「坂田藤十郎 襲名披露公演」
(伽羅先代萩[めいぼくせんだいはぎ]ほか)

    目 次

1. はじめに
2. 演目と配役
3. 筋書き
4. 紹 介
5. 感 想

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1. はじめに
 昨年(2005年)12月の京都南座の顔見せ興行で、中村雁治郎が坂田藤十郎の大名跡を231年振りに襲名し、先月(2006年1月)には東京歌舞伎座で披露公演が行われました。歌舞伎の世界では大きな出来事です。二人の姉は昼の部と夜の部の両方を見に行きましたが、私は夜の部だけに行きました。
 また昨夜(2006年2月5日)にはNHKテレビで襲名までの足跡を紹介していました。歌舞伎好きの友人は「関西歌舞伎はどうも」と二の足を踏んでいたようですが、私としては新坂田藤十郎を知る上でも、良い機会だったと思っています。
2. 演目と配役
1. 藤十郎の恋(とうじゅうろうのこい) 二幕三場
 坂田藤十郎   扇  雀
 若 太 夫    歌  六
 丹波屋主人   友右衛門
 澤村長十郎   芦  燕
 宗清女房お梶  時  蔵
2. 口  上(こうじょう)       一幕
 雁治郎改め藤十郎
 幹部俳優出演(雀右衛門、幸四郎、吉右衛門ほか)
3. 伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)  一幕
   [御  殿]
 乳人政岡  雁治郎改め藤十郎
 八   汐  梅  玉
 松   島  扇  雀
 千   松  初舞台虎之介
 澄 の 江 壱太郎
 沖 の 井 魁  春
 栄 御 前 芝  翫
 [床  下]
 仁木弾正    幸四郎
 荒獅子男之助 吉右衛門
4. 上 島の千歳(しまのせんざい)  長唄囃子連中
   千  歳 福 助
  下 関三奴(せきさんやっこ)    長唄囃子連中
   奴    橋之助
   奴    染五郎

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3. 書き(すじがき)
【藤十郎の恋】 密夫の役を演じることとなつた坂田藤十郎は、初日が迫るものの、役作りが出来ず頭を悩まします。そこで藤十郎は、幼馴染で人妻のお梶に偽りの恋を仕掛けることを思いつきますが…。初代中村雁治郎の当たり役であった藤十郎役を、曾孫の扇雀が初役で勤め、お梶を時蔵が演じる清新な舞台です。
【伽羅先代萩】 お家横領を企む仁木弾正らは、幼君・鶴千代の命を奪おうとしますが、乳人政岡が若君守護に努めています。しかし管領の奥方の栄御前が将軍家下賜と偽り、毒入りの菓子を勧めます。これを政岡の子・千松が食して、鶴千代の危機を救います。ひとり残った政岡は、千松の遺骸を抱き、その働きを誉めて、泣き伏すのでした。一方、御殿の床下で荒獅子男之助が追う中、仁木弾正は虚空の中へと消えていきます。新藤十郎の政岡は、原作に基づいた演出を取り入れて好評を得ています。今回は栄御前に芝翫、八汐に梅玉、荒獅子男之助に吉右衛門、仁木弾正に幸四郎、また、扇雀の長男虎之介が初舞台と、襲名披露狂言ならではの豪華な舞台です。
【島の千歳】 新年に相応しい御祝儀曲で、白拍子の始祖・畠の千歳が蓬莱山の様子に始まり、汲めども尽きぬ若水のめでたさを祝して舞い納めます。今回は福助が千歳を勤めます。
【関三奴】 二世関三十郎が初演したところから、関三奴と称される作品で、毛槍を使っての賑やかな踊りが見どころとなっています。橋之助、染五郎の息の合った舞台です。                  (平成18年1月)
(出典 歌舞伎座で配布されるリーフレット)

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4. 紹 介
中 村 雁 治 郎(なかむらがんじろう)
昭和6年12月31日生まれ。二世中村雁治郎の長男。16年10月大阪・角座『姫山姥』の金時、『寺子屋』の小太郎で二代目中村扇雀を名乗り初舞台。28年21歳の時、新橋演舞場『曽根崎心中』でのお初で、父二世雁治郎と共演。世に「扇雀ブーム」を巻き起こす。56年11月近松門左衛門と坂田藤十郎を自ら原点とすべく近松座を結成。現在に至るまで近松作品の現代における再見と上演に取り組んでいる。また海外でも積極的に歌舞伎を上演し、功績をあげている。平成2年11月歌舞伎座『廓文章』の伊左衛門、『鏡獅子』の小姓弥生後に獅子の精、『心中天網島 河庄』の治兵衛にて三代日中村雁治郎を襲名。平成17年12月京都・南座で坂田藤十郎を襲名。

5. 感 想
 中村雁治郎については、日本経済新聞の私の履歴書では読んでいましたが、余りよく知りませんでした。それでも今回の襲名披露公演によって少し身近になりました。
 最近の襲名披露の口上(例えば2005年12月の中村勘三郎)に比べると、地味な気がしました。たまたま観劇日に皇太子殿下がお見えになり、奥さんである扇千景参議院議長と観劇されました。
 扇雀が演じる藤十郎の恋も良かったし、何よりも伽羅先代萩の雁治郎改め藤十郎が演じる政岡が良かったと思います。

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[Last Updated 2/28/2006]