地元の秋田に U ターンしてきて 3 年目、色々と秋田弁に関して気づいたことがある。
しかし、気づいたはいいが、その背景やら何やらが全く不明なのである。
当地・秋田ではとっくに終わっているが、
東京などの田舎の方では今日が夏休み最後の日らしいので、それにふさわしく、調べたいことの話をしてみようと思う。
それは、「
〜たくらいにして」。
例えば、
「もっと給料がよかったら、こんなアパートじゃなくてキレイなマンションに住みたいわよねぇ。床はフローリングでぇ、広い台所があって。横の小窓には花なんか飾ったくらいにして。憧れちゃうわぁ。」
という風に使う。「
〜たぐらいにして」とも言う。
この例文からも分かるように、
実質的な意味はないようである。敢えて言えば、昔、流行った「〜したりなんかしちゃったりして」というような感じであろう。このフレーズを取り除いてしまっても意味伝達の上では問題ない。
特徴的なのは、必ず
動詞の過去形が先行することである。上の例にならえば、「
*飾るくらいにして」とは言わない。
俺が高校生だった
10 数年前には聞いたことがない。俺が上京した後に使われるようになった表現であろう。
秋田では、
若い人が使う。
FM で若いパーソナリティが使っているのを聞いたことがあるが、「〜たくらいにして」の前後は標準語だった。
方言だという認識はない様である。語形から考えて、そう思うのも無理はない、という気はするが。
これについては、
@niftyの<日本語フォーラム>で、質問したことがある。
宮城の人から反応があって、「
昔から使われている」ということであった。年配の人が使っているという話だから、随分と古い表現なのであろう。他にも 2・3 個所あたったのだが、何も反応がなかった。
実は、その後で、
宮城出身・古川在住の義弟が使っているのを聞いたので、その時に確認すればよかったのだが、何分、酔っていたのでそこまで気が回らなかった。
残念ながら岩手や山形の人からの情報はないので、どういう風に伝播したのかは不明である。そもそも伝播したものかどうかの確認も取れない。
最近、秋田に流入したのだとすれば、宮城から鬼首を通って、というルートは、ちょっと考えにくいのだが…。
ところが、だ。
義弟の妻、早い話が俺の妹だが、彼女が「高校時代に聞いたことがある」と言うではないか。
南秋 * 方面の人が使っていたので、そっちの方言だと思っていたそうだが…。
なお、彼女は俺より 4 つ下なので、俺が上京して 1〜4 年後の間の話である。
何らかの形で調査すれば分かりそうな気がするのだが、俺には実現不可能。
この謎、なんとか解く方法はないものだろうか。
注:
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以前も少し触れたが、「南秋 (なんしゅう)」というのは、「南秋田郡」
のことである。
南秋田郡 (黄色) は、秋田市 (赤) の北側にある。ちなみに、北秋田
郡 (水色) は南秋田郡の西側から北部まで広がっている。
秋田県南部は「県南 (けんなん)」とよばれる。混同しないように。
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