかで体をあっためると克服できるんだけどな。
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