散文系の人間なので、詩とか短歌は苦手です。と言いつつ、
モルヒネも効かぬ五月の病床であなたの指に指を絡める
 宮田美乃里、荒木経惟『写真歌集 乳房・花なり』(ワイズ出版)
は、現代の病床六尺かな。歌人・宮田美乃里は3月28日に亡くなった。アラーキーの奥さんもガンだった。

きのう読んだ本で見つけた詩を。
さあ涙をふいて
あたたが花におなりなさい
あなたの花を咲かせなさい
探しても探しても
あなたの花がないなら
自分がそれにおなりなさい
 おぞねとしこ「花」より
花がとくに好きなわけでもないし、名前もよく知らない。だけど「花」の歌が好きだ。「あざみの花」、「花とおじさん」、「りんどうの花」、「サルビアの花」、「白い花」。花には、想いを込めやすいのかもしれない。

(2005-04-01)