みんなの広場
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 アクセスされた方々との交流の場です。今月も次の3項目を取り上げました。先月の「みんなの広場」は「12 改訂履歴とみんなの広場(バックナンバー)」に移しました。
 6月は梅雨のさなかとあって、雨の日が多かったのですが、陽気はほぼ安定していました。ただ、22日の夏至の頃から急に暑くなってきました。
 あじさいがきれいに咲いています。梅の実は、梅酒と梅ジュースにしました。梅ジュースは初めての試みです。野菜も胡瓜や茄子が穫れています。
1.「今月の追加内容」など
 1.1 今月の追加内容
  今月追加した内容の、ご紹介です。
 1.2 新聞の記事から
  今月は特に2篇の記事を載せました。日本経済新聞に掲載された、池内 紀(おさむ)さんの「無知、怠慢、欺瞞、罪」と、朝日新聞に掲載された、池澤 夏樹さんの「その気になれば…… 風と太陽、波と潮と地熱」です。

2. 6月のトピックス
 6月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 自宅スタジオ展
  6月7日、藤城清治(影絵)の、自宅スタジオ展を見に行きました。右の写真は会場で受け取ったプログラムの表紙です。
 2.2 ミュージカル「ユタと不思議な仲間たち」
  6月8日、ミュージカル「ユタと不思議な仲間たち」を、四季劇場「秋」に家内と観に行きました。
 2.3 秋耕展
  国立新美術館で行われている展覧会を、神宮クラブの庄司さんと見に行きました。

3. 来月の予定
 今、来月に向けて計画していることを、お知らせします。

1. 「今月の追加内容」など
 1.1 「今月の追加内容」
 「5 本の紹介」に追加した「129 三陸海岸大津波」は、昭和45年6月に出版された「海の壁」を改題し、文庫版にしたものです。東日本大震災で大きな津波被害を経験した今こそ、読むべき作品だと思います。
 「9 趣味」「3. 美術」「2. 絵画作品集」に追加した「34 なおみさん」は、今年(2011年)春のグループ展に出品した油絵の2作目です。
 「11 興味あるリンク」には、「10.4 演劇」に「10.4.5 ユタと不思議な仲間たち」を、「16 人」に「16.18 藤城 清治」を追加しました。1項目はこのページの「2.2 ミュージカル「ユタと不思議な仲間たち」」と、2項目は「2.1 自宅スタジオ展」との関連です。

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 1.2 新聞の記事から その1 「無知、怠慢、欺瞞、罪」     ドイツ文学者・エッセイスト 池内 紀
 福島第1原発の事故から3カ月が過ぎた。冷静をとりもどした頭で、整理のためにメモをとってみよう。
 第1に私たちの無知である。原子力発電の恩恵を受けながら、それがいかなるものかを知らなかった。たとえば原子炉の寿命が40年とされ、その後の廃炉、また使用済み核燃料の処理に莫大な費用と長い歳月を要するということを知らなかった。
 第2に私たちの怠慢である。原発の危険、また建設と廃棄に要する巨大な経費を考えれば、決して安い電力でないことは、少数の学者たちがくり返し警告していた。それに耳をかそうとせず、きちんと受けとめて考えるのを怠った。
 第3に私たちの欺瞞(ぎまん)である。必ずしも無知だったわけではなく、チェルノブイリやスリーマイル島の事故のことも知っていた。地震大国に原発を50数基も設置した無謀さも感じていた。絶対安全といわれても、世の中に「絶対」といえるものなど何一つないことをよく承知している。知っていながら知らないふりをし、感じながら自分とは関係ないようにみなしてきた。
 第4に利益のこと。私たちを無知にとどめ、怠慢にさせ、利己主義と自己欺瞞に導いたものがある。無知にとどめておくほうが自分たちに都合がよく、知らないと思いこませることが利益になる。それについても私たちはうすうす感じていたのだが、大勢に従って安楽を享受してきた。
 日本人が大きな罪を犯した。とてつもなく地球を汚し、とり返しのつかない荒廃をひき起こした。しかもこの罪は孫子の代まで私たちにつきまとう。罪に目をつぶるのは、とても卑しいことなのだ。
(出典 日本経済新聞 2011.6.15 夕刊 「あすへの話題」)

新聞の記事から その2 「その気になれば…… 風と太陽、波と潮と地熱」 終わりと始まり 池澤 夏樹
 希望の話をするのはまだ早すぎるだろうか? 何か未来につながる、そして嘘(うそ)の混じらない話はないものか。
 まず、気が重いけれども、原発について整理しておこう。
 震災をきっかけとする原発の事故からそろそろ3か月になる。フクシマからは恐ろしい話、腹立たしい話しか聞こえてこない。漏洩(ろうえい)は止まっていないし、対策は迷走するばかり。
 この事故の根は深い。たまたま日本でだけ、無能な会社が原発を運転していたということではない。
 核エネルギーはどこか原理的なところで人間の手に負えないのだ。それを無理に使おうとするから嘘で固めなければならなくなる。まずは自分たちを欺いて安全と信じ込もうとする。そこに科学的根拠はない。他の国の他の会社が運営しても、いつか違う種類の、しかし同じように恐ろしい事故が起こるだろう。
 地球上のほとんどの事象は原子レベルで営まれている。原子が結びついて分子になり、それらが反応して多くの物質が生まれ、エネルギーのやりとりがある。生命もそこから生まれる。
 原子より一段階下の核のレベルはまるで違う世界だ。うまい比喩が見つからないほど異質の場。核分裂の連鎖反応が生むエネルギーは化学反応より7桁も8桁も多い(広島の原爆では1キログラムのウランがTNT火薬1万6千トン分のエネルギーを出した)。
 原子力工学では安定しているものを敢(あ)えて不安定にしてエネルギーを得る。拡散している微量の同位体を濃縮し、燃料の中性子線によって核分裂反応を起こす。そのためにはプルトニウムのような自然界に存在しない元素も作り出す。原発とは緩慢に爆発する原爆である。
 このプロセスは必然的に放射性物質を生む。生物にとってまったく異質の毒物だ。我々の身辺にある毒の多くは焼却すれば消える。フグも、トリカブトも、ベロ毒素も、サリンでさえ熱分解できる。しかし放射性物質を分解することはできない。半減期という無情の数字以外の指標はない。
 批素や重金属など元素の毒は焼却不能だが、体内に入れなければ害はない。放射性物質は我々が住む空間そのものを汚染する。

