「螢」ほか


螢(ほたる)・納屋(なや)を焼く・その他の短編
新潮文庫

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    目 次

1.裏表紙の紹介文より
2.(本の)目次
3.あとがき
4.
奧付より

1.裏表紙の紹介文より
 秋が終り冷たい風が吹くようになると、彼女は時々僕の腕に体を寄せた。ダッフル・コートの厚い布地をとおして、僕は彼女の息づかいを感じとることができた。でも、それだけだった。彼女の求めているのは僕の腕ではなく、誰かの腕だった。僕の温もりではなく、誰かの温もりだった……。もう戻っては来ないあの時の、まなざし、語らい、想い、そして痛み。リリックな七つの短編。

2.(本の)目次
螢…………………………………………………………… 7
納屋を焼く………………………………………………… 49
踊る小人…………………………………………………… 81
めくらやなぎと眠る女………………………………………119
三つのドイツ幻想………………………………………… 169
 1 冬の博物館としてのポルノグラフィー ……………… 171
 2 ヘルマン・ゲーリング要塞 1983 …………………… 177
 3 ヘルWの空中庭園……………………………………184
あとがき……………………………………………………189

3.あとがき
 年代でいうと、この短編集に収められた作品のうちいちばん古いものが「納屋を焼く」(57年11月)、いちばん新しいものが「三つのドイツ幻想」(59年3月)ということになる。
 僕はときどき長編と短編のどちらが得意かと聞かれることがあるが、そういうことは本人としてはよくわからない。長編を書いてしまうとそのあとに漠然とした悔いが残って、それで短編をまとめて書き、短編を幾つかまとめて書くとそれはそれで切なくなって長編にとりかかる、というパターンである。そんな風に長編を書き短編を書き、また長編を書き短編を書くことになる。そういう繰りかえしもいつかはさっと終るのだろうけれど、今のところは細い糸にすがるような具合に少しずつ小説を書きつづけている。
 理由はうまく言えないけれど、小説を書くことはとても好さです。
    昭和59年4月25日・夕暮          村上春樹

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4. 奧付より
「螢(ほたる)・納屋(なや)を焼く・その他の短編」
昭和62年9月25日 発行
平成13年5月30日 30刷
著 者 村上春樹
発行所 株式会社 新潮社

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[Last Updated 12/31/2001]