先週の「大阪弁トランプ」に引き続き、
ピーアンドエーの「沖縄弁トランプ」を紹介。

「沖縄弁」と言ってしまっていいのか、ということはさておく。
大阪弁トランプの方は、黒のスーツが通常の会話、赤のスーツがダジャレ合戦という趣向があったが、沖縄のほうはそういうのなし。スペード・ハート・クラブ・ダイヤで五十音順。ネイティブじゃないからかな。ピーアンドエーは東大阪市の会社である。
これで困るのは、ほとんどすべての表現が俺の好奇心をそそること。一部を聞いたことがある、というだけでほとんど知らない言葉ばっかり。しかも、語源が容易に想像できない。うっかりすると全部を紹介してしまいそうになるので、心を鬼にして峻別することにする。
♠ 4:
あちさん
今の季節にピッタリ。「暑い」。
「
さん」は形容詞語尾らしい。「
ちゅらさん」は「きれいな人」という意味で人を指す「さん」がついているのではなく「きれい」という形容詞そのもの。
♠ 5:
いきが
男。
女性は「
いなぐ (♠ 7)」。それぞれ、「彼氏 (男性の恋人)」「彼女 (女性の恋人)」という意味で使うとか、いや、使わないとかいう記事がネットにはある。結局、どっちなのかは不明。
♠ Q:
かなさん
「いとしい」。
「さん」が形容詞語尾であることは説明したが、前半は「愛」だろうか。
古語辞典で「かなし」を引くと、字として「愛」と「悲・哀」がある。『角川新版古語辞典』には「身近な物事に対する深く切実な気持ちを表すのが原義」とあるが、プラス方向が「愛」、マイナス方向が「悲・哀」というわけである。
♥ A:
がんまり
「イタズラ」だが、「
がんまりてぃんまり」という言い方もある由。
どの程度のイタズラを指すのかは不明。他愛もないものから、相手を無視することまで、記事を書いている人によって全然違う。
♥ 2:
ぐまー
小さい。
九州では「細かい」と言ったりするが…。
♥ 5:
じょーぐー
カードには「大好物」とあるが、ネットの説明を見ると「〜が好きな人」という意味もあるらしい。「
ししじょーぐー」は「肉が好きな人」だとか。
どうやら「上戸」らしい。
♥ 7:
ちぶる
頭。
ひょっとしたら俺が最初に覚えた琉球方言かもしれない。
「ウルトラQ」から「怪奇大作戦」の時期の円谷プロの文芸面を支えたのが金城哲夫という人。名前から想像できるように沖縄の人なのだが、エキゾチシズムを利用しようと考えたのか、沖縄に関わる言葉を転用することがある。
なお、チブル星人はウルトラセブン第9話「アンドロイド0指令」に登場。実質、頭だけの宇宙人である。
♥ 8:
ちむ
心。
「肝」らしい。
♥ J:
ちゅらかあぎい
美人。
「
ちゅら」は「美しい」、「
かあぎい」は「顔」。
ウルトラマンティガ第 49 話「ウルトラの星」には「ヤナカーギー」という怪獣が登場する。こっちは「ちゅらかあぎい」の反対。
♦ 5:
まやー
猫。
「
ふゆまやー」は冬の猫のように何もせずにじっとしていることから、「怠け者」。
仲が悪いことを「
いんとぅまやー (犬と猫)」と言うそうな。
♦ 7:やんばる
沖縄本島北部。
えー、そういう意味だったんですか。「ヤンバルクイナ」って単語でまとめて覚えてたんで予想外。
ちなみに「山原」と書くらしい。
♦ 8:
ゆくさー
うそつき。
「
ゆくし」が「嘘」らしい。
どの程度の「嘘」かは不明。
日本語では、驚いたときに「嘘?!」などと言うが、英語の“lie”はもっときつい言葉なのでその調子で使うと大変なことになる。「罪のない嘘」という“white lie”という言葉が別にあるくらい。
なお、「ゆくし」というトランプ ゲーム
*1があるらしい。ダウトに似ているようだが、詳しいことは
こちら。
「沖縄弁トランプ」はこの辺で。
因みに、2 枚のジョーカーは「ハブ」と「マングース」の絵。
同じメーカーの、「フラワートランプ」というのも買ってみた。
透明な樹脂の板にバラの絵が印刷してあり、何枚か持ってみると、花束を持っているように見える、という趣向。
きれいではあるが、縦長のため:

占いには向かない (左上の四角は MD)。