Speak about Speech: Shuno の方言千夜一夜




第693夜

出会したもの - My Old NX (3)



 車はアパートの前に置くことになっているのだが、そこにはバックで入る。事件は二度起こっている。
 一つは、スズメをつぶしてしまったこと。バックしてったらなんだか妙な感触があったので、ちょっと戻して見てみたら、スズメが。遺体はアパートの裏手に埋めた。あれを持ち上げたときの、なんとも言えないいやな感触はなかなか忘れられない。
 もう一つは、ドアミラーを電柱に引っ掛けたこと。バキ、という音がして慌てて車を停めた。幸い、ミラーにヒビは入ったが使用には問題ない、ということでしばらく放置したが、結局、車屋に持って行った。これが修理第一号。近くの人が物音に気づいて飛び出してきたのを覚えている。
 今にして思えば、バックしてってミラーが電柱に引っかかる、というのは、その電柱に相当に寄っていた事になる。ドアミラーで済んだのは奇跡だ。

「スズメ」の俚言形があるかと思ったが、あんまりない。
 検索したとき「雀」と漢字で入れたら麻雀の話題がやたらヒットして困った。
 茨城では「ぬきば」という形があるようだ。「軒端」らしい。
 秋田弁では、明らかな俚諺形はみあたらなかったが「ずめ」という風になる。
 これが「スズメダイ」になると、「アヤビキ」「イシビチ」「アブッテカモ」と山ほど出てくる。なんでだろう。「遊魚漫筆」や Wikipediaが詳しい。
 鳥を含む動物の鳴き声に地域差がある、という話はにした。

 大きな修理は 3 度。
 最初は、前のライトの横。これはぶつけられたもの。と言っても交通事故ではなくて、スーパーに買い物に行って、出てきたらそうなっていた。ぶつけた奴は逃げた後である。泣き寝入りで、自腹で修理した。
 次は自損で、左折時に左のドアを壁に思いっきり擦った。車屋が呆れていた。同時に、これからも乗ってくれるんだろうから、喜んで直す、というようなことを言っていた。その時点で古い車だったということ。
 三つめは錆。ドアミラーからは水が垂れるので、ドアのそのすぐ下の部分が錆びた。どういうわけか左側だけ。
 このときは修理できたが、実は 2 年ほど前に再発している。今回はドアを交換するしかない、と言われ、10 万を越える見積もりが出た。これが買い替えの伏線となる。
 小さな錆や傷はいくつもあり、大方、法定点検の時期を待ってついでに直してもらうという風にしてたのだが、NX クーペについている樹脂製のモールが難である。というのは、板金系の作業をする場合、それを外して、修理して、付け直す、という作業が必要になるのだが、それに一々工賃が発生するのだ。それだけで一万も二万もかかるわけではないが、あらあら、という感じだった。

 あまり遠出をしない。買った直後には、慣れるためも含め男鹿だの象潟だのに行ったりはしたが、それだけである。
 しかも、多少の距離、多少の荷物などおかまいなしに、隙あらば自転車で行こうとするので、走行距離が進まない。免許がゴールドのせいもあり、保険屋が中々金を取れない。
 鬼首や田沢湖でレースが行われていた頃には自転車を積んで行ったりしたこともあるが、普段は、10km ほど離れた実家に帰るのがせいぜいで (それすら自転車にしようとする)、一番遠いのは仙台、その次が青森市であろう。どちらも一度ずつ。
 高速道路に乗ったのも、その仙台と青森のほかは、いつか書いたゴダイゴスターダスト☆レビューのコンサートで大曲と湯沢に行ったとき、ネイガーの福禄寿を買いに協和の道の駅に行ったとき、とそれくらいである。つまり、全部思い出せるくらいしか高速道路を使っていない (送迎で父の車で乗ったことは多い)。
 したがって、ETC やカーナビが欲しいと思った事は一度もない。
 15 年乗って、4 万キロ行ったかどうか、というあたり。思えば、かわいそうなことをしたかもしれん。




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