Speak about Speech: Shuno の方言千夜一夜



第956夜

こまちのぞみさくらきりしま


 今年前半のカレンダーはなかなか厳しい。
「成人の日」で正月疲れのリハビリのための連休が過ぎると、5 月頭の GW まで連休がないのである。途中で「建国記念日」があるものの、これは水曜日であり連休ではない。なお、この文章は「土日が休みのサラリーマン」を基準にしている。
 で、その間がなんと 16 週。週五日勤務の期間が一年の 1/3 近くも続くのである。2/11 を中休みとしたって 11 週、二か月超。
 これというのも「春分の日」が土曜日になったせいである。
 俺は休みを取った。
 別に反骨精神などではない。秋田に帰らなければならなかったからだ。
 俺が宮崎にいる間、車は実家に置いてるのだが、そこは屋根の下で雪が落下してくるところであり、温暖化の昨今でも 1.5m くらいは積るから、置きっぱなしにできない。幸い、車検が一月末なので、ちょっとディーラーにわがままを言って、雪が溶けるまで預かってもらうことにした。それを取りに行かなきゃ、という話。
 ディーラーに持ってきてもらう、という人もいるらしいが、借りっぱなしになってるアパートに風を入れる目的で少なくとも 3 か月に一回は帰りたい、というのもある。
 帰り (秋田行) は飛行機だが、戻り (宮崎行) は冒険した。陸路を行くことにしたのである。
 秋田駅から「こまち」に乗り、東京で「のぞみ」に乗り換え、新大阪で「さくら」に乗り換え、博多で九州新幹線に入り、鹿児島中央で在来線特急の「きりしま」に乗り換えて宮崎へ、というルート。秋田発 8:10、宮崎着 22:28、つまり 14 時間半の行程。周りには呆れてる人もいた。
 行っておくが俺は「乗り鉄」ではないので詳しいレポートはできないし、ホームページの趣旨とも違うのでしない。
 思ったのは、山陽・九州新幹線は意外にトンネルが多い、ということ。乗ってる間、スマホで接続しながらカシャカシャやってたのだが、それが切れまくる。特に、熊本から鹿児島中央まではほとんどトンネルでまったくつながらないので、もうスマホの電源を切ってしまった。*1
 というわけで長い前置き終了。今週は新幹線と方言。

 と言っても、人の会話ではない。月曜だったせいもあるが、周りはほとんど一人のビジネスマンで会話そのものがない。山陽新幹線では、観光と思しいおばさま方がいたが、お行儀がよく、ちょっと離れた俺の席からは詳しい会話が聞こえなかった。
 やかましかったのは、「きりしま」で途中から乗ってきたサラリーマンで、どうも飲んだ帰りらしい。鹿児島中央発 20:23 だから、仕事を終えて 18 時くらいから始めたとすれば、ちょうどいい酔い加減である。それから最寄り駅まで一時間チョイ、というのは都会では珍しくない。しかもこっちはよく空いた特急である。意外にこういう楽しみ方をしてる人はいるのかもしれん。

 期待せずに「新幹線 AND 方言」でググってみたら、開通したばっかりの北陸新幹線と方言の関係について述べている記事がいくつか見つかった。
 こちらは三省堂の“Word-Wide Web”の記事で、金沢のショッピング施設の名前や、セールのキャッチフレーズなとについて触れている。ただ、去年の夏の記事なので、開通で盛り上がっている様子についての文章ではない。
 迎え入れる側の石川、観光ガイドタクシーの認定乗務員になるには方言という観点での審査もあるらしい。
 また、九州新幹線開通による方言の影響、というそのものずばりの研究も科研費で行われているようだ。

 あ、写真が一枚だけある。
 列車の中から駅前の建物を望遠で撮ったものなのでぼやけているが。
   

 今時、観光客が通るところに方言が全くない、ってことはないはずなんで、ちょっと時間を取ってあたりを見まわせば見つかったと思うんだが、なんせ乗り換えの時間が短い。東京駅での 15 分はいいとして、新大阪での 6 分にはちょっとドキドキした。そこで一本ずらす余裕があればいいんだろうが、俺はまず秋田駅にローカル列車で行かなければならないし、鹿児島中央から乗った「きりしま 20 号」は最終の特急だし、ということで選択肢がなかったのである。
 まぁ、楽しかった。
 飛行機では、秋田−羽田/伊丹/セントレア−宮崎とすべての組み合わせ*2を経験したが、「変なルート」としては、大阪まで飛行機で行って神戸からフェリー、というのが残っている。*3

 休日に話を戻すが、来年から始まる「山の日」は 8/11 である。
 休みを増やしたくない経済界に遠慮してお盆に近い日になったらしいが、ここが盆休みになってるサラリーマンには全く恩恵がないし、盆休みがあるためその前後が忙しくなるような人にとっては邪魔なことこの上ない。
 改めてこの日に山に親しみましょう、とか言ったところで、そもそもがハイシーズンだし、一方でお盆だから、泊りがけの登山なんか企てようものなら親戚一同から冷たい視線を向けられるのは必定。
「山の日」を制定することしか考えてなかったんだろうね。



*1
 新幹線車内に WiFi 設備があることは後から知った。コンセントがあるのは知ってたのだが。(
)

*2
 日をまたぎはしたが、秋田−羽田−福岡−宮崎、というのもやった。二度乗り継ぐことを許容すれば、秋田−羽田−那覇−宮崎、とかいうルートもある。金かかるけど。だったら、秋田−千歳−羽田…もあるが、そろそろ「なんじゃそりゃ」って感じがしてくる。
 陸路と空路を混ぜるのであれば、仙台−福岡とかも利用できるが、秋田から仙台空港が遠い。
 
こないだ鹿児島に行ったときに乗ったバスは鹿児島空港に寄るので、これも使えるかも、と思っている。()

*3
 これやると陸海空を制覇したことになるのか。(
)

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