Speak about Speech: Shuno の方言千夜一夜



第775夜

ティーバッグのパック



 自分の文章を読み返していて、「お茶っ葉を小分けにして袋に入れた奴」を「ティーパック」と書いていることに気づいた。「ティーバッグ」である。たく、何してんのやら。
 おそらく、パック詰めになってるお茶の話を書こうとしたときに混線したのだと思う。当時、俺が探していたのは「ティーバッグパック」である。自戒の意味も含め、元記事は修正しないことにする。
 うさばらしにググってみたら、お茶の専門店でも「ティーパック」って書いてるところがあるな。まぁ、なかには「小袋には入ってないけどパックに詰めた奴」もあるかもしれないけど、「約 1,660,000 件」ってちょっと多すぎないかい。

「一日分の荷物を詰めるリュックサック」は「デイパック」である。これも「デイバッグ」だと思ってる人は多く「約 1,830,000 件」。「ディパック」って書く人もいるが、そういう人はなんて発音するんだろう。
 パソコン関係で「ディスクトップ」と言う人もいるが、パソコンをフロッピーディスクの上にでも置いているのかしらん。

 今週はまたまた残業攻勢が厳しかった。5 日間で、7 日分を超える勤務時間。「一週間に十日来い」を地で行っている。
 洗濯もできなかった。こんなこともあろうかと数は確保してあるから着る分には問題ないが、洗濯が大変。一回じゃ洗い切れないし、アイロンの手間がすごい。面倒くさくなったので、「アイロンかけなくても見栄えが悪くならない奴」はパスした。
 したがって、ここの文章にかける時間もない。上で、自分の文章を読み返しているのも、なんか手軽に書けるネタがないかと思ったからである。というわけで、お茶の回とコーヒーの回のボツネタを集めて誤魔化そうと思う。

 コーヒーで方言といったら、冷たいコーヒーのことに触れるべきだった。
レイコー」と「コールコーヒー」である。主に関西だが、前者は名古屋でも使われるらしい。説明は必要あるまい。「冷コー」でググってもかなりの数がヒットする。
 ただし、もはやほとんど使われていない。ヒットする記事の大半が、「昔は」とか「そんな言葉があったらしい」というもの。

 関西でもう一つ。
コーヒーフレッシュ」。
 液体のミルクのことだが、何年か前に触れてるので、詳しくはそちらを。
 これって乳製品じゃないんだってね。
 それにしても、大阪・中京圏の言葉が並んだのは何でだろう。

 こないだご当地コーヒーのことを紹介したが、「ご当地紅茶」が見当たらない。「ご当地紅茶」自体はないこともないみたいだが、少なくとも方言とのかかわりがあるものはないようである。
 なんでだろう。
 洋風のものだってイメージもあるんだろうけど、それだったらコーヒーも同じ。
 Wikipedia によれば、紅茶はコーヒーや緑茶に比べるとあまり飲まれないらしい。その辺が理由だろうか。確かに、自販機に紅茶が入ってることはあんまりない様な気がする。飲もうと思わないからさほど意識もしてないけど。

 そういや、喫店で「ホット」と言えば「ホットコーヒー」、「アイス」って言えば「アイスコーヒー」のことだよね。
 アイスクリームを置いてるところは聞き返されるかもしれないけど、「ホット」で「紅茶ですか?」はなさそうな気がする。

Web 日本語」の記事によれば、「気の抜けたコーヒー」という言い回しがあったらしい。香りが弱くなったもののことだそうだが、記事にもあるとおり「気が抜けた」は今は炭酸飲料にしか使わないよなぁ。
 静岡では「カがぬける」らしい。「ちから」ではなく「」。記事では「気 (け)」か「香」としている。
 山形では、ビールから「」が抜けるそうだ。語源は不明とのこと。「効用」という意味の「利」かもしれないらしい。
 青森では「いんか」が抜ける。「嚥下 (えんか)」の変形という民間語源説あり。気が抜けると飲みやすくなるからね。
 でも「嚥下」って、訛が生じるほど日常で使う単語? あと、「嚥下」って「えんげ」って読むんじゃなかったっけ。

 東北・北海道では「ほうじ茶」で「番茶」を指す、と書いたが、その経緯は不明。おそらく、普及した順番とか流通の問題とか、歴史的な経緯があるんだろうけど、多くの記事がこの現象にふれるだけで終わっている。探し方が悪いのかもしれないが、冒頭で書いたとおり、暇がない。

 というあたりで時間切れ。
 あとは、この文章がいつもの通り、日曜日中にアップできるかどうか。




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