標準語で言うところの「捨てる」という意味である。
秋田 (多分、東北全域) では、
なにかを「捨てる」行為は「なげる」と言うことに決まっている。
キャッチボールのような行為、これは「投げる」と言っていいことになっている。守備範囲の広い言葉である。
勿論、「ごみ箱に放り投げる」ものに限らず、「せっかく作ったプログラム」や「約束」など、「破棄する」が相当するような場合でも「なげる」ということができる。
こういうことを言うと、余所の人は「それじゃややこしいでしょう」と言うのだが、考えてみて欲しい。ものを捨てる行為と、ものを
投げる * 行為とを混同して話が通じない、というようなケースはちょっと考えにくいではないか。
「
あど、このボール投げるが (もう、このボールは[なげて]しまおう)」
とか、
「
わりども、このゴミなげどいてけね (悪いけど、このゴミを[なげて]おいてくれないか)」
と言ったら、
投げるではなく、捨てるのだと見当がつくであろう。
なに、混乱したら聞き返せばいいのだ。これしきの事で死にゃしない。さすがに「命を投げる」とは言わないのだから。
不幸にも「捨てる」ことを「なげる」と言わない地域の人は、「『捨てる』ことを『投げる』なんて変だ」という。
しかし、中学生のときの記憶を呼び起こし給え。「捨てる」を英語で何と言うであろうか。
そう、“
throw away”だ。
わざわざ「アンダースロー」だの「フリースロー」だののスポーツ用語を持ち出すまでもあるまい。「投げる」という言葉で「捨てる」という動作をあらわすのは、ごく自然なことなのだ。
更に、別の言語を調べてみよう。