東京に行ってきた。
宿は池袋。
飲みに行くのが目的のようなものだったのだが、主たる行き先は渋谷。
目的が目的だから昼は余裕がある。ピアノの練習もしたい。
俺は
島村楽器で習っているのだが、そこの会員は全国の店舗で練習室を借りることができる。行き帰りに羽田を経由するという俺の行動ルートと、山手線沿線にはあまり店舗がないという事情により、最も使いやすいのは川崎である。
なんでこんな配置になってるんだ、と思ったのは出発の数日前。渋谷・川崎がメインなんであれば南側に宿を取ればよさそうなものだが、俺がメンバーカードを持っているホテルの
チェーンは、それこそ川崎を筆頭に新規開店もしくは改装してたりして、おおむね南側が高い。
何より、池袋は勝手がわかった街だ、というのが大きい。いつも池袋から空きを探してしまう。
高いとは言っても、シングルの部屋で何千円も差がつくわけではない。移動のための交通費もかかるわけだし、次回はもうちょっと行動範囲を考えて宿を決めよう。
交通費と言えば、今回、
SUICA を買った。確かに、機械をパコンとたたいてやればいい、というのは便利だ。料金も表示されるし。入るときに初乗り分が引かれ、出るときに残りが引かれる、というシステムであることは今回初めて知った。あえて不便な点を探せば、小銭を作る機会が一つ減る、ということだが、そのときは切符を買えばいいのだ。
気のせいかもしれないが、なんだか渋谷近辺では大阪弁が目立った。数分に一回、という感じで耳にした。いやマジで。
一応、京都弁との区別はつくと思う。神戸や奈良は自信ない。神戸出身の有名人と言えば
南野陽子くらいしか思い浮かばないので、スケバンな土佐弁ならともかく、神戸の言葉がどういうのだかイメージがわかないのだ。
というわけで、あれが大阪弁だとして、の話。
まずよく言われるのが、大阪の人は、よそに行っても大阪弁で通す、というあれ。
それだけだったら秋田だろうが宮崎だろうが同じで、それこそ空港は方言の宝庫、団体客なんぞいようものなら、ここは一体どこだ、という感じになるのだが、大阪の場合は、相手が大阪弁話者でなくともそのまま、という点が違う。
押しの強さ、というようなこともあるのかもしれないし、あるいは、商業都市ゆえの自分の強調方法なのかもしれない。でも、気弱な大阪人も、不純な東北人もいると思うので、そういう漠然としたところにはささらないことにする。
大阪弁が、全国的に理解されてしまう方言だ、ということは大きいに違いない。これは何度か指摘してきた。芸人の大阪弁は決してリアルではないらしいのだが (つまり、俺の理解も怪しいわけだが)、だからと言って、別の方言くらいに離れている、ということもないと思う。
もうちょっと単純に、大阪の人が多い、ということはないか。
大阪府の人口は、前回の
国勢調査によれば 882 万人。
これに対して、たとえば秋田県が 115 万人。東北全体が 960 万ちょいなので、宮城と福島を含む東北 5 県でやっと大阪府と比べられることになる。
大阪市となると 262 万人で、秋田はもちろん、宮城県よりも、さらに言えば秋田・山形二県連合よりも多い。
耳立つのも当然であろう。
尤も、同じ比率で東京に出てきているとは限らない。大阪はむしろ、ほかの地域から集まってくる場所だ、ということもあるし。
耳立つのは、そこが東日本だから、というのもあるだろう。
場所が東京だから、基本的には東日本方言が圧倒的な地域で、それを聞いているのが秋田出身・一時東京の俺だから、それを敏感に検知して当然である。
川崎で、ピアノの練習を終えた後、飯を食おうと思って駅ビル (いっぱいあるので、どれが駅ビルやら、って話はある) に入ったら、目の前に年寄りの一団がいた。
朝っぱらから酔っ払っており、歩き方はふらふら、声も大きい。案の定、昼からやっている居酒屋に入っていった。
これは「
じゃごくさい (田舎臭い)」と表現して差し支えないのではあるまいか。かりにそれが、人口 130 万の政令指定都市の市役所最寄の駅前で、とても新幹線や飛行機などで長距離移動してきた人に見えない、つまり、このあたりの人であっても。
つまり、個々人の違い、ということを上に書いたが、都会的かどうか、ということも、きわめて属人的な事柄なのだと思う。
今は仕事がエラいことになっているのだが、久しぶりにゆっくり寝た。昼間は暇なので、早起きする必要がないわけだ。
しかし、小人閑居してなんとやら。
散在をしてしまった。
割と腕時計マニアなところがあるのだが、Loft の一階でつかまってしまった。こんなの。

手作りの時計。ムーブメント自体はセイコーのものらしい。
真ん中の写真をよく見てもらうとわかるのだが、針金で文字盤の数字込みのわっかをつくり、それを 3 つ重ねた構造になっている。そのため、最後の写真くらいの厚さになる。
ものすごくユニークで、それは確かに気に入っているのだが、実用性には問題がある。
厚いから袖口に引っかかるかと思ったが、それは意外に問題にならない。
ただし、針は一番奥にあるので、真上から覗き込まないと時間がわからない。車を運転してるときやピアノを弾いているときにチラっと見る、というのには向かない。
また、十分な明るさのないところでも時間がわからない。
装飾品ってそういうものだけどね。
By 時計工房。最後に宣伝――と思ったら、そういう名前のとこいっぱいあるんだね。興味のある方は、
渋谷 Loft へ。