「鬼の洗濯板」は宮崎市の青島から日南市にかけて見られる海岸地形である。
「べぶん舌」の「
べぶ」は「牛」だそうである。例によって由来を説明した記事が見つからない。なんで「きりしま」って平仮名表記なんだろう。
秋田弁の「
べご」は、『秋田のことば (秋田県教育委員会編、
無明舎出版)』『語源探求 秋田方言辞典 (中山健、秋田協同書籍)』によれば鳴き声から来たのだそうである。ひょっとしたらこちらもそうかもしれない。
『語源探求』には水芭蕉を指す「
べごのした」という語が載っている。
「
うすでこ」は、ググっても同名の最中しか出てこなくて難渋したが、どうやら西都の伝統芸能「臼太鼓踊り」から来ているらしい。ちなみに「児湯」は「こゆ」と読む。郡名である。
「
いもがらぼくと」は「芋柄木刀」で、外見は立派で勇ましいが実は気のいい宮崎男子のことを言うそうだ。同名の飲食店を橘通りで見たような気がする。
ほかがわからん。
「岬太郎」は串間が含まれているから都井岬にまつわる何かじゃないのだろうか、と思っているのだが不明。民話か、「坂東太郎」みたいな愛称か。
「さんしょの実」も不明。確かに宮崎でも山椒は作られているようなのだが、県北部との明確な関係を見つけられず。ちなみにこれは「けんほく」と読むのであるらしい。秋田でこの単語を使うと「
けんぽく」となる。
「わからん」を言い始めたら、「
べぶん舌」だってわからん。「牛の舌」だから何? これもなんか民話逸話の類がありそうな気がするんだが。
さて、「きりしま」面では毎週日曜日に、方言を使った「狂歌」が紹介される。「都城狂句会」という組織があり、そこが協力しているようだ。
まぁ、これがわからん。
前にも書いたが、都城は旧薩摩藩で方言区画も宮崎弁ではなく薩隅方言、諸県弁である。具体的な違いとしては、東国原前知事の「
どげんかせんといかん」は諸県の言い方で、宮崎市以北では「
どんげ」である、ということは前にも書いたと思う。
それくらいならいいのだが、そのコーナーに出てくる歌には語彙も音韻もはっきりと薩摩弁の特徴が現れている。コーナー名の「
ひねっみろかい」の段階で既に顕著なのだが、それはもう解説を読んでもわからない。
たとえば今日、紹介されていた一句。
何回も読み返してみて、「交際」の「
つっげ」は「つきあい」であろう、と見当がつくようになる。となると、大分、当て字も含まれているに違いない。
それはいいが「可哀想」の「
ぐらし」がわからん。調べたら「
ぐらしか」という形容詞があるらしいことが分かった。意味はそのままで、可哀想、気の毒。となると、「
こっ」は「こと」だろうか。
という具合に、一句解釈するのにものすごい労力がかかる。
なんでだろうね。上に、宮崎県ではあるが言語的には薩摩、なんてことを書いたが、元々がよそ者である俺にとってはなんの違いももたらさないはずだし。尤も、「スケバン刑事 III」で宮崎弁っぽい言葉にはなじんではいるが。
調べてみたら、「
薩摩狂句」というのがあるらしい。鹿児島弁で作るのがルールだとか。その伝統を汲んでいるのであろう。他の地域面でそういうことが行われていないのは、そういうジャンルの活動がないからだと思われる。
毎回、六句くらいずつ紹介されているが、必ず酒がらみの句があるのはさすがと言うべきか。
秋田魁新報の地域面は日替わりだったと思った。名前がついてたかどうかは忘れてしまった。半年もたつと忘れちゃうんだねー。帰省したら久しぶりに読み込んでみたい。
魁は元旦号が厚さ 3cm もの大部になる (そのため専用の袋に入った状態で配達される) のが特徴なのだが、宮日もそうなのかね。
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