Speak about Speech: Shuno の方言千夜一夜



第970夜

おべんとうの時間みたび (後)



 優良書籍「おべんとうの時間」の第三巻に借りた文章、後編。
 何人か、NHK の「サラメシ」に出てる人がいたような気がするんだが、保存してないから確認の方法がない。

 和歌山県みなべ町「うめ課」の公務員。
 ここでは梅干を店で買うと驚かられるらしい。この人は両親とも教師だったから買ってたそうだが、村民の八割が梅関連の仕事に従事してるんだとか。

 前に紹介したこともある、山形県の庄内浜加茂水族館
 今ではくらげですっかり有名になったが、昔は「どうしようもない浜水族館」なんて陰口をたたかれたこともあるんだとか。ひでぇ話だ。

 東京都小笠原村の母島から三人。
 小学校の家庭科のからは「お届け弁」なる言葉が出て来る。
 これは、登校時に子供たちが弁当を持参するのではなく、親が後から学校に届ける形態。かつ、生徒たちに渡すのではなく、入口に棚があって、そこに置いていくものらしい。なんでそういうシステムが出来上がったのかは書かれていない。農作業主体だろうから、朝に作るのは難しい、という事情があったのだろうか。この「お届け弁」なら昼までに学校に持ってけばいいわけだ。あるいは、暑いところだけに、午前中ずっと置いとくと傷んでしまう、ということだろうか。食べる直前に届ければいいわけだし。
 その結果、弁当箱ではなく、皿ものが届いたりすることがあるそうな。楽しそうだな。
 母島観光協会のブログには、そうめんなんて例も挙げられている。「お届け弁」用の棚の写真も載っている。
 生徒の方の話を聞いて驚いたのだが、母島では納豆を食うらしい。一般的に、西または南ではあまり食べないものだから、これにはちょっと驚く。島で作ってるのかな。
 パッションフルーツの写真が載ってるのだが、黄色い部分が辛子に見えて、最初、果物だと気づかなかった。

 宮崎県えびの市の、スケート場の職員。
 昔はよく「唐いも」を食べたらしい。
唐いも」は、さつまいものこと。薩摩ではこう言うわけね。
 ちなみに「唐芋標準語」という言葉がある。Wikipedia によれば、昔は「鹿児島の人が無理に使う標準語」という意味で使われていたが、今は「文体の高い場面で使われる鹿児島弁」という意味だそうな。

 福岡の歯医者さん。
 血が苦手なので、外科医ではなく歯医者に切り替えたが、歯医者も結構、血を見るという。そりゃそうだ (笑)。

 高知県安芸市の養鶏家。
土佐ジロー」って単語がいきなり出てきて、なんだそれ、と思ったのだが、品種名らしい。
 魚の名前として「アメゴ」というのが出てくるのだが、どうやら「ヤマメ」のことのようだ。「アメゴ」自体は単純にググると山ほとヒットする。使用地域が広いということのほかに、方言だと気付いてない人もたくさんいるのではないだろうか。
 あと、「エビ菜」という野菜も出て来る。「うるい」らしい。これは、どっちも知らない。

 最後、鹿児島県屋久島のタクシー運転手さん。
 会社名が「まつばんだ交通」というのだが、「まつばんだ」がわからない。
 ホームページに説明があり、「曼荼羅」の変形らしい、ということがわかったのだが、今イチ要領を得ない。
 で、捜索範囲を広げて見たら、どうやら民謡らしいことがわかった。
 それを再録して CD を出しているアーチストがいるらしい。

 に、この本に載ってる写真では、おかずが多くてご飯が少ない、俺の弁当と逆、ということを書いた。
 実際、その方が安上がりだし作るのも楽なのだが、健康面では問題がある。まずは、飯の器とおかずの器を逆にしてみた。飯の量は減るわけだが、おかずの方はなんとか隙間を埋めないといかんので、最近は練り物を多用している。
 とは言いながら、俺の弁当は日曜日に一週間分を用意して、夜に一日分を詰める、というスタイル。南国の夏場は、木曜日あたりから痛むものが出て来る。煮物系と、おひたしにする茹で野菜系とかがそう。かと言って、これをやめると高カロリーになるし、平日夜に追加する余裕もないし、そもそも独り者が 2〜3 日で消費しきれる量で売られている野菜ってそんなにない。ますます練り物が活躍することになるのだが、なんかいい方法はないだろうか。



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