「オセロー」

    目 次

1. はじめに
2. キャストとスタッフ
3. ストーリー
4. 走り書き
5. 感 想

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1. はじめに
 友人の息子高橋広司君が出るので、平 幹二朗主演・演出の「オセロー」を見に行きました。今年(2006年)の9月から全国を回り、11月は東京で公演し、来年4月末に金沢で千秋楽を迎えます。東京では新宿の東京グローブ座で公演があり、11月6日に観に行きました。出典は総て「オセロー」のプログラムです。

2. キャストとスタッフ
[キャスト]
オセロー(ヴェニス公国に仕える高貴な家柄のムーア人)     平 幹二朗
イアーゴー(オセローの旗手)                      平  岳大
デズデモーナ(ブラバンショーの娘、オセローの妻)         三田 和代
モンターノー(島の総督としてオセローの前任者)・コロス      高橋 広司
ロドビーゴー(ブラバンショーの親族)                 勝部 演之
ブラバンショー(元老院議員、デズデモーナの父)          坂本 長利
[スタッフ]
作               W・シェイクスピア
訳               小田島雄志
演出             平 幹二朗
振付・指導(フラメンコ)   小島 章司
企画・製作          幹の会
                (株)リリック

3. ストーリー
魂 揺さぶるフラメンコの響き  今 暴き出される 愛の不毛
[あらすじ]
 夜のヴェニス。ムーア人の将軍オセローは、父の目を忍んでやってきた元老院議員の娘デズデモーナを妻に迎え入れる。身分も肌の色も、あらゆる障害を乗り越えて結ばれた二人。父ブラバンショーの祝福こそ得られなかったものの、オセローとデズデモーナの愛は揺るぎなく、幸福な一組の夫婦が誕生したと思われたのだが。
 同じ夜の暗闇の中で、オセローの旗手イアーゴーは副官の地位をキャシオーに奪われたことに不満を募らせていた。デズデモーナに横恋慕するヴェニスの紳士ロダリーゴーを狡猾に操り、策略を巡らせる。
 折しもヴェニス公爵の元へ、領海の島が敵艦隊襲来の危機にさらされているとの報せが入った。オセローはヴェニス軍を指揮し、上陸を果たす。勝利に沸き上がるオセローとデズデモーナの結婚を祝う夜会の後、忠実なイアーゴーが動き出す。緑色の目をした怪物−嫉妬がその心に注がれた時、「愚かにではあるがあまりにも深く愛した男」オセローは−。

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4. 走り書き          平 幹二朗
 イアーゴーはスペイン人の名(ヤコブ→ジェイムス→イアーゴー)と読んだ時、フラメンコの音楽が聞こえてきた。ギター、カンテ、サパティアード、カスタネット、「ハムレット」「リア王」「マクペス」とは違って、「オセロー」には南の風が吹いている。オセローの駐屯する島はオスマントルコの支配の歴史が長いキプロス島よりスペイン文明の彩りの濃い土地にしたいので、ただ、島と呼ぶ事にしよう。
イアーゴは28才?
 戯曲二幕三場イアーゴーの台辞「俺は四七の28年間この世を見てきたが」とありイアーゴーを信用する(1才の時から世の中が判るかな?)と青年イアーゴーでゆけるかな?(兵隊になってからとことわってもいない)悪人面の中年男より純粋そうな外見で初々しい瞳でみつめながら訴えられると、つい信じてしまいそう、怖い若者が生まれる予感。
 ヴェニスの植民地としての島に住むオセロー夫婦の生活に労働力を提供する現地人、芝居のセットチェンジも彼らの手で行われる。物云わぬ彼らにプライバシーを覗かれても無視して平気で行動する白人達、そこに差別の構造が見えた。その中で軍人としては白人達に認められているムーア人オセローは?
 本橋哲也著「本当はこわいシェイクスピア」、森本美樹著「オセロー、愛の規律と不協和音」、イワン・ハンコック著「ジプシー 差別の歴史と構造」等刺激的な本だった。
 レッスンの為、フラメンコ舞踊第一人者、小島章司さんと識り合い、振付けを依頼出来たのも嬉しかった。
                                               2006年 夏  記す
5. 感 想
 今回の公演では、平 岳大君が主役の相手役(イアーゴー)を務め、それに三田 和代がからむという構図です。イアーゴーは、幕開けにフラメンコ(このページのトップにあるプログラムの表紙の絵参照)を踊りスペインを暗示します。
 高橋広司君は、今回は小さな役でした。
 東京グローブ座は初めてでしたが、シェイクスピア劇には、お誂えの劇場だと思います。

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[Last Updated 12/31/2006]