連休を使って神戸に行ってきた。
目的は…フェリーに乗ることである。
宮崎港と神戸三宮の間には一日一往復の
フェリーが出ている。去年の秋に就航したのだが、神戸に知り合いがいることだし、その機会を虎視眈々と狙っていたわけだ。
いつでもよかろう、と思うかもしれないが、19:10 出港・翌朝 8:40 時到着というスケジュールだから、始業には間に合わないので、その日も休みでなければならない。つまり、三連休でないとダメなのである。
*1
いや、月曜朝は 7:40 着になるので、頑張ればなんとかならないことはないが、頑張りたくないので時期を待つことにしたわけ。
ポートライナーの中から撮ったので曇っている
神戸は初である。
というか、近畿は、高校の修学旅行で行った
奈良、妹の結婚式で行った
京都、ゴダイゴなどのライブで行った
大阪しか知らない。
その友人の話で、神戸というのが六甲山と海岸線の間、南北に狭い土地であることなどを知った。いろいろと興味深い話をしたのだが、一緒にいた5時間強のうち、3時間半くらいはオタク話をしてたような気もする。
宿泊は
ポートアイランドのホテル。いや、
ゴダイゴファンとしては、ポートピアには行っておかなきゃいけないかと思って。別に何があるわけではないのだが、
UCC コーヒー博物館の図書室で、ポートピア博覧会の図録みたいなのを見つけて、そこでゴダイゴの記事を探したりした。
そういえば、胃が弱いのでコーヒーはカフェインレスだけ、というのを
前に書いたが、もともとカフェインの量が普通のコーヒーの半分しかない「
ローリナ」という品種があるのだそうで、これはちょっと覚えておこうかと思う。
そろそろ言葉の話を書こう。
神戸も他と同じで、あまり方言が聞けなかった。
いや、まったくないとは言わない。三宮駅周辺をうろうろすると、全体に関西風イントネーションだな、という感じはするが、それが薄目である。関西風でない人も結構いる。
友人と一緒に
書庫バーという店に入ったのだが、満席で十人弱の店の中で、はっきりと関西風だったのは一人だけだった。
実は、ホテルにチェックインしたとき、受付の人の発話が全体的に標準語だった中で、一か所だけ関西風になったのに気付いたのだが、どういう言い回しだったか忘れてしまった。残念。
強烈だったのが、三宮からポートアイランドに向かう
ポートライナーという路線のアナウンス。
駅名が後ろ高で統一されていた。
例えば、南公園という駅は家具店の
イケアがあるため「イケア前」というのが付属するのだが、これが「
イケアまえ」である。まるで「池山へ」と言っているように聞こえる。
これぐらいならいいが、
けえこんぴゅーたーまえ (京コンピューター前)
しみんびょういんまえ (医療センター 市民病院前)
みなとじまきゃんぱすまえ (みなとじま キャンパス前)
である。
俺にはものすごく違和感があるのだが、ここまで統一されていると凄いとすら思う。
今、思いついたんだが、こういうのって録音してくるといいんだろうな。
帰り、フェリー埠頭にはタクシーで行った。
運転手は、俺が宮崎行きフェリーに乗ろうとしていることを知ると、「
巨人にはもっとがんばってもらわんといかんで」と言った。宮崎と言えば巨人、ということであろう、と思ってたら「
おっちゃん、巨人ファンやで」と言い出したので笑った。さらに、「
阪神 (ファン)
はやかましてあかんわ」と言う。関西弁で巨人を褒めて阪神を dis ってるのを聞いてておかしくてたまらなかった。いや、もちろん、甲子園にも広島にも名古屋にも巨人ファンはいるんだろうけどさ。
さて、フェリーだが。

いやー、いろいろと面白かった。
眠りが浅くて早朝覚醒の気があるので、寝られるかなーと思っていたら、案の定、ほとんど寝られなかったのだが、それも含めて面白かった。
例えば、埠頭に停泊していると左舷に
ポートタワーが見える。18:30 くらいにはいい感じに暮れてきて、甲板に人が集まり、皆盛んに写真を撮っている。右舷はポートライナーの駅があるくらいで人はほとんどいない。
出港時刻になるとタグボートによって押し出されて方向転換をする。そうするとポートタワーは右舷側になるので人が一斉にそっち側へ移動するのである。それで船が傾くんじゃねぇの、って感じ。あれは可笑しかった。
翌朝の食事は 6:45 に始まるが、6:30 には人が並び始める。よく船旅ではすることがないので食事のウェイトが高まる、と聞くがどうやら本当らしい。俺は本読んだりこの文章を書いたりしてたので退屈はしなかったけども、飯は食うのでそれに並んだ。
搭乗人数に比して食堂は狭いのでどうしても相席になる。俺の向かいに、幼稚園に入るかどうか、というあたりの女の子が座り、俺のカレーをじっと見ている。
やがて母親がやってきて名前を呼んだので、その子がティアラちゃんであることがわかったのが、母親曰く:
何しとんねん、ティアラ。お前、アホちゃうか。
と、せっかくの高級感を台無しにしてるのでこれまた吹き出しそうになった。
睡眠不足には、12人部屋だったせいもあるだろう。これは寝台なので、カーテンを閉めれば一応の閉鎖空間にはなるが、物音は聞こえる。この文章を書いてる時だってタイピングの音には気を付けなければならなかった。寝付けなくて体勢を変える時だって音をたてないように気を遣う。
雑魚寝の大部屋もあるのだが、それだったら一睡もできなかったと思う。高校生の団体もいたし。
シングルの個室を取りたかったのだが、十室しかないので一か月前では既に満室だった。もし機会があったらそれを試してみたい。
何せ今回は、ポートタワーにも異人館にも灘にも行ってない。もともと、そういう観光には興味ない方だけど、帰途で「いくらなんでもなぁ」という気がしていた。
問題は、12 時間ずっと揺られているので、陸に上がってからも体が揺れている感じが続いたことである。収まったのは夕方だった。これじゃそのまま仕事ってのは無理だね。
*1
まぁ、土曜の一便で伊丹空港に行って三宮へ行き、土曜の夜の船に乗って、日曜の朝に帰ってくる、ということもできなくはないが。6〜7 時間しかいられないので、フェリーに乗るのが目的って計画になってしまう。
19:10 出港では、金曜夜に仕事が終わってから出る、というのも難しい。飛行機と同じで、遅くとも 30 分前には乗船手続きを終わってないとダメだから、18 時終業の人は、会社が港に近いとかいう条件でもないと無理だろう。俺がチケットを予約したときは、2時間前に来い、と言われた。港に向かうバスもそんな感じのダイヤになっている。(↑)
"Speak about Speech" のページに戻る
ホームページに戻る
第983夜「にほんごであそびまくり」へ
shuno@sam.hi-ho.ne.jp