大田区の散歩道2
洗足池と清水窪
 目 次

1. はじめに

2. 洗足池

3. 清水窪

4. 歩いてみて




   洗足池
            

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1. はじめに
 東急電鉄池上線の洗足池駅で降り、目の前にある中原街道を渡ると洗足池です。池にはボートが浮かび、池の周囲には次項のような場所があるので散歩には最適です。
 「大田区の散歩道−洗足流れ」にも書きましたが、私の属している油絵教室で、数年前にスケッチに来ました。その後も洗足流れに沿って自転車で途中まで来て、池の周りを散策します。
 さらに大岡山駅(東急電鉄大井町線または目黒線)近くの清水窪が池の水源だと聞いて、足を伸ばしてみました。環七近くの目黒区との境にあり、狭い窪地に五つの社と二つの石碑があり、何か霊的な雰囲気を感じます。

2. 洗足池
 南千束2丁目にあり、日蓮上人が身延を下山して池上宗仲の館へ向かう途中、この池で足を洗ったという伝説があり、元は千束池だったのが洗足池と書かれるようになりました。面積は周囲の地を含めて約77千平方メートルあり、一周は約1.2kmで、どこにも寄らなければ徒歩で約20分です。項目の番号は地図の中原街道寄りにあるレストラン「ジュレ」(洗足風致協会事務所の中)から時計方向に廻る場合の順番を示しています。
1. 池月橋
 平成7年に完成した、ヒノキの三連太鼓橋です。
2. 千束八幡神社
 貞観2年に宇佐八幡から分霊されました。源頼朝の旗揚げに関係があるため、旗揚げ八幡とも呼ばれます。境内に池月(源頼朝の愛馬で、後に家臣佐々木四郎高綱の馬となり、宇治川の先陣争いで活躍しました)の銅像が建っています。
3. 桜山
 レストラン「ジュレ」の対岸(池の北側)にあります。桜は約3百本あり、毎年3月下旬から屋台が出て、宴会をする人もかなりいます。桜山の西(向かって左側)には清水窪湧水からの流路があります。
4. 松山
 桜山の東側(向かって右側)の高台に松林があります。
5. 弁天島
 赤い橋を渡ると弁天島で弁財天の社と赤い鳥居があります。
6. 水生植物園
 松山の南の水辺に水生植物園があります。
7. 勝海舟夫妻墓所
 池の東側にあります。海舟は晩年に洗足池の風光を愛し、遺言でこの地に墓を作りました。民子夫人と並んで、花崗岩の五輪塔二基の墓が建っています。昔は千束八幡神社の方角に富士山が見えたそうです。
8. 洗足軒案内板
 海舟の別荘を洗足軒といい、かってこの建物が建っていたことを示す案内板があります。
9. 袈裟懸松(けさかけまつ)
 日蓮上人が身延山から常陸国へ向かう途中、休憩のために千束池に立ち寄り、手足を洗うために袈裟を掛けたことから袈裟懸松といわれます。
10. 御松庵
 日蓮上人の道中を守った七面天女を安置し、袈裟掛松を護るお堂が御松庵のはじまりと伝えられています。昭和2年に妙福寺と合併し、初代の松の切り株を保存しています。境内には日蓮上人の銅像があります。

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3. 清水窪
[場所] 大田区北千束1-26
[行き方]
 地図を参照にして、説明をご覧下さい。洗足池の北西に洗足池公園があります。公園の西側を北に向かって歩いて行くと、東急大井町線または目黒線の大岡山駅の近くに出ます。駅に沿って西の方(東京工大の正門の方)に歩き駅前を北に向かうと、大岡山北口商店街があります。商店街を北に向かい、一方通行の進入禁止の立て札のある角(北千束1-28の先)を右折すると左に清水窪が見えてきます。洗足池からは約1.5kmで環七に近く、その先はもう目黒区になります。
[地形]
 窪という名にある通り、土地は窪んでいます。狭い土地に五つの社と二つの石碑が並んでおり、何となく異様な雰囲気です。奧には池があり、小島に弁財天の社(やしろ)があります。小島には朱塗りの手摺のある橋が懸かっており、橋から見て社の左側には小さな滝があって池に注いでいます。これが洗足池の水源である清水湧水です。右の写真では弁財天の社と、赤く塗られた橋の手摺りが見え、その左に滝が写っています。
[社(やしろ)または碑(ひ)]
(1) 弁財天(池の奧、滝のあるところ 社) 以下の位置は反時計回り。
(2) 天圀蔵五柱五成大神(あめこくぞうごしゃいなりおおがみ 社)
(3) 三社大口真大神(さんしゃおおぐちしんおおがみ 社)
   3.1 三峯大神、
   3.2 宝登大神(ほとおおがみ)神日本磐余彦尊(かむやまといわれひこのみこと)]
   3.3 御嶽大神[国常立尊(くにとこたちのみこと)]
(4) 三徳大明神 社
(5) 天五色大天空大神(あめのごしきだいてんくうおおがみ) 碑
(6) 馬頭観音 碑
(7) 大国主之命 社
[立て札]
大田区文化財
清水窪湧水(しみずくぼゆうすい)
 池の長さ20メートル。池の小島の小さな祠(ほこら)には弁財天がまつられている。
 この湧水は武蔵野台地の端、千束の谷がつきるところにあり、旧村落の頃、この付近一帯を清水窪と読んだのも、この地形のためである。
 ここから湧き出る水は洗足池の源流となり、かって千束の谷が田畑であった頃、用水として水田を灌漑していた。
 本区のみならず東京都内に残された数少ない湧水地として貴重である。
    昭和50年3月19日指定               大田区教育委員会

[参考図書]
大田区史跡散歩 新倉 善之著 学生社発行 1998.7.15
洗足池 大田区観光協会発行のパンフレット 2007.2.

4. 歩いてみて
 洗足池は、丁度一周するのに良い距離で、社などに寄りながら歩くと楽しめます。スケッチに適した場所もあります。また清水窪にも一度は行ってみる価値があると思います。ただ上記の滝は、実際にはポンプで池の水を循環しているようです。

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[Last Updated 1/31/2008]