この秋、というか第 4 クールは、俺にしては珍しく、普通のドラマを見た。
つまり、巨大化したり五人揃ったり
*1昆虫人間になったりしない、30 分を越える長さのドラマ、という意味だが。
俺の場合、自発的に、というか、番組紹介だけの事前情報だけでその種のドラマを見始める、ということは考えられず、それぞれにプラスアルファのフックがある。
たとえば、昔見た映画のリメイクであったり、気になる分野を扱っていたり、気になる俳優が出てたり、というようなことがなければならない。
で、「
純情きらり」のときにも書いたとおり、テレビ ドラマのサイトはいつなくなるかわからないのでリンクしない。ご自分で探してください。
まず、
TBS の「セーラー服と機関銃」。
前にもちょっと触れた。
*2
全 7 話で、本放送はもう終わってるし、秋田の一ヶ月遅れの放送ももうすぐ終わる。もう解説の必要はあるまい。
実は第一話は、なんだか面倒くさくなって (始まった時間にはすでに酔っていた) 見てないのだが、やっぱり薬師丸世代としては見るだけは見なければ、と思って二話から見た。第一話を逃したら、乗り遅れた気になってもうアウトになる俺の場合、本当に珍しい例外である。
そしたら面白いこと。映画をテレビ シリーズにすると冗長になったりすることがあるが、そういう「水増し」感はなく、それぞれの登場人物を丁寧に描いている。7 話、というサイズがちょうどよかったのかもしれない。
長澤まさみは、いつの間にかビッグ ネームになっていて、NHK の「さくら」と、「モスラ」で小美人をやったのしか見ていない俺にとってはちょっとビックリ。いや、あだち充の原作の映画に出てたのは知ってたが、苦手なので。
そんな状態だから、ああいう発声というか滑舌だとは思わなかったが、例の乱射シーンを筆頭に、声を張り上げるところなんかは、「どこからその声が」という感じの立派な発声だったし、決めるところはきちんと決める立派な演技だった。
静岡出身らしいのだが、時折、関西風のイントネーションを耳にしたような。
それよりなにより、
井澤 健演じる刑事である。青森出身という設定らしく、最後まで津軽弁で通した。しかも、字幕が出る。
あれには、どういう意図があったんだろう。
彼は、上司が汚職警官であることに気づいてしまい、殺される役どころだったのだが、まさかそういう素朴なところがあるから東北出身ってことにしたわけじゃあるまいな。今更。
脚本家が青森か、と思ったのだが、いずみ吉紘は愛知県名古屋市の出身。
ただ、前にも取り上げた「ケータイ刑事」の
銭形零で「イタコ刑事」というのを出している。ひょっとしたら、青森に何か思い入れがあるのかもしれない。
井澤氏の津軽弁は、よく頑張ってマスターしたね、という感じであった。ネイティブが津軽弁色を薄めにした、という雰囲気ではなかった。本人は高崎の出身らしい。
堤真一は、「ALWAYS」で気性の激しい親父をやっていたと思ったら、今度はヤクザ。
山本龍二の空気はよかった。
次は
フジテレビの「のだめカンタービレ」。
これも面白い。音楽が楽しいものである (ちょっと辛いこともある) という空気を見事に伝えていると思う。
キャストには、
上野樹里、
竹中直人、
岩佐真悠子と“SWING GIRLS”メンバーが妙に多かったのだが、これに
福士誠治、
白石美帆が加わってさらにその色が濃くなった。
音楽作品にかかわりのあるキャストが多い、というのも特徴で、その福士は「純情きらり」で音大生の御曹司をやっていたし、
玉木宏は「ロッカーズ」に出ていて、CD も出している。
玉木が、イケメンのくせにコメディがいけるのは、この番組でやっと顔を覚えた俺にとっては収穫である。
上野樹里は大阪出身なのだが、ときおりそれっぽいイントネーションが観察できる。ドラマの中では九州出身のようだ。こないだ、
豊原功補の指導にキレたときに九州弁でまくしたてていた。
音大って、教育学部と違って、どこにでもあるって学校じゃないと思うんだが、その割に、方言を話す学生がいない。でも、音大の学生は首都圏出身者が多いとか聞いたことがあるようなないような。今度、ピアノの先生に尋いてみるか。
のだめ とかシュトレーゼマンとかのように、妙な言葉遣いの人物は多いが。
金髪の峰が、「サマータイムマシンブルース」の好青年を演じた瑛太だってことは、解説を見るまで気づかなかった。髪の毛に幻惑されたか。
それにしても、役者だから標準語のイントネーションをきちんとマスターさせる、という時代ではなくなっているのかなぁ。この二例に限らず、「あ、こいつ、西日本」とかいうことはよくあるような気がする。
「鉄板少女アカネ!!(
TBS)」は苦戦しているようで、実は俺も 3 話で脱落した。面白くない。全体が雑なんだもの。
堀北真紀が気の毒になってしまう。
これは、失踪した父親を探して全国をまわる、という構造になっているので、その先々ではそういう方言が観察できる。まぁ、がんばりましたね、という感じである。
脱落組があれこれ言うのもなんだからこの辺にしておくが、もうすぐクライマックスだし、最終回くらいはみようかと思ってはいる――って今日じゃん。