また方言グッズの紹介。
ピーアンドエーという会社の、そのものズバリ「大阪弁トランプ」。
難しい仕掛けはなし、数字とマークのある面に大阪弁が書いてある。こんな感じ。

その中から、目に付いた大阪弁を取り上げてみる。
♠ 3:
もうてもうて
これには、「
こんなええもんもろてええのん?」という問いがつく。意味は、「こんないいものをもらっていいのか」「もらってしまってください」。
直訳すると不自然だな。大阪弁特有の表現法ということになろうか。
♠ 9:
ややこい
「赤ん坊」でも「やわらかい」でもなく、「ややこしい」。
で、「赤ん坊ではない」と書いたが、じれはこれは滑ってるボケで、
Wikipedia などによれば、「ややこしい」は「ややこ」、つまり、赤ん坊を扱うような面倒くさいこと、というようなことらしい。
♠ K:
よして
「
今からサッカーすんねん」に対する答え。
「やめろ」という意味ではなく、「自分も仲間に入れてください」。「寄せる」であろう。秋田弁で言うところの「
かでで」。
多分、「やめる」という意味の「よす」は主に関東で使われる表現ではないだろうか。独断が過ぎるか。
♣ 6:
いちびり
名詞として「お調子者」。「
いちびる」という動詞だと、「ふざける」。
とは言いながら、調べていくと、「でしゃばる」「いい気になる」などなどの説明も見られる。部外者としてはぼんやりと把握するしかない語のようである。
話は変わるが、このマークを「クローバー」と呼ぶ人もいる。だが、「クラブ」は「棍棒」であり、植物ではない。したがって、「クローバー」は間違い。
尤も、「クローバー」は「クラブ」に似ていることからついた名前だという説もあるらしく、
ややこいことになっている。
♣ 8:
やつす
前に書いたっけか。「化粧する」。
「身をやつす」という表現のあれ。「窶す」と書く。
「窶す」はどうやら、「やつれる」と同根の言葉らしく、日本語としては「痩せる」が本来の意味のようだが、「姿を変える」という意味もある、ということらしい。手元の漢和辞典ではその順番に意味が並んでいる。
で、化粧する、ということになるわけだ。
♥ 4:だしてんねん
このトランプ、黒のスートと赤のスートは方向が違っていて、黒は普通の会話だが、赤のほうはダジャレ合戦になっている。
このカードの場合、「
このダシええ味出てるねぇ〜」に対する返事がこれ。
♦ J:
いれもん
「
このいれもんレモンのいれもん」。
まぁ、そういう感じである。
♦ Q:
えらい
大変だ、という意味があることは知られていると思うが、「
えらい偉くてえらいなぁ〜」になると、後半の「
えらい」は「すごい」という意味らしい。「非常に偉くてすごいなぁ」ということだろう。
♦ K:
だんち
「
四丁目のでっかい公園の前の団地がだんちなっとる」。
並び方がずれている、という説明がある。団地は整然と並んでいることが多いが、区画の関係でちょっとずれている、ということだろう。
「段違い」の省略だという説明が散見される。
もちろん俗語表現ではあるが、「段違い」の「だんち」としては、「違いがはなはだしい」「桁違いである」という使い方がある。多分、「天然ものを使うと味がダンチだね」というように、ニュアンスとしてはプラス評価であう。それとは意味が違うことになる。
♦ 5:
くさす
「
道端の草をくさす」。
「
くさす」は「非難する」。段々例文も苦しくなっているようである。
でも、「くさす」って大阪弁? 使用頻度の違いは部外者にはわからんけど、標準語なんじゃないのかな。
因みに「腐す」と書く。
♦ 8:
いろて
「
この色色々いろて」で、「
この色、色々いろて」と区切るのであろう。「
いろて」は「いじって」。かなり苦しい。絵を描いてる、配色を調整するというようなケースしか想像できない。一般の生活シーンではないなぁ。
「
いらう」も「くさす」と同じく辞書にはあるが、これはやはり現代の表現としては方言だと言って差し支えないだろう。「弄ふ」と書くが、「弄」は「もてあそぶ」という意味の字である。
実は、「沖縄弁トランプ」も入手済み。
それは次回。