PORSCHE BOXSTERをご紹介します
  コードナンバー=「986」
  RRの911とは違い、ボクサーエンジンをミッドシップにレイアウトしたロードスター
  「ボクスター」をご紹介します。
  こちらでは、所有してみてわかったこと、感じたこと、考えたことをご紹介しています。
  これまた私見だらけなので、「話半分」でご笑覧下さい。

Prologue Introduction Impressions SpecData Topics

BOXSTERについて・・・
スポーツカーが欲しくて、ボクスターを選択したわけです。これまでは、オープンカー=スポーツカーという図式が成立していたので、オープンの爽快感とか開放感よりもスポーツカーとしての資質を選択基準としました。しかし、スポーツカーとオープンカーは、「NOT=」なんですね。そう感じた第一の理由は、ボディ剛性です。987型になって、新たにCaymanというクーペモデルが登場しましたが、リアに大きな開口部のテールゲートを持つにもかかわらず、987ボクスターに比べて曲げで2倍、捻りで2.5倍というボディ剛性を持っているといわれます。それほどにルーフの有無が剛性に影響を与えているわけで、オープンで爽快にワインディングを「流す」には、十分でも、峠を「攻める」には、役不足というわけです。乗り心地も18インチのため、ハーシュネスを拾う場面があります。この点カレラ等は、国産セダンのファミリーカーと変わらない乗り心地を18インチの扁平タイヤでも確保しているのは、ボディ剛性の高さからくるものでしょう。

LHD・・・
左ハンドルの操作については、すでに記述したとおり・・・普段から無人のコインパーキングを利用しない人には、ETCのお陰もあり、不便を感じることはありません。交差点での右折時、対抗してくる直進車が見え辛いことは、ありますが、十分に時間をかけて安全確認していても「赤いオープンカー」「ポルシェ?」ということで、周囲の車から煽られることもありません(笑)左折時の左側縁石の方が、余程苦労しますね。それ以外の不都合は、スラックスのポケットのボタンです。普通、紳士用のスラックスは、お尻の左側ポケットにボタンがついているわけですが、これがLHDの車だと乗り降りの際にシートのサイドサポートに引っ掛かります。スラックスの中には、両方のポケットにボタンがついているものもありますので、右ハンドルでも同じような経験ができると思いますが、シートの形状や高さに関係なく引っ掛かるんですね。革シートなので、もちろんジーンズを履くことは、ありません。必然というかチノーズやコーデュロイ、ウールのもの・・・っとなると、大抵お尻の左ポケットには、ボタンが・・・いっそジャージやパジャマにした方が良さそうです。

コダワリ・・・その壱
PORSCHEのコダワリというべきが、単に自分が知らないだけかもしれませんが、ホイールボルトにワッシャーとなる部品が装着されています。水冷モデルになってからは、ホイール装着には、M14×1.5のボルトを使用していますが、締付トルクは、130Nm。通常の乗用車(110Nm)より高いトルクをかけるわけです。そんなわけで、より高いトルクからホイールを保護するためなのか、スプリングワッシャーのようにボルトの緩み防止のためなのかわかりませんが、こんなところにコダワリを感じています。そういえばトヨタの純正アルミホイールには、専用ナットがあってワッシャーが入っていたような・・・でも、あれは、右手でナットを捻りながら左手でホイールを支えて・・・使いにくいんです。

aluminium
エンジンオイルを交換した時に、気がつきましたが・・・ドレンプラグがアルミ製でした。車載工具の中でもアルミ製のジャッキやジャッキハンドル、ホイール脱着時に使用するガイドピンなどもありました。ジャッキの方は、パンタ上のフレーム等がアルミ製ですが、ネジ山のついた稼動部分は、スチールです。エンジンオイルのドレンプラグ(所謂ボルト)がアルミなのは、ちょっと驚きでした。力のかかるところではありませんが、ボルトとして使うには、かなりの技術が・・・オールアルミエンジンというPORSCHEのコダワリかな???

コダワリ・・・その弐
最近になって、はじめて気がつきましたが、ボディサイドのエアインテークの形状が左右で僅かに違います。このエアインテークは、MY2003からのフェイスリフトにより、前後バンパーと同じくオリジナルから変更になったエクステリアパーツですが、フロント側の形状が少しだけ違います。左側(右上の写真)は、フロント側が盛り上がってピークが尖ったような形をしていますが、右側(右下の写真)は、なだらかなで丸みのある形状をしています。左側は、この盛り上がった稜線の外(前側)がフロントタイヤの巻き上げたホコリで黒く汚れています。はてさて、どうしてなんでしょう???想像の域を脱しておりませんが、左側は、エンジンの吸入エアを取り入れる目的で、インテークホールが開けてあり、右側は、エンジンルームにフレッシュエアを取り入れて、冷却する目的があると考えると、少しでもホコリを除去したい左側と、ホコリがあってもたくさんの空気を取り入れたい右側ってことが考えられます。風洞実験によって得られたノウハウを生かした形状・・・あくまでも想像の域ですが・・・だとすれば、これもまたPORSCHEのコダワリといえるのかも知れません。そして、M96/21エンジンから8psと5NmのパワーアップをしたM96/24エンジンの底辺を支えているのかも・・・そういえば、限定販売された550SEは、エアフィルターに987型を先行装着し、高回転時のエア吸入量を補うことで、+6psのスペックを実現していますが、より多くの綺麗なエアを、取り入れるための工夫なのか、単にデザインなのか???
ボクスター雑誌で歴代モデルの写真を確認すると、MY2000からこのような違いがあるようです。PETでチェックしてもモデルイヤーごとにパーツナンバーの変更がありますが、LHDとRHDでの違いはありません。MY2000というのは、2.5Lから2.7Lのエンジンとなり、3.2LのSモデルがリリースされています。デザインというより機能的な面での改善だと思われます。

パンチ力
雑誌などのボクスター評価では、「軽快で愉しい」といった2.7Lエンジンを搭載する「素のBOXSTER」に評価が集まっています。3.2Lエンジンの「S」は、総じて「中途半端」な評価となっています。しかし一部には「ポルシェらしさを感じるには、S」と言われることがありますが、それは、排気量の違いによるパンチ力に起因していると考えています。自動車エンジンの性能を決定するトルク値は、シリンダーあたりの排気量によって決まると言われています。「セダンやファミリーカーなら、500cc。スポーツカーなら450cc」なんてことも聞いたことがあります。つまり4気筒エンジンなら2L、6気筒なら3L、8気筒なら4Lってことになります。スポーツカーだと6気筒で2.7Lとなります。実際は、2.7Lモデルだと2687ccなので、1気筒448ccとなります。3.2LのSだと3179ccで530ccです。このあたりが雑誌の評価かも・・・しかしポルシェの場合、911だと6気筒で3.6Lです。1気筒で600cc。928だと620cc。968だとなんと750cc。これがポルシェのパンチ力かもしれません。82ccの差が「らしさ」なのかは、わかりませんが、当初から3.2Lモデルに興味を持っていた理由のひとつ・・・ブレーキや6MT、白メーターパネルなどの違いがありますが・・・だったわけです。

VEHICLE-IDENT-No
所謂「VIN」と呼ばれる車体番号のことです。これは、「W」から始まる17桁の各メーカー共通の番号でポルシェの場合、2桁目3桁目が「PO」となります。ちなみにパサートでは、「WVW」となっていました。ボンネット裏に貼り付けてあるデータバンクシールでは、右のとおり。7桁目からの「98Z3U6」で車種や製造年度(ModelYear)、製造地がわかるようになっています。7桁8桁と12桁目で「986」となり、前記の「PO」と合わせて「PORSCHE BOXSTER」となるわけです。10桁目の「3」は、モデルイヤーとなりMY2003となります。11桁目の「U」は、ManufacturingLocationを表しており、フィンランドのヴァルメット製となります。ちなみに「S」だとシュツットガルトの意味です。残りの5桁がシリアル番号となり、3.2LのSモデルには、「40061−50000」が割り当てられています。