『
宮崎あるある (
高木洋志、
TO ブックス)』という新書が書店に平積みされていたので買ってみた。
実は、宮崎のご当地本はほかにもいくつか買ってあって、ネタにしようと手元に置いてある
*1のだが、この本がそいつらを飛び越えて紹介されるのは、これがシリーズで他都道府県のも出ているから。今回を始めに、青森と秋田を順次、取り上げていく予定。
感触としては、ほかの本がそうであったように二週分くらいになりそうな感じなのだが、そうすると一か月半にわたって同じとこの本を取り上げることになり、ちょっとあれかな、と思うので厳選して一週ずつに。
早速、第四章から始まる「宮崎方言あるある」から。
「
汽車」
これはこないだ俺もやらかした。ピアノのレッスンに行ったとき、どうやって来たのか、と聞かれて「
汽車」と答えてしまったのである。
が、向こうからは何の反応もなかった。つまり、「
汽車」が普通に使われている、というのは事実。
じゃ、なんて言えばいいのだ、というのは前にも書いたような気がする。主にディーゼル車だから「電車」ではないしなぁ。内燃機関だからって「汽車」でもないわけだし。
「
ほげる」
「穴」は「
ほげる」ものらしい。初めて聞いた。他動詞形は「
ほがす」。
大辞林には
(1) くずれる。 「砂山が急に−・げて/運命論者
独歩」
(2) 穴があく。 〔日葡〕
なんとなく共通点はある。(2) の語釈が日葡辞書 (1603 年ころ) ということは、結構、古い言葉だ、ということになる。
「
つ」
かなり前に紹介したような気がしなくもないが、「かさぶた」のこと。
語源が全く想像できない。
「
ちゃ」「
ちょ」を多用する。
それは確かにそうなのだが、「改めて文字におこすとほぼ何のことだか分からない」というのがよくわからん。「
なんしちょっとや」であれば「なにをしているのか」の「ている」が変化したのだ、というだけである。
「
ぱやんぱやん」
「しっかりしていない」「うわのそら」だそうだ。なんとなくわかる。「
ぽやーん」あたりであれば秋田でも使う。
「
ぱやん」というのは「馬鹿」という意味だ、という記事が散見される。
「
しょちくれ」
前に紹介した、
宮崎日日新聞の日曜版に乗っている都城狂句会の句でよく見る語。酒飲みのことだというのは前後関係からわかるのだが、このたび「焼酎喰らい」であろう、と見当をつけた。
この本によれば、宮崎市が焼酎消費量日本一だそうで、それはわかるのだが、二位が青森というのにちょっと驚いた。
*2
「『
っ』や『
ゃ』が多いのでスマホでの文字入力が面倒」
ほんとだよ。いや、別に方言じゃなくたって促音・拗音は使うし。あの使いにくいデバイスで無駄に消費されている労力を全世界分、合計したらものすごいことになるんじゃないか。
「交通安全の看板に宮崎弁を使ってしまう」
いや、これは全国的な傾向。
いわゆる「オレオレ詐欺」、今は「特殊詐欺」という語で落ち着いているようだが、これについては各地の警察が愛称をつけている。「
ほだな話嘘だべ詐欺 (山形)」「
たのんちゃ詐欺 (富山)」「
いけん! 送るな渡すな詐欺 (岡山)」など、方言を使ったものも多いが、これって「特殊詐欺」って用語にアピール力がない、ってことだと思うんだけどどうだろう。
「
よざらん」
これも初めて聞いた。「余計な」ということらしい。「
要ざらん」だろうか。
「
読み声」
小学生の宿題の一つで、教科書を音読すること。
俺の小学校でもあったと思うんだが、なんて読んでたか覚えてない。
なんで覚えてないかと言うと、やってないから。「なんで声出して読まなきゃいけないんだ」と思っていた。
自己申告制なので楽な宿題だった、というのはこの本にある通り。
ちなみに「
宅習」という言葉もある。これは、「テーマ自由の宿題」で、俺の小学校では「家庭学習」と言っていた。特に短縮形はなかったなぁ。
宮日のコラムがこの本を取り上げていた。
新聞らしく、インフラ整備に関しては「宮崎ないない」などと表現。
一番ひっかかったのは「九州新幹線の CM『九州がひとつになる』に納得してない」だそうである。確かに宮崎と大分はそうだろうね。
「県の木『フェニックス』を雑に『ヤシの木』と言ってほしくない」
これもそうだろう。もうどこもかしこもフェニックス。
ちなみに、今年
デビュー 30 周年を迎える
浅香唯のキャッチフレーズは「
フェニックスから来た少女」である。
来週は『青森あるある』。
*1
宮崎の部屋はワンルームで手狭なため、基本的に、読み終わった本、MD (!) にダビングし終わった CD はたまり次第、秋田に送っている。
秋田に戻ったら整理しなきゃいかんのかと思うと今から頭が痛い。(↑)
*2
話題の「ふるさと納税」だが、都城市に 50 万円収めると、焼酎が一年分もらえる。
一年分ってどれくらいかというと、「五号瓶 365 本」である。100 万だと、「一升瓶 365 本」。
基準が違う。
(↑)
"Speak about Speech" のページに戻る
ホームページに戻る
第974夜「青森あるある」へ
shuno@sam.hi-ho.ne.jp