川上未映子、NHKに進出
川上未映子のテレビ出演が続いている。
本を読む前に、作者の写真も見たくないし、経歴も知りたくない。ましてやテレビで見ることはない。しかし彼女の場合、ブログで文章をすでに読んでいるので、心置きなくながめていられる。
「週刊ブックレビュー」では、おすすめ本として竹熊健太郎『篦棒な人々』(河出文庫)を紹介していた。直後から、アマゾンでの売り上げランキングが急上昇。未映子が強者になったことを実証した。
「生活ほっとモーニング」では、未映子の朗読「私はゴッホにゆうたりたい」に合わせて、森山開次の舞踏、坂本弘道のチェロでセッション。
60年代なら、寺山修司と土方巽の組み合わせみたいなものか。もっとアクが抜けているけど。2000年代の文芸復興のきざしなのか。
前は派手な衣装で出演したけど、今回はNHKゆえ控えめな服装だった。それでも、ちょっとした仕草で視聴者を挑発。かなり計算のできる人のようだ。
芥川賞の受賞は、「M−1グランプリで優勝して仕事が殺到」みたいなものか。書いたものを読んだ人が喜んでくれることがうれしいと語っていた。これからのパフォーマンスが楽しみだ。
私は詩など読まないくせに、詩人のほうが作家よりも偉いと思っている。ゆえに、未映子は小説も書くけど、ほんとうは歌う詩人なんだ、と思うことにしよう。
(2008-02-23)
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