毎年夏恒例、秋田県主催の交通安全秋田弁川柳。
応募者は 238 から 230 とまた微減、消費税程度の差ではあるが、三年前に対しては 92%. 尤も、その年は一番多かった年なので、この辺りが適正人数なのかもしれない。
自治体別に見たとき、秋田市が一番多いのは当然として、その次が大館市、大仙市で、人口比率を反映していない。まぁ、数十人単位なので比例すると思っちゃいけないのかもしれないが。
さて、受賞作を見ていく
最優秀賞
「そばだがらえべしゃ」でねがべ そのベルト
「
えべしゃ」「
ねがべ」が特徴的か。特に「
ねがべ」は県外の人にはわかりにくいだろうなぁ。
「
えべしゃ」は地域によっては「
いいべせ」となる。こっちの方がわかりやすいだろうか。
別の形で、「
そばだがらえがべ」と言うこともできる。この「
が」が持っているニュアンスを上手く説明できない。すまん。
言っていることはその通りで、確かに近くの集積所までゴミ持って行く程度なら事故は置きにくいだろうが、そういうことを繰り返しているとつけない習慣がついてしまうので、常につけるべきである。
去年も書いたが、目的地に着いて車が減速するとベルトを外してしまう両親の癖はなかなか治らない。なぜそうせっかちなのだ。
優秀賞
えがたなや〜無事故みやげに家さ着いで
この最後の部分は「
いえさ」ではなく「
えさ」と読むのだろう。「
いえさ」では字余りになる。“Yeah!”の要領で発音するとわりと近くなる。ただし、伸ばさないこと。はっきり「
えさ」と言う人もいる。
「おみやげは 無事故でいいの お父さん」みたいな標語なかったっけ。
佳作
わんちかでも酒っこ飲んだら代行車
「
酒っこ」は「
さげっこ」。
まぁその通りだが、そもそも車で来た人に酒を飲ます方が悪い。もっと言えば、代行者で帰るから飲んでもいい、っていうのもどうかと思う。酒が出る可能性があるのなら車で行かない、が正解なんじゃないかな。尤も、それだと、飲みたくないんだけど飲まされてしまう、という危険はある。断る口実として車で行く、というのはあるのかもしれない。
おそらく、酒と車の間に接点を作らない、くらいの覚悟でないと飲酒運転はなくならないだろうと思う。
ただし、車でないとどこにも行けない、というのも田舎の現実ではある。
おがでねがヒヤリ ハットのこの運転
この「
おが」は秋田弁らしい語のひとつではあるが、語源を気にしたことがなかったので、『語源探求 秋田方言辞典 (中山健、秋田協同書籍)』をあたってみた。『秋田のことば (秋田県教育委員会編、
無明舎出版)』には語源の説明がなかった。
「多い」だそうである。古語の形容詞には「カリ活用」というのがあり、「多かり」という形になる。これの終始・連体形が「多かる」で、その「る」が脱落したものとしている。
なお、このカリ活用は九州方言の形容詞が、「
太か (大きい)」など「か」で終わるところにも形を残している。
さっき買い物に出たら、方向変換するためにロクに後ろも見ないでバックしてくる車がいて急ブレーキを踏まされた。そういうことしてるとそのうち、人を殺すぞ。
光るやず張って我あどご我あ守る
「我」は「
わ」。
正しくは「
光るやづ」ではないかという気がするのだが。
あと、反射材は「張る」のではなく「貼る」のではないか。
こういう「張る」はネット上の文章ではよく見かける。「貼り紙」を「張」ってる人は多い。
うるだぐな わんつか待でば青になる
「
うるだぐ」は俺にとっては理解語彙であって使用語彙ではない。あんまり聞かないし。
解説しようと思ったけど、かなり
前にやってるので省略。
上に「
わんちか」という形があるが、当然、同じ語である。
車間距離しぇめば寿命もしぇめぐなる
「寿命が狭い」…。
まぁ、芸術的表現ってことでいいか。
去年だったか、助手席に乗っている子供が立っている状態のまま走ってる車を見たことがある。
子供やペットを抱っこしたまま運転している人もいる。
なんでそんなことができるのか理解できない。
運転免許の試験に、知能検査を入れたほうがいいんじゃないか? そういうの検知できるのか知らんけど、ものが考えられない、ってことじゃないかと思うんだ。