手軽で簡単 おいしいビールを味わいましょう。 モルト缶でのマイビア造りの材料と器具を説明します。
ビール造りの道具は工程により2つに分かれます。 仕込み時(1次発酵)と、発酵終了後の瓶詰め時(2次発酵)です。
下線のものは当店で扱っています
仕込み時に使用する材料と器具
●モルト缶(モルトエキス) 大麦から麦芽を作り、これを粉砕して麦汁にし糖化させたものにホップを加え濃縮したもの。 ホップを添加していないものや、小麦で作ったものもあります。 一缶1〜2kgのものが中心です。 ニージーランド・イギリス・べルギー・カナダなど世界各国から輸入されています。 麦芽を粉砕したものも市販されていますが、糖化などちょっと手間がかかります。
●発酵容器 10〜30リットル程度の1次発酵容器です。 専用のものから市販の水用ポリタンまで何でも使えます。 水用ポリタンを使う場合は、中に手が入る幅広口の容器を選んでください。 発酵時に”おり”が容器の縁につきますので、瓶詰め終了後にポリタンの中に手を入れてブラシで洗います。
●水 名水・湧き水・水道水・ミネラルウオーターのどれを使ってもOKです。 厳密にいうならば、水質(硬質・アルカリ度・ph濃度・ミネラル成分)と造るビールの種類は大きく関係しますが、モルト缶を使った場合はそこまで気にすることはないでしょう。 ただ、使用する水は仕込む前日に全量煮沸することをお勧めします。 雑菌が除去されクリアな味の仕上がりになります。 煮沸するのが大変な場合は、滅菌の為、最低60℃の状態を2時間維持させましょう。 水道を使う場合は、シャワーのお湯を使うのも便利です。
●煮沸鍋(5リットル程度) 熱湯でモルト缶の中身を溶かすのに使います。 容量が5リットル程度あれば普段家庭で使っている鍋で充分です。
●アルコールスプレー 除菌剤には、アルコール(エタノール)・家庭用漂白剤・オスバン液などがあります。 使い勝手ではアルコールが一番楽です。 多少残っていても問題がないので、使用後の水洗いは不要です。 消毒用エタノール・除菌用アルコールなどの名称で薬局で売っています。 スプレー式のものは使い勝手がよくて便利ね。
●砂糖 スプレーモルト・白砂糖・コーンシュガー・ハチミツなどいろいろな種類が使えます。 砂糖を使うのは経済的な意味もありますが、ビールの味や色に変化をつけて楽しめます。 仕込み量により砂糖の量は変わり、全く使用しないで仕込むこともできます。 お勧めはスプレーモルトです。手軽にオールモルトが楽しめますよ。
●計量はかり(0.5〜1kg程度) 補糖で使用する場合での、砂糖などの重さを量ります。 台所用のはかりでOKです。
●お玉 仕込み時に、モルトエキスを溶かすのに使います。 家庭で使っているものでOKです。
●体重計 ポリタンなど目盛がない発酵容器を使う場合に、その重さを量って、作成総量を割り出します。 1kg=1リットルとして換算します。 発酵容器自体の重さ(大体1kg前後)がありますので、計測値から容器の重さを引いた値が総仕込みリットルとなります。(容量目盛がついていればそれでわかります)
室温と発酵溶液の温度を測ります。 室温用は壁掛け用、溶液用は棒温度計の各1本あれば便利です。 シール温度計は発酵容器の側面に貼り付けて使用します。
麦汁の比重や糖度を簡単に測ることができて、でき上がりの度数がほぼ推測できます。 モルト缶を使った場合はなくても問題ありませんが、砂糖の量による違いや、モルトの種類による違いが数値で見れますので一つあると楽しくなります。 比重計はメスシリンダーとセットで使うと便利。(直接浮かべても計れます)
ホップは苦味と香りのもとです。 多くのモルト缶にはホップがすでに添加されていますが、好みに応じて添加するとさらにおいしい。
●エアーロック 1次発酵時に炭酸ガスがでます。この器具を使えば外気の侵入を防ぎながらも内部の炭酸ガスを抜くことができます。 炭酸ガスは空気より比重が重いため、発酵中は、炭酸ガスが溶液の表面を覆いますので必ずしも使わないといけないわけではありませんが、ポコッ ポコッとガスが出る音が聞こえ酵母が元気に活躍している様子がわかり楽しいものです。 エアーロックの代わりに、熱帯魚などの空気ポンプ逆流防止用のチェックバルブなども使えます。
瓶詰め時に使用する材料と器具
●ビールの空き瓶もしくはペットボトル 瓶詰め用のビール瓶もしくはペットボトルです。 通常の瓶は破裂する危険性がありますので使用できません。(2気圧の圧力がかかります) ペットボトルもお茶やジュース用のものは使用できません。 炭酸飲料用の物を使用します。
●王冠もしくはペットボトルキャップ 王冠は使いまわしができません。 ペットボトルキャップもその都度新しいのを使う方がいいですが、何回か使うこともできます。 傷がついたり汚れている場合は新しいのにかえましょう。
王冠をビール瓶に締めるときに使います。 一度購入すれば半永久的に使えます。 ハンマー式のものやスタンド式のものなどいくつか種類があります。
コックのついていないポリタンク内の溶液を、瓶に入れるときに使います。 専用発酵容器を使っている場合は、コックから直接瓶詰めしますので、このチューブを使う必要はありません。
●アルコールスプレー ビール瓶・ペットボトル・王冠や自分の手を除菌するために使います。 瓶やボトルの口部分も忘れずにスプレーして除菌します。
●グラニュー糖、計量スプーンやロート 仕込み時には放出していた炭酸ガスを新たに作り出し、ビールの泡を生じさせる目的で使います。 100ccあたり0.6グラムが適量です。 多すぎた場合は「フキ」の原因となったり、炭酸ガスの内圧によって瓶が割れる危険性があるので使用量は間違わないように計量スプーンで入れてきます。 じょごを瓶の口に差込むと投入が楽です。
●温度計 瓶詰めした後は、室温で2次発酵の温度を管理します。 瓶詰め後2−3日は22〜24度に保ちます。 それ以降は直射日光のあたらない冷暗所にて一ヶ月程度熟成させます。
瓶詰め直前に使用し、その溶液の比重を計ります。 1次発酵前と1次発酵後に測ることによってでき上がりの比重がわかります。
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