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 原発が生み出す放射性物質は永遠に保管するしかない。事故になれば大量に放出される。だから、原子力工学では「封じ込め」がキーワードになるのだが、結局のところ、永遠に封じ込めるのは不可能なのだ。数百基の原発を数百年に亘って安全に運転し、かつ廃棄物を安全に保管する能力は人間にはない。
 風力や太陽光に対して懐疑的な意見は少なくない。
 量的にぜったいに足りないというのが主なものだ。隅の方で細々とやっているのならともかく、とても主力にはならないと電力業界は言ってきた。供給が不安定で、電圧や周波数の面でも品質が低い、という。だからごく少量ならば買ってやってもいいがそれ以上は断る、というのがこれまでの業界の方針だった。
 本当にそうだろうか。
 この4月21日、環境省が出した試算結果の中に「再生可能ネルギーの導入可能量は5億キロワット」という数字がある。今の日本全国の発電設備総量が約2億キロワットであるというから、その倍を超える。風力だけで4億キロワット以上。つまり全部まかなって余りある計算になるのだ。

 現実的にはどうだろう。風力と太陽光、まだ研究段階の波や潮汐や地熱、それぞれに困難が多々あることは容易に想像できる。風力について言えば、低周波騒音とか景観とか渡り鳥の衝突とか、課題は少なくない。しかしこれらは既にある技術の延長上にある。その気になれば手の届く範囲内にある。そこのところがどうにも手に負えない核エネルギーとは根本的に違う。
 テクノロジーが社会をドラスティックに変えるところを我々はいくつも見てきた。携帯電話は20年前にはないも同然だった。液晶のテレビも10年前には珍しかった。ハイブリッドの車は実用化されたし、それと共に伸びた蓄電池の技術はやがて風力や太陽光の供給の不安定を補うものになるだろう。
 原子力を国の基本方針としてきたのは間違いだった。ウランはもともと乏しい資源だ。それを補うという高速増殖炉の計画はどんどん先延ばしにされて実現は遠ざかるばかり。
 その原子力優遇策が再生可能エネルギーの開発と実用化を阻んできた。フクシマを機に社会の雰囲気が変われば、日本という高度に工業化された国がその気になれば、エネルギーの風景はがらりと大きく変わり得る。
 ナウシカの住む風の谷は意外に近くにあるのではないか。  (作家)
(出典 朝日新聞 2011.6.7. 夕刊)

2. 6月のトピックス
 6月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 自宅スタジオ展
  藤城清治さんの自宅スタジオは、目黒区の南1丁目の交差点近くにあります。ここは東急大井町線大岡山駅で降りて、北口商店街を突き抜けて環七のぶつかったところで、前に行ったことのある清水窪(洗足池の水源の湧き水のあるところ)の近くです。展覧会には氏のファンタジーあふれる影絵の原画を多数見ることができました。ほかに絵の中に出てくる動物たち(フクロウ、インコ、ネコやイヌなど)や、爆笑問題・大田光氏との合作の絵本「マボロシの鳥」のさし絵40枚もありました。
 2.2 ミュージカル「ユタと不思議な仲間たち」
  コーラス仲間からさそわれ、四季劇場「秋」で上演中の劇団四季のミュージカル「ユタと不思議な仲間たち」を見に行きました。劇場はJR浜松町駅の海側にあります。劇団四季のミュージカルを見に行くのは、随分久しぶりです。原作は三浦哲郎氏の同名の戯曲で、東京から母の故郷の東北の山村に転校したユタ(勇太)が座敷わらしに助けられるというストーリーを軸に展開します。ユタの校友の群舞は何故かウエストサイドストーリーのそれを思い出させました。
 2.3 秋耕展
  神宮クラブのMさんが陶芸作品を出品されたので、見に行きました。「組む」と題する3点が出品されており、2色の土を断面が四角い紐状にしたものを組み合わせて四角い皿などにしたものです。前に作者が2人展を開いたとき、庄司さんが撮った写真にうながされ、今回の展覧会に行ってみました。アイディアに富んだ素晴らしい作品だと思いました。

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3 来月の予定
 3.1 趣 味
  「9 趣味」「3. 美術」に、2011年4月に開催した油絵展に出品した絵の3枚目を載せたいと思います。
 3.2  演劇の紹介
  今月観た「ユタと不思議な仲間たち」を載せたいと思っています。
 3.3 リンク集
  「興味あるリンク」を、少しずつ追加したいと思っています。

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[Last Updated 7/30/2011]