2016年の記事

■ ユリア・ベリンスカヤ Yulia Bberinskaya

レーベルClassica Viva
収録曲全集
録音不明
所有盤GTVS1302 (P)2013 Classica Viva (輸入盤) (Apple Musicより)
備考演奏 録音 モダン仕様

モダン楽器による演奏。 オーソドックスですが,程よいテンポで淀みなく音楽が流れていくのがとても気持ちの良い演奏です。 技術のキレが素晴らしく,そして,控えめながらも気遣いの行き届いた情緒豊かな表現が良いと思います。 一部の楽章(パルティータ第1番のDoubleなど)でリピートが省略されているのが惜しいです。

録音ですが,残響が少し多めで,残響の被りによる音色のくすみがわずかにあるものの, 直接音成分とのバランスはぎりぎり取れているので,印象は悪くありません。 楽器の質感も感じ取ることが出来ます。 もう少しクリアでヌケ良く録って欲しいとは思いますが。

公式Webサイトがあります。 ディスクで発売されているようにも見えるのですが,見つけることが出来ず,以前にiTunes Storeで購入しました。 現在はApple Musicで聴くことができます。

(記2016/03/21)

■ クシシュトフ・ヤコヴィッツ Krzysztof Jakowicz

レーベルMTJ
収録曲全集
録音不明
所有盤(P) MTJ (輸入盤) (Apple Musicより)
備考演奏 録音 モダン仕様

モダン楽器による演奏。 どちらかといえば旧世代の伝統的なスタイルですが, 長い間弾き込んで年輪を重ねてきたような味わい深い演奏。 しかも,とても意欲的,前向きで推進力があるのが素晴らしいです。

録音ですが,残響の量が多く,また残響時間がものすごく長い環境下で録音されているのですが, 直接音の比率が高いので,楽器音の音色への影響は少なく,明瞭感もそこそこあって印象は悪くありません。 残響時間が長いので響きの混濁がものすごいのですが,意外に残響の質も悪く感じません。 残響のまとわりつきはやはり気になり,これが最良とは思いませんし,肯定するつもりもありませんが, こういう残響ならまだ許せる範囲です。

クシシュトフ・ヤコヴィッツは1939年生まれのポーランドのヴァイオリニスト。 この全集,ディスクでの発売があるのかどうかわかりませんでした。

(記2016/03/13)

■ マリア・シャルギナ Maria Shalgina

レーベルAlberich Music Production
収録曲ソナタ第1番,第2番,パルティータ第1番
録音不明
所有盤(P)2013 mariashalgina.com (輸入盤) (Apple Musicより)
備考演奏 録音 モダン仕様

モダン楽器による演奏。 力強く,また,速めのテンポで上品に淡々と弾き進める様が気持ちの良い好演奏。 印象の強い演奏ではありませんが,こういうサラッとした癖のない演奏も良いものです。 技術的にも安定感があります。

録音ですが,残響時間が長めで量もやや多めですが,直接音との比率が適切に取られているので, 比較的聴きやすくまとめられています。 ただやはり響きの影響で音色に癖が出て透明感を失っています。 惜しいと思います。

マリア・シャルギナはロシア出身のヴァイオリニスト。 公式Webサイトがあります。 本ディスクのタイトルは“Bach, Volume I”となっており, 公式WebサイトのShopではVolume IIが coming soon... となっているのですが... (Webサイトの別のページでは2015年1月のリリースとも書いてあるのですが...) どうなっているのでしょう???

(記2016/02/28)

■ マルック・ルオラヤン=ミッコラ Markku Luolajan-Mikkola

レーベルLinn Records
収録曲全集
録音Church of St Catherine, Karjaa, Finland, 9-12 September 2013 and 5-8 May & 16-19 June 2014
所有盤CKD 548 (P)(C)2015 Linn Records (輸入盤)
備考演奏 録音 バロック・チェロによる演奏 a'=415Hz

バロック・チェロによる演奏。 原曲より五度低い調に下げて弾いています。 チェロで低い音にシフトしている上に五度低い音程で弾いているので,ものすごく重心が低く沈み込んだ音楽に聴こえます。 かなり健闘されてはいるのですが,早いパッセージでのキレの悪さ,不安定さがあるのは楽器のハンデでしょうか。 パッセージによってはモゴモゴとしてよくわからなくなるところもあります。 バロック・チェロの発音の立ち上がりの遅さにも起因しているのかもしれません。 聴き慣れてくるとだんだんおもしろさがわかってくるのですが...それでもやっぱりちょっと苦しいですね。

録音ですが,残響がかなり多く,楽器音に被って音色を大きく損なっていますし,明瞭感もかなり落ちています。 モゴモゴして混沌としてしまう原因はこの録音にもあると思います。 そして少し歪みっぽいようにも感じます。 Linn Recordsらしい雰囲気があるのはわかるのですが,こういう演奏ほどくっきりと録って楽器のハンデをカバーすべきと思うのですが。

(記2016/02/13)

■ ジェームズ・スターン James Stern

レーベルAlbany Records
収録曲全集
録音Recorded in Deklboum Concert Hall, Clarice Smith Performing Arts Center, University of Maryland, August 2013
所有盤TROY 1605/06 (C)2015 ALBANY RECORDS (輸入盤)
備考演奏 録音 モダン仕様 使用楽器 Vincenzo Panormo (1781)

モダン楽器によるオーソドックスな演奏。 生真面目で手堅く,真摯な演奏であり,アクセントを効かせた引き締まった演奏ながら,あまり遊びや挑戦的なところはありませんが, たとえばソナタ第2番の終楽章では独特のアクセントでシンコペーションのような効果を出したり, ちょっとした仕掛けがみられる曲もあります。 技術的にも安定感があり安心して聴くことが出来ます。 しかしやっぱりちょっとお堅いかな,とは思います。

録音ですが,残響が多めで付帯音としてやや音色に影響を与えているものの, 直接音を主体に捉えているために,楽器の質感もニュアンスも感じられ, 十分我慢の範囲であり,良好な録音と言えると思います。

ジェームズ・スターン氏はメリーランド大学音楽学部の教授とのこと。

(記2016/01/19